原子核と素粒子
原子核の大きさとクーロンエネルギーの例題
著者:柚木芹香
原子核の
ポイント 原子核の
, , .原子核の
半径 , .電荷
と が距離 離れているときの クーロンの 位置エネルギーは で, を使う. 静止エネルギーは
, .運動エネルギー が の 1 % 程度までなら,ニュートン力学の式 を使ってよい.
例題
例題 1
原子核の
鉄の
原子核 とウランの 原子核 の半径を 求めよ.また,それぞれの 密度を 求めよ. 鉄の
金属の 密度は である.鉄の金属の 体積の うち,原子核が 占める 割合を 求めよ.電子の 質量は 無視して よいことも 確かめよ.電子の 質量は である.
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考え方 体積は
, より,
である.密度は
で,
金属の
体積 の中の 原子核の 全体積を とすると,金属の 質量は ほぼ原子核の 質量 に等しいので,
である.原子1個あたりの
なので,電子の
確かめ:割合の
例題 2
陽子の
中
心間の 距離 の陽子2個の クーロンの 位置エネルギーを MeV と J で 求めよ.また,水素原子の 陽子と 電子(距離 )のクーロンの 位置エネルギーの 大きさを eV で 求め,比べよ. 遠く
離れた 陽子2個を,同じ 速さで 正面から 近づける.核力が 働き始める 中心間距離を とし,そこまで 近づくのに 必要な 陽子1個の 初めの 運動エネルギーと 速さを 求めよ.ニュートン力学で 扱って よいかも 確かめよ. 気体の
陽子の 平均の 運動エネルギー が(2)の値に 等しくなる 温度を 求めよ.
遠く離れた2個の陽子が,同じ速さ v で正面から近づく.下段は,問題で指定された核力が働き始める中心間距離2.0 fmを示す.
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考え方
陽子2個では
である.水素原子では
である.距離の
全
運動量は0なので,最も 近づいた とき2個とも 止まる.エネルギー保存から,1個の 初めの 運動エネルギーを として
である.
である.
より
である.
確かめ:太陽の
例題 3
運動エネルギー
金の
原子核が 動かないと して,α 粒子が 最も 近づいた ときの 中心間距離 を求めよ. 金の
原子核の 反跳を 考えると,最も 近づいた ときの 中心間距離 はいくらか. この
エネルギーでの 散乱は クーロン力だけで 説明できた.この ことから 金の 原子核の 半径に ついて 何が いえるか.また, ( )で2つの原子核の 表面が 接するまで 正面衝突で 近づけるには,α 粒子の 運動エネルギーを いくら以上に すれば よいか.
上段は速さ v₀,運動エネルギー K = 7.7 MeVのα 粒子が,初め止まっている金の原子核へ向かう条件を示す.電荷はそれぞれ2eと79e,質量は4 uと197 uである.下段は未知の中心間距離 d で,両者が同じ速度 V で動いている様子を示す.
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考え方 最も
エネルギー保存から
なので
である.
α 粒子の
質量を ,金の原子核の 質量を とする.最も 近づいた とき両者は 同じ速度 で動くので,運動量保存より である.このときの 運動エネルギーは
なので,位置エネルギーに
である.反跳の
α 粒子は
金の 原子核の 中心から まで近づいても,クーロン力しか 受けていない.核力は 表面が 触れ合う ほど 近づかないと 働かないので,金の 原子核の 半径と α 粒子の 半径の 和は より小さい.つまり が半径の 上限である.
以上が
確かめ:
ポイント ここまでの
原子核の
密度は によらず 約 で,物質の体積の うち原子核が 占めるのは 程度にすぎない. を使うと,fm の 距離の クーロンエネルギーは すぐ MeV で 求まる.原子核の エネルギーは 原子の 倍である.正面衝突で
最も 近づくのは 相対速度が0に なる 瞬間で,標的の 反跳を 入れると を に置き換える. 散乱が
クーロン力だけで 説明できる 最も 近い 距離は,原子核の 半径の 上限を 与える. 運動エネルギーが
静止エネルギーの 1 % 程度までなら,ニュートン力学で 扱える.