原子核と素粒子
原子核の構成と大きさの演習
著者:柚木芹香
陽子数と
演習 1
核の
XとYの
原子番号 ,質量数 を求め,同位体か 答えてください. YとXの
体積比と 電荷の 比を 求めてください.
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考え方 半径比を3乗すると
.陽子と中性子が 同数なので .Yは , となる.原子番号が 同じで 質量数が 異なるので 同位体である. 体積比は
.電荷は両方 だから比は1である. となり,中性子の 追加で 電荷を 変えずに 半径が 増すことも 確かめられる.
演習 2
中性子星を
星の
平均密度と 核物質の 密度の 比を 求めてください. 核物質と
同じ 平均密度で 質量 の球を 作ると,半径は いくらに なりますか.星の 各点の 密度も 分かりますか.
半径R_*,質量Mの中性子星と,半径R,質量Am_0の一様な核物質の球.2つの図の縮尺は共通でない.
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考え方 平均密度は
星では
.核物質では だから .比は となり,質量 の精度に 合わせれば 約1.1倍である. .星の各点の 密度は 求められない.計算に 使った 核物質の 一様性と,星の 平均値の 比較は 別の 仮定である.質量を8倍に すれば 同密度の 半径は2倍と なり,体積の 次元も 合う.
演習 3
核半径の
27 | |
64 | |
125 |
中央の
測定値を 使い,最初の2点から と を決め,3点目を 検証してください.対数を 取った グラフの 軸も 指定してください. と確定した 後,3点目だけで 求める の不確かさを 求めてください.核物質の 密度 の相対不確かさも1次まで で 求めてください.
横軸ln A,縦軸ln(R/(1 fm))に,Aが27,64,125の測定点と半径の誤差棒を置いた図.
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考え方 べき乗の
.よって .3点目の予測は で一致する.指定の 対数グラフでは となる. なので .微分から ,約2.0 %である.評価は が十分小さく,指数と 核子質量の 不確かさを 無視した 場合に 限る.
演習 4
炭素核
準静的に
近づける 外力の 仕事を 求めてください. 中
心間距離を 接触距離の2倍に した 位置までに,仕事の 何割が 必要ですか.核子数を 固定して 片方の 陽子数だけを 半分に した 場合,接触時の 仕事は どう 変わりますか.
半径R_1,R_2,電荷Z_1e,Z_2eの2核.接触前の中心間距離dと,表面が接した配置を並べる.
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考え方 重ならない
距離
の反発力は .接触距離 までの仕事は .したがって である. では なので5割である.陽子数だけを半分に すると,この 半径模型では は同じで 電荷の 積が 半分に なる ため,仕事も 半分に なる.距離を 無限大へ戻すと 仕事は0と なる.これは 電子の 遮蔽と 核力・変形を 省いた クーロン障壁の 見積もりである.
演習 5
陽子2個の
を求め,距離に 依存するか 調べてください. とおき, の最大値と その 距離を 求めてください. の値も 調べ,「強い力なら 遠方でも 電気力に 勝つ」と いう 主張を 検討してください.
中心間距離rの陽子2個と,右の陽子に働く反発力F_E,引力F_N,F_G.矢印の長さは力の強さの比を表さない.
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考え方 逆2乗則どうしの
. が消えるので 距離に よらず,この2粒子の 比較で 重力は 無視できる. とおくと . は で正, で負なので,最大は , である.また , だから,近距離では核力が 勝つが,遠方では 電気力が 勝つ. で比が0に なることも 確かめられる.この 模型は の力を 指定していないので,その 範囲の 安定性や 実際の 核内の 運動まで 結論してはいけない.
ポイント 教える
半径比を3乗する
理由と,電荷を 決める 粒子を 確認させます. 平均密度の
一致から 内部構造まで 決められるか 問いかけます. 測定値の
誤差と 模型の 近似を 区別し,密度の 相対誤差が3倍に なる 理由を 説明させます. クーロン障壁の
高さと 核力の 届く 距離を,別の 量と して 図で 確かめます.