回転と剛体
剛体の平面運動の演習
著者:柚木芹香
ここでは
演習 1
半径
角速度の
大きさと,円板の 頂点および床との 接点の 速度を 求めよ. 円板の
右端と 左端の 点の 速度を 成分で 表し,それぞれの 速さを 求めよ.
床上の円板の中心G,頂点A,接点P,右端B,左端Cと,中心の右向き速度vを示す.各点の速度の答えは描かない.
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考え方 各点の
滑らない
条件から 角速度の 大きさは (時計回りなので ).頂点の回転に よる 速度は 右向き なので,地面から見た 速度は .接点では回転に よる 速度が 左向きなので になる.ただし 同じ 物質点が 床に 居続けるわけではなく,時間が 進むと 別の 点が 接点に なる. 右端の
回転に よる 速度は ,左端では .よって地面から 見ると 右端は ,左端は で,速さはいずれも である.どちらの速度も,接点Pから その 点へ 引いた 線分と 垂直に なる.瞬間回転中心と いう 見方でも 方向と 大きさを 確かめられる.
演習 2
平面内を
Bの
速度と 加速度を 成分で 求めよ. 瞬間回転中
心Iの,Aに 対する 位置を 求めよ.
剛体上の2点AとBを示す模式図.
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考え方 Aを
だから, .加速度は . .ここへ速度の 式を 代入すると になる. は速度, と はともに 加速度の 次元である.
演習 3
長さ
Bの
速度と 棒の 角速度を 求めよ.有限の 位置に 瞬間回転中心は あるか. 点Cは
棒のAからBへ 向かって の位置に ある.Cの 速度を 求めよ.また,棒の 向きは 時間とともに 変わるか.
平行レールに沿う棒を示す模式図.
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考え方 距離一定の
Bの
速度を とすると, より .速度の式の 成分でも より .棒はその 瞬間に 並進しており, なら速度が0の 点は なく,有限の 瞬間回転中心は ない. だからCも の速度である.両端が レール上に ある 限り,鉛直方向の 間隔 と棒の 長さが 一定なので,水平間隔の 大きさも で一定.棒の 向きは 変わらず,並進を 続ける.各点の 速度差が0である ことは,どの2点の 距離も 変わらない 条件と 合う.
演習 4
半径
車輪の
角速度と 角加速度を 求めよ. その
瞬間に 接触している 車輪の 物質点Pの 速度と 加速度を 求めよ. 地上から
見た 瞬間回転中 心Iの,Gに 対する 位置を 求めよ.
動くベルト上の車輪を示す模式図.
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考え方 滑らない
より .したがって , . で時計回りである. , .物質点は次の 瞬間に ベルトから 上へ 離れていくので,鉛直加速度が あってよい.接点の 位置を 追う ことと,同じ 物質点を 追う ことは 違う. . ならIは接点より 下に ある. では床上の 転がりの 式に 戻る. は加速度の 次元であり, では回転が 止まって 有限のIは なくなる( の場合).
演習 5
クランクOAの
Bの
位置 と速度を で表せ.必要なら を使ってよい. でBが瞬間的に 止まる ことを 確かめよ. で,Bの速度と 連接棒の 角速度を 求めよ. で連接棒は 瞬間的に 並進する ことを 示し,この ときのBの 加速度を 求めよ.
角φを操作すると,クランクOAと連接棒AB,水平に動くピストンBの配置を見比べられる.初期角は60°.速度や加速度の答えは表示しない.
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考え方 ABの
Aは
. とおくと .微分して . では両項が0で,ピストンの 折返点(死点)である. ,Aの鉛直速度は .Bの鉛直速度が0だから,連接棒の 角速度 . を用いると, , .Bは左へ 進み,連接棒は 時計回りに 回る. なので ,AとBの速度は ともに で瞬間的に 並進する.ただし角加速度は で0ではない.Aの加速度は だから, .鉛直成分は .速度0と加速度0,角速度0と 角加速度0を それぞれ区別する. は速度, は加速度の 次元である.
演習 6
長さ
と棒の 角速度を 求めよ. Bの
加速度を レールに 沿う 成分で 求めよ.
交差するレールに沿う棒を示す模式図.
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考え方 速度の
より . 成分は なので .Bの
加速度を とする.Aの 加速度は0.加速度の 式と 棒方向との 内積を とると .原点へ向かう 加速度である.ここで はその 瞬間だけの 関係なので, が一定だから としてはいけない. は加速度の 次元を もち, では回転も 加速度も0へ 近づく.
ポイント 教える
速度は
ベクトルで 足し,各成分を 計算してから 速さを 求めさせる. 移動する
ベルトでは,接点の 速度と 地上から 見た 瞬間回転中心を 区別させる. クランクの
角速度と 連接棒の 角速度を 同じ 記号に しない.死点や 並進の 瞬間でも 加速度が 残る ことを 問いかける. 瞬間だけ
成り 立つ式を,時間を 通して 成り 立つ式と して 微分していないか 確かめる.