仕事とエネルギー
ポテンシャル図
著者:柚木芹香
問い
水素原子を2つ,遠くから
考えてみる
遠く
力の
ポテンシャル図の 読み方
物体が1次元の
です.横軸に
ポイント ポテンシャル図の
運動エネルギー:
の線と の曲線の 間の 縦の 幅が,その 位置での 運動エネルギー である.幅が広いほど 速い. 許される
領域:運動エネルギーは 負に なれないので の範囲しか 動けない. 転回点:
となる 位置で 速さが になる. の通常の 転回点では,そこで 向きを 変える. の位置が つり合い 点( )でもある ときは 別で,物体は そこに 静止し続けるか,近づくのに 無限の 時間が かかる. 力:曲線の
傾きの 符号を 逆に した ものが 力の 向きで, である.曲線が右上がりなら力は 左向き,右下がりなら 右向きに 働く.
ポテンシャルと運動の範囲.横軸 \(x\),縦軸エネルギーのポテンシャル図.なだらかな谷をもつ \(U(x)\) の曲線と水平な破線 \(E\) を示している.\(E\) と曲線が交わる2点に「転回点」と書き,その間を「許される領域」として太線で示す.谷の底では \(E-U\) の幅が最大で,運動エネルギーが最大であることを矢印で示す.
読み方は,滑らかな
つり合いと 安定性
力が0の
つり合いの安定性.山と谷が1つずつある \(U(x)\) の曲線.谷の底を「安定」,山の頂を「不安定」,平らな部分を「中立」と書く.少しずれた位置に小さな矢印を示し,力の向きを示す(谷では戻る向き,山では遠ざかる向き,平らな部分では力が0).
谷の
底(極小):少し 右に ずれると の傾きは 正なので力は 左向き,左に ずれれば力は 右向きで,元の 位置へ 戻される.これが安定な つり合いである. 山の
頂(極大):少しずれると 傾きの 符号が 反転し,力は ずれを大きく する向きに 働く.これが不安定な つり合いである. 平らな
部分:ずれても 力が0の ままで,その 位置に と どまる.これが中立の つり合いである.
傾きが0か
定理 安定性の
:極小,安定 :極大,不安定 :これだけでは決まらない(グラフの 形を 調べる)
安定点の 近くは 放物線
安定な
と
です.
つまり,
原子間の ポテンシャル
最初の
原子間のポテンシャル.原子間距離 \(r\) を横軸にとった分子間ポテンシャル \(U(r)\).\(r\) が小さい側で急に立ち上がり,ある距離 \(r_0\) で最小値 \(-\varepsilon\) をとり,\(r\) が大きくなるとゆるやかに0へ近づく.\(E<0\) の破線(転回点2つ)と \(E>0\) の破線(転回点1つ)を示し,\(r_0\) と谷の深さ \(\varepsilon\) を寸法線で示す.
近距離:電子雲の
重なりに よる 強い 斥力で, が急に 大きくなる.曲線は 立ち 上がり,原子が 簡単には 近づけない ことを 表す. 遠距離:弱い
引力が 長く 続き, は負の 値から ゆっくり0に 近づく. 中間:
が最小に なる 距離 では で,力が0になる.ここが「ちょうどよい 距離」であり,安定な つり合いの 点である.
式で
定義 結合
2つの
全エネルギーの
(束縛):運動は の2つの転回点の 間に 閉じ込められ,原子は のまわりを 往復する.これが 分子である. (自由):遠くからきた原子は,近距離側の 転回点で 跳ね返され,そのまま 遠ざかる.結びつかずに 衝突して 離れる.
ここで
分子の
ポイント ここまでの
のグラフに 全エネルギー の線を 引くと,運動エネルギーは ,許される領域は ,転回点は (つり合い点と重なる 場合は 別扱い)と して 読み取れる.力は 曲線の 傾きの 符号を 逆に した もの( )である.つり合いは
の点. なら安定(谷), なら不安定(山)である. 安定点で
なら,近くは放物線で 近似でき,ばねと 同じ 復元力に なる.これが 小さな 振動が 単 振動に なる 理由である(第7章). 問いの
答えは,原子間の が近距離の 斥力と 遠距離の 引力の ために 中間に 谷を もち,その 谷の 底 が安定な つり合いの 距離に なる,である. なら谷に閉じ込められて 結合した 状態に なり(遠くから 近づく 原子が そうなるには,余った エネルギーを 外へ渡す過程が 要る), なら結びつかず 離れていく.