回転と剛体
剛体のつり合いの演習
著者:柚木芹香
力の
演習 1
水平な
反時計回りを
正と して,力の モーメント を求めよ. 同じ
作用点で 同じ 大きさの 力を 加える とき,モーメントの 大きさの 最大値を 求めよ.また,力を 作用線上で 移しても モーメントが 変わらない 理由を 示せ.
水平な棒のOから0.30 mの作用点と,30°右上向きの力20 Nを描く.
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考え方 棒に
鉛直成分は
.したがって である.正の値は 棒を 反時計回りに 回す 向きである ことを 示す.力の 大きさ20を そのまま 掛けると,棒に 沿う 成分まで 数えてしまう. 棒に
垂直な 上 向きまたは 下向きの 力なら,腕が 最大の となり,大きさは .作用線上の移動 は力と 平行なので,トルクの 変化 は0である.棒に沿って 作用点を 動かす 操作とは 異なり,移動先でも 力の 作用線を 同じに 保つことが 条件である.
演習 2
長さ
A,Bから
受ける 力 を求めよ. 小物体を
板上の 任意の 位置 に移すときの 両反力を 求め,板が 支持点から 離れない ことを 確かめよ.
両端A,Bで支える板と,Aからl/4の小物体2M,板の重心Gを描く.
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考え方 Aの
Aの
まわりで だから .合力0より なので .小物体に近い側の 支持点ほど 大きな 力を 受け持つ. 同じ
手順で , .両者の和は 常に である. ではどちらも 以上で,上向きの 反力だけで つり合える.小物体が 端に 来ても,板自身の 重さが 反対側の 反力を 正に 保つ.式から 負の 反力が 出た 場合には,下から 支えると いう 条件に 反し,その 接触を 保つ静止状態は 存在しないと 判断する.
演習 3
水平面内に
合力と
原点Oの まわりの 合モーメントを 求めよ. 任意の
点A のまわりでも 計算し,この2力だけで 静止し続けられるかを 説明せよ.
剛体の上側に右向きF,下側に左向きFを描き,作用線の間隔dと原点Oを示す.
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考え方 逆向きの2力の
合力は
.上側は ,下側も なので である.どちらの力も 時計回りに 回すため,モーメントは 相殺しない.重心は 加速しないが,回転の 変化は 起こり得る. Aに
対する 上側の 位置は ,下側は .合モーメントは となり, は消える.したがって 支点を 選び直しても回す効果を 消せず,この2力だけで 静止し続ける ことは できない.固定具が 静止を 保つなら,固定具は 別に 反対向きの モーメントを 及ぼしている.
演習 4
幅
静止中の
垂直抗力の 作用線が,底面中央から 右へ 移る 距離を 求めよ. 滑り出す力と
転倒を 始める 力を 求め,どちらが 先に 起きるかを 判定せよ.
幅b,高さhの直方体と床,高さyの右向き力Fを描く.垂直抗力の位置は描かない.
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考え方 床の
鉛直方向で
,水平方向で左向きの 摩擦力は .底面中央Oのまわりで,摩擦力の モーメントは0である.垂直抗力の 作用点を 右へ とすると ,したがって .重力はOを通る ため,この 式に 現れない. 摩擦の
限界は .転倒の限界は から . なら先に滑り, なら先に転倒する.等号なら 同時に 限界へ達する.後者では 右下の 縁を 軸と する 重力の 復元モーメント と,押す力のモーメント の比較でも 同じ 結果に なる.これは 最初に 動き出す条件であり,動き出した後の 運動を 静止の 式で 追ってはいけない.
ポイント 教える
モーメントの
記号には 点の 添字を 付け,垂直抗力の 記号と 区別させる. 未知の
力が 消える 点を 選ばせた 後,別の 点でも 結果を 検算させる. 摩擦力を
初めから 最大値に 置かず,つり合いに 必要な 値を 求めさせる. 接触力の
符号と 作用点の 範囲は,式と 同じく 物理的な 条件である.