原子核と素粒子
第31章のまとめ
著者:柚木芹香
この
定義と 法則
定義 原子核の
原子核は
陽子 個と中性子 個からなり, と書く. を原子番号,核子の 数 を質量数と いう. が同じで が違う ものを 同位体と いう. 原子質量単位
は 原子1個の質量の で, である.原子の質量は で量ると ほぼ に等しい. 原子核の
半径は ( )で,密度は によらず 約 である.
法則 4つの
相互作用は
強い 相互作用(核力),電磁相互作用,弱い 相互作用,重力の4種類で,強さも 届く 距離も 大きく 違う.弱い 相互作用は 中性子が 陽子に 変わるような 粒子の 種類の 変化を 起こす. 核力は
核子どうしに ほぼ同じ 強さで 働く 引力で,届く 距離は 約 ,届く範囲では クーロン力より ずっと 強く,約 より近いと 強い 斥力に なる.核子は 隣の 核子とだけ 引き合い,陽子は すべての 陽子と 反発する.
法則 質量と
質量
の粒子は 静止エネルギー をもち, ,運動エネルギーは である.光子は . が 1 % 程度までならニュートン力学の でよい. 全体と
して 静止した 系の 質量は で決まる.保存するのは エネルギーで,質量は 保存しない.束縛された 系は 部分の 質量の 和より 軽い.
定義 質量欠損・結合
質量欠損
,結合エネルギー . は止まった 原子核を 止まった 自由な 核子に ばらばらに するのに 要る エネルギーである.中性の 原子の 質量を 使う ときは を水素原子の 質量 に替える. 反応の
値 は運動エネルギーの 増加(光子の エネルギーを 含む)に 等しい. が発熱反応, が吸熱反応である. 陽子と
中性子の 数が それぞれ変わらない 反応では (自由な核子は ). は反応が エネルギーの 上で 許される ことを 言うだけで,すぐ 起こる ことまでは 言わない.
公式 液滴模型
体積の
定義 放射性崩壊の3種類
α 崩壊:
を出し, が2, が4減る.2体に分かれるので α 粒子の エネルギーは 一定である. 崩壊:核の中で . が1増え, は変わらない.3体に 分かれるので 電子の エネルギーは0から までの連続分布に なる. 崩壊もある. γ 崩壊:励起状態の
核が 光子を 出して 低い 状態へ 移る. どの
崩壊でも 電荷・質量数・ エネルギー・ 運動量が 保存し, のときだけ 自然に 起こる.
法則 崩壊の
まだ
である.
定義 放射能・計数・線量
放射能
,単位 .検出器の
計数は 立体角 と検出効率 の分だけ小さく,バックグラウンドを 引いて 正味の 計数に する.計数 のゆらぎは ,正味の計数 の不確かさは .γ 線は
で減り,半価層は .α 線・β 線は電離で エネルギーを 失い,飛程で 止まる. 吸収線量は
あたりのエネルギー( ),等価線量・実効線量は放射線の 種類や 臓器の 重みを 掛けた もの( ).
法則 反応で
核反応や
ポイント 粒子と
すべての
粒子には 質量が 同じで 電荷などの 符号が 逆の 反粒子が ある.粒子と 反粒子は 対で 生まれ,対で 消え,エネルギーと 運動量は 光子などに 受け継がれる. 陽子は
,中性子は (u は ,d は ).物質の素粒子は クォークと レプトンの3世代で,力は グルーオン,光子,W・Z粒子,重力子(未発見)が 運ぶ.ほかに ヒッグス粒子が ある.β 崩壊は 弱い 相互作用で d が u に 変わる 反応である.
手順
ポイント 原子核の
長さは
,エネルギーは ,質量は で量り,J や kg には 最後に 直す.クーロンエネルギーは を距離で 割る. 反応式では,まず
電荷・質量数(核子数)・レプトン数の 保存を 確かめる.崩壊系列では α 崩壊の 回数を 質量数の 変化から, 崩壊の回数を 原子番号の 変化から 決める. 原子の
質量の 表で を出すときは,両辺の 電子の 数が そろっているかを 確かめる. 止まった
状態から2つに 分かれる ときは,運動量が 等しく 逆向きに なるので,運動エネルギーは 質量に 反比例して 分かれる.重い 反跳核の 運動エネルギーは と小さい. 衝突で
最も 近づくのは 相対速度が0の 瞬間で,止まった 標的の 反跳を 入れると,位置エネルギーや 反応に 使えるのは だけである.しきいは,不変量
を実験室系で 計算し,重心系で 生成物が 止まった 値 と比べて 求める.
主な 公式
, , , ,一様に
帯電した球の クーロンエネルギー: (ウランで約 )中性子1個を
引き離す エネルギー: 代表的な
値: , .ウラン235 の分裂1回で 約 (質量の約 0.08 %),太陽の 水素4個から ヘリウム1個で (約 0.7 %), の融合で α 崩壊の
エネルギーの 分配: ,年代測定:放射能が
今の 植物の 倍なら . の半減期は5730年 親子の
崩壊: , . で過渡平衡, が十分 小さいと 永続平衡 (時定数 で近づく) しきい
エネルギー:非相対論 ,相対論対生成の
しきい: (重い核なら約 ,標的が電子なら ).止まった電子と 陽電子の 対消滅では 光子2個が ずつ連鎖反応:
.減速材の核(質量 )との正面弾性衝突で 中性子の 運動エネルギーは 倍
各題材の 問いへの 答え
原子核の
構成と 大きさ:陽子どうしが 飛び散らないのは, ほどしか届かないが クーロン力より ずっと 強い 核力が 核子の 間に 働くからである.中性子は 反発を 増や さずに 引力を 足す糊の 役を する.ただし 核力は 隣の 核子とだけ,クーロン力は すべての 陽子どうしで 働くので,重い 核ほど クーロンエネルギーの 割合が 大きく,陽子の 数が およそ100を 超える 核は 安定に 存在できない. 質量は
減る:ヘリウムの 原子核が 陽子2個と 中性子2個の 和より 軽いのは,束縛された系の エネルギーが ばらばらの 状態より 結合 エネルギー だけ低いからである.ヘリウムの原子核が できた とき,この 分が γ 線や 運動エネルギーと して 系の 外へ 出ていった. 原子核は
崩れる:大気の は宇宙線に よる 生成と 崩壊が つり合って ほぼ 一定の 割合で,生きている 植物も 同じ 割合で 含む.木が 切られると 取り込みが 止まり, は半減期5730年で 減るだけに なるので,今の 植物との 放射能の 比から 年代が 分かる. 粒子を
作る,粒子を 消す:対消滅で 消えたのは 電子と 陽電子と いう 粒子の 形で,エネルギーと 運動量は 反対向きの2個の 光子に 引き継がれ,電荷と レプトン数は 反粒子を 負に 数えれば はじめから0で 変わらない.化学の「原子は 消えない」は,反応の エネルギーが 静止エネルギーより ずっと 小さい 場合の 近似だった.
この 章で 使った 数学
原子核の