ゆらぎと拡散(発展)
熱放射の数学:4乗則を線形にする
著者:柚木芹香
放射の
定理 数学の
物体の
と
に
の
室温
練習. (1)
答え:(1)
例題
例題 1
太陽光に
半径 R の惑星に平行な太陽光が当たる.光に垂直な影の円板の面積は πR²であり,入射 S₀πR²のうち割合 A は反射され,残りの S₀(1−A)πR² が吸収される.自転が速く全球が同じ温度 T になる場合,赤い矢印で示す放射は表面積4πR²の全球から出て,σ_SB T⁴·4πR²となる.放射面積は受光面積の4倍である.
自転が
速くて 全球が 同じ 温度 になると して,吸収と 放射の つり合いから を求めなさい. での数値と, での数値も 出しなさい. 逆に
自転が とても 遅く,太陽に 正対する 点の 近くだけが その 場で つり合うとする.その点の 温度を (月)で求めなさい. 地球の
地表の 平均気温は 約 で,(1)の値より 高い.何が 足りないか 述べなさい.
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考え方 受け取る
吸収は
,放射は で,等しいとおくと
である.
その
点では 受け取る 面積と 放射する 面積が 同じなので ,すなわち .(1)の が無いので 倍高い.月の昼が 近く,夜が 台になるのは,熱を 全球へ 配る 手段が ないからである. 大気である.大気は
可視光を ほとんど 通すのに,地表が 出す赤外線は 吸収して 一部を 地表へ返す.地表の つり合いには その 分が 加わるので,地表は(1)より 高温に なる.(1)の は,惑星が宇宙へ出す放射の 温度に あたる.
例題 2
半径
初め350 Kの球を293 Kの静かな部屋に置く.左の緑の矢印は対流 hSΔT,赤い矢印は正味の放射 h_r SΔT を示す.右は320 Kで放射を線形化した指数近似 T(t)=293+57 exp(−t/τ) による冷却曲線である.磨いた面 ε=0.10 の時定数は約1.9×10³ s,黒く塗った面 ε=0.90 は約1.1×10³ sで,どちらも293 Kへ近づく.各時定数で温度差は初期の1/eとなり,温度は約314 Kである.
球の
中の 温度を 一様と みな してよいか,内部の 均一化の 時間と 冷える 時間を 比べて 確かめなさい. 磨いた面と
黒く 塗った 面に ついて,冷え方の 時定数を 求めなさい. この
球を,代わりに 厚い断熱板を1枚はさんで 冷却器に つないだと する.どこが 律速に なるかの 違いを 述べなさい.
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考え方 表面での
熱拡散率は
で,内部の均一化の 時間は である.下で求める 冷える 時間は の桁なので,内部は つねに ほぼ一様と みなせる. が1よりはるかに小さい,と 言っても 同じである. なので,磨いた面は ,黒い面は である. , だから
より,磨いた面は
いまは
内部の 伝導が 速く 表面での 受け渡しが 遅いので,表面の 係数だけで 時定数が 決まった.断熱板を はさむと 板の 熱抵抗 が表面の 抵抗 を上回り,こちらが 律速に なる.直列の 抵抗の うち 大きい ほうが 全体を 決める.
ポイント ここまでの
温度差が
小さければ4乗則は 線形化でき, , .室温の で ほどと,自然対流と同じ桁である. 表面での
受け渡しは にまとめ,冷え方の 時定数は .内部を一様と みなせるのは,均一化の 時間 がこれより ずっと 短い ときである.どれが 律速かは,直列の 抵抗の 大きい ほうを 探せば 分かる. 平行光線を
受け取る 面積 と放射する 面積 の違いが,惑星の 平衡温度の の出どころである.アルベド で ,正対点だけなら 倍になる.