熱力学の総合演習
サイクルの効率とエントロピーの収支
著者:柚木芹香
一巡の
総合演習 4
排水の
断面積
初めは
液柱の
つり合いから,I〜IVの 気体の 圧力と 温度を 求めてください. 各区間の
と の関係を 求め, - 図を描いてください.一巡で 気体が 外へする 仕事 を求めてください. 吸熱だけを
足して と効率 を求めてください.水槽間の 水の 位置エネルギー増加を 有効仕事 とし,装置の 効率 と比較してください.さらに 受水面を 排水口まで 上げた 理想極限で,両効率を 比較してください.
状態I〜IVのピストンと液柱を並べる.注水口の高さは2ℓ,排水口は5ℓで,状態IとIIには同量の水があり,IIIとIVには水がない.下の水路図は共通の高さ尺度で水面2ℓの注水槽,受水面4ℓ,排水口5ℓを示し,排水後の落下を描く.
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考え方
水深が
水深
なら . とおくと,IとIIは水深 ,IIIとIVは水なしなので,圧力は 順に である.水の量が 変わらないI→IIでは 水面と ピストンが 同じ 距離だけ 上がる ため,IIの .体積は順に となる.物質量は 一定で だから
とすると,各経路は
である.排水中の
一巡で
I→IIは
定圧膨張なので を吸収する.ここでは を一定とした.排水中は より
放出熱の
両水槽の
解答図.p/qとV/(Aℓ)で描いたサイクルはI=(1,3),II=(4,3),III=(5,2),IV=(2,2)を時計回りにたどる.排水辺のV=35Aℓ/8までを吸熱の青で,その後と圧縮辺を放熱の赤で示す.一巡の仕事3qAℓは,有効仕事2qAℓと排水後の落下での散逸qAℓに分かれる.
総合演習 5
混合の
断熱した剛体容器の
仕事を
取り出さずに 仕切りを 抜いて 直接混ぜた 場合の 終温 ,分圧,全圧,気体全体のエントロピー増加 を求めてください. 同じ
初状態から 膜と 可逆機関で 断熱的に 混ぜ,両成分が 共通温度で 全体積を 占めるまで 最大仕事を 取り出します.全エントロピー一定から 終温 と最大仕事 を求め,上限を 実現する 操作も 説明してください. 直接混合で
取り逃が した 仕事と,終状態に 残る 内部エネルギーの 差を 比較してください.さらに 理想熱源 を使い,両方式を 同じ 混合状態 へそろえる 場合の 最大仕事を,自由エネルギーの 言葉で 表してください.断熱の 場合の をそのまま と置けない 理由も 示してください.
初状態の左室は気体Aがν mol,V₀,2T₀,2p₀,右室は気体Bが同じ物質量と体積でT₀,p₀である.固定された断熱外壁の中で,仕切りを抜く直接混合と,半透膜・可逆機関から軸仕事を外のおもりへ渡す経路を並べる.終温はそれぞれ未知のT_dとT_rで示す.
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考え方
第15章の
直接混合では
熱・仕事の 授受が なく,初めの 内部 エネルギーは .終状態では なので である.各成分が に広がる ため,分圧は ともに ,全圧は .異種の理想気体では 各成分の エントロピーを 足し,成分ごとに 可逆な 温度変化と 膨張を 計算用の 経路に 選ぶと
実際の
終温
でのエントロピー差は (1) の を に替えればよい.断熱で .これは とともに増え,仕事 は減るので, が最大仕事を 与える.
終温は
実現方法は2段階に
直接混合の
仕事は0で,可逆混合との 差は .取り逃がした 仕事は 直接混合の 内部 エネルギーに 残る.両終状態の 温度・エントロピーが 違う ため,これを と置く ことは できない.
環境熱源を
可逆断熱混合後のrからdへ
の
総合演習 6
風の
地球を
大気循環を
吸収する
熱流率 ,全球面積あたりの熱流率,有効放射温度を 求めてください. 吸収全量が
この 高温側から 低温側へ 運ばれると いう 仮定で,風を 生む仕事率の 上限 と地表面積 あたりの上限を 求めてください. 風の
運動エネルギーと 散逸時間から 生成仕事率 を見積もり,上限との 比を 求めてください.さらに 吸収熱の 割合 だけがこの 循環を 通る 場合,風の 維持に 必要な の下限と,比に 強く 効く 不確かさを 説明してください.数値は 有効数字2桁に してください.
太陽光を受ける断面積πr_E²と,赤外線を出す全球面積4πr_E²を区別する.吸収した熱が高温側T_Hと低温側T_Lの間の熱機関を通り,仕事として風の運動エネルギーを生む経路を示す.風は散逸時間τで地球内の熱に戻る.
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考え方
第18章の
受光面積は
,放射面積は なので
放射平衡の
より, .全球で割った 上限は , あたり である.大気の2温度間の上限である.高温側を 上げても 低温側を 下げても 上がる. 定義された
速さを 使い, .定常の生成仕事率は
面積あたりでは
循環に
比は