熱力学の総合演習
分子の分布から巨視的な量へ
著者:柚木芹香
分子ひとつ
総合演習 7
仕事を
断熱した剛体容器を
は温度に よらないとします.関係 から,内部エネルギーの 体積依存項 を導いてください. 自由膨張の
と温度 降下を 求め, が冷却式に 現れない 理由と 準静的断熱膨張との 違いを 説明してください. 窒素で
, , , , , とします.等分配則から を選び,冷却と 可逆経路に よる エントロピー変化を 計算してください. , を使います.
仕切り除去前には気体が体積V₁を占め,残りは真空である.除去後には同じ物質量νの気体が全体積V₂へ広がる.外壁は断熱した剛体で,右図の破線は初め真空だった領域を示す.温度T₁とT₂の大小は図では指定しない.
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考え方
保存される
偏微分は
物質量を 固定して行う.状態方 程式の 温度微分を 代入すると
したがって,体積に
外壁は
固定され,膨張する 先は 真空であり,他の 仕事も 与えないので .断熱条件から ,第一法則は を与える. として
分子を
途中に
この
温度域の 窒素では 並進3・回転2が 有効で 振動は ほぼ凍結し,熱 運動の5つの2乗項から と近似する.よって
引力エネルギーは1モルあたり
エントロピーは
実際の
総合演習 8
流出粒子の
温度
で平均流出数 と1分子の流出確率 を求めてください. 二項分布から
, , 一定の極限を とり, と標準偏差を 導いてください. を使えます.各流出分子を 独立に 確率 で検出した 個数 にも適用してください. 読み出し値
の雑音 は と独立,平均0,標準偏差2個分です.個数ゆらぎの 分散は 雑音分散の9倍以上,その 標準偏差は 平均検出数の10 %以上とします.時間窓の 範囲を 求め,長く 測れば 有利か 論じてください.検出後に 応答できない 時間 の影響も 見積もってください.
希薄な気体が面積Aの小孔から真空へ流出し,流出数Xのうち検出確率ηで検出された数をK,雑音eを含む読み出し値をYと区別する.棒グラフは共通の長さΔtの時間窓で得るKの模式的な標本で,問題の数値解答や実測データではない.
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考え方
流出を
数密度は
,平均の速さは .平均流出率を とおくと なので, 個となる. 個に対して
1分子の
流出なら1,残れば0の
変数 で と書く.各平均は ,分散は .独立な和の 分散を 足して
と
検出の
独立性から
, .粒子の分散の 条件は ,相対ゆらぎの条件は ,つまり . より
総合演習 9
圧縮中に
二原子理想気体を,摩擦なく
とします.零点エネルギーは
第一法則から
温度依存の 比熱を 含む断熱の 関係を 導き,振動の 項を 積分してください. , と置くと 便利です. , , の終温を 求め, 固定と初温での 固定による 終温の 相対誤差を 比べてください. と で , に戻る ことを 確かめてください.振動を 無視した 終温の 誤差を1 %以下に する 条件を,比熱の 積分で 表してください.初温での 凍結だけで 十分ですか.
θ=1000 K,T₁=150 Kの設定で,温度依存の比熱模型,γ=7/5固定,初温でのγ(T₁)固定を比較する.上段はモル比熱Cᵥ/Rと温度T,下段は可逆断熱圧縮中のT/T₁と体積比V/V₁である.体積比は対数軸で1から1/10までを示し,本文で問うV₁/64の終温は表示しない.曲線は各模型から計算した.
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考え方
温度が
理想気体では
.断熱・可逆で , を入れ, で割ると .両端まで積分して
を
振動の
よって
これは
, を入れ, を解く.左辺の 温度微分は なので根は一つで, , , となる.
比熱一定の
では より .振動の運動・位置の2項が 有効と なり, , . では なので , .後者は回転が まだ 有効な 範囲で 振動だけが 凍結する 極限であり,実際の 気体の 絶対零度まで 延長する ものではない.
圧縮に
今回の