熱力学の総合演習
輸送と放射で温度を決める
著者:柚木芹香
温度が
総合演習 10
排気を
体積
直径
の排気口に ついて, と で と を求め,自由分子領域か 粘性流の 領域か 判定してください. 自由分子領域で,薄い口の
面積は ,口の向こうの 圧力 は一定です.両側は 同温度,片側からの 毎秒の 流出数は です.正味流出から の式を 導き, のときの 時定数と,初圧 を (1) の低い 圧力とした ときの100分の1への 時間を 求めてください. 薄い口を,同径で
長さ の管と,排気速度 のポンプに 置き換えます.壁で 拡散反射する 長管の 透過確率は です.管内の蓄積を 無視し,実効排気速度 と100分の1への排気時間を 求めてください.管径を 半分に する 場合と,ポンプの 速度だけを10倍に する 場合を 比べ,装置の どこが 支配するかを 説明してください.
左は容器圧pの気体が直径dの薄い口を通って出口圧pₚの領域と行き来する配置である.右は同じ直径dで長さℓの管をポンプにつないだ配置で,pₚは管出口・ポンプ入口の圧力である.青と緑の矢印は正逆の分子流を表し,矢印の長さは流量を表さない.
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考え方
第15章の
より である.低圧では , なので自由分子領域である.高圧では , なので粘性流を 考える. は遷移領域で,自由分子模型は に限る. と置くと,正味の 流出数は である.等温・体積一定なので から
一定の
管の
輸送係数は
である.毎秒の
管内の
管径を
総合演習 11
粒子と
恒星内部の
放射の
と
分子運動論から
気体圧 と放射圧が 等しくなる 数密度 ,質量密度 ,各圧力 を求めてください. 太陽中心の
目安 , と,比較用の仮想点 , で両圧力と 比を 求め,支配する 機構を 判定してください. 気体の
エネルギー密度を 導き,放射の エネルギーを その1 %以下に できる 条件を で書いてください.(2) の 両点で 確かめ,等圧点での エネルギー比も 求めてください.放射圧が 気体圧の1 %以下なら,エネルギーも 省略できますか.
上段は共通温度Tの陽子・電子と等方的放射を含む小領域の模式図である.下段の両対数T–ρ平面には,気体圧と放射圧の等値線p_g=p_rと,放射エネルギーが気体の1 %となる境界u_r/u_g=0.01を,本文に与えられた定数と完全電離水素の模型から描いた.後者の境界より高密度側で放射エネルギーを省略できる.AとBは本文の比較点である.
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考え方
第15章の
理想気体で
である. より
全圧は
を代入すると,圧力比は
である.計算値は
点 | |||
|---|---|---|---|
A | |||
B |
Aでは
陽子・電子の
並進に 等分配則を 用いると である.したがって
条件は
気体圧の1 %以下まで
総合演習 12
回る
半径
表面温度が
一様な 場合の 平衡温度 を, を含めて 求めてください. 熱伝導率
, とします.熱拡散率 ,壁内部と周方向の 拡散時間,放射緩和時間を 求め,均温近似を 検討してください.放射面積を ,全熱容量を とします.伝導を落とした 局所周期模型で,吸収量から 温度幅の 上限も 求めてください.表面部分への 日射は です.同じ形と
熱容量で , とします.昼の正対点の 局所平衡温度を 求めてください.夕方 の部分を,周方向伝導を 落と して 夜の 半周期冷やし,明け方の 温度と 昼夜差を 求めてください.有限時間で 温度を0と 置けるか,伝導を 省く 条件も 論じてください.
側面図は太陽光に垂直な円筒軸と長さℓ,受光・放射する側面を示す.断面図は半径r,太陽光に対する投影幅2r,拡大した壁厚L,断熱した内面を示す.赤い点は追跡する表面部分で,自転周期P_rに従って受光する昼と非受光の夜を交互に通る.放射は昼側と夜側の両方から出る.端面や寸法比は省略した.
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考え方
第18章の
太陽へ
向けた 投影面積は ,放射面積は である.従って より
を放射の 式へ 代入し, で線形化すると,放射係数は となる.小さな 温度ずれは に従うので
である.
一様近似の
である.放射損失を
正対点で
とすれば である.低伝導率では熱拡散率 ,壁内部の時間は ,周方向は となる.壁内部は 同温度と 扱えるが,円周全体への 均一化は 遅い.昼の 日射の 変化の 目安は で,その温度での 放射緩和時間約 より長く,昼の 中央付近で 局所平衡を 使える.
夜には
夜