熱力学の総合演習
東大の熱の過去問を発展させる(1)
著者:柚木芹香
熱の
総合演習 13
弁を
水平シリンダーの
に固定して 断熱し,弁を 開きます.平衡後の 温度・ 圧力・仕事,解除直後の 運動方向を 求めてください. 弁を
開いたまま 理想熱源 に接し,固定を 解除します.摩擦なし,散逸は 気体内部だけとします.再平衡の ,仕事 ,吸熱 を求めてください. 同じ
初終状態を 可逆等温経路で 結ぶ 仕事 と,実際の全エントロピー生成 の関係を 求めてください.
自然長に対応するピストン位置はx=0,初期位置はx=aである.左の固定端から伸びたばねはピストンを内向きに引く.ピストンは固定され,弁の先の体積Aaの固定容器は真空である.
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考え方
弁を
初めの
状態方 程式は .固定中の自由膨張では で,理想気体の内部 エネルギーは 温度だけで 決まるから 温度は のままである.全体積が から になるので,圧力は .ピストンを内へ押す力は であり,気体の外向きの 力より 大きい.解除直後は 内向きに 動く. 終状態では
全体 積 ,圧力 である.温度が初めと 等しいので
も
初終の
同じ
物質量の 気体の 両端を 結ぶ 可逆等温経路では,利用できる 体積が から に増えるので
これは
弁を
総合演習 14
蒸発の
鉛直筒の
一定の
と
上昇開始の
温度と,停止時の 蒸気量・残液を 求めてください.停止までの 吸熱を 昇温と 蒸発に 分けてください. 体積を
固定して まで加熱します.全蒸発の 境界温度の 式を 立て,最終状態が 相共存か 全蒸気か 判定してください. 追加熱量を
求めてください.定圧の 潜熱を 内部エネルギー差に 使う 誤りと,液体体積を 無視する 条件も 説明してください.
液体だけの初期状態,相共存してピストンが上昇する状態,止め具に達して体積Vsに固定された直後の状態を並べる.ピストンの上は密閉された真空である.下のグラフは与えられた飽和圧ps(T)と負荷圧pbの関係を示す.
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考え方
自由に
初温で
なので蒸気は ピストンを 持ち上げられない.液体を 温め, となる で上昇が 始まる.その後は で相共存し,蒸発に よって 体積が 増える.停止時の 蒸気量は
液体は
合計は
液体が
残れば 蒸気量は である.残液がなくなる 温度 は
を
前者が
液体の
体積を 無視すると, で1 mol の蒸発に よる 内部エネルギー差は である.第一法則で定圧蒸発の 仕事 を差し引いた 結果である.実際の 途中の 熱を 置き換えるのではなく,初終の 状態量 をこの 差で 計算する.残液の 気化と 全蒸気の 昇温,容器の 昇温を 足せば
体積仕事は0で,合計の
総合演習 15
液体を
底の
右を
に保ち左を ゆっくり加熱します.右への 液体移送体積 で両気体の 体積・ 圧力,左の 温度を 表し, の状態 H の 値を 求めてください.移送の 粘性抵抗は 無視します. H までの
両気体の 仕事と 熱 を求め,仕事の 和を 液体の 位置エネルギー増加と 照合してください. H で
弁を 閉じ,左を 理想熱源 で冷やします.次に 両気体を 熱源に 接して 弁を 開き,流れが 内部で 散逸して 静止まで 待ちます.元の 状態へ 戻るか 判定し,H から 復帰までの 熱源の 受熱と 全エントロピー生成を 求めてください.外への 仕事と 液体の 熱容量は 無視し,液体の 散逸エネルギーも 熱源へ 逃げるとします.
液面断面積は左A,右2Aであり,上部の気体はそれぞれ密閉されている.左から右へ液体体積zを移すと,左液面はz/A下降し,右液面はz/(2A)上昇する.底の管には弁があり,左に加熱部,右に温度T0の熱源を描く.
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考え方
静水圧の
液面の
高さの 差は となる.同じ高さの 液体圧力を 等しく すると
右の
, から
右は
と
左が
弁を
閉じた 冷却後は,左の 圧力が ,右は である.右の高い 液面から 左へ 流れ始める.両気体が の終平衡では
許される
気体の
有限温度差に
総合演習 16
熱で
鉛直シリンダー C の
弁開放後の
温度・ 圧力と,ゆっくり加熱して C が 上昇を 始める Z の 温度 ,必要な熱を 求めてください. Z から
可逆に 加熱し,C の 体積が になる F の 圧力・温度,仕事の 内訳,吸熱 を求めてください. Z で
弁を 閉じ,D の 留め具を 外して ピストンを 速く 上下に 駆動し,元の 位置で 再固定します.気体への 正味の 仕事 による D の 温度と,再接続後に 断熱で F へ 至る ための を求めてください.散逸は 気体内部だけです.Z から F までの 全エントロピー生成を 加熱の 道と 比べてください.
上昇を始める状態Zでは容器Cの気体体積がB,容器Dが2Bで,弁でつながる.Cの上側は真空であり,天井のばねは自然長である.Cが上昇するとばねは圧縮され,下向きに力を及ぼす.Zからの可逆な加熱経路と,Dのピストンを上下に駆動して再接続する経路を分けて示す.
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考え方
全気体を
初め
.断熱自由膨張は なので,温度 ,圧力 となる.C は 重力が 気体の 力より 大きく,下の ストッパーに 支えられる.上昇開始は ,全体積 だから . を一定と して,必要な 熱は である. とすると,つり合いは .F は全体 積 ,圧力 で, より .
仕事は
Z で D には
mol がある.断熱の 第一法則から ,従って .速い上下 運動には ポアソンの 式を 使えず,初終の 体積が 同じでも 仕事0にはならない.C は Z の ままである.
再接続後の
Z と F では
仕事に
総合演習 17
仕切りが
全体
初めの
力と,最大速度での 左右の 状態の 関係・両体積を 求めてください.最大の 条件は 理由も 述べてください. 最大速度での
両温度と 速さを 求めてください. , , , , , でも計算してください. 最大速度の
位置で 止まりますか.無視した 非一様性・散逸と,一様性の 条件を,気体の 長さ ,音速 ,運動時間 で説明してください.
密閉された全体積4Vcの筒を,質量Mの断熱ピストンで分ける.初期の左室は物質量ν,体積Vc,温度2T0,右室は2ν,3Vc,T0である.固定具を外したあとの右向き変位xを青い矢印で示す.
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考え方
力が0の
初圧は
, なので,力は右向きに .左の膨張で は下がり,右の 圧縮で は上がる. が正から 負に なる 点,すな わち が最大速度の 条件である.圧力差は 変位に 対して 単調減少するので,最初の 等圧点で 最大と なる.両側の ポアソンの 式から
比熱一定の
より
初めピストンは
数値は
加速度0でも
速度は 正で,慣性で 通過してから 減速する.散逸を 除いた 模型では 往復を 続け,自然に 静止する 終状態は 予測しない.実際には ピストン付近の 圧縮波,流れ,圧力・温度の 空間的な 不均一が 生じる.(2) は,その 巨視的な 流れの 運動エネルギーを 無視している.粘性や 乱れに よる 散逸は 気体を 加熱し,エントロピーを 生成するので,断熱の 壁でも 一定とは限らない.
一様な