確率振幅から組み立てる量子力学(発展)
2状態系の準位と遷移の演習
著者:柚木芹香
準位の
演習 1
2地点間を
と に行列を 掛け,エネルギーと 規格化した 定常状態を 求めよ. から出発した ときの と,最初の完全移 行時刻を 求めよ.
場所1,2に対応する直交基底|1⟩,|2⟩を示す.各対角成分はE₀で,2地点の結合は−Aである.固有準位と遷移時刻は描かない.
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考え方 定常状態に
行列を
掛けると それぞれ , .したがって のエネルギーは , は である. より
よって
演習 2
外場中で
行列式から
準位と その 間隔を 求めよ. 下の
定常状態の 振幅比 を求めよ. でどちらの 場所の 確率が 大きいか. が十分 小さい 場合の 準位間隔を2次まで 求めよ. を使ってよいとします.
外場中の2基底の対角成分E₀+δ,E₀−δと結合−Aを同じ高さの箱に示す.δの符号に応じた準位の大小は描かない.
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考え方 対角差と
なので, とおけば .準位間隔は ,外場で広がる. は単位行列である. 下の
準位では より . なら なので場所2の 確率が 大きい. .2次の補正に 対する 捨てた項の 比は 程度で, が必要である.
演習 3
未知の2状態系で
とおき,連立方 程式から を導け. 測定値から
を推定せよ.最大値が1未満なのは が小さいためか.
P₂対tの座標に初期点(0,0)と,測定された最初の最大t_m=2.0×10⁻¹¹ s,P_m=0.64を示す.測定点を結ぶ曲線は描かない.
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考え方 周期と
, .後式を微分すると .両式を代入して .初期条件は なので , . より .丸める前の を用いて, , . なら, は周期だけを 変える. であり,粒子は失われていない.
演習 4
水素分
とします.正の
下の
準位と 平衡距離の 有無を 求めよ. 平衡距離と
結合 エネルギーを 数値で 求めよ.分離した 極限を 基準とします.上の 準位にも 極小は あるか.
距離Rの2陽子と左右に局在する電子基底を示す.対角成分E₀+2A₀x²,反発項2A₀x²,結合−A₀x,x=e^{−R/a}は問題で与えられた成分である.
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考え方 下の
対称な
状態の エネルギーは . より .停留点は , .そこで なので安定である. , .結合エネルギーは 正の .上の準位は , で,極小はない.遠方で 両準位は に戻る.
演習 5
静磁場に
とします.
と変数を 変え,行列を 求めよ. , とおき, にある 確率を 求めよ. 共鳴時の
最初の 完全移 行時刻を 求めよ. での最大確率も 求めよ.
時刻0の|+⟩を,静磁場とそれに垂直な面で回転する磁場の領域へ入れる.磁場を緑の矢印で示し,回転の角振動数ωとz方向の分析を付す.
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考え方 回転する
代入すると
, .行列は である. より . なので .位相の絶対値は1なので
共鳴では
, ,最初の完全移行は .指定のずれでは なので最大値は .この行列に 対して 厳密で, の小ささは 不要である. なら遷移は 起こらず, の次元は 角振動数である.
ポイント 教える
基底と
定常状態,周期と 移行時刻を 区別させます. 対角差が
最大確率に どう 現れるか 問います. 周期と
振幅から 模型を 決めさせます. 完全移行の
条件と 模型の 限界を 問います.