第26章 電磁波(発展)
01真空を伝わる電磁波
問い
音は
この
ポイント 第26章で
記号 | 意味 |
|---|---|
電場,磁場(磁束密度) | |
真 | |
波長,振動数,角 | |
波数. | |
正弦波の | |
場の | |
1周期に | |
ポインティングベクトル(第24章,単位 | |
電磁波の | |
複素振幅.電場を | |
電気双極子モーメント,放射される | |
屈折率(最後の | |
右手系の |
面積は
考えてみる
波と
手が
突然流れ始めた 電流が 作る 場
初期状態では波面が板の右側にあり,電場Eは−y向き,磁場Bは−z向きである.同じ領域をxy平面とxz平面から示し,破線の長方形の道が波面をまたぐ.丸の中の点は手前向き,十字は奥向きを示す.時刻tを増すと波面x = vtが右へ進み,場の領域が広がる.
対称性から,磁場は
まず
です.次に
です.2つを
で
この
電磁波の 性質
電荷も
が
法則 真
真
速さは
どの 波長でも で, .電場と
磁場は 進む 向きに 垂直で(横波),互いにも 垂直で, が進む 向きを 向く. 各点・各時刻で
.
横波である
第24章で
名前 | 波長の | 例 |
|---|---|---|
電波 | ラジオ,携帯電話,電子レンジ( | |
赤外線 | 体温の | |
可視光 | 赤から | |
紫外線 | 日焼け | |
X 線・γ 線 | レントゲン,原子核から |
エネルギーと 強さ
第24章の
正弦波
です.大気の
運動量と 光の 圧力
電磁波が
が
ポイント 光の
強さ
すべて
吸収する 面で ,すべて
正反対に 反射する 面で (運動量が逆向きに なるので 変化は2倍).
斜めに
太陽光の
電子レンジの 中の 定在波
金属の
初期状態はt/T = 1/8で,右へ進む入射波と左へ進む反射波の和に定在波ができている.3段の縦の尺度は共通で,金属の壁では電場の和が常に0になる.時刻のスライダーと再生・停止で,節が動かず,隣り合う節の間隔がλ/2であることを確かめられる.Tは波の周期である.
光の ドップラー効果(発展)
光源と
です.
近似の 適用条件
この
問いに 戻る
光は
ポイント ここまでの
真空では,マクスウェル方
程式から 場の 波動方 程式が 出て,電磁波は 速さ で進む.光は 電磁波である. 電場と
磁場は 進む 向きに 垂直な 横波で, , が進む 向き. 電場と
磁場の エネルギー密度は 等しく,強さは .電磁波は
エネルギー とともに運動量 を運び,吸収面に ,反射面に の圧力を 及ぼす. 金属の
壁で 反射すると 定在波が でき,電場の 節は おきに並ぶ.
02電磁波の波動方程式と時間平均
本体の
定理 数学の
真
と
本体の
で,
定理 数学の
どんな
が
で,左辺は
定理 数学の
周期
である.複素振幅で
である.
練習 真
答え 位相が
例題
例題 1
で,場がある 領域の 範囲と,そこでの 磁場と 電場の 大きさを 求めよ. 板の
電流が 自分の 作った 電場に 逆らって 流れる ために,電源が 板の 単位面積あたりに する 仕事率を 求めよ.これが,板の 両側へ 流れ出す エネルギーの 流れに 等しい ことを 確かめよ.
yz平面の板に+y向きの電流Kが流れる.電場Eは板の両側で−y向きで,磁場Bは左側で+z向き,右側で−z向きである.ポインティングベクトルSは左右へ外向きである.+zを紙面の手前にとり,丸の中の点と十字で磁場の向きを示す.
解答を見る
考え方 本体の
波面は
にあり,場は にある.
板の
面積 を流れる 電流の 電荷は,電場から の仕事率を 受ける(電場と 逆向きに 動くので 負).電源が する 仕事率は 単位面積あたり
である.一方,片側の
確かめ:場の
例題 2
金属の
反射波の
電場と,入射波・反射波それぞれの 磁場を 書き,合成した 電場と 磁場を 求めよ. 電場の
節と 磁場の 節の 位置を 答え,ポインティングベクトルの 時間平均を 求めよ. 電子レンジ(
)の庫内に 板チョコを 置いて 回転を 止めて 温めると,溶けた 点の 間隔が だった.庫内の電場は1次元の 定在波と みなし,溶けた点は 隣り合う 電場の 腹に 対応すると する.この 測定から 光の 速さを 求めよ.
右端の金属の壁x = 0の左側に,電場の定在波の包絡線を実線,磁場の定在波の包絡線を破線で描く.壁で電場は節,磁場は腹になる.隣り合う節の間隔はλ/2である.
解答を見る
考え方 反射波は
反射波は
とすれば, で入射波と 打ち消し合う.磁場は,入射波が ,反射波が である.和積の公式から
電場の
節は ,すなわち で,壁は電場の 節である.磁場の 節は ,すなわち で,電場の腹と 一致する.ポインティングベクトルは
で,
チョコを
温めるのは 電場なので,溶けるのは 電場の 腹で,その 間隔は である. から
確かめ:電場と
例題 3
太陽の
太陽から
距離 にある,半径 ,密度 の球形の 塵が,当たる 光を すべて 吸収する.光の 圧力に よる 力と 太陽の 引力の 比を 求め,それが によらない ことを 示せ. 比が1に
なる塵の 半径を 求めよ.地球(半径 ,平均密度 )ではこの 比は いくらか. の
塵の 半径の 値に ついて,この 計算の 近似が 成り 立つかを 論じよ.
太陽から距離rの所にある半径sの球形の塵に,ほぼ平行な光が当たる.光の圧力による力は太陽から外向き,引力は太陽向きで,矢印は方向を示す.下段は光を受ける半径sの円板を拡大した模式図で,円板は光に垂直である.
解答を見る
考え方 距離
光の
圧力に よる 力と 引力は
で,比は
と
比が1に
なる 半径は
である.地球では,同じ式の
で,地球の
光を
断面積だけで 受け止めると いう 見方は,物体が 波長より ずっと 大きい ときの 近似である.太陽光の 波長は 程度で, はそれより 小さい.この 大きさでは,光は 回り込み,塵が 受け取る 運動量は 断面積からの 見積もりと ずれる(次の 題材の 散乱).したがって,「およそ から ほどの塵で,光の 圧力が 引力と 同程度に なる」と いう 程度の 結論に と どめる べきである.塵の 速さは よりずっと 小さいので,ドップラー効果に よる 補正は 無視してよい.
確かめ:比は
ポイント ここまでの
細長い
長方形の 道に2つの 渦の 法則を 使うと , で,組み合わせると1次元の波動方程式. 向きの波は .(発展)
から3次元の波動方 程式が 出て, から横波. 正弦波の2乗の
時間平均は で,複素振幅では .金属の
壁で 反射した 定在波では,壁は 電場の 節・ 磁場の 腹で,エネルギーの 正味の 流れは0.
03電磁波の場と光圧の演習
場の
演習 1
真
進行方向と
磁場の 各成分を 求めよ. 電場と
磁場の エネルギー密度 , を比較し,平均全エネルギー密度を 求めよ. を使ってよい.
直交するx,y,z軸を斜めから見た図.同じ点から正のy方向へ電場E_yを青い矢印で示す.
解答を見る
考え方 同じ
位相一定では
だから .磁場は , である.電場の正負が 変わると 磁場も 反転し,外積は 常に 負のx方向に なる. .よって で,1周期平均は .電場と磁場は 瞬間ごとにも 等分され,平均だけの 一致ではない.
演習 2
大気外の
から と電場振幅の 関係を 導き,電場・ 磁場の 振幅を 求めよ. 波に
垂直な 面積 の完全吸収板が 受ける 力を 求めよ.エネルギー の光は 進行方向に 運動量 を運びます.
平行な入射光が板へ垂直に入る.入射光の強さIと,完全吸収板の面積Sを示す.
解答を見る
考え方 強さは
より の大きさは .したがって , , .時間
に届く エネルギーは だから, .光圧 と面積の 積に 等しい.ここでの 振幅は,多くの 振動数を 含む実際の 太陽光の 単一の 振幅ではなく,指定した 置換の 値である.
演習 3
真
平均の
力と,照射終了時の 速度を 求めよ. 板の
運動エネルギーと 入射エネルギーの 比を 求め,近似を 確かめよ.
電力Pの入射光が,質量Mの初め静止した板に垂直に当たる.吸収は1/3,残りを正反対へ反射するという条件を示す.照射時間はτである.
解答を見る
考え方 吸収では
.力積 より で,入射光の向きである. , .したがって .吸収エネルギーの大部分は 板の 内部に 残る.無次元量 が十分小さく,反射光の エネルギー変化を 無視する 近似も 整合する.
演習 4
真
極大 | 位置 |
|---|---|
A | 3.05 |
B | 9.15 |
C | 15.25 |
合成電場を
求め,極大位置の 間隔から 波長と 振動数 を決めよ. AとCを
使った 波長の 最大誤差と,振動数の 相対誤差の1次近似を 求めよ.
同振動数・同振幅の対向波を矢印で示す.x軸上の測定位置はAが3.05 cm,Bが9.15 cm,Cが15.25 cmで,探針は軸に沿って走査する.
解答を見る
考え方 電場を
和積の
公式から , .極大の間隔は である.AとCは2間隔離れているので, , .Bも中点に あり,等間隔の 模型と 合う. 差の
誤差は 両端の 誤差の 和以下だから . より ,約1.6 %である.これは最大誤差の 評価であり,二乗和ではない.捨てた高次項は 程度で十分小さい.
演習 5
等方的に
光圧の
力と 重力の 比を 導き,半径方向の 合力が 外向きに なる の条件を 求めよ. , , , で比を 評価せよ.恒星へ 近づくだけで,合力の 向きは 逆転しますか.
質量M_*,放射電力P_*の恒星と,距離rに置かれた帆を示す.帆は半径方向に垂直で,面積S,面密度σ_m,吸収割合αを記す.
解答を見る
考え方 球面に
なので, .帆の質量は だから .従って
なら合力は
境目の
面密度は ,比は丸める 前の 値で 約1.6.両方が に比例する ため,近づくだけでは 向きは 逆転しない.右辺は 面密度の 次元を 持つ.恒星と 帆の 大きさが より十分小さく,帆の 速さと の比も 十分 小さい 範囲での 結論である.
ポイント 教える
電場と
磁場の 外積から,波の 進行方向を 説明させます. 振幅の2乗と
その 時間平均,腹の 間隔と 波長を 区別させます. 吸収と
反射で 力積が 違う 理由を,光の 運動量の 変化から 問います. 誤差や
運動の 近似は,小さいとした 無次元量で 確かめさせます.
04電荷の放射と光の散乱
問い
晴れた
考えてみる
空気の
前の
加速する 電荷が 作る 場
静止していた
初期状態はt = 24τ,v/c = 0.06で,正の電荷は右へ動く.外側の力線は元の位置,内側は現在の電荷を中心とし,厚さcτの殻で接続する.時刻を進めると殻の半径ctが増え,拡大図で横向きと半径方向の電場の比が増す.力線は低速近似の模式図で,拡大図のずれはvt sinθで近似する.
加速度の
です.殻の
が
法則 加速する
電荷
である.
この
この
放射の 向きと ラーモアの 式
放射の
で,加速度の
です.同じ
定理 ラーモアの
非相対論的に
放射の
アンテナは,この
です(
z軸に沿う小さな双極子を中心に,放射の強さI⊥ sin²θを極座標の半径で示す.z軸のまわりに回転するとドーナツ形になり,軸方向は0,赤道面で最大となる.遠方の電場は視線に垂直で,正の電荷の加速度が+z向きの瞬間にはその垂直成分と逆向きになる.
原子の 電子を 振動子と みる
原子の
です.減衰は
です.加速度の
です.これを
定義 散乱断面積
入射光の
空気の
散乱体が
この
散乱光の 偏光
太陽の
左から右へ進む偏光していない光の電場を,紙面内の上下方向と紙面に垂直な方向に分ける.分子から上へ進む散乱光には紙面に垂直な電場だけが残る.上下の揺れは視線に沿うため上へは放射しない.⊙と⊗は手前向きと奥向きを表す.
屈折率の 起源
前へ
薄い
です.
一方,屈折率
が
入射光の複素振幅E₀は実軸の正方向である.ω < ω₀の場合,板の波Eplateは−iの方向を向き,E₀の先端から下へ足される.和は時計回りにわずかに回り,eⁱωᵗの表現で位相の遅れを示す.
ポイント 屈折率の
物質の
可視光では
問いに 戻る
空気の
ポイント ここまでの
加速する
電荷は 遠方に の横向きの 場を 作る.遅れ があり, で弱まるので エネルギーが 遠く へ運ばれる. 放射の
強さは に比例し,全電力は ラーモアの 式 .振動する双極子では に比例する. 束縛された
電子の 散乱断面積は に比例し, が より十分 小さいと レイリー散乱に なって 青い 光ほど 強く 散る.空が 青く,夕日が 赤い.真横に 散乱された 光は 直線偏光する. 前方への
散乱光が 入射光に 遅れて足される ことが 屈折率の 起源で, .
05放射と散乱の例題
本体の
例題
例題 1
鉛直に
アンテナから
水平に 離れた地点での 電波の 平均の 強さと,電場の 振幅を 求めよ. アンテナから
同じ 距離 で,水平から 上を見上げた 向きに ある 飛行機での 強さは,(1) の 何倍か. の
地点で,長さの 短いまっすぐな 受信アンテナを 使う.アンテナを 電波の 進む 向きに 垂直な 面の 中で 鉛直から 角 だけ傾けると,受信電力は鉛直の ときの 何倍に なるか.受信電力が 最大に なる 向きも 答えよ.
鉛直な送信アンテナから水平にr = 10 km離れた受信点と,同じ距離で水平から60°上にある飛行機を示す.水平の視線とz軸は直角で,飛行機への視線とz軸のなす角をθで示す.下段は地上の受信点を電波の進む向きに見た図で,受信アンテナは電波に垂直な面内で鉛直からφだけ傾いている.
解答を見る
考え方 小さな
水平な
向きは なので,平均の強さは
である.正弦波の
と
水平から
上の向きは,z軸との 角が である.距離が同じなので,強さの 比は で, 倍である.真上( )では電波は ほとんど 届かない. 水平な
向きに 届く 放射の 電場は,z軸を 含み視線に 垂直な 向き,つまり 鉛直である.受信アンテナの 導線に 沿う 成分は なので,アンテナに生じる 起電力は 倍,受信電力は電場の2乗に 比例して 倍になる.最大に なるのは 送信アンテナと 平行な 鉛直の 向き( )で, (水平)では受信できない.
確かめ:波長は
例題 2
空気の
同じ
強さで 入射した とき,1個の 分子が 散乱する 電力の 比(青/赤)を 求めよ. 鉛直に
大気全体を 通る とき,青い 光の は である.赤い光の を求め,太陽が 真上に ある ときに まっすぐ 地上に 届く 割合を,それぞれの 色に ついて 求めよ. 夕方,太陽の
光が 大気を 通る 道のりが 真上の ときの20倍に なったとする.光路に 沿った 平均の 分子数密度は,真上の ときと 同じと する.まっすぐ 届く 割合を それぞれの 色に ついて 求め,届いた光の 赤と 青の 強さの 比が,太陽を 出た ときの 何倍に なるかを 答えよ.
左は太陽が真上にあり,大気を短い道で通って地上の観測者へ届く.右は地平線近くから斜めに入り,大気の中を長く進む.丸い地球の外側に薄い大気の層を示し,道の途中から青い光が横へ散乱する矢印を添える.大気の厚さと道の長さは模式的である.
解答を見る
考え方 可視光の
散乱電力は
なので,比は
である.
赤い光の
は である.まっすぐ届く 割合は,青が ,赤が である.真上の太陽は ほとんど 白く 見え,散乱された 約2割の 青い 光が 空を 青くする. 指数が20倍に
なるので,青は ,赤は である.届いた光の赤と 青の 比は,太陽を 出た ときの 倍になる.青い光は ほとんど 散乱されて 抜け落ち,夕日は 赤く 見える.
確かめ:空気の
例題 3
太陽が
真上の
空の 光の 電場は どの 向きに 振動しているか.偏光板の 透過軸を 水平面内で回すと,透過する 光の 強さは どう 変わるか.透過軸と 南北の 向きのなす角を として 答えよ.偏光板は 電場の うち透過軸に 沿う 成分だけを 通す. 一般に,入射の
向きと 視線のなす角(散乱の 角)を とする.入射光を,散乱の 面(入射の 向きと 視線を 含む 面)に 垂直な 電場を もつ光と,散乱の 面内に 電場を もつ光の,同じ 強さの2つに 分けて 考え,それぞれの 散乱光の 強さの 比を 求めよ. 散乱の
角が の方向の 空を 偏光板を 通して 見る.偏光板を 回した ときの 透過光の 強さの 最大と 最小の 比を 求めよ.また,偏光度 を求めよ.
上段では,西の地平線の太陽から東へ進む光が観測者の真上の分子に当たり,散乱光が下向きに進む.散乱光の電場は南北向きで,紙面に垂直である.下段では,入射方向の延長と散乱方向のなす角Θを示し,入射光の電場を散乱面内と散乱面に垂直な2成分に分ける.⊙と⊗は紙面の手前向きと奥向きを示す.
解答を見る
考え方 分子の
入射光は
東向きに 進むので,電子は 入射の 向きに 垂直な 面,つまり 南北と 上下を 含む面の 中で 揺れる.視線は 上下の 向きなので,上下の 揺れは 観測者に 向けて 放射しない.届くのは 南北の 揺れに よる 放射だけで,真上の 空の 光の 電場は 南北に 振動する 直線偏光である.偏光板を 通るのは の成分なので,透過光の 強さは に比例する.透過軸が 南北の とき 最も 明るく,東西の とき 真っ暗に なる. 散乱の
面に 垂直な 電場で 揺れる 電子は,揺れの 向きが 視線と 常に 垂直( )なので,散乱光の強さは に比例する.散乱の 面内の 電場は 入射の 向きに 垂直なので,視線に 垂直な 成分の 大きさは 倍で,強さは に比例する.入射光の2つの 部分は 同じ 強さなので,散乱光の 強さの 比は(面に 垂直):(面内) である.2つの
部分は 位相が 無関係なので 強さを 足せ,偏光板を 回した ときの 最大は 面に 垂直な 成分だけを 通すと き,最小は 面内の 成分だけを 通すときである. では なので,最大と最小の 比は である.偏光度は
と
確かめ:
ポイント ここまでの
小さな
双極子の 放射は,軸の 向きに0,軸に 垂直な 向きに 最大で, , .受信アンテナは届く 電場の 向きに そろえる. レイリー散乱では
青は 赤の 約6倍強く 散乱される.道のりが 長いと の指数が 大きくなり,夕日では 青が ほとんど 抜け落ちる. 散乱光の
偏光は,入射光を 散乱の 面に 垂直な 部分と 面内の 部分に 分けると 分かる.強さの 比は で, の方向で 完全な 直線偏光に なる.
06加速する電荷の放射と散乱の演習
遅れ,放射の
演習 1
小さな
とします.
各点に
放射が 届き始める 時刻と 継続時間を 求めよ. 各点で
パルスが 届いている間の 放射の 強さの 比 と,z軸上の放射電場を 求めよ. は に比例します.
電荷qから正のz方向へ加速度a_0を示す.観測点Aはz軸となす角30°,距離rにあり,Bは角90°,距離2rにある.
解答を見る
考え方 到達の
Aでは
,Bでは から始まる.継続時間は どちらも である. .z軸上は だから放射電場は0である.これは 静電場も0と いう 意味ではない.遠方場では 源の 大きさと の比,および が小さく,運動の 速さと の比も 小さい ことを 前提と する.
演習 2
電荷の
同じ
一様電場に 入れた 直後の,軽い 粒子と 重い 粒子の 放射電力の 比を 求めよ. 同じ
一様磁場に,磁場へ 垂直に 入れた 直後の 比を 求めよ.初めの 放射損失は 無視できるとします.
質量mと4m,電荷の絶対値e,運動エネルギーKの2粒子を二つの場合に示す.左は青い一様電場,右は緑の⊙で表す一様磁場への垂直な入射である.右の矢印は入射方向だけを示す.
解答を見る
考え方 等しい
, より . , . だから , .磁場は仕事を しないが,運動の 向きを 変えて 加速度を 生じさせる.適用条件は が十分 小さい ことで,重い 粒子に ついても 同時に 満たされる.
演習 3
希薄な
1.0 | 1.0 | 2.0 |
1.5 | 1.0 | 10.1 |
2.0 | 0.50 | 8.0 |
1行目と3行目から
を求め,2行目を 確かめよ. , での散乱電力を 予測せよ.入射振幅の 変化を 無視すると,1行目と3行目から をいくつと 誤りますか.
振動数ν,電場振幅E_0の光を希薄気体に入射させる.同じ方向・同じ距離に固定した検出器が散乱光を受ける.
解答を見る
考え方 入射振幅の2乗で
.3行目との比は より , .2行目の予測は で,測定の桁で10.1に 一致する. .振幅変化を無視すると として を得る.4乗則は 測定範囲では 支持されるが,共鳴へ 近づく 範囲までの 外挿は できない.レイリー近似では 光の 角振動数と 電子の 固有角 振動数の 比が 十分 小さい ことも 必要である.
演習 4
束縛された
に
を複素振幅 を用いた の実部と して 解き,平均放射電力を 求めよ. 同じ
で と の放射電力の 比を 求め,単純な 則と比較せよ.
固定した束縛中心からx方向に変位した電子を示す.固有角振動数はω_0で,青い入射電場の駆動角振動数はωである.
解答を見る
考え方 加速度の
代入すると
,従って .正弦振動の2乗平均から
と
分母も
比較すると,比は .4乗則だけなら である. が十分 小さい 場合にのみ 分母を 一定と みなせる.ここでは 最大1/4なので その 近似は 粗く,さらに が小さい 範囲で 放射式を 使う.
演習 5
固定した
円軌道の
力学的エネルギー と放射電力 を導け. から,半径が になるまでの 時間を 求めよ.この 範囲で 速さが 光速より 十分小さく,1周中の エネルギー損失も 十分 小さいか 確かめよ.
固定した正電荷+eのまわりの,初期半径r_0の円軌道を破線,一般の半径rの円軌道を実線で示す.一般の軌道上の電子と質量mを記す.
解答を見る
考え方 各瞬間の
だから , .運動エネルギーと電位エネルギーの 和は , . より .積分すると
と
ポイント 教える
遅れを
含む 時刻と,電荷が 加速した 時刻を 区別させます. 放射電場の
ない 方向にも 静電場は 存在しうる ことを 問います. 散乱の
測定では,入射光の 振幅を そろえた 比較に なっているか 確かめさせます. 古典原子の
収縮では,速さと1周期の 変化の 両方から 近似を 点検させます.
07電磁波の反射と透過
問い
昼間は
考えてみる
「透明」と
光でも,空
境界で 何が つながるか
屈折率
定義 物質の
屈折率
である.
境界の
左は電場,右は磁場の接線成分.平らな境界の両側で上向きの接線成分を描く.長方形の長い辺ℓは境界に平行で,短い辺を0に近づける.
定理 電磁波の
表面電流の
垂直入射の 反射率と 透過率
屈折率
電場は
定理 垂直入射の
電場の
である.強さの
で,
透過率に
弦の
初期状態はn₂/n₁ = 1.50,ωt = 0.入射波と透過波を上段,左向きに進む反射波を下段に描く.屈折率の比で反射波の符号と振幅,透過波の振幅と波長が変わる.右の棒はRとTで,和は1.時刻の操作と再生・停止ができる.
空
反射で 位相が 反転する
これも
金属が
斜めに 入射すると
斜めに
定理 フレネルの
s偏光の
である.
初期状態はn₂/n₁ = 1.50.実線がRs,破線がRpで,θBの印はp偏光の反射率が0になる角を示す.屈折率の比を変えると曲線と印が動き,比が1未満では臨界角から先が全反射になる.
法則 ブルースター角
入射角が
を
ブルースター角θBで入射すると反射光と屈折光は直交する.入射面は紙面であり,p偏光による電子の振動は屈折光に垂直で反射光に平行.赤い両向き矢印で振動を示す.反射光はs偏光だけになる.
ここまでの
問いに 戻る
窓ガラスには
昼間は
反射を
ポイント ここまでの
非磁性で
吸収の 無い 物質の 境界では,電場の 接線成分と 磁場の 接線成分が つながる.物質の 中の 平面波では ,強さは .垂直入射では
, , , , .弦の接続点の 式で 波数を 屈折率に 置き換えた ものと 同じ. 屈折率の
大きい 物質で 反射すると 電場の 位相が ずれる(固定端にあたる).金属は に近く,よく 反射する. 斜め入射では,s偏光の
反射率が 角度とともに 増え,p偏光は ブルースター角 で反射しない.屈折率の 大きい 側から 入ると 全反射が 起こり,場は 波長程度だけ染み出す. 窓ガラスは1つの
面で4 %,2つの 面で 約8 %の 光を 反射する.夜に 部屋が 映るのは,比べる 外の 光が 弱くなるからである.
08複素振幅で反射と透過を解く
本体の
定理 数学の
同じ
すべての
で なら である.したがって境界の 条件は,複素振幅どうしの 等式と して そのまま 書ける. 時間平均は
で,特に2乗の平均は である(最初の題材の 数学の 節).
1つ目は,
垂直入射の 振幅比を 出す
屈折率
反射波の
です.1つ目を2つ目に
です.強さの
とします.反射波は
場の 比を 受け渡す
境界の
です.右側が
練習1 空
練習2 水から
答え 練習1:
例題
例題 1
空
空気と
ガラスの 面,ガラスと 水の 面の 反射率を それぞれ求めよ.反射で 電場の 位相が 反転するのは どちらの 面か. 水へ
入る 光の 割合を 求め,ガラスが 無く 空気から 直接水へ 入る 場合と 比べよ.
空気,厚いガラスの壁,水の順に屈折率1.00,1.50,1.33の層を描く.光は境界に垂直に右へ進み,各面での反射光は左へ進む.入射・透過・反射の矢印は見分けられるように高さをずらしてある.
解答を見る
考え方 各面で
空気と
ガラスの 面は , .ガラスと水の 面は , .位相が反転するのは の空気と ガラスの 面で,屈折率の 小さい 側から 大きい 側へ 向かう光の 反射である.ガラスから 水へは 屈折率が 下がるので 反転しない. 水へ
入る 割合は .空気から 直接水へ 入る 場合は 練習1から0.980なので,ガラスの 壁が あると 反射が 約2倍に なる.ガラスと 水の 面の 反射が 小さいのは,屈折率の 差が 小さいからである.
確かめ:屈折率の
例題 2
空
空
気側の 電場の2乗の 時間平均 を の関数と して 求めよ. が最大・ 最小に なる 位置と,その 比を 求めよ. 空
気側の 時間平均の エネルギーの 流れ(ポインティングベクトルの 成分)を求め, によらない ことを 示せ.
初期状態はガラスの屈折率n = 1.50.空気側の数波長にわたって電場の2乗の時間平均〈E²〉を描く.入射波の振幅と縦軸の尺度を固定し,nを1から4まで変えて縞のコントラストを比べられる.
解答を見る
考え方 入射波と
,空気中の 波数は .空気側の 電場の 複素振幅は なので
である.
最小は
,つまり で .最大は ,つまり で .比は である.反射で位相が 反転するので,境界の 位置で 入射波と 反射波が 弱め合い,極小に なる.縞の 間隔は である.空
気側の 磁場は .道具の2つ目から
で,
確かめ:電場の2乗は
例題 3
空
膜の
表と 裏での 反射が どちらも 小さいと して,多重反射を 無視し,膜の 表面を 往復して 透過する 際の 振幅透過率の 積を1と 近似する.2つの 反射波が 打ち消し合う と,最も薄い を求めよ. 多重反射まで
含めて 考える.膜の 中の 波数を とし, のとき,膜の 表面( )での比 が になる ことを 示せ.反射率を 求め,(1) の 条件で 反射が 厳密に0に なる ことを 示せ. 実際に
よく 使われる フッ化マグネシウム( )で にした ときの 反射率を 求め,膜が 無い ときと 比べよ.
空気n₁ = 1.00,屈折率nで厚さdの膜,ガラスn₃ = 1.50を左から並べる.x = 0とx = dを境界に記す.右へ進む入射光と,表で反射する波,膜の裏で反射して左へ戻る波を高さの異なる矢印で示す.
解答を見る
考え方 (1) は2つの
表の
面の 振幅反射率は ,裏の面は . なら2つとも負で,反射に よる 反転は 両方に 起こるので,反転に よる 位相の 差は 生じない.裏で 反射した波は 膜を 往復する 分だけ位相が 遅れるので,打ち消し合う条件は ,つまり である.振幅が等しい 条件は
で,分母を
膜の
中の 場を , とおく. では , なので, で , .ガラスの中は 透過波だけなので, で比は につながり
で,
と
で,
より .膜が無い ときの の約3分の1に なる.膜の 厚さは である.
確かめ:
ポイント ここまでの
同じ
で振動する 場の 境界の 条件は,複素振幅どうしの 等式と して 書ける.時間平均は .垂直入射では
と を解いて を出し,強さの 比は , に直す. 比
は境界で つながり, .膜が重なっていても,奥から 比を 受け渡せば 反射率が 出る. 反射が
ある 側では 電場の2乗が 間隔の縞を 作るが,正味の エネルギーの 流れは 一定で に等しい. 厚さが
の膜は, のとき反射を0に する(反射防止膜).
09電磁波の反射と透過の演習
場の
演習 1
屈折率
接線成分の
連続条件
から
反射率
,透過率 を求めよ.
x=0の境界の左に屈折率n_1,右にn_2の媒質を示す.入射と透過は正のx方向,反射は負のx方向に進む.進行方向を見やすくするため上下に分けて表示する.
解答を見る
考え方 反射波は
第1式を
第2式へ 入れると .従って , .反射波の電場は 境界で 入射波に 対して 位相が ずれる. , . でエネルギー保存が 成り 立つ.透過振幅の2乗だけを 透過率に すると,この 保存則を 満たさない.
演習 2
空
最初に
裏面から 出る パルスと,内部を さらに1往復して 出る パルスの エネルギーを 求めよ. 裏側に
最終的に 届く 総エネルギーと,前側へ 戻る 総エネルギーを 求めよ.
エネルギーU_0,時間幅τの短いパルスが,厚さd,屈折率nのガラス板に垂直に入る.板内の往復経路は重なりを避けて上下にずらし,矢印で進行方向を示す.前面で直接反射する光と内部から前側へ戻る光も,上下にずらした矢印で示す.
解答を見る
考え方 面を
.最初の出射は .追加の1往復で2回反射するため,次は .等比級数の
和は
である.前側は
演習 3
空
4.00 | 0.270 |
8.00 | 0.520 |
12.00 | 0.770 |
両端の
点から を求め,中点を 確かめよ. を使ってよい. の最大誤差と,微分に よる の誤差の1次評価を 求めよ.
電力P_inを変えられる光源から未知媒質へ垂直に光を入れる.最初の境界から戻る反射光だけを検出器が受け,背景bも検出器へ入る.入射と反射の経路は上下に分けて表示する.
解答を見る
考え方 背景を
, . とおくと より .中点の予測は で一致する. 差の
最大誤差は だから . , より ,約0.009である. が小さく,1次近似は よい.
演習 4
屈折率
と
と反射光全体の 強さの 割合,反射光の 電場の 向きを 求めよ. 媒質2から
媒質1へ 入れる 場合の ブルースター角 を求め, を示せ.
境界と法線,入射光と反射光を示す.入射面は紙面である.入射角の記号θ_Bを記し,角度は模式的に示す.p,sの電場方向を書き込む余白を添える.
解答を見る
考え方 p偏光が
. なので,全入射強さに 対する 反射の 割合は ,約3.9 %である.反射光はs偏光だけとなり,電場は 入射面に 垂直である. より .両角が0と の間に あり, だから .正の屈折率を 交換すると2つの 角が 補い合う.
演習 5
空気の
枚の後に1枚加える とき,間の 往復を 足して を求めよ. の漸化式から を導け. で,総透過率を0.80以上に保てる 最大枚数を 求めよ.単に とする 計算との 違いを 説明せよ.
N枚の板をひとまとめにした板群と,追加する1枚を示す.板群の透過率T_Nと追加する板の透過率t,反射率ρを記す.間の往復経路を上下にずらし,進行方向を矢印で示す.
解答を見る
考え方 最後の
最初の
透過は ,1往復ごとの係数は だから
と
より ,最大3枚である. は板群の 間を 戻る 経路を 除外し,3枚では と過小評価する. で ,大きい では は に比例する.経路間の 干渉を 無視できると いう 模型の 範囲での 結論である.
ポイント 教える
境界の
磁場条件で,反射波の 符号が 変わる 理由を 問います. 振幅比から
透過率へ直す際に,屈折率の 係数を 含めさせます. 背景の
ある 測定では,原点からの 比と 直線の 傾きを 区別させます. 板の
多重反射は,どの 経路まで 数えたかを 図で 説明させます.
10第26章の章末問題
場の
演習 1
真
包絡線が
最大の ときの 磁場振幅と 平均全エネルギー密度を 求めよ. パルス全体の
エネルギーと 運動量を 求めよ.同じ で を2倍, を半分に すると,それぞれ何倍に なりますか.
正のx方向へ進むパルスと,断面積Sの固定観測面を示す.別のグラフに,与えられた包絡線gの時刻0,τ/2,τにおける値0,1,0を示す.
解答を見る
考え方
速い
正のx方向へ
進む波では なので磁場振幅は .電場と磁場の エネルギー密度は それぞれ であり,最大包絡線の位置では である. である.両半分の積分は 等しいので
変更後は
演習 2
面積
鏡に
届く 電力と,鏡が 受ける 力の 法線成分・接線成分を 求めよ.光の エネルギー に対応する 運動量の 大きさは です.この
波の 電場振幅を 求めよ.入射角を0に 変えた とき,鏡に 届く 電力と 法線 方向の 力は 何倍に なりますか.
面積Sの鏡に,法線となす角θ=60°で光が入射し,鏡面反射する.波に垂直な断面を入射光上に示し,鏡面と区別する.
解答を見る
考え方
届く
鏡の
投影面積は なので .反射により 法線方向の 運動量だけが 反転し,単位エネルギーあたりの 変化は .従って
から .垂直入射では電力は 倍,力は 倍となる.すれすれの 入射の 極限では,投影面積も 法線方向の 運動量変化も0に 近づくので,力は0に なる.
演習 3
真
0.0 | 1.00 |
−3.0 | 9.00 |
−6.0 | 1.00 |
−9.0 | 9.00 |
境界での
電場の 振幅反射係数を とし, を使って,波長, , を求めよ.複素振幅を 足して 測定値の 位置依存性を 導け. 入射電場振幅
と,媒質へ入る 正味の 強さを 求めよ. 1つの
極大値と1つの 極小値から を推定する とき,最大誤差を1次近似で 評価せよ.
x=0に真空と未知媒質の境界を示す.真空側の測定位置はx=−9.0,−6.0,−3.0,0.0 cmで,光は正のx方向へ入射する.電場探針とその走査方向を示す.
解答を見る
考え方
極値の
共通の
の実部を とると,合成電場の 複素振幅は .従って
隣り合う
極小から
なので .入射強さは である.反射率は だから,正味は . の微分から .両誤差が逆向きに なる 場合を とると
従って
演習 4
自由電子が,一様な
運動を
複素数で 解き,散乱断面積 を求めよ. 電子数密度
,厚さ の希薄な 層を 波が 通ります.異なる 電子の 散乱は 位相が そろわず,散乱された 光は 細い 入射ビームから 失われ,再びビームに 戻らないとします.境界での 反射を 無視して,透過強さの 式を 導け. の場合の 透過割合も 求めよ.
厚さd,電子数密度N_eの希薄な層を示す.入射電場E_yはy方向で,直進ビームの外へ出る散乱光を矢印で示す.
解答を見る
考え方
1個の
を の実部と すると ,従って .加速度の複素振幅は だから
束縛の
面積
,厚さ の薄片内の 電子数は .損失電力は だから .積分すると で,指定の場合は ,約98.0 %が残る.断面積の 次元は 面積,指数は 無次元である.運動の 近似には と が十分 小さい ことが 必要である.
演習 5
z方向に
双極子の
全放射電力と,検出面へ 届く 電力を 求めよ.球面の 帯の 面積は です. の検出面が 吸収する 電力を,全放射電力の 割合で 表せ.同じ 赤道の 強さを 持つ等方的な 光源と,全放射電力を 比較せよ.
中心にz方向の小さな双極子を置いた半径rの観測球を示す.北側の検出面は開き角Θまでを覆い,赤道の測定位置での強さはI_⊥である.
解答を見る
考え方
各方向の
全放射電力は
では届く 割合は である.吸収する割合は ,吸収電力は .等方光源なら全電力は なので,双極子はその である. で捕集電力は0, で全電力と なる.源の 大きさを とすると,双極子・遠方場の 近似には , , が十分 小さい ことが 必要である.
演習 6
ねじりばねで
板の
を決めよ. この
光を 同じ 強さの 正弦平面波と みな した ときの 電場振幅と,板の 受ける 圧力を 求めよ.力の 測定だけで を決められるかも 述べよ.
ねじり軸から距離dにある小さな板へ,水平な腕に直角に光を当てる.上から見た図で,回転角φは見やすいよう拡大して示す.
解答を見る
考え方
熱測定で
.小角近似で光の トルクは だから .光の運動量収支から なので
から .圧力は である.力だけからは が分かるだけで,吸収と 反射を 分離できない.求めた 割合は いずれも0から1の 間に あり,和が1である.角度に よる 入射面積と 腕の 長さの 補正は 程度で, が小さいので 無視できる.
演習 7
x軸上の
平衡位置と
その 安定性を 求めよ. 平衡からの
変位 が小さい 場合の 振動の 角振動数を 求めよ.反射率を0から1へ 変えると,角 振動数は 何倍に なりますか.
x=0とx=Lに,電力Pと4Pの固定光源を置く.質量M,面積Sの可動板をその間の一般の座標xに示す.
解答を見る
考え方
左右の
とすると,右向きの 力は
なので,右へずれると
として1次まで 展開すると .従って より
反射率を0から1へ
演習 8
真
ファラデーの
法則から 起電力の 複素振幅を 求め,負荷の 平均消費電力を 導け. を固定した とき,負荷の 電力を 最大に する を求めよ.共振時に,最大負荷電力を 入射強さ で割った 有効な 捕集面積を 求めよ. この
入射波が,遠方の 小さな 振動双極子から 届く 放射だとします.全放射電力は ,源からの距離は ,双極子の軸と 源から 受信器へ 向かう 方向は 直交します.遠方の 強さは で, は双極子の 軸との 角です.共振時の 最大負荷電力を の割合で 表せ.
遠方の送信双極子から距離d_sにある面積Aの受信ループを示す.ループはxy平面にあり,波はx方向へ進む.E_yが正の瞬間のB_zを緑の⊙で示す.別に,コイルL,内部抵抗r,コンデンサーC,負荷抵抗Rの直列等価回路を描く.等価回路の交流源はループの誘導起電力を表す.
解答を見る
考え方
入射波の
正のz方向を
磁束の 正と すると . より である. とおけば
実際の
に依存する 因子を 微分すると
小さい
これは
では .従って を使うと
局所的な
演習 9
同一直線上の2粒子を,ばね定数
この
相対
振動の 角振動数と,時間変化する 双極子モーメントを 求め,平均放射電力を 導け. 各粒子の
ラーモアの 電力を 別々に 計算して 足すと,(1)の 何倍に なりますか.その 計算が 正しくない 理由を 述べよ. 第2粒子の
電荷だけを に変えると,双極放射は どうなりますか.粒子の 運動自体が 止まるかも 答えよ.
同一直線上の質量・電荷m,qと3m,2qの粒子をばね定数Kのばねで結ぶ.初めの粒子間距離を自然長ℓ_0と伸びAに分けて示し,重心や各変位を書き込める基準線を添える.
解答を見る
考え方
近接した2粒子の
位置を
,伸びを とすると , .従って
重心一定より
加速度振幅は
なので,個別の電力の 和は
これは
では となり,変化部分が 消えるので 双極放射は0である.ばねに よる 振動は 続く.これは 双極子近似の 結論で,高次の 放射まで0とは 断定できない.近似には , が小さい ことが 必要であり,(1)での1周期の 放射損失と 振動エネルギーの 比 も十分 小さくなければならない.
11第26章の発展問題
放射に
演習 1
質量
振動エネルギー
と平均放射電力を で表し,エネルギーと 振幅の 時間変化を 導け. とおけ.周期平均の
損失を 同じに する 速度比例抵抗 を求めよ.この 有効な 抵抗を 入れた 運動方 程式を,複素指数関数で 初期条件まで 解け.この 式が 瞬間ごとの ラーモアの 損失まで 再現するかも 述べよ. , , , , , のとき,包絡線振幅の 半減時間を 求めよ.1周期あたりの エネルギー損失割合と 最大速度から,近似を 検証せよ.
固定した束縛中心とx方向に振動する粒子を示す.初めの変位はA_0で速度は0である.外へ出る放射は模式的な光の矢印で示す.
解答を見る
考え方
周期内では
とすると , .従って
積分すると
摩擦に
よる 平均損失は .(1)と一致させると . とおくと,有効な方程式は である. を代入すると
共役な
有効な
, .包絡線半減時間は
1周期の
演習 2
質量
光圧と
重力の 比を として,展開後の 中心力と,重力と 光圧を 合わせた ポテンシャルを 単位質量あたりで 求めよ.ポテンシャルは 無限遠を0と し,遠心項は 含めません. の場合,展開後の 軌道の 最遠距離,長半径,離心率,周期を 求めよ.展開位置が 近点に なる 理由も 述べよ. 脱出する
の範囲と,正の 終速度が ある 場合の 無限遠での 速さを 求めよ. 小さい
について,最遠距離と 周期の 変化率を1次まで 求めよ.また,展開から 距離 まで光圧が する 仕事を 求め,実際の 重力だけを 含む力学的エネルギーが 増える ことと,有効な エネルギー保存が 両立する 理由を 述べよ.
恒星のまわりの半径r_0の初期円軌道と,時刻0の帆の展開位置を示す.帆は半径方向に垂直で,探査機の接線速度を青い矢印で示す.
解答を見る
考え方
光圧も
より .従って
ここで
初期速度は
,単位質量あたりの角運動量は .展開後の有効エネルギーは
ここで
1つの
引力定数を
,すなわち で脱出する. では引力が 残る 放物線軌道で 終速度は0. では,無限遠で有効ポテンシャルが0に なるので . でもこの エネルギー式は 使えるが,中 心力は0または 外向きに なり,引力の ケプラー軌道とは 区別する. が小さいと , .光圧の仕事は
これは
演習 3
宇宙
帆は
として,光に よる 力の 半径方向成分と 接線方向成分,および平衡温度を 求めよ. 帆の
向きを 固定し,平衡温度が 正の 場合に,平衡温度からの 小さな 温度差の 緩和時間を 導け. , , , , , , とします.平衡温度を 以下に保って,接線方向の 力を 最大に する 角度と,その 力を 求めよ.温度 制限が 最適角を 変える 一般条件も 示せ.
入射方向e_rと接線方向e_t,帆の法線nを示す.e_rとnの角はθで,面積S,温度Tの帆の両面から対称に出る熱放射を橙の矢印で描く.
解答を見る
考え方
吸収は
届く
電力は .吸収の力は ,反射の力は である.従って
吸収電力と
熱収支は
. として と展開すると
温度の
は となる. は
なので,制限が
この
演習 4
実験室で,遠くの
反射面は
直接波だけの
信号を1と して,平均信号 と,コントラスト を求めよ. で高さを 走査すると,次の コントラストが 得られました.この2波長では は共通です.波長 の信号は で極大に なります. を求めよ.測定値は 示す桁に 丸められています.
波長 | ||
|---|---|---|
0.300 | 0.400 | |
0.600 | 0.673 |
反射面が,真空と
屈折率 の非磁性・ 透明媒質の 境界だとします.入射面に 垂直な 電場の 反射係数は
です.測定と
波長1種類の
コントラストだけで,反射率と 高さの 揺らぎを 分けて 決められますか. の極限と,この 模型に が小さいと いう 条件が 必要かも 論じよ.
平均反射面から高さhの受信器に,水平面となす角αの直接波と反射波が届く.水平を保って上下する反射面の変位ζと,受信器の高さを走査する方向を示す.図の角度と高さは模式的である.
解答を見る
考え方
複素振幅の
反射面の
変位に より は , に変わる.従って 各瞬間の 信号は .与えた平均の 式を 使うと
, とおく.波長が2倍になるので , .対数をとると
極大では
与えた
反射係数は 負の 実数なので,位相 と整合する. とすると .従って
数値は
1波長では
と の積しか 分からず,反射率 と高さの 揺らぎを 分離できない. なら となり,コントラストだけから が決まる.ここでは 位相平均を 展開せず 厳密に 使った ため, が小さい ことは 必要ない.ただし面の 傾きと 反射係数の 変化を 無視でき, が小さく,変動速度と 光速の 比も 十分 小さいと いう 設定が 必要である.推定値は を満たし,揺らぎが 増す極限では となる.
演習 5
希薄な
に
複素感受率
を導け.マクスウェル方 程式から 非磁性媒質の 平面波には が成り 立つことを 示し, が小さい とき, の を求めよ. とおけ.電場を
の実部, とする とき,細い 直進ビームの 強さの 減衰係数 を求めよ.単位体積あたりの 平均損失 と,ビームから失われる 電力が 一致するか, の1次までで確かめよ. 損失は
放射だけと し, をラーモアの 平均放射電力 から決めよ.この 場合の が,独立な電子の 散乱断面積 に対して と の1次までで一致する ことを 示せ. 放射だけの
損失で が十分 小さいとします.厚さ の媒質で 真空に 対して 位相を だけ遅らせるとき,散乱に よる 光学的厚さ を と振動数で 表せ.同じ を得る ために 密度と 厚さを 調整しても,損失を 減らせますか.振動数を 変える 効果と 近似の 条件も 述べよ.
厚さd,電子数密度N_eの希薄媒質を角振動数ωの光が通る.位相と振幅が変化する電場を模式図で示し,固定中心からの電子の変位yと固有角振動数ω_0を別の拡大図に記す.波形は定量的な解を表さない.
解答を見る
考え方
電子の
, とおく.複素振幅を代入すると
巨視的な
と
だから .強さは振幅の2乗に 比例し, で
電子の
一方,
を と等しく する. とすると
同じ
低
振動数では , なので
密度と
12第26章のまとめ
この
定義と 法則
法則 真
電荷も
電流も ない 真空では,マクスウェル方 程式から 波動方程式 が出る. も同じ 方 程式に 従う. 速さは
どの 波長でも で, .電場と
磁場は 進む 向きに 垂直で(横波),互いにも 垂直で, が進む 向きを 向く.各点・各時刻で . 方向に進む波では, 向きなら , 向きなら .横波である
ことは ガウスの 法則(真空で )から分かる.電場が 振動する 向きを 偏光の 向きと いう. 電波,赤外線,可視光(
から ),紫外線,X 線・γ 線は同じ方 程式に 従う 電磁波で,違うのは 波長だけである.
定義 電磁波の
電磁波では
である.
法則 電磁波の
電磁波が
法則 加速する
電荷
である.
定理 ラーモアの
非相対論的に
で,強さは
定義 散乱断面積と
入射光の
である.
定理 屈折率の
物質の
である.
定理 物質の
屈折率
定理 垂直入射の
屈折率
で,反射率・透過率は
定理 斜め入射:フレネルの
入射光と
である.
手順
ポイント 電磁波の
進む
向きと 電場の 向きを 決め, が進む 向きを 向くように 磁場の 向きを 決める.逆向きに 進む波では,電場が 同じ 向きでも 磁場が 逆に なる. 強さと
エネルギー密度は ,点光源なら ,光の力は 吸収した 電力の 倍で,受ける面積は 断面積で 数える. 放射は
加速度の 視線に 垂直な 成分で 決まる.小さな 双極子では , .散乱光の偏光は,入射光を 散乱の 面に 垂直な 部分と 面内の 部分に 分けて 考える. 境界では,同じ
の場の 複素振幅に ついて「 がつながる」「 がつながる」の2式を 立てて 解く.強さの 比は 屈折率を 含めて , に直す. 膜が
重なる ときは,比 を奥の 境界から 手前へ 受け渡し, で反射率を 出す.
主な 公式
真空の
平面波: , , , ,電流の
板(単位幅あたり )を流し始めた とき:波面は ,その内側で , .電源の仕事率は 単位面積あたり で,両側へ流れ出す エネルギーに 等しい 光の
圧力:吸収面 ,反射面金属の
壁での 定在波:壁は 電場の 節・ 磁場の 腹,電場の 節は おき,正味のエネルギーの 流れは0 光の
ドップラー効果(発展):遠ざかる 速さ , で . が小さければ 放射の
強さ: ,振動する双極子(振幅 )の平均電力 散乱に
よる 弱まり: .青( )は赤( )の約6倍強く 散乱される 散乱光の
偏光:散乱の 角 で(面に垂直):(面内) , で完全な 直線偏光 空
気から ガラス( ): , .窓ガラス1枚の反射は 約 ,多重反射まで数えて 反射が
ある 側の 電場の2乗: (間隔 の縞).正味の 流れは 反射防止膜:厚さ
( )で , なら
各題材の 問いへの 答え
真空を
伝わる 電磁波:光は 電場と 磁場が 揺れる 波である.揺れているのは 物質ではなく 場その もので,変化する 電場が 磁場を 作り,変化する 磁場が 電場を 作る ことで,場は 媒質なしに 自分で 伝わる.その 速さは マクスウェル方 程式から と決まり,光の 速さと 一致する.太陽の 光は,宇宙 空間を 電場と 磁場の エネルギーと 運動量と して 運ばれてくる. 電荷の
放射と 光の 散乱:空気の 分子の 中の 電子が 太陽の 光に 揺すられて 加速し,四方へ光を 出し直す.その 強さは に比例するので,青い 光は 赤い光の 約6倍強く 散乱され,太陽から 離れた 方向の 空は 散乱された 青い 光で 満たされる.夕方は 光が 大気を 長く 通るので 青が 抜け落ち,まっすぐ 届く光は 赤が 中心に なる.太陽から 離れた空の 光は,放射の 横向きの 性質の ために 強く 偏光している. 電磁波の
反射と 透過:透明でも 屈折率が 変わる 所では,入射波と 透過波だけでは 境界の2つの 条件を 同時に 満たせず,反射が 起こる.ガラスの1つの 面で4 %,表と 裏の2つの 面で 約8 %の 光が 反射する.夜に 部屋が 映るのは,反射が 増えるからではなく,比べる 外の 光が 弱くなるからである.
この 章で 使った 数学
細長い
定理 数学の
真空で
場が と だけによる とき, , .組み合わせると .(発展)回転の
回転: .真空のマクスウェル方 程式に 使うと .正弦波の2乗の
時間平均は , .複素振幅では .すべての
で なら .境界の条件は 複素振幅どうしの 等式と して 書ける.
この