第10章 万有引力と天体
01ケプラーの法則と万有引力
問い
木から
考えてみる
リンゴを
球形の地表から同じ点で水平投射する.2つの落下軌道と円軌道を描く.
月に
ケプラーの3法則
ケプラーは,ティコ・ブラーエが
法則 ケプラーの3法則
第1法則 惑星は,太陽を1つの
第2法則 太陽と
第3法則 惑星の
これらは
厳密な楕円の焦点を基準に,同じ平均近点角の幅に対応する等面積の領域を示す.
第8章で
第3法則から 逆2乗則を 読む
ほとんどの
と
法則 万有引力の
質量
である.向きは2点を
「万有」とは,あらゆる
地表の 重力と 地球の 質量
質量
重力加速度
重ね合わせの 原理
物体が3つ以上
ポイント 重ね合わせの
質点が
月は
キャベンディッシュの 実験
ニュートンの
棒の両端の小球が近くの大球へ引かれ,つり糸を軸に棒がねじれる.
質量
月は 落ち続けている
地表すれすれを
ポイント ここまでの
ケプラーの3法則:楕円軌道,面積速度一定,
が共通.第2法則は,力が 中心力である こと(角 運動量の 保存)を 表す. 円軌道と
第3法則から,力は 距離の2乗に 反比例する.万有引力の 法則は , .力はベクトルと して 足し合わせる(重ね合わせ). 問いの
答え:月は 地球に 向かって 落ち続けているが,横向きに 十分な 速さで 進んでいる ため,落ちた 先の 地面が いつも 遠ざかる.リンゴを 落と す力と 月を 回す力は,同じ 万有引力である.
02円軌道の運動方程式と比の計算
円
定理 数学の
べき乗の
練習 1. (1) 木星の
答え:(1)
練習 2. (1) 火星の
答え:(1)
円軌道の 運動方程式
質量
です.
です.この
ニュートンの 月の 落下
月までの
です.一方,月の
です.2つの
1秒間の接線方向の進行と,直進位置から中心側へ落ちる変位.落下量は大きく誇張した模式図である.
1秒間に
例題
例題 1
地表の
地表の質量mの物体に中心向きの重力mgが働く.中心から表面までがRである.
地球の
質量 を求めよ. 地球の
平均密度を 求めよ.
解答を見る
考え方 地表の
.体積
で割って .地表の岩石(約 )より大きく,内部は もっと 密だと 分かる.
例題 2
地球は
円軌道の地球の速度は接線方向,万有引力は太陽へ向かう.
太陽の
解答を見る
考え方 円軌道の
例題 3
赤道上空で,地上から
赤道上の地点と衛星が中心から同じ方向を保ち,地球と同じ角速度で公転する.
軌道半径
(地球の中心から)を 求めよ. 地表からの
高さを 求めよ. 衛星の
速さを 求めよ.
解答を見る
考え方 円軌道の
.
より,
(約 ). .
ポイント ここまでの
円軌道では
, .質量 は消え,中心の 天体の 質量 だけが残る. 月の
向心加速度は 地表の の 程度で,実測と合う.リンゴと 月は 同じ万有引力で 動く. 周期と
軌道半径から 中心天体の 質量が 求まる.べき乗の 関係は,比を とると 定数が 消える.
03ケプラーの法則と万有引力の演習
距離は
演習 1
半径
地表から
高さ の点での 重力加速度を 求めよ. その
点に ある 質量 と の物体に ついて,重力の 大きさと 落下加速度を 比べよ.
半径Rの惑星の外,中心距離2Rの位置で質量の異なる物体を比較する.
解答を見る
考え方 逆2乗則に
では だから, .よって ,与えられた精度では 約 である.力は
なので,順に ,約 であり,質量の比と 同じく1対3である.一方,運動方程式で 力を それぞれの 質量で 割ると,加速度は 両方とも になる.重い物体ほど 強く 引かれる ことと,同じ 場所で 同じ加速度を もつことは 両立する.高さが 変われば 共通の 加速度 その ものは 変わる.
演習 2
同じ
Bの
周期を 求めよ. 両軌道が
円なら,公転の 速さの 比 と,向心加速度の大きさの 比を 求めよ.
解答を見る
考え方 周期には
ケプラーの
第3法則から .周期は正なので .この結果は,恒星の 質量が 支配的なら 楕円でも 使える. 円の
周長は4倍,1周に 要する 時間は8倍だから .向心加速度の大きさは なので,その比は である.これは万有引力に よる 加速度 の比とも 一致する.外側の 惑星は 遅く 進むだけでなく,進行方向を 曲げる 加速度も 小さい.楕円で 瞬間の 速さを 比較するには,長半径に 加えて その 瞬間の 中心距離が 必要に なる.
演習 3
地球の
速さと
周期を 求めよ. 衛星内で
自由に 浮いている 小球に 重力は 働いているか.「無重量」と 円運動の 関係を 説明せよ.
衛星の接線方向の速度と中心向きの重力.軌道半径は8.0×10⁶ mである.
解答を見る
考え方 衛星を
から .したがって ,約 分である.周期の式 に直接代入しても よい. 小球の
重力加速度は で,0ではない.衛星も小球も 地球へ 落下し続け,ほぼ同じ 軌道を 進むので,小球を 床へ 押し付ける 支えの 力が ほとんど 生じない.体重計が 測るのは この 支えの 力である.室内の 大きさに よる 重力の 差を 無視する 範囲で 無重量と なるのであり,地球の 引力が 消えるわけではない.
演習 4
同じ
遠日点の
速さ を求めよ. 近日点と
遠日点の まわりの 十分短い 等時間に 進む弧の 長さの 比と,中 心から 見た 角変位の 比を 求めよ.
太陽を焦点とし,近点距離d,遠点距離5dの楕円.速度の数値や比は記さない.
解答を見る
考え方 保存されるのは
より .引力が常に 中心を 向くので,その 中心まわりの 力の モーメントが0に なることが 保存の 根拠である. 同じ
短時間 の弧長は だから,近日点側対遠日点側は5対1である.一方,角変位は なので比は .角運動量を と書けば,角速度が 距離の2乗に 反比例する ことからも 求まる.面積は 近似的に であり,半径の2乗の比と 角度の 比が 打ち消す.有限の 長い 時間では 速さの 変化を 含めた 面積で 比較しなければならない.
演習 5
一直線上の
重力が
つり合う 位置 を求めよ. その
位置から 直線に 沿って 微小変位 を与えると,つり合いは 安定か.加速度を の1次まで求めよ. が1より十分 小さい とき ,または を使ってよい.
Mと4Mの間隔はd.その間の試験粒子の座標をxとする.図の位置は未知のつり合い位置を示さない.
解答を見る
考え方 向きの
右向き加速度は
. から となり, である.重い天体から遠い側に 位置する. 微分すると
. で なので, .右へずれると右向き,左へずれると 左向きに 加速し,ずれが 拡大するので 不安定である.つり合いとは その点で 合力が0と いう 条件であり,戻す力が あると いう 意味ではない.粒子の 質量は 加速度の 式から 消える ため,この 安定性は 試験粒子の 質量に よらない.
ポイント 教える
距離が
高度か 中 心距離かを,計算の 前に 図で 確認させる ことが 重要である. 力と
加速度,速さと 角速度を 別々の 量と して 説明させる. 面積速度から
角 運動量,中 心力へと 説明を 戻せるかが 理解の 目安である. つり合いと
安定性は 別の 条件であり,微小なずれの 向きを 問うと よい.
04極座標で運動を記述する
問い
なめらかな
考えてみる
中心の
困った
極座標と 単位ベクトル
平面上の
定義 極座標の
点 P
P の
初期角は35°.角θを変えるとPと,互いに垂直な単位ベクトルeᵣ,eθが向きを変える.
単位ベクトルの 時間変化
短い
定理 単位ベクトルの
単位ベクトルの小さな変化を示す模式図.
速度と 加速度
法則 極座標での
中 心力と
中
問いに 戻る
糸の
エネルギーで
時間を手動で進めると,小球は内向きに進み,回る向きの速度成分が増える.初期状態では動径の内向き成分と回る向きの成分を持つ.
ポイント ここまでの
極座標の
単位ベクトル , は場所で 向きが 変わり, , . , . 一定で円運動の 式に 戻る. 中
心力では が一定(角 運動量の 保存,面積速度一定). 問いの
答え:糸を 引いている 間,小球は 内向きに 動くので,速度は 糸に 垂直でなく,糸の 力が 仕事を する.回る 向きの 加速度が0でも, の向きが 回るので は増える.
05単位ベクトルの微分と極座標の加速度
前の
定理 数学の
角が
と
単位ベクトルの
練習 1. (1)
答え:(1)
練習 2. (1)
答え:(1)
加速度の 式を 導く
足して
直交座標からも
面積速度との 関係
第8章の
と
面積速度を表す細い扇形を示す模式図.
例題
例題 1
なめらかな
一定の速さで糸を引く小球を示す模式図.
角速度
と糸の 張力 を で表せ. 運動エネルギー
の増える 割合が,糸の 力の 仕事率に 等しい ことを 確かめよ.
解答を見る
考え方 糸の
より . , なので, より . . は一定なので,連鎖律で .糸の力の 仕事率は で,(1)の を入れると 一致する.
例題 2
水平面内で,質量
回る棒に沿って走る台車を示す模式図.
P の
速度と 加速度を , で表せ. P に
働く 力の 合力の 成分を求め,それを 及ぼしている ものを 答えよ.
解答を見る
考え方
, .軌跡 は,1周ごとに ずつ広がる うずまきである. .角速度が一定でも,外へ 出る ほど 回る 向きの 速さ が増えるので,回る 向きの 力が 要る.それを 及ぼすのは 棒で,棒が P を 回る 向きに 押している.この は,第11章で回る 棒の 上から 見た 運動を 考える とき,もう 一度 現れる.
例題 3
力を
等速直線運動の面積速度を示す模式図.
が一定である ことを 示し,図の 三角形を 使って 面積速度が 一定である ことを 説明せよ. は0でないのに, であることを 確かめよ.
解答を見る
考え方
, より で一定.時間 に P が進む区間 を底辺と する 三角形の 高さは,いつも O から 直線までの 距離 なので,面積は で変わらない.力が0は 中心力の 特別な 場合である. .積の微分と を使って
である.平方根や
と
一方
ポイント ここまでの
連鎖律で
.これから , .速度を
積の 微分でもう 一度 微分すると, が2回現れて . .面積速度は で,中心力なら 一定. 動径方向の
加速度は ではなく である.
06極座標の演習
動径方向と
演習 1
原点Oの
速度を
直交座標の 成分で 表し,速さを 求めよ. 加速度を
直交座標の 成分で 表せ.
y軸上の点での単位ベクトルを示す模式図.
解答を見る
考え方 まず
, なので .速さは . , .したがって . は速度, と は加速度の 次元である.
演習 2
原点Oから
Oを
原点と する 極座標で , を表せ.必要なら , を使ってよい.二等辺三角形 OCP の 幾何から 求めても よい. 極座標の
速度の 式から,Pの 速さが で一定である ことを 示せ.
円の中心と極座標の原点を示す模式図.
解答を見る
考え方 円の
, .指定した区間では だから , . , .よって , .Oからの距離は 変わっても,速さは 一定である. ではPがOへ近づき,極座標は 原点で 定義できなくなるが,速さは 有限の ままである.
演習 3
質量
Oの
まわりの 角運動量 と,面積速度を求めよ. が成り 立つことを,重力の 成分から 確かめよ.
原点からずれた鉛直の運動を示す模式図.
解答を見る
考え方 直交座標で
.面積速度は符号つきで .上昇中は正,頂点で0,下降中は 負である.幾何学的な 面積の 増加率を 求める 場合は 絶対値を とる. , より . なので . の単位は ,その微分は . では角運動量と 面積速度が 一定に なり,等速直線 運動の 結果に 戻る.
演習 4
平面内で
速度,加速度を
極座標の 成分で 表せ. 必要な
合力は 中心力か. の場合,力の 動径成分が0でも 半径が 増す理由を 説明せよ.
指数関数的に広がるらせんを示す模式図.
解答を見る
考え方
, .速さは で増える. だから中 心力ではない. なら で,動径方向の加速度 は0でも,距離の2階微分 は正である.向きが 回る 分が 差を 生む. で半径一定の 円運動と なり, に戻る. の単位は 加速度である.
演習 5
質量
と,必要な力の 外向き成分 を時刻の 関数で 表せ. 距離が
最小に なる 瞬間にも 力がOを 向く ための の条件を 求めよ.その 条件だけで 全時刻に わたって 力がOを 向くと 言えるか 調べ,全時刻での 条件も 求めよ.
中心力運動での距離の範囲を示す模式図.
解答を見る
考え方 中
, より . が一定なので である.最小距離では
. の条件は .ただしこれは 全時刻の 条件とは 限らない. とすれば,外向きの 項が 生じる 半周期で 必要な 条件は ( ). より,最大値は なら , なら .したがって全時刻の 条件は,それぞれ , である.最小距離だけを調べれば 十分なのは の場合である. と はともに の次元を もち, で円運動に 戻る.
演習 6
Oを
と を で表せ. 必要な
合力が 中心力である ことを 示し,その 大きさの への依存性を 求めよ.
面積速度を一定に保つ円の軌道を示す模式図.
解答を見る
考え方
. なので, . を入れると . . より,力はOを向き,大きさは で,距離の5乗に反比例する. の単位は だから, は加速度である.Oへ 近づくと力は 発散するので,Oその ものを 通過する 運動までは この 模型で 扱えない.
ポイント 教える
速度の
成分を,その 位置の 単位ベクトルと 一緒に 図へ描かせる. と動径加速度の 違いを,円の 中心と 極座標の 原点が 異なる 例で 説明させる. 面積速度が
一定か どうかは,原点の まわりの トルクで 判断させる. 演習5では,1つの
特別な 瞬間の 条件が 全時刻の 条件に なるかを 確かめさせる.
07重力のポテンシャルとエネルギー
問い
ロケットを
考えてみる
地表付近では,高さ
ただし
万有引力の 位置エネルギー
質量
経路に
法則 万有引力の
無限遠を
である.
U=−GMm/rを数値計算して描いた曲線.地表から単調に増加し無限遠で0に近づく.
値が
地表付近の
です.
力学的エネルギーと 軌道の 種類
万有引力だけが
: より で,遠くへ行けない.束縛された 運動で,角運動量が0でなければ 軌道は 円か 楕円に なる. :無限遠にちょうど 速さ で届く.軌道は 放物線に なる. :無限遠でも速さが 残る.軌道は 双曲線に なる.
L=0の半径方向の運動では,負のエネルギー線とUの交点が最高点となる.角運動量がある場合の転回点には実効ポテンシャルを用いる.
角
脱出速度
地表(中
定義 脱出速度
天体の
を脱出速度(第二宇宙速度)と
地球では
重力ポテンシャル
位置エネルギーを
これを重力ポテンシャルと
実効ポテンシャル:角 運動量を 含めた1次元化
楕円軌道では
と
定義 実効ポテンシャル
位置エネルギー
を実効ポテンシャルと
運動方
と
読み方は
万有引力では
Ueff/A=1/(2x²)−1/xを数値計算した.負のエネルギーには2つの転回点があり,極小は円軌道に対応する.
ばねのように
同じ横軸rで,万有引力とばね型の中心力の実効ポテンシャルを並べる.橙のエネルギー線と曲線の交点が転回点になる.縦軸の縮尺はパネルごとに違う.
ポイント ここまでの
万有引力は
保存力で,無限遠を 基準に すると 位置エネルギーは .力学的エネルギーは .角
運動量が0で ない とき, は束縛(円・楕円), は放物線, は双曲線.重力ポテンシャルは .中
心力 のもとでは を使って,動径方向を1次元の 運動と して 扱える.転回点,束縛と 非束縛,円軌道を 図から 読む. 問いの
答え:地表から 無限遠までの エネルギーは 有限なので, 以上で打ち出せば 二度と 戻らない.
08広義積分と実効ポテンシャル図の読み方
広義積分を
定理 数学の
広義積分. 上端が
と
小さい
練習 1. (1)
答え:(1)
練習 2. (1)
答え:(1)
実効ポテンシャルの 図の 読み方
前の
の水平線と の交点が 転回点で, となる 範囲だけを 動く. 谷の
底( )が円軌道の 半径.底の の値が 円軌道の エネルギー. 底で
下に 凸( )なら安定.少しずれても 谷の 中で 振動する.
一般の
です.
です(
万有引力
例題
例題 1
地球の
地表から半径方向に初速v₀で投射する.最高点までの中心距離をrmaxとする.
脱出速度を
求めよ. 地表から
鉛直上 向きに 速さ で打ち出した物体が 達する,最高点の 地表からの 高さを 求めよ.
解答を見る
考え方 力学的エネルギー保存
.単位質量あたり
.最高点では なので .高さは で,地球の半径ほど ある.
例題 2
質量
円軌道の半径と速度を示す.K,U,Eの値と棒の長さは読者が求めるため,解答を示す棒グラフは置かない.
運動エネルギー
,位置エネルギー ,力学的エネルギー を で表せ. 薄い
大気の 抵抗で 衛星の エネルギーが わずかに 減り,軌道が 円に 近い形の まま 半径が 小さくなった.速さは 増えるか 減るか.
解答を見る
考え方 円軌道の
より . .よって . なので, が減ると は増える.半径が 小さくなると はより 負に なり,速さは増える.抵抗を 受けて 速くなるのは,位置エネルギーが,運動エネルギーの 増えた分の2倍だけ 減るからである.
例題 3
質量
数値計算した実効ポテンシャルと,極小より高いエネルギー線を示す.r₀,r₁,r₂の値は示さない.
円軌道の
半径 を求めよ. この
円軌道が 安定である ことを 示し, のまわりの 小さな 動径方向の 振動の 角振動数を 求めよ. 万有引力の
代わりに,大きさ ( )の中心向きの 引力が 働くとする.円軌道が 安定に なる の範囲と, と円運動の 角速度 の比を 求めよ.また (ばねのような力)の とき,1周の 間に は何回最小に なるか.
解答を見る
考え方 底の
より . . を代入すると で となり,下に 凸なので 安定である.動径方向の 運動方 程式は なので,単振動で .円運動の 角速度 と一致する.1周する 間に 動径方向も ちょうど1往復する. , なので,本文の式から .安定なのは のときである.円 運動の 式 より ,また なので .万有引力( )では1で,(2)と合う. では2で,1周の間に は2回最小になる(中心 O が 楕円の 中心に ある 楕円軌道).比が 整数で ないと,最も 近づく 点の 向きが1周ごとにずれていく.
ポイント ここまでの
は で収束する.万有引力は で弱まるので,無限遠基準の 位置エネルギーが 決まる. 実効ポテンシャル
の底が 円軌道で,その 条件 は円運動の 運動方程式と 同じ. なら安定.万有引力では ,エネルギーは .引力が
なら,円軌道は で安定で, .円軌道では
, .弱い抵抗で 軌道が ほぼ円の まま 少し ずつ 縮む ときは,エネルギーが 減って 半径が 小さくなり,速さは 大きくなる(抵抗は 直接には 速さを 減らすが,低い 円軌道ほど 速いため).
09重力のポテンシャルとエネルギーの演習
無限遠で
演習 1
質量
外力が
する 仕事と,重力が する 仕事を 求めよ. 地表の
値を 用いた による 計算と 比較せよ.
地表から中心距離2Rの点へ運ぶ.
解答を見る
考え方 ゆっくり運ぶので
, より .重力の仕事は である.位置エネルギーの値は 両地点とも 負だが,差は 正に なる. 高度の
増加は なので,重力を一定とした値は .これは厳密な 仕事の2倍で,厳密な 値を 基準に すると100 %過大である.実際には 上昇する ほど 重力が 弱まり,最終地点では 地表の4分の1に なる. は高さが より十分 小さい ときの 近似であり,今回の 距離へ そのまま 延長できない.
演習 2
地表から
到達する
最大の 中心距離と 高度を 求めよ. 中
心距離 を上昇中に 通る ときの 速さを 求め,下向きに 通る 場合と 比べよ.
初速度v₀と中心距離3R/2の観測点を示す.到達点は描かない.
解答を見る
考え方 半径方向だけの
初めの
エネルギーは .最高点で だから ,高度は である.脱出速度は初速の 倍なので,この小球は 無限遠へは 行けない. 保存則に
を入れると .よって .下降時にも同じ 位置で 同じ位置エネルギーを もち,運動エネルギーも 同じなので 速さは 等しい.ただし速度の 向きは 逆である.この 往復の 比較は,途中で 衝突や 抵抗に よる 損失が ないと いう 仮定に 依存する.
演習 3
地球から
必要な
初速を 求めよ. 脱出速度に
を加える 計算が 正しくない 理由を 説明せよ.
解答を見る
考え方 無限遠の
より . に を足して 平方根を とると, である.脱出速度は
約 だが,必要な初速は これに を足した 値ではない.条件は である.初めから大きな 運動エネルギーが あるので,比較的小さい 速さの 追加でも 無限遠に 有限の 運動エネルギーを 残せる.次元が 合うだけでは 足し算の 根拠に ならない.
演習 4
質量
必要な
速度増分 を求めよ. 噴射が
衛星に 与える 力学的エネルギーの 増加を 求め, と等しいか 調べよ.噴射中の 衛星の 質量変化は 無視する.
噴射前の円軌道と接線速度v_cを示す.脱出後の軌道は示さない.
解答を見る
考え方 噴射の
円軌道の
速さは .脱出の境界は だから,進行方向への 噴射で となる.これは 地表から 静止状態で 脱出する ときの 初速とは 異なる. 初め
,後で なので .直接計算しても である.したがって だけでは足りず,初速度に 依存する 交差項が 必要に なる.同じ速度増分でも 速い 場所での 順行噴射ほど エネルギー増加は 大きい.
演習 5
角
実効ポテンシャルを
で表し,許される の範囲を 求めよ. 転回点で
速さ全体は0に なるか.両転回点での 速さの 比を 求めよ.
Ueff/A=1/(2x²)−1/xとE/A=−3/8を数値計算した.交点の座標は示さない.
解答を見る
考え方 実効ポテンシャルには
を代入すると .許される条件は なので,正の を掛けて .因数分解すると より である.転回点で
だが,接線速度 は0ではない.内側と外側の 速さの 比は .内側を近点,外側を 遠点と すれば,長半径は であり, と元の エネルギーに 一致する.単なる と の交点だけで 遠点を 求めると,接線 運動を 取り落とす.
ポイント 教える
無限遠基準の
負の 値と,移動に よる 正の 増加を 区別させる. 最高点で
速さが0と 言えるのは,半径方向だけの 投射である. 速度増分に
よる 仕事は,噴射前の 速度にも 依存する ことを 確認させる. 実効ポテンシャルで
は 動径速度と 接線速度を 別々に 説明させる.
10軌道
問い
地球を
考えてみる
この
では,どんな
楕円軌道の 要素
楕円は,2つの焦点からの
定義 楕円軌道の
長半径
:長い方の軸の 長さの 半分. 離心率
:焦点が中心から だけずれているとき, を離心率と 呼ぶ(衝突の 反発係数とは 別の 量). が円で, が楕円. 近点(中心に
最も 近い 点)までの 距離 ,遠点(最も遠い 点)までの 距離 .したがって .
地球の
天体は楕円の一方の焦点にある.長半径a,焦点のずれae,近点距離rₚと遠点距離rₐを示す.
軌道の 形を 導く
ケプラーの
です.知りたいのは
に
これは
定理 軌道の
万有引力のもとで
と
ℓを一定にし,離心率eを0から1.5まで変える.初期状態はe=0.50の楕円.Oの上下の距離ℓの2点は固定され,軌道は円,楕円,放物線,双曲線と変わる.遠方へ伸びる部分は画面の外へ続く.
どの
です.
離心率 | 軌道 | エネルギー |
|---|---|---|
円 | ||
楕円 | ||
放物線 | ||
双曲線 |
重力の
軌道を 決める 量
楕円を
法則 楕円軌道の
質量
力学的エネルギーは
.長半径だけで決まり,離心率には よらない. 距離
の点での 速さは .近点と
遠点では 速度が 中心からの 位置ベクトルに 垂直なので,角運動量の 大きさは となり,その 保存から .近点が最も 速い. 周期は
(ケプラーの第3法則の 一般形).
1番目の
周期の
と
速さを 上げると
円軌道の
で,
元の円と加速後の楕円は噴射点で接し,天体は楕円の焦点に位置する.変化を見やすく誇張した.
高度
この
2円に接する半楕円を通る.1では上向き,2では下向きの接線方向に加速する.
逆に
ポイント ここまでの
楕円軌道は,長半径
,離心率 で決まる. , . は を満たし,軌道の 式 ( )が導ける. なので, 円, 楕円, 放物線, 双曲線.エネルギーは
.速さは .近点と遠点では .周期は
.円軌道の を に替えた形である. 問いの
答え:円軌道で 速さを 少し 上げると,その 点を 近点と する 楕円軌道に なる.反対側の 遠点が 高くなり,周期も 延びる.速くなるのは 近点付近だけで,遠点付近では むしろ 遅い.
11軌道の方程式と保存則の連立
運動方
定理 数学の
時刻を
で,
と
軌道の
万有引力
どんな
: とおいて について 平方 完成すると, .中心が ,長半径 ,短半径 の楕円で,O は 中心から ずれた焦点に ある. : で,放物線. : と の係数の 符号が 逆に なり,双曲線. となる2つの 角では 分母が0で, となる.この2つの 角の 向きが,遠方での 漸近線の 向きを 表す.
練習 1. (1)
答え:(1)
練習 2.
答え:
定理 数学の
楕円の
近点・遠点の
が
が
使い方. 近点の
練習 3.
答え:
練習 4.
答え:
例題
地球の
例題 1
地球の
焦点に地球を置く楕円と,両端での接線方向の速度を示す.遠地点の未知の高度は記さない.
遠地点の
高度を 求めよ. 遠地点での
速さを 求めよ.
解答を見る
考え方
.
高度は
.
例題 2
高度
2円に接する半楕円と2つの加速点.半径比は指定されたr₂/r₁に合わせた.
遷移軌道の
近地点・遠地点の 速さを 求めよ. 2回の
加速の , と合計を 求めよ. 遷移に
かかる 時間を 求めよ.
解答を見る
考え方 遷移軌道は
遷移軌道では,
, だから
半径
, の円軌道の 速さは,それぞれ , .よって
遷移軌道の
長半径は .半周するので ,約 5.3 時間である.
例題 3
太陽の
近日点0.40天文単位,遠日点40天文単位の楕円と,半径1天文単位の地球軌道を同じ縮尺で描いた.
彗星の
長半径,離心率,公転周期(年)を 求めよ. 近日点と
遠日点での 速さを 求めよ.
解答を見る
考え方 太陽の
天文単位. .地球( , 年)と第3法則で 比べて, 年.地球の
公転速さ について .単位を天文単位でとると
ポイント ここまでの
( )を使うと,運動方 程式は になり,解 は で楕円( ), で放物線, で双曲線. 楕円では
, , .近点・遠点の
とエネルギー保存の 連立から, , が得られる. ホーマン遷移では,遷移軌道の
速さと 円軌道の 速さの 差が .周期は長半径だけで 決まる. 地球の
公転との 比で,太陽の 質量を 知らなくても 彗星の 周期や 速さが 出せる.
12軌道の演習
円と
演習 1
楕円軌道の
長半径
,離心率 ,短半径 を求めよ. 長半径と
同じ 半径の 円軌道に 比べて,周期と 力学的エネルギーは どう 違うか.
近点距離2d,遠点距離6dの楕円.2つの焦点を示す.
解答を見る
考え方 近点・遠点の
, .また より .焦点の中心からの ずれは である.ここで を近点距離と 取り 違えないように する. 両軌道とも
に対応する ため,周期は ,エネルギーは で等しい.ただし楕円では 速さが 場所に よって 変化し,円では 一定である.周期が 等しい ことは,各点での 速さが 等しい ことや,軌道の 周長が 等しい ことを 意味しない.離心率を 変えても 長半径を 保つ限り,この2量は 変わらない.
演習 2
半径
噴射後の
長半径と 遠点距離を 求めよ. 遠点での
速さと,新旧の 周期の 比を 求めよ.
元の円軌道と,その接線方向に向けた噴射後の既知の速度.新軌道は示さない.
解答を見る
考え方 噴射中に
.これを と比較して .近点は なので, .実際,噴射直後の動径加速度は で,中心距離は増え始める. 噴射後は
が保存するから より .周期は長半径の 乗に比例するので .噴射直後に速くなっても,周回の 大部分を 遠方で 過ごすため1周は 長くなる.噴射を またいで 角運動量が 保存すると してはいけない.
演習 3
半径
噴射点は
近点と 遠点の どちらか.新しい 近点距離を 求めよ. 地表と
接触しないための の条件を 求めよ.
半径Rの天体と半径rの円軌道.噴射後の接線速度だけを示す.
解答を見る
考え方 減速すると
より .遠点距離は だから である.また噴射直後に , なので,遠点という 判断も 確認できる.近点速さは 角運動量保存から 噴射直後の2倍に なる. 接触を
避けるには ,すなわち が必要である. なら理想的には 地表に 接するが,接触しないと いう 条件は 満たさない. なら計算上の 楕円は 地球の 内部を 通る ため,外部の 逆2乗力だけで 楕円を1周すると いう 予測は 適用できない.実際に 地表へ達するまでの 外部軌道に だけこの 解を 使える.
演習 4
半径
2回の
速度増分と その合計を で表せ. 遷移時間を
で表し,外側でも 加速が 必要な 理由を 説明せよ.
半径rと4rの円に接する半楕円と2つの噴射点.
解答を見る
考え方 遷移楕円の
なので,近点で .遠点では角運動量保存から .外側の円速度は である.したがって
と
.遠点速度は約 で,そこにと どまる 円速度 より遅い.2回目を 省けば 再び内側へ 落ちて 元の 近点へ 戻る ため,遠点での 加速が 必要に なる.軌道が 高くなるに つれ円速度が 小さくなる ことだけから,2回目を 減速と 判断してはいけない.
演習 5
質量の
エネルギーと
角運動量の 大きさの 比 , を求めよ. 両衛星が
中心距離 を通る とき,速さは 同じか.外向きに 通る 場合の 動径速度と 接線速度を それぞれ求めよ.
同じ焦点と長半径aをもち,離心率が1/5と3/5の2軌道.補助円の半径もaである.
解答を見る
考え方 エネルギーは
より . より .離心率が大きい方の 角運動量は 小さい. なので,共通の速さを と書ける.接線速度は .外向きの動径速度は である.したがって1機目は ,2機目は .内向きなら動径成分だけが 負に なる.エネルギーの 等しさだけから 軌道が 同じだとは 結論できない.
ポイント 教える
噴射の
前後と,噴射の ない 区間で 保存する 量を 分けさせる. 速度は
軌道の 接線方向であり,近点・遠点では 位置ベクトルに 垂直である. 数学上の
近点が 地表より 内側なら,外部軌道の 式の 適用範囲を 確認させる. 同じ
エネルギーでも 角運動量に より 軌道の 形が 変わる ことが 重要である.
13球対称な質量分布と潮汐
問い
地球に,中心を
考えてみる
万有引力の
トンネルの
球殻の 定理
球を
定理 球殻の
質量
殻の
外( ):中心に質量 が集まった 質点と 同じ.大きさ ,向きは中心向き. 殻の
内( ):0.
位置エネルギーは,外で
殻の
殻内の点から反対向きに伸びる円錐の断面を示す.遠い切り口ほど大きく,距離による減衰と打ち消し合う.
殻の
一様な 球の 内部
球殻の
が
です.
内部のF/mg=r/Rと外部のF/mg=(R/r)²を数値計算し,表面で連続につないだ.
トンネルの 中の 運動
中心を
で,これは
と
物体は位置xから中心向きにF=−mgx/Rの力を受ける.
この
実際の
潮汐
球殻の
地球全体は
この「中心での
ポイント ここまでの
一様な
薄い 球殻は,外の 質点には 中心に 質量が 集まった 質点と して,内の 質点には 力を 及ぼさない(球殻の 定理).万有引力が だから成り 立つ. 一様な
球の 内部では,内側の 質量だけが 中心に 集まった ものとして 働き,重力は と中心からの 距離に 比例する. トンネルの
中の 運動は, 分の単振動で,地表すれすれの 円軌道と 周期が 等しい. 潮汐力は,月や
太陽の 引力の,場所に よる 差である. 問いの
答え:地球を 一様な 球と 見なすと,トンネル内の 質点は 中心を 中心に 単振動する.約 84 分で 往復し,中心を 通る とき最も 速い.
14置換積分による球殻の定理と潮汐の近似
球殻の
定理 数学の
球殻の
である.輪の
と
潮汐力の
である(
練習 1. (1) 一様な
答え:(1)
練習 2. (1) 一様な
答え:(1)
練習 3. (1)
答え:(1)
例題
地球に
例題 1
地球の
入口A,中心O,出口Bと途中の質点を示す.
周期を
求めよ. 中
心から の位置を 通る ときの 速さを 求めよ.
解答を見る
考え方 内部の
, (約 84 分).振幅は
なので,位置 での速さは . のとき .
例題 2
地表の2点 A,B を
中心から距離dを隔てた弦ABと,中心向きの重力の沿う成分・垂直成分を示す.
A から B まで
進むのに 要する 時間を 求めよ. 最大の
速さを 求めよ. 中点 C で
質点が トンネルの 壁から 受ける 垂直抗力の 大きさを 求めよ.
解答を見る
考え方 力
中点 C を
沿う
方向の 運動方 程式は で,中心を通る トンネルと 同じ .周期は約 84 分で,A から B までは 半周期の 約 42 分である.弦の 長さに よらない. 振幅は
弦の 長さの 半分 で,最大の速さは C を 通る ときの .垂直方向に
は 動かないので .位置によらない.
例題 3
月に
上段はすべて月向きの引力による加速度,下段は中心の加速度を引いた差.長さは違いを誇張している.
月の
引力に よる,地球の 中心での 加速度を 求めよ. 月に
最も 近い 地表の 点の,中心に 対する 加速度の 差(潮汐加速度)と, との比を 求めよ. 太陽に
よる 潮汐加速度は,月に よる 潮汐加速度の 何倍か.
解答を見る
考え方 潮汐加速度
. . との比は 約 .太陽に
よる 潮汐加速度は 同様に 約 .比は 倍で,月の方が 約 2.2 倍 大きい.
ポイント ここまでの
球殻の
定理は,輪の 寄与を で置換積分して 示せる. は外で ,内で なので, は外で ,内で一定. 一様な
球の 内部の 重力は .中心を通らない 弦の トンネルでも,周期は (約 84 分)である.潮汐力
は,引力の差を で近似して 得られる.
15球対称な質量分布と潮汐の演習
球殻の
演習 1
質量
P,Qで
働く 重力を 求めよ. 無限遠基準の
位置エネルギーを 各点で 求め,殻の 内部で 重力が0なのに 位置エネルギーが0でない 理由を 述べよ.
Pは中心距離R/2,Qは中心距離2Rにある.
解答を見る
考え方 球殻の
Pでは
重力は0.Qは 殻の 外なので,全質量を 中心に 置いた ものと 同じに なり,大きさ の中心向きの 力が 働く.近い側の 殻だけを 見て 判断せず,殻全体の 寄与を 足す必要が ある. Qでは
.殻内部では一定で,表面の 値に つながるので .内部の2点間では仕事は0だが,内部から 無限遠へ 運ぶには 殻の 外側で 正の 仕事が 必要である.そのため無限遠基準では 内部の 値は 負に なる.位置エネルギーの0点を 別に 選んでも 力は 変わらないが,この 問題では 無限遠を0と 指定している.
演習 2
半径
深さ
での重力加速度を 求めよ. 球の
外で これと 同じ 重力加速度に なる 高度を 求めよ.
地中の点は深さR/4にあり,外部の点の高度hは未知である.
解答を見る
考え方 内部では
深さ
は中心距離 に対応する.内側の 質量は であり, .したがって となる.もし なら約 である.外部の
中心距離を とすれば, だから .求める高度は である.内部の深さと 外部の 高度は 等しくない.一様な 球では 地表で 重力が 最大と なるので,最大値より 小さい 重力に 対応する 位置は,通常は 内外に1つずつ 存在する.
演習 3
一様な
運動の
周期と 最大速度を 求めよ. 初めて
中心に 着くまでの 時間を 求め,地表から 放した 場合と 比べよ.
直径トンネル内の中心からR/2の位置で静かに放す.
解答を見る
考え方 内部の
運動方
程式は .したがって , である.周期は ,最大速度は中心で となる.最大速度は 振幅に 比例するので,地表から 放した 場合の 半分である. 最初の
は なので .地表から放しても 同じである. , なら約 ,約21分となる.距離が 半分でも,重力も 弱く,速さが 全過程で 半分に なるので 所要時間は 変わらない.この 結論には 一様密度と いう 条件が 不可欠である.
演習 4
半径
全質量と,
, の重力加速度を 求めよ. 核の
境界と 表面の 重力加速度の 比を 求め,境界で 重力が 連続か 確かめよ.
半径R/2の核の密度は2ρ,外層はρ.
解答を見る
考え方 球全体を
全質量は
.核内では より .外層では なので
である.ここでは
内外の
式に を入れると,どちらも .表面では なので比は である.密度が跳んでも,厚さ0の 境界に 有限の 質量が 集中していなければ,内包質量も 重力も 連続に なる.ただし 重力の 傾きは 連続とは 限らず,外層で 常に 単純な 比例に なるわけでもない.
演習 5
質量
の点とOとの 重力加速度の 差を1次まで 求めよ. での加速度の 差を1次まで 求め,天体へ 向かう 方向と それに 垂直な 方向の 違いを 説明せよ.
Oから距離Dの天体と,Oの近傍の2点を示す.座標間隔は誇張している.
解答を見る
考え方 潮汐は
方向の差は . を用いて .正負どちらの でも原点から 離れる 向きであり,天体と 結ぶ 方向には 引き伸ば す作用を する. 点
の加速度は . 成分とOの値の 差は の2次から始まる ため,1次では0. 成分は となる.こちらは 原点の 方へ戻す 向きで,横方向には 圧縮する.同じ微小距離なら 大きさは(1)の 半分である.潮汐を あらゆる 向きに 一様に 引き伸ばす力と して 描く ことは できない.
ポイント 教える
球殻内部で
力が0でも,無限遠基準の ポテンシャルは 負である. 一様密度でのみ
内部の 重力が 距離に 比例する ことを 確認させる. トンネルの
所要時間は,中心までなら4分の1周期,反対側までなら 半周期である. 潮汐では
中心の 加速度を 差し引き,方向ごとの 違いを 説明させる.
16第10章の章末問題
円
演習 1
半径
軌道の
長半径と 惑星の 質量を 求めよ. 半径と
高度が 正確で,周期だけが 真値より1.0 %大きく 測定されたとする.推定質量の ずれを 厳密な 比と 一次 近似で 示せ.
惑星を焦点とする楕円と近点・遠点.高度は表面から,距離は中心から測ることを示す.
解答を見る
考え方 高度を
, なので, .周期の式から
推定値と
真値の 比は .したがって約1.97 %小さく 出る.一次近似では ,すなわち約2.0 %の 過小評価である.周期が 長いほど,同じ 軌道を 保つ 引力は 弱いと いう 向きとも 一致する.
演習 2
自転も
周期を
平均密度で 表し,半径が 消える 理由を 説明せよ. A,Bの
周期と その 比を 計算せよ.
大きさの異なる球形天体A,Bと表面直上の円軌道.半径と平均密度を記す.
解答を見る
考え方 円
.同じ密度で半径を 増やすと 質量も に比例して 増すため,周期に 含まれる は変わらない. の単位は である. , , .密度が4倍なら周期は 半分に なる.これは ニュートン力学の 模型であり,極端に 高密度な 天体に 無条件で 外挿する 式ではない.
演習 3
未知の
と惑星の 質量 を で表せ. 惑星の
平均密度を 求め, に依存するか 調べよ.
惑星の半径R,円軌道の半径2R,観測周期Tを示す.
解答を見る
考え方 軌道半径は
と より .よって , . に代入して . は消える.表面から 何半径分上かと いう 軌道の 相対的な 大きさが 分かれば,周期は 平均密度を 決める.密度分布が 内部で 一様である 必要は なく,球対称なら 外部重力に 全質量だけが 現れる.
演習 4
2機の
再び同じ
方向に 並ぶまでの 最短時間を 求めよ. その間に
各衛星が 回る 角度と,衛星間の 最小・ 最大距離を 求めよ.
半径rと4rの円軌道上で,両衛星は初め同じ方向に見える.
解答を見る
考え方 最接近は
.相対角速度は だから,最短時間は .角度はAが
,Bが で,差は .相対角を とすれば,衛星間距離は .最小は ,最大は である.同じ方向に 並んでも 半径が 違うため衝突しない.この 計算は 中心天体の 質量や 衛星の 質量を 数値で 知らなくても 行える.
演習 5
半径
外部軌道の
長半径と 角運動量を 求めよ. 最大の
中心距離を 求めよ.その点で 速さは0か.
局所水平から角αだけ外向きに初速度を与える.その後の軌道は示さない.
解答を見る
考え方 初速の
だから . . より .したがって .遠点の速さは である.計算上の近点 は天体内に あるが,実際の 運動は 上昇して 遠点を 通り,表面に 戻るまでで 終わる.楕円全体を 貫通する 軌道と 解釈してはいけない.
演習 6
半径
失われた
力学的エネルギーと,運動・位置エネルギーの 変化を 求めよ. 角
運動量の 変化率と 速さの 比を 求め,抵抗が あるのに 速さが 増す理由を 説明せよ.
初めの半径rと後の半径r/2を示す.途中の経路や速度は示さない.
解答を見る
考え方 短時間の
, より,失われた量は . なので , より .和は になる. より ,相対変化は .速さは .落下によって 減った 位置エネルギーの 一部が 運動エネルギーへ 移り,残りが 散逸する.エネルギーが 減る ことは,運動エネルギーだけが 減る ことを 意味しない.
演習 7
半径
空
洞内の 重力加速度を 求めよ.空洞の 半径 に依存するか. 空洞の
中心に 静止していた 質点を 放す.空洞の 壁に 達するまでの 時間と,その 直前の 速さを 求めよ.空 気抵抗は 無視し,壁に 達するまでは 空洞の 中だけを 考える. , , , のとき,(2)の 時間と 速さを 求めよ.
半径Rの球の断面.中心Oから距離dの点Cを中心とする半径aの空洞.青い点がCの質点.重力の矢印はない.
解答を見る
考え方 空洞は,一様な
取り除く
前の 球の 内部では,O からの 位置 での重力加速度は である.除く小球の 質量は 全体の 倍であり,同じ密度なので,C からの 位置 での内部加速度は である.空洞内では これを 引いて
大きさは
加速度の
大きさ は一定で,C から O の 向きである.その 向きに 壁までの 距離は だから,静止から放すと
である.
, では .数値は , である.
演習 8
質量
惑星側の
表面での 潮汐加速度を 求めよ. それが
小球自身の 表面重力と 等しくなる を求めよ.これを 実在天体の 厳密な 破壊距離と 呼べるか.
惑星Mと密度ρの小球の中心距離はD.小球の半径はsである.
解答を見る
考え方 外部重力の
.中心から 惑星側へ 引き離す 向きである. 小球の
質量は なので,自己重力は .等置して ,よって .この比較では 小球の 大きさ が消える.ただし球の 変形,内部の 強度,自転,軌道に 伴う回転の 影響を 扱っていないため,これは 引き離しの 起こりやすさの 目安であり,厳密な 破壊距離ではない.また 得た 距離で が十分 小さいか 確認する 必要が ある.
演習 9
ばね秤に
球に
よる 力と,その 測定から 求める の相対不確かさを 表せ. 相対不確かさを
以下にする 最小の と球質量を 求めよ.設計値と して 冒頭の を使う. を半分に した ときの 必要質量を 計算し,すき間を 無視する 近似と 比較せよ.
秤の試験質量とその下の球.中心までの距離a+dと表面のすき間dを区別する.
解答を見る
考え方 秤の
球の
質量 より .求める相対不確かさは であり, は消える. 必要条件は
左辺は
が半分に なるので,根は , .必要質量は元の 約0.154倍と なる. なら , なので0.125倍だが,有限のすき間が 改善効果を 弱める. の極限で この 立方則に 戻る.
演習 10
母船が
綱が
半径方向で,観測機が 外側または 内側に あり,母船と 同じ 角速度で 円運動する ときの 張力を 求め, の一次まで 近似せよ. 両者が
同一半径の 円上で 少し 離れ,綱が 弦に 沿う 場合,同じ 角速度で 綱を 張ったまま 定常 運動できるか.両者の 相互引力は 無視する.
内側・外側の半径方向の綱と,同一半径の弦に沿う綱を別々に示す.
解答を見る
考え方 回転系の
外側では
引力と 張力が ともに 内向きなので
内側では
同一半径では
各々の 引力だけで 必要な 向心加速度が 足りる.弦方向の 正の 張力を 加えると,接線方向にも 加速度が 生じて 定常な 等角速度 運動を 保てない.張力0なら 同じ 円軌道上の 一定の 位相差を 保てるので,綱は 引っ張る 必要が ない.
演習 11
外部の
A中
心からの 距離 での単位質量当たりの ポテンシャルと,その 極大点を 求めよ. Bの
手前 側表面への 衝突速度の 下限を, と について 計算せよ.下限が 有限時間で 実現できるかも 説明せよ.
固定した二天体と中心線上の座標x,間隔D,Bの半径b.
解答を見る
考え方 Bまで
天体の
間では . より .また なので極大で, .両例とも極大点は 天体の 外に ある. 単位質量当たりの
全エネルギーを に上から 近づけると
演習 12
半径
抵抗力を
求めよ. 1周当たりの
平均軌道半径と 円軌道速度の 変化を 一次近似で 求め,数値を 評価せよ.抵抗が 弱く,長期的には 円軌道の 系列と して 扱えると する. を2倍にすると どう なるか.抵抗が あるのに 速度が 増す理由も 説明せよ.
円軌道上の衛星が断面積Sで微粒子を取り込み,共動速度で放出する局所模型.
解答を見る
考え方 一瞬の
取込率は
.静止粒子を速度 にする 運動量が 必要で,放出の 追加推力は0だから . より で,向きは運動と 逆である. , から .1周期 を掛けると
この
近似内では 抵抗も 両変化量も2倍に なる.低い 円軌道では 位置エネルギーの 減少が 運動エネルギーの 増加を 上回り,全エネルギーは 減る.抵抗に よる 瞬間の 接線加速度は 負でも,円軌道系列の 速度変化は 正である. で変化は すべて0に 戻る.
演習 13
質量
変化直後の
単位質量当たりの エネルギーを 求め,束縛と 脱出の 境界を 決めよ. 束縛される
ときの 長半径,離心率,近点・遠点距離を 求めよ. , のときに 数値を 評価せよ.
質量変化の直前と直後に,同じ位置・速度をもつ衛星と中心星.変化後の軌道は描かない.
解答を見る
考え方 衛星に
のままであり, . なら楕円, なら放物線, なら双曲線である. より .減少後の円軌道速度より 現在の 速度が 大きいので,現在位置は 近点である. から , . , , , . なら円に戻り, の下側極限では 遠点が 無限遠へ 向かう. は長さ, は無次元である.
演習 14
半径
必要な
速さの 減少量を 求めよ. 噴射前の
全質量に 対する 消費燃料の 割合を 求めよ.噴射中の 位置変化と 重力の 力積は 無視する.一定の 排気速度 で速さを だけ変える とき,噴射前後の 質量比は ,すなわち となる ことを 使ってよい.
放物線から半径rpの円へ移る近点と,進行方向への排気.
解答を見る
考え方 まず
放物線の
エネルギーは0なので .円軌道速度は .したがって の減速が 必要である. より,燃料割合は ,約14.0 %である.指数は無次元で, なら必要燃料割合は0に 近づく.噴射は 接線方向であり,円軌道に 入る 瞬間に 動径速度を 消す追加操作は 要らない.
17第10章の発展問題
★4・★5の
演習 1
質量
合体直後の
速さと 失われる 運動エネルギーを 求めよ. 合体後の
軌道の 近点距離を 求め,地表と 接触しない 条件を 示せ.
同じ円速度をもつ2つの速度ベクトルが角βをなす.合体後の速度は示さない.
解答を見る
考え方 衝突では
円速度を
, とする.対称な2速度の 平均は 角の 二等分線を 向き,大きさは .初めの運動エネルギーの 和は ,合体後は なので,損失は .両速度は
ともに 衝突点の 半径に 垂直で,平均も 垂直である. だから衝突点は 新軌道の 遠点.単位質量当たりの エネルギーは より .したがって .接触しない条件は ,すなわち .等号は地表に 接する 場合である. では合体速度と角運動量が0へ 近づき,直線落下の 極限と なる.
演習 2
質量
重心からの
距離と, と全質量の 関係を 求めよ. から各質量を 求めよ.距離 を片方の 軌道半径と して よいか.
重心Cの両側に2恒星を置く.星間距離dは両者の軌道半径の和である.比の解答は描かない.
解答を見る
考え方 両星が
, より , .角速度 として,星1の 運動方 程式は .代入して ,すなわち . なので, .全質量 とおけば , .それぞれの半径は , であり, ではない. は相対 運動の 円の 半径で,その 運動に 対して 全質量を 用いた ケプラー則が 成り 立つ.
演習 3
恒星の
恒星系での
単位質量当たりの エネルギー増加を 求めよ. それを
最大に する と,そのときの 出射速度を 求めよ.エネルギーの 供給源を 説明せよ.
惑星系で同じ速さの入射・出射速度と,恒星系への変換に加える惑星速度を示す.
解答を見る
考え方 惑星系では
恒星系の
速度は .したがって .最大は
で .出射速度は ,入射の速さは である.探査機が得た エネルギーは 惑星の 公転の エネルギーに 由来し,有限の 探査機質量を 考えれば 惑星が ごく わずかに 減速する.惑星速度 一定と いう 近似は,その 微小変化を 無視した ものである.実際に 可能な 偏向角には 惑星半径などの 制限が あり,この 最大値は 問題で 指定した 理想的な 範囲内の 結論である.
演習 4
半径
と,放出直後の両機の 速度を 求めよ. 子機が
脱出する ための の下限を 求めよ. 母船が
逆行せず,小惑星 表面にも 接しない 条件を 平面の領域と して 表せ.この 条件と(2)が 両立する の範囲を 示せ. , , , で,最小脱出放出時の と母船の 近点高度を 求めよ.
円軌道上の放出点で接線方向へ分かれる母船と子機.横軸α,縦軸sの空の座標枠も添え,安全領域を記入できるようにする.
解答を見る
考え方 放出の
円
運動より .子機と母船の 速度を とすれば , .したがって
子機の
単位質量当たりの エネルギーは .これが0以上なら脱出するので .等号は無限遠で 速さが0と なる 放物線である.母船の 反跳が ある ため,子機だけを 固定台から 打ち出す計算とは 異なる. とおく.逆行しない枝 では放出点が 遠点である.近点を ,近点速度を とすると, と
を
横軸
が
, ,質量比の上限は なので可能である. , , . より高度は となる. では , では安全な 放出余地が 消えると いう 極限も 合う.
演習 5
自転しない
最初の
打上げ速度と 円軌道速度 を求めよ. 捕獲直後の
速さ と,近点での速さ を求め, を示せ. 岩石の
質量を 逆算し,捕獲で 熱や 変形に 変わった エネルギーも 求めよ. 船内で
岩石を ばねに つけて 質量を 確かめる 方法と,主な 誤差要因を 説明せよ.
円軌道上のPに逆向きから近づく岩石と,捕獲後の遠点P・近点Q.添図に岩石とばねを描く.
解答を見る
考え方 打上げ,短い
鉛直上昇の
エネルギー保存から .最高点では速度0であり,接線方向へ を与える. 逆向きの
岩石の 捕獲で 速さが 下がる ため,Pが 遠点と なる. と,単位質量当たりのエネルギー保存
を
ここで
岩石の
質量を とすれば .よって
捕獲前後で
校正済みの
ばね定数 のばねに 岩石を つけ,小振幅で 振動させて 周期 を測る.船体を 十分重い 固定端と みなせれば で,重さを量る 必要は ない.支持側の 質量が 無視できなければ 測れるのは 換算質量なので 補正する.ばね自体の 有効質量,ばね定数の 校正,周期の 読取り,空気抵抗,船体の 振動が 主な 誤差と なる.軌道の 潮汐の 影響を 無視できる ほど 短い 周期の 装置を 選ぶ.
演習 6
半径
遠方での
相対軌道の ずれを とし,接触できる 最大値 を2体問題から求めよ. 1個に
注目した 衝突率が となる 理由を 説明し,平均待ち時間を と で求めよ.
相対軌道の遠方のずれbと,接触時の中心間距離2R.
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考え方 重力が
換算質量は
.すれすれ接触時の相対速さを とすると,エネルギー保存から ,角運動量保存から .したがって
時間
に相対 運動が 掃く 体積は なので,そこにある 相手の 平均個数は .遭遇が独立で 率が 一定と いう 模型では 平均待ち時間は となる.全体の 対の 数を 数えるのではないので,ここに は付けない. , より,低速の場合 , .高速の場合 , . の単位は である.低速極限の増大は 孤立した2体近似の 範囲での 結果である.
演習 7
半径
Bが
周に少し 足りない 角度を 進む間に 会う「内側の 楕円」の 周期と 長半径を 求めよ. Aが1周だけ余計に
遅れる「外側の 楕円」では,Bが 周に少し 足りない 角度を 進んで 会う.その 周期と 長半径を 求めよ. 各計画で
上限を 守る 最小の 整数 と会合時間を 求め,比較せよ.
同一円上のAと前方のB,位相差φ,Aの位置における接線方向の噴射.
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考え方 位置だけでなく
Bの
位相条件 より , .最初に減速すると 噴射点が 遠点と なる. 同様に
より , .こちらは最初に 加速し,噴射点が 近点と なる. 噴射点速度は
なので,各噴射量は .帰還時の速さも 同じで,2回の 噴射量の 大きさは 等しい.内側は で と上限を 超え, なら で足りる.会合時間は .近点は で衝突しない.
外側では
演習 8
中
推力の
大きさ と速度の 微分方 程式を 求めよ. 円軌道速度
への到達時間と,速度 までに残る 質量の 割合を 求めよ.積分 を使ってよい. のとき, までの時間と 残存質量割合を 求めよ.乗員が 受ける 座席からの 力を 乗員質量で 割った 荷重加速度の 最大値と,それを 以下にする 角度の 条件も 求めよ.
一定半径を進むロケット,前方外向きの推力と後方内向きの排気,角φ.
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考え方 半径一定でも
, なので
変数分離して
時間は
,所要時間は ,残存割合は .荷重加速度は重力を 除いた 加速度 であり,始動時に最大の となる.上限条件は ,すなわち . では必要荷重が 発散し, では推力が0に なる. が時間, が無次元と いう 次元も 合う.
演習 9
質量
衝突後の
速度の 接線成分と 動径成分を 求めよ. 束縛軌道に
ついて 遠点と 近点の 差を 厳密に 求め, の一次近似を 導け. は固定して 展開する. 数値を
比較せよ.天体の 半径は とし,衝突後の 周回軌道は 天体を 横切らない ものとする.
円軌道の衛星に半径内向きの粒が付着する直前の速度ベクトル.
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考え方 衝突点は
運動量の
成分保存より , . , , とおく.エネルギーは なので が束縛条件で, .単位質量当たりの角運動量は .転回点では動径速度0だから, を解くと
, .厳密式は ,一次式は で,一次式が約0.077 %大きい.比較用に 桁を 多く 残したが,入力の 精度では どちらも である.近点は約 で天体の 外に ある. で差は0となり, でも接線速度低下に よる 楕円化は 残る.
演習 10
半径
噴射直後の
単位質量当たりの エネルギーと,中心の まわりの 角運動量を 求めよ. として,その後の 軌道の 近点距離と 遠点距離を と で表せ. 天体の
表面に 達する 条件を と で表せ.達する ときの 速さと,局所水平から 下向きに 測った 角 を求めよ. , , とする. と のそれぞれに ついて,表面に 達するかを 答えよ.達する 場合は,その 速さと を求めよ.
円軌道上の探査機.接線速度と,加える動径内向きの速度.噴射後の軌道と入射角は描かない.
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考え方 接線速度を
より,単位質量当たりのエネルギーは である. を入れると
角
転回点では
動径速度が 0 なので,単位質量当たりで である. とおくと だから
表面に
達するのは ,すなわち のときである.等号は 表面に 接する 場合である.達する ときの 速さ は,エネルギーから
接線成分は
を
, である. では なので表面に 達しない.遠点は である. では なので,近点に着く前に 表面へ達する. , , である.
演習 11
水平な
線密度
の無限直線から 距離 の点の 重力加速度の 大きさを,軸方向の 座標 に関する 積分で 導け.必要なら を使ってよい. の置換でも よい.断面内の 線を 重ね合わせると,一様円柱の 外部重力は 中心軸に を集めた 場合と 等しくなる 結果を 使ってよい. 掘削に
よる 周期の 相対変化を 求めよ. 掘削前に
正しく 動いていた 時計が,実時間 の間に 何秒進むか,または 遅れるかを 評価せよ.
地表の振り子と深さhの坑道断面,半径a.添図で軸方向の微小線要素と距離を示す.
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考え方 穴の
対称な
軸方向成分は 相殺され,線へ 向かう 成分は
与えられた
振り子の
長さが 同じなら . が小さいので .周期は長くなる. 実時間
に時計が 示す時間は だから,遅れは .1日に約3.55ミリ秒遅れる. や で影響が 消える.有限長の 坑道なら端の 効果を 考慮する 必要が あり,この 数値は 無限円柱模型での 評価である.
演習 12
動かない天体(質量
双曲線軌道の
離心率 ,近点距離 ,偏向角 を で表せ. , , , のとき,偏向角と 近点での 速さを 求め,天体へ 衝突しない ことを 確かめよ.
遠方の入射直線から中心Oまでの距離bと,入射方向と出射方向の間の角δを示す.縮尺は模式的.
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考え方 遠方で
, , .軌道の式から , . とおけば である.近点方向から 測る 角を とすれば,遠方では .入射速度は遠方の 位置ベクトルと 反対を 向くので, , .よって
, , . なので衝突しない.エネルギー保存より . でも確かめられる. は無次元で, では .小さい での は,中心天体の表面に 当たらないと いう 条件内でのみ 意味を もつ.
演習 13
質量
と, , としたときの の軌道の 方程式を 一次近似で 求めよ. 連続する2つの
近点の 間の 角 を求め,近点の 向きが1動径周期ごとに 進むか 戻るか 答えよ.ずれの 角を 度で 計算せよ.
逆二乗でない中心力の近点を示す模式図.
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考え方 軌道の
円
運動の 式 より .軌道の式へ を入れると (プライムは 微分). であり, だから .よって .連続する
最大値の 間は .1周の との差は で,近点は戻る 向きに 移る.ここで 比較しているのは1動径周期ごとの 近点で,1周する 間の 振動数は である.一次近似の は有理数でないので,この 近似の 軌道は 有限回の 動径周期で 閉じない.有限の 振幅まで 厳密に 同じずれとは 主張していない. は長さの 次元で,角の 周期は 無次元に なる.
演習 14
半径
Aの
総速度増分を で表せ. Bの
総速度増分を の関数で 表し, の極限をAと 比較せよ.有限時間の 燃料最小解まで 証明した ことに なるか.
Aは近点rと遠点16rの楕円.Bは同じ焦点と共通遠点bをもつ2楕円.各パネル内では同じ縮尺で描く.
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考え方 同じ
第1の
楕円の 長半径は .近点速度は ,遠点速度はその16分の1,外円速度は である.よって
と
最初の
噴射は .共通遠点で,第1楕円の速度は ,第2楕円では であり,差だけ加速する.第2楕円の近点速度は で,最後はこれを に減速する.したがって
である.極限は
演習 15
質量
慣性系で,試験粒子が
共通の 重心の まわりを この 角速度で 円運動する ための 運動方 程式を 書け. と が小さいと して,主要項から を求めよ.この 点は,2つの 重力が 打ち消す点か.
重い天体と軽い天体の間に試験粒子Pがあり,軽い天体からの距離をsとする.
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考え方 試験粒子を2天体と
共通重心を
原点と し,重い天体を ,軽い天体を に置く.角速度は である.粒子は軽い天体から 重い天体側へ 距離 の位置 にある.質量 の試験粒子に ついて,右向きを 正と すると,重い天体までの 距離は なので運動方 程式は
円
左辺は,重い天体へ
が小さいと して を使う.左辺の 先頭の は,右辺の と打ち消す.残る 式は
演習 16
半径
全質量
と内部の 重力加速度 を求め, が最大と なる 半径を 求めよ. 無限遠基準の
内部ポテンシャル を求め,中心を 通る 細いトンネルで 地表から 静かに 放した物体の 中心での 速さを 求めよ.
密度ρ/ρ₀はr/Rに対して1から0へ直線的に減る.重力の分布は解答として求める.
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考え方 まず
.よって , .微分して より最大は .その値は ,表面値 の 倍である. と を用いる.
と
演習 17
質量
の場合の 軌道を で解き,束縛された 軌道の 連続する 近点の 角度差を 求めよ.積分定数を 使ってよい. のとき,1動径周期ごとの 近点の 進む角を 度で 求めよ. 無限遠を
基準とする 実効ポテンシャルを 求め, で安定な 円軌道が ない 理由を 説明せよ.
逆二乗でない中心力の近点を示す模式図.
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考え方 距離の3乗に
より . なら
束縛された
. では ,ずれが消え,逆二乗の 力の 楕円軌道へ 戻る. だから . では に極小が ある. なら で停留点が なく, で .遠心項が引力の の位置エネルギーを 上回れず,安定な 円軌道を 作れない. と はともに の次元を もち, は無次元である.原点付近の 特異性まで 現実の 物体を 表すとは 限らない.
18第10章のまとめ
この
定義と 法則
法則 ケプラーの
ケプラーの
法則:(1) 惑星は 太陽を 一方の 焦点と する 楕円を 描く.(2) 太陽と 惑星を 結ぶ 線分が 単位時間に 掃く 面積(面積速度)は 一定.これは 中心力に よる 角 運動量の 保存である.(3) 周期の2乗は 長半径の3乗に 比例する. 万有引力の
法則:質量 , の質点が 距離 で引き合う力は ( ).複数の質点からの 力は,ベクトルと して 足し合わせる(重ね合わせ).地表の 重力加速度は .
法則 極座標での
単位ベクトル
, は場所で 向きが 変わり, , .速度は
,加速度は . 一定で円運動の 式に 戻る. 中
心力では が一定(角 運動量の 保存,面積速度 が一定).
法則 重力の
無限遠を
基準に した 位置エネルギーは .万有引力は保存力である. 半径
の円軌道の 速さは ,力学的エネルギーは (運動エネルギーの符号を 変えた もの). 角
運動量が0で ない とき, は束縛された 楕円(円を 含む), は放物線, は双曲線. となる 地表での 速さが 脱出速度で, .位置エネルギー
の中心力のもとで 角運動量 をもつ 運動の 動径方向は,実効ポテンシャル の中の1次元 運動と して 読める. が転回点,谷の 底が 円軌道( は円運動の 運動方程式と 同じ), なら安定.万有引力では .
法則 楕円軌道
を の関数と みると,運動方 程式は ( )となり,軌道の 式 ( は近点から)が 導ける. で, 円, 楕円, 放物線, 双曲線.長半径
,離心率 のとき,近点 ,遠点 , . ,距離 での速さは .近点と遠点では .周期は
.半径 の円軌道から 半径 の円軌道への 乗り 換え(ホーマン遷移)は,長半径 の半楕円を 通り,高い 軌道( )へ移る ときは 接点で2回加速し,低い 軌道へ 移る ときは2回減速する.
法則 球対称な
球殻の
定理:一様な 球殻は,外の 質点には 中心に 集まった 質点と して 働き,内の 質点には 力を 及ぼさない. 一様な
球(半径 )の内部では,内側の 質量だけが 中心に 集まった ものとして 働き, .中心を通る トンネルでは 周期 の単振動に なる. 潮汐力は,天体(質量
,距離 )の引力の,中心との 差である.天体と 中心を 結ぶ 軸上で 中心から ( より十分 小さい)の 点では,大きさ で,天体側は天体 向き,反対側は 逆向きに 働く(軸に 垂直な 方向では,大きさ で中心向き).
手順
ポイント 天体の
円軌道なら,万有引力
向心力( ).地表では で を消せる ことが 多い. 楕円軌道では,近点・遠点の
角運動量保存 とエネルギー保存を 連立する.長半径 が分かれば, , が決まる. 軌道の
種類や 脱出は, の符号で 判断する( の境目).万有引力以外の 中心力では,実効ポテンシャルの 図で 転回点と 円軌道を 読む. 球対称な
天体の 内部では,内側の 質量だけを 中心に 置く.外では 全質量を 中心に 置く. 検算は,
,第一宇宙速度 ,地表すれすれの周期 84 分と 比べる.
主な 公式
万有引力:
,極座標:
, , ,実効ポテンシャル:
円軌道:
,脱出速度:
軌道の
式: , ,楕円軌道:
, ,一様な
球の 内部: ,潮汐力(軸上, は より十分 小さい):
各題材の 問いへの 答え
ケプラーの
法則と 万有引力:月は 地球の 引力を 受けて,常に 地球の 方へ 落ち続けている.ただし横向きの 速さが 大きく,落ちた分だけ地球の 表面が 曲がって 遠ざかるので,ぶつからずに 回り続ける.月は 地球半径の 約 60 倍の 距離に あり,向心加速度は 地表の の約 分の1である.極座標で
運動を 記述する:糸を 引いている 間,小球は 内向きに 動くので 速度は 糸に 垂直でなく,糸の 力が 仕事を する.加速度で 見ると,回る 向きの 成分 が0でも, の向きが 回るので 回る 向きの 速さ は増える. が一定なので,半径が3分の1なら 速さは3倍に なる. 重力の
ポテンシャルと エネルギー:地表から 打ち出して 無限遠で ちょうど 止まるには, .よって で,地表すれすれの円軌道の 速さの 倍である.軌道:円軌道で
速さを 少し 上げると,その 点を 近点と する 楕円に なる.反対側の 遠点が 高くなり,周期も 延びる.速くなるのは 近点付近だけで,遠点付近では むしろ 遅い. 球対称な
質量分布と 潮汐:一様な 地球を 貫く トンネルでは,重力が 中心からの 距離に 比例するので,約 84 分の 単振動に なる.地表すれすれの 円軌道と 周期が 等しく,中心を 通る とき最も 速い.
この 章で 使った 数学
円