第14章 測定と不確かさ(発展)
01何をどう測るか
この
問い
長さ
考えてみる
まず
も
大事なのは,ずれが
測る 量を はっきり 決める
周期の
周期の
支点から球の上端までを l′,中心までを l,球の直径を D とする.振れ角は約5°にそろえる.球と振れ角の表示を拡大した模式図.
目盛りと 分解能
測定器には,読み取れる
アナログの
おもりの上端は786 mmと787 mmの間の786.2 mmにある.目盛りとおもりにすき間があると,斜め上からの視線は別の目盛りに重なり,読みがずれる.
測った
実は,第1章「記号と
まとめて 測る
人が
ポイント まとめて
押し始めと
いくらでも
時刻を
測定の 計画と 記録
測り
何を
求めるか(ここでは )と,そのために 何を 測るか( , , ).それぞれを
何で 測るか,最小目盛り・分解能は いく つか. 何を
そろえるか(振れ角,支点,時刻を 取る 位置). 何回繰り返すか.条件を
変える 測定(長さを 変えるなど)を するか.
記録には,計算した
ポイント ここまでの
測る
量を 言葉ではっきり 決める.振り子の は支点から おもりの 中心まで.振れ角を 小さく そろえる. 最小目盛り・分解能は
測定器の 読みの 限り.アナログは 最小目盛りの まで読み,視差に 注意する.表示の 細かさと 値の 確かさは 別. 測った
値には 不確かさを 添える.有効数字は 不確かさの 大まかな 表し方である. 問いの
答え:10周期ほどを まとめて 測り,時刻は 最下点を 通る 瞬間に 取る.押すずれが1周期あたり になる.繰り返して 平均すれば さらに 良くなるが,毎回 同じ 向きの ずれは 平均では 消えない(次の 題材).
02何をどう測るかの例題
前の
ポイント 例題に
値は「読んだ値
そのもの」と「どれくらい 違いうるか」を 組で 考える. 足し算・
引き算では,最後の 桁の 位置が 最も 粗い ものに 合わせる(第1章の 有効数字の 規則). ずれの
大きさを 比べる ときは,ずれ その ものより,値に 対する 割合(相対的な ずれ)で 比べると,何が 効いているかが 分かりやすい.
例題
例題 1
振り子の
メートル尺に沿ってつるした振り子の支点と上端の読み l′,中心の印を示す.別の図で同じ球をノギスの外側の測定面で挟み,直径 D を示す.長さの計算結果は示さない.
周期の
式に 入れる 長さ を, を単位と して,桁を そろえて 求めよ. の読み のうち,目分量で 読んだ桁は どれか. おもりの
半径を 足し忘れて をそのまま として 使うと, は何 % ずれるか. は に比例する( ).
解答を見る
考え方 周期の
半径は
.
最小目盛りは
なので, までは目盛りで 読み,最後の が目分量の 桁である.この 桁は 確かではないが, と の間の どの あたりかと いう 情報を 持っている. 使う
長さが 短くなるので,相対的なずれは
である.
例題 2
周期が
1周期,10周期,50周期を
まとめて 測る とき,1周期あたりの ずれは それぞれいくらか. 50周期を
測る つもりで,実際には49周期で 止めてしまったとする.10周期の 測定から 周期は と分かっていて,49周期の 時間は だった.これを50で割ると 周期は いくらに なり,何秒ずれるか. の
数え違いに 気づくには,どうすれば よいか.10周期の 測定の1周期あたりの ずれ((1) の 値)を 使って 説明せよ.
解答を見る
考え方 ずれ
, , . .正しい周期 より 短い.これは に当たり,(1) の の約 18 倍である.数え違いが1回でも 起きると,まとめて 測った 利点は 消えてしまう. 10周期の
測定から,周期は で,1周期あたり ほどずれうる.したがって50周期の時間は と予想でき,そのずれは ほどである.49周期なら ,51周期なら で,予想から ほど外れる. より十分 大きいので,数え違いだと 分かる.1周期 → 10周期 → 50周期と 段階を 踏んで 測れば,前の 段階の 結果で 次の 段階の 数え違いを 見つけられる.
例題 3
長さ
半径 A の円周上の点を水平軸に投影すると,影は中央で速く,両端でゆっくり動く.初期位相は45°.再生または位相の操作で動きを確かめられる.周期は例題の1.794 s.
最下点を
通る ときの おもりの 速さを 求めよ.目印から の範囲を 通り過ぎるのに かかる 時間は どれだけか. 折り返し点の
近くでは,おもりは 大きさ の加速度で,等加速度 運動を しているとみなせる.おもりが 折り返し点から 以内にいる 時間は,折り返しの 前後 それぞれどれだけか. 時刻を
取る 瞬間と して,最下点と 折り返し点の どちらが よいか.
解答を見る
考え方 影の
.最下点での速さは
加速度の
大きさは .折り返し点で速度が0の 等加速度 運動なので,折り返しから 時間 で進む距離は である.これが になる 時間は
折り返しの
最下点の
ほうが よい.目で 見きわめられる 時刻の 幅は,最下点では 約 ,折り返し点では約 で,8倍ほど違う.確かめと して, の間に 円周上の 点が 回る 角は (約 )と小さく,円 運動の 加速度の 向きは ほとんど 水平の ままである.したがって (2) で 等加速度と みな したのは 妥当である.
ポイント ここまでの
周期の
式の は支点から おもりの 中心まで.半径を 足し忘れると,何回測っても は同じ 向きに 1.6 % ずれる. 押すずれが
測る 時間の 長さに よらなければ, 周期まとめて測ると1周期あたり になる.ただし 数え違いは 周期1つ分の ずれに なるので,1周期 → 10周期 → 50周期と 段階を 踏んで 確かめる. 時刻は,おもりが
速く 動く 最下点で 取る.折り返し点では 見きわめの 幅が8倍ほど 大きい.
03何をどう測るかの演習
測定器を
演習
演習 1
端が
棒の両端をものさしの途中の目盛りに合わせる.読みは左18.6 cm,右51.2 cm.棒の長さは示していない.
棒の
長さを 求めよ. ものさしの
端に 棒を 合わせるより,この 測り方が よい 理由を 述べよ.小数第2位までの cm を 記録する ことに 意味は あるか.
解答を見る
考え方 長さは
.両方の読みの 桁に そろえた. 欠けた
端と 目盛りの0が 一致するとは 限らないが,途中の 目盛りを 使えば端の 欠けを 避けられる.最小目盛りの は なので,真正面から目分量で 読めるなら 小数第2位にも 意味が ある.ただし 今回の 記録には その 桁が なく,計算の 後から0を 足して 読みの 情報を 増やすことは できない.確かめと して,ものさし全体の 読みが 同じだけずれても 差は 変わらない.
演習 2
毎秒250枚を
台車の同じ先端が線Aを通る画像と線Bを通る画像を示す.線の間隔は0.600 m.
通過に
かかった 時間と,区間の 平均の 速さを 求めよ. 195枚目の
判定を196枚目に 変えた とき,時間は どれだけ 変わるか.250枚毎秒と いう 表示だけから,通過時刻が 必ず正確だと いえるか.
解答を見る
考え方 画像の
間隔は
個なので, , .1画像間隔の
長くなる.撮影の露光中に 先端が ぼける ことや,線を 斜めから 見て 位置が ずれる ことが ある.撮影間隔の 正しさも 確かめる 必要が ある.確かめと して,1画像の 違いは75間隔の 約1.3 % に 当たり,表示の 細かさだけでは この 判定の 違いは 消せない.
演習 3
滑らずに
車輪の周上の印と,その印を数える固定の目印を示す.外周はC.速さの答えは示していない.
車輪の
並進の 速さを 求めよ. 1回転だけ測る
場合と12回転の 場合で,時間の 相対的な ずれを 比べよ.測定の 始めと 終わりに 同じ印を 同じ 向きで 合わせる 理由も 述べよ.
解答を見る
考え方 滑らない
道のりは
,速さは .1回転の
時間は で,相対的なずれは ,つまり7.5 %.12回転では ,つまり0.63 % ほどになる.同じ印・ 同じ 向きを 使うと,始めと 終わりの 間が 整数回転と 定まる.ただし 車輪が 滑れば が道のりに ならず,時間だけ 丁寧に 測っても 直せない.確かめと して, の単位は 速さの 単位に なる.
演習 4
小球を
小球の落下距離hと,放す瞬間から床に達するまでを測る時計を示す.
と の落下時間を 見積もり,時間の 相対的な ずれを 比べよ. 高さを4倍に
すれば 相対的な ずれは4分の1に なる,と いう 意見は 正しいか.安全な 高さの 範囲で,測り方の 改善を1つ提案せよ.
解答を見る
考え方 落下時間は
より,それぞれ , .相対的なずれは と で,約32 % と16 % である.時間は2倍に
しかならないので,相対的な ずれは 半分である.例えば,放す瞬間と 基準線を 通過する 瞬間を 動画で 判定すれば,手動の 反応を 避けられる.同じ 小球を 用い,高さは 小球の 同じ点の 移動距離と して 決める.確かめと して, で時間が 短くなり,一定の 時間の ずれの 割合が 大きくなるのは 自然である.
演習 5
壁から
壁までの距離Lと,音源から壁まで行きマイクに戻る音の往復経路を示す.
直接音と
反射音の 間隔を 予測し,2つの 測り方の 相対的な ずれを 比べよ. 反射音の
山が いくつも 現れた とき,最も 大きい山を 選ぶだけではいけない 理由と,確認の ための 測定を 提案せよ.
解答を見る
考え方 音が
.手動では ,つまり50 %,録音では ,つまり1 % 程度になる. 天井や別の
壁からの 音が 重なると,大きい山が 目的の 壁の 反射とは 限らない.壁までの 距離を 変えて 録音し,選んだ山の 遅れが に従って 変わるか 調べる.音源と マイクは 互いに 近く 置き,配置と 波形を 保存する.確かめと して,距離を 増やすと遅れは 増えると予測できる.
演習 6
斜面上の
固定カメラから斜面の台車を撮る.同じ先端の位置を時刻t₁とt₂で読む.
この
平均速度は,どの 時刻の 瞬間速度に 等しいか. , で値を 確かめよ.区間を 短くする 利点と,位置の 読みの ずれが 一定なら 生じる 不利を 述べよ.
解答を見る
考え方 位置の
.瞬間速度は なので,時間の中点 に等しい.位置の 中点とは 限らない. , より, .区間を短く すると,加速度が 一定でない 運動でも 中点の 速度に 近づく.一方,同程度の 位置の ずれを より 短い 時間で 割る ため,速度の ずれは 大きくなる.カメラを 固定し,目盛りを 台車と 同じ面に 置く.確かめと して, では区間の 選び方に よらず に戻る.
ポイント 教える
「測定の
04ばらつきと偏り
問い
前の
回 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
17.91 | 18.00 | 17.95 | 17.86 | 17.99 | 17.93 | 18.01 | 17.90 | 17.97 | 17.88 |
同じ
考えてみる
10個の
誤差と 不確かさ
測る
計測の
平均と ばら つき
とします.各値の
定義 標準偏差
測定値
で
測定を
初期状態は本文の10回の測定で,平均17.940 s,標準偏差約0.052 s,平均の標準不確かさ約0.0165 s.青の帯は平均±s,緑の帯は平均±s/√N.回数を追加するとヒストグラムと帯が変わる.11回目以降は固定した乱数の種による模擬測定.
平均は どれだけ確かか
定義 標準不確かさ
不確かさを
タイプA:繰り返し測定の
統計から 求める. 回の平均の 標準不確かさは .タイプB:それ以外の
情報(目盛り・分解能,測定器の 仕様,過去の 経験など)から 求める.
問いの
偶然誤差と 系統誤差
定義 偶然誤差と
測る
ストップウォッチを
系統誤差は,同じやり方を
ポイント ここまでの
誤差(真の
値との ずれ)は 知りえない.測った 結果が どれだけ 疑わしいかを 数で 表した ものが 不確かさで,標準偏差の 形で 表した ものが 標準不確かさである. 繰り返し測定では,平均
を値と し,1回の 散らばりを 標準偏差 ,平均の標準不確かさを とする(タイプA).目盛りや 仕様からの 評価が タイプB. 偶然誤差は
平均で 減るが,系統誤差は 繰り返しても 減らない.やり方を 変えて 見つけ,補正する. 問いの
答え:どれか1つが 正しいのではない.平均 が最も 信じられる 値で,標準不確かさは .ただし,全部が同じ 向きに ずれていないかは,別の 方法で 確かめる.
05ばらつきと平均の計算
前の
定理 数学の
基準値を
導出:
と
と
よって
一様に
したがって
練習. 測定値
答え:
例題
例題 1
前の
解答を見る
考え方 基準値
すな
周期は
例題 2
例題 1 の
平均の
標準不確かさ を 以下にするには,何回測れば よいか. 同じ合計時間で
比べる. を50回測る場合と, を10回測る場合で,周期の 標準不確かさ はそれぞれいくらか.ただし の1回の標準偏差も とする. ストップウォッチの
表示は 刻みで,真の時間は 表示から の範囲の どこかに あると する.この 丸めに よる 標準不確かさを 求め, と比べよ.
解答を見る
考え方 繰り返しの
より , ,つまり109回以上で,110回ほど要る.10回の11倍の 手間で,不確かさは ほどにしかならない. を50回: . を10回: .合計時間は同じでも,長く まとめて 測る ほうが 約2.2倍よい.回数の 効き目は 倍,まとめる効き目は5倍だからである(ただし前の 題材の とおり,数え違いと 振れ幅の 減りに 注意する). なので . の約18分の1で,人の 手の ばら つきに 比べて 無視できる.表示を まで細かくしても,結果は ほとんど 良くならない.
例題 3
別の
横軸は周期の数 n,縦軸は測った時間 t_n.横軸に0,10,20の目盛りを置く.例題の測定点と直線は示していない.
と を求めよ. この
人が を周期と して を計算すると, はいくらに なるか.(1) の を使うと どう なるか. だけを何百回測っても が見つからない 理由を 述べよ.
解答を見る
考え方
より . .毎回 長く測っていた(止めるのが 遅れる 癖だった). を使うと .(1) の を使うと になる. による のずれは で,次の題材で 求める, 10回の偶然誤差に よる の不確かさ( ほど)より大きい.確かめと して,第2章の 一次近似を 使うと, が % 長いと き は約 0.56 % 小さくなり, と一致する. どの
にも同じ が入っているので,平均も ちょうど だけずれたままである.繰り返しで小さくなるのは,回ごとに 変わる ずれだけである. を見つけるには,測る 周期の 数を 変えるように,やり方を 変える 必要が ある.
ポイント ここまでの
基準値を
引いて 計算すると 楽に なる. .独立なずれの
和は,2乗の 平均が 足し算に なる(交差項の 平均が0).だから 回の平均の ずれは ,偏差の2乗の和は 平均して になる. に一様に 散らばるずれの 標準不確かさは .同じ
時間を かけるなら,回数を 増やす( )より,まとめて測る( )ほうが効く.一定の 系統誤差は,周期の 数を 変えて 引き算すると 見つかる.
06ばらつきと偏りの演習
ばら
演習
演習 1
同じ
回 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
0.448 | 0.452 | 0.450 | 0.454 | 0.446 |
横軸は測定回,縦軸は落下時間.問題の5つの記録だけを描き,平均は示していない.
平均,標準偏差,平均の
標準不確かさを 求めよ. この
標準不確かさを 添えた 報告を 書け.
解答を見る
考え方 基準
平均は
.偏差は 単位で なので, . , .「平均の
落下時間 ,タイプAの標準不確かさ 」と書ける.自動計時の 系統的な 効果を まだ 評価していないので,これを 全体の 不確かさとは 呼ばない.確かめと して,偏差の 和は0,不確かさの 単位は 時間である.
演習 2
表示が
てんびんの125.4 gの表示と,丸め前の値が入りうる125.3〜125.5 gの範囲を示す.
表示の
丸めに よる 標準不確かさを 求めよ. 同じ
表示を10回写したので,この 不確かさを で割って よいか.
解答を見る
考え方 半幅からの
.割ってはいけない.同じ
丸め前の 値を 同じ 境界で 丸めた 表示を 写しており,新しい 独立なずれを10個得たわけではない.記録の 標準偏差が0でも,丸め前の 値が だと確定しない.確かめと して,不確かさは 半幅 より小さいが0ではなく,表示刻みを 細かくした ときだけこの モデルの 不確かさも 小さくなる.
演習 3
温度計を,温度
温度20.00 °Cの一定の水槽に,基準と調べる温度計を入れる.補正値は示していない.
読みの
平均,標準偏差,平均の 標準不確かさと,加算の 偏りの 見積もりを 求めよ. 別の
水槽で と読んだ ときの 補正後の 値を 求めよ.ここから 全体の 不確かさまで 決まるか.
解答を見る
考え方 基準との
,偏差の2乗の和は . , .偏りは と見積もる. 補正後は
.別の読み自身の ばら つきや,偏りが 温度に よらないと いう 仮定も 確かめる 必要が あり,全体の 不確かさは まだ決まらない.確かめと して,元の 水槽の 平均に 同じ補正を すると に戻る.
演習 4
同じ棒を8回続けて
8回の長さの読みを測定順に並べた.平均線や原因の説明は描いていない.
前半4回と
後半4回の 平均を 比べよ. 上の
考え方の 問題点を 説明し,次に 何を 記録・ 測定すべきか 提案せよ.
解答を見る
考え方 平均の
前半は
,後半は ,差は .全体の平均は だが,最初の時点の 長さとは 限らない. 増加が
温度に よる 棒の 変化なのか,器械の 変化なのか,この 記録だけでは 分からない.同じ 平均の 周囲に 独立に 散らばっているとは 見なせず,単に で割って 最初の 値を 報告できない.時刻・棒と 器械の 温度を 記録し,条件が 落ち着くのを 待つか,安定した 基準棒も 交互に 測る.確かめと して,8点は 平均の 上下に 不規則に 散らばらず,順番と 読みが 強く 結び 付いている.
演習 5
基準長さ
器械 | 読み |
|---|---|
A | 2.03,2.05,2.01,2.04,2.02 |
B | 2.20,2.19,2.21,2.20,2.20 |
AとBの5つの読みを同じ長さの軸に並べ,基準2.000 mを緑の線で示す.同じ値のBの点は上下にずらして区別した.平均は描いていない.
各器械の
平均,標準偏差,平均の 標準不確かさを 求めよ. 「Bの
ほうが ばら つきが 小さいので,補正せず 使っても 基準に 近い」と いえるか.
解答を見る
考え方 平均からの
Aは
,偏差の2乗の和 より , .Bは ,2乗の和 より , .いえない.Bは
繰り返しの ばら つきが 小さいが,平均は 基準より 大きい.Aの隔たりは で,補正前はAのほうが 基準に 近い.器械の 読みを 細かく する ことと,既知の 偏りを 補正する ことの 両方が 必要である.確かめと して,Bの 基準との 差は 平均の タイプAの 不確かさの 約63倍で,単なる 小さな 散らばりとは 区別できる.
演習 6
変位計を
基準の5回から決めた一つの補正値を,試料の20回の読み全体に使う.補正後の答えは示していない.
補正値と
その 標準不確かさ,試料の 補正後の 平均を 求めよ. 試料の
平均自身の タイプAの 不確かさを 求め,補正値の 不確かさと 比べよ.試料だけの 測定回数を 増やせば 両方とも 減るか.
解答を見る
考え方 補正値を
差の
平均は ,偏差の2乗の和は . ,補正値の標準不確かさは .読みが大きく 出るので 引き, .試料の
平均の タイプAの 不確かさは .補正値の寄与の ほうが 大きい.同じ補正値を 全20回に 使うので,試料の 回数だけ増やしても 補正値の は減らない.基準での 測定を 改善する 必要が ある.確かめと して,差が すべて 正なので,補正の 符号は 負でなければならない.
ポイント 教える
標準偏差と
07計算した量の不確かさ
問い
ここまでの
と
考えてみる
では,
1つの 量から 計算する とき
量
です.特に
と
曲線の接点で,横軸の±u(x)を接線へ投影し,縦軸の±u(y)を読む.接点を右へ動かすと傾きが増し,縦の幅が広がる.初期状態は緩やかな部分と急な部分の間.
2つ以上の 量から 計算する とき
長さの
公式 不確かさの
和・
差 :積・商・べき
:
こうして合わせた
和・差では
の 不確かさ
量 | 相対標準不確かさ | 指数 | |
|---|---|---|---|
0.125 % | 0.125 % | ||
0.092 % | 0.184 % | ||
合成 |
よって
このような
報告の 書き方と 有効数字
不確かさは1桁か2桁で
と
第1章の
最後に,結果を
ポイント ここまでの
1つの
量からなら .べき では相対不確かさが 倍になる. 独立な
不確かさは2乗の 和の 平方根で 合わせる.和・差では 不確かさその もの,積・商・べきでは 相対不確かさを 合わせる. 内訳の
表を 作り,一番 大きな 寄与から 減らす.有効数字の 規則は,この 伝え方の 大まかな 版である. 問いの
答え: ,合成標準不確かさ .周期の寄与(0.184 %)が 長さ(0.125 %)より 大きいので,周期を 良く するのが 先である.
08不確かさの伝わり方と偏微分
前の
定理 数学の
どんな
と
1次近似.
偏微分. 2つの
2つの
と
独立な
量が3つ以上
練習. 長方形の
答え:
練習2.
答え:
例題
例題 1
前の
解答を見る
考え方 偏微分に
長さの
確かめると,相対不確かさでは
例題 2
振り子の
左はノギスの外側の測定面で球を挟む図.赤い印が測定面と球の接点.右は同じ球を電子てんびんに載せる図.読みの値や密度は示さない.
密度
を求めよ. と の標準不確かさを 求め, の相対標準不確かさへの それぞれの 寄与と, の合成標準不確かさを 求めよ.
解答を見る
考え方
として, . , .寄与は,質量が %,直径が %.合わせて %, .結果は である.直径の読みの 相対不確かさ(0.057 %)は 質量(0.043 %)と 同じ 程度だが,3乗で 効くので3倍の 0.170 % に なり,質量の 寄与の 約4倍に なる.確かめと して,鉄の 密度は およそ で,鉄の球と して 妥当である.
例題 3
支点の
同じ支点から同じ球を長い糸と短い糸でつるす2通りの配置を重ねて示す.上端の読み l′_1 と l′_2 の差 Δl′ をメートル尺に沿って示す.支点の位置には不明瞭な範囲を付ける.
, , , のとき, と を求めよ. 2つの
長さを 近づけて , , , としたときの の相対標準不確かさを 求め,(1) と 比べよ.
解答を見る
考え方 分子の
分子:
, ,相対 0.071 %.分母: . より , .差の不確かさは ,相対 0.20 %.よって
相対標準不確かさは
で相対 0.35 %. ,不確かさは ,相対 1.03 %.合わせて % で,(1) の約5倍に なる.差の 不確かさは あまり 変わらないのに,差その ものが 小さくなったからである.近い 値どうしの 差は 相対不確かさが 大きくなるので,2つの 長さは できるだけ離す.確かめと して,(2) の 値から 計算すると で, との差 は,その不確かさ と同じ 程度である.
ポイント ここまでの
一次
近似から,どんな 指数 でも .偏微分は,ほかの
量を 定数と みて1つの 量で 微分した もの. .独立なら
.和・差,積・商・べきの 規則は この 特別な 場合である. 同じずれが
両方に 入る 量どうしの 差では,そのずれが 消える.ただし 近い値の 差は 相対不確かさが 大きい.
09計算した量の不確かさの演習
値だけでなく,どの
演習
演習 1
ばねの
ばねの自然長l₀と,おもりをつるした長さl₁を示す.伸びの値は描いていない.
伸び
とその合成標準不確かさを 求めよ. 伸びの
相対標準不確かさを,長さ の相対標準不確かさと 比べよ.
解答を見る
考え方 差では
, .結果は . ,つまり2.2 %.一方 ,つまり0.18 % である.確かめとして,伸びが0に 近づいても 差の 絶対不確かさは 変わらず,相対不確かさは 大きくなる.
演習 2
等速で
間隔Lの光センサーA・Bを台車が通過する時間tを測る.速さの値は示していない.
速さ
とその合成標準不確かさを 求めよ. 時間の
不確かさだけが0に なった とき,速さの 不確かさは いくら残るか.
解答を見る
考え方 商の
. より, .報告は . 残る.時間を良くしても 距離の 寄与は 消えない.確かめと して,距離の 不確かさを 時間で 割った 単位は 速さの 単位に なる.
演習 3
静かに
小球を放す装置と下のセンサーを示す.球の同じ点が移動する距離hを測る.
とその合成標準不確かさを 求めよ. 距離または
時間の 不確かさの 一方だけを 半分に できます.どちらを 改善すべきか,両方の 案を 計算して 比べよ.
解答を見る
考え方
.距離の寄与は ,時間は . . と報告する. 距離を
改善すると ,時間を改善すると .時間の改善が 有効である.確かめと して,時間が 長めに 出ると は小さくなり,微分の 負の 符号と 一致する.
演習 4
円柱の
円柱の直径Dと高さHを示す.体積や不確かさの答えは描いていない.
体積と
合成標準不確かさを 求めよ. 直径を2回掛けるので,独立な2つの
測定と して 寄与を 足して よいか.
解答を見る
考え方 同じ
.直径の寄与は ,高さは . . と報告する. いけない.
のずれは2つの 因子に 同時に 入るので,相対的な ずれは2倍である. 倍ではない.確かめとして, が1 % 増えれば は 倍で,約2 % 増える.
演習 5
壁までの
壁までの距離Lと往復経路,直接音と反射音の山の間隔τを示す.時間差の数値は描いていない.
音速と
合成標準不確かさ, の拡張不確かさを 求めよ. 基準は
の範囲に 入るか.この 比較だけで 測定ミスと 断定して よいか.
解答を見る
考え方 2は
. . .標準不確かさで と報告する. 丸め前の
値では 範囲は 約 〜 で,基準は入らない.ただし包含係数2の 範囲は 必ず真の 値を 含む境界ではない.室温などの 条件が 基準と 同じか,反射経路の 選択や 器械の 時間尺度に 見落としが ないかを 調べる.確かめと して,往復距離を 片道と 取り 違えると 約半分の 値に なり,今回の 差よりはるかに 大きい.
演習 6
斜面の
直角三角形の高さhと斜辺の長さLを,同じものさしで測る.比の値は示していない.
共通の
倍率の ずれが にどう 入るか,分数を 直接計算して 調べよ. 独立な
読みの 不確かさだけから を求めよ.倍率の ずれまで 独立と して合成すると,な ぜ過大評価に なるか.
解答を見る
考え方 同じ
.共通の倍率は,この モデルでは 厳密に 消える.独立な 読みの 小さな ずれとの 積は1次近似では 無視する. , . と報告する.倍率を 独立と して 入れると,消えるはずの を2つ足してしまう.ここでは共分散の 一般式を 使わず,共通の 原因を 式に 表して 判断した.確かめと して, は長さ同士の 比なので 無次元であり,ものさしの 単位を 変えても 値は 変わらない.
ポイント 教える
まず式に
10グラフでモデルを確かめる
問い
ここまで,周期の
考えてみる
式を
0.200 | 0.400 | 0.600 | 0.800 | 1.000 | 1.200 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
0.928 | 1.288 | 1.572 | 1.807 | 2.020 | 2.211 | |
0.861 | 1.659 | 2.471 | 3.265 | 4.080 | 4.889 |
直線に なる軸を 選ぶ
周期の
横軸は,実際に
と
ここに
本文の6点を最小二乗直線に重ねる.傾き b はΔ(T²)/Δl′.原点の近くを拡大して縦の切片 a と横軸との交点 l′ = −r を示す.拡大図は上下の縮尺が全体図と異なる.
直線を 当ては める
測った
と
残差を 見る
直線に
0.200 | 0.400 | 0.600 | 0.800 | 1.000 | 1.200 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
残差 |
残差の
測り方を
上下で同じ縦軸の縮尺を使う.上は本文の6点から再計算した残差,下は水平に15 cm引いた場合の本文の残差.灰色の帯は各長さの±2T u(T),u(T) = 0.0017 s.上は0のまわりに散らばり,下は両端で正,中ほどで負になる.
ポイント モデルを
条件(ここでは
長さ)を 広い範囲で 変えて 測る. モデルが
正しければ 直線に なる軸を 選ぶ. 直線を
当てはめ,傾きと 切片の 物理的な 意味を 確かめる. 残差を
並べ,形が 無く,大きさが 測定の 不確かさ程度かを 見る.形が あれば,モデルか 測り方を 疑う.
ポイント ここまでの
1組の
測定からは,式が 正しくなくても 何かの 定数が 出てしまう.条件を 変えて,同じ定数で 全部が 説明できるかを 見る. 直線に
なる 軸( と )を選ぶ.傾き から を求めると,長さの 一定の ずれは 切片に 入り,傾きには 入らない. 残差に
形が 無く,大きさが 不確かさ程度なら,モデルは その 範囲で 成り 立つ.弓なりなどの 形は,モデルの ずれを 教える. 問いの
答え:長さを 変えて と のグラフが 直線に なる こと,残差に 形が 無い ことを 確かめる.傾きから (標準不確かさ ),切片からおもりの 半径が 読み取れた.
11最小二乗法と両対数グラフ
前の
定理 数学の
最小二乗法. 点
を
1つ目から
分母を
傾きと
同様に
常用対数.
両対数グラフ.
練習1. 3点
練習2.
答え:
練習2の
例題
例題 1
前の
0.200 | 0.400 | 0.600 | 0.800 | 1.000 | 1.200 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
0.861 | 1.659 | 2.471 | 3.265 | 4.080 | 4.889 |
解答を見る
考え方
よって
例題 2
例題 1 の
横軸に上端までの長さ l′ の6つの目盛り,縦軸に残差 e_i を示す.残差0の水平線がある.残差の点と縦軸の数値目盛りは示していない.
各点の
残差 と,残差の標準偏差 を求めよ. 傾きの
標準不確かさ と, の標準不確かさを 求めよ. 切片の
標準不確かさ を求めよ.横軸との 交点 から読んだ おもりの 半径は,ノギスで 測った と合っているか. の不確かさは 小さいので 無視してよい.
解答を見る
考え方 残差から
を計算すると, 単位で . より
確かめと
.相対で % なので, .結果は . .交点から読む半径は ,その不確かさは .つまり (標準不確かさ )で,ノギスの と合っている.グラフの 切片は,長さの 読みに 一定の ずれが ある ことを 数で 教えてくれる.ただし 不確かさは ノギスより ずっと 大きく,半径 その ものを 測る 方法と しては 粗い.
例題 3
周期の
0.100 | 0.200 | 0.400 | 0.800 | 1.600 | |
|---|---|---|---|---|---|
0.635 | 0.898 | 1.269 | 1.795 | 2.539 |
横軸はlog₁₀ lの−1.0〜0.3,縦軸はlog₁₀ Tの−0.3〜0.5.0.1ごとの方眼を示す.例題の点と直線は示していない.
解答を見る
考え方 長さは2倍ずつなので,
5点に
ポイント ここまでの
最小二乗法は,残差の2乗の
和を 最小に する.偏微分を0とおいて , .直線は を通る. は の1次式なので, . は残差の2乗の 和を で割って 求める. を広く 散らすほど 傾きは 確かに なる. は両対数グラフで 直線に なり,傾きが である.
12グラフでモデルを確かめる演習
グラフの
演習
演習 1
小球を
落下する小球と,横軸t²,縦軸hの空のグラフを示す.測定点と直線は描いていない.
直線に
するには 何を 横軸・ 縦軸に すれば よいか.傾きの 意味と 単位を 答えよ. 距離の
読みに 一定の 加算の ずれが 入ると,直線の どこが 変わるか.時間の 始めの ずれも 同じように 扱えるか.
解答を見る
考え方 実際に
横軸
,縦軸 とすると, , で単位は .距離の
ずれ は の切片に 入る.一方,読んだ 時間が なら, となり, に対する 切片だけでは 表せない 項が 残る.確かめと して, , なら原点を 通る 直線に 戻る.
演習 2
音源から
1.00 | 2.00 | 3.00 | 4.00 | 5.00 | |
|---|---|---|---|---|---|
0.010 | 0.012 | 0.016 | 0.018 | 0.022 |
横軸xは音源からマイクまでの距離,縦軸yは時間の読み.問題の5点を示し,直線は描いていない.
最小二乗直線
を求め, と を求めよ. 原点を
必ず 通る 直線を 使うと 問題に なる 理由を 述べよ.
解答を見る
考え方 傾きは
, , , .したがって , . , .残差は順に .原点を
通すと 一定の 時間の ずれを 傾きで 説明する ことになり,音速が 変わってしまう.確かめと して,残差の 和は0で, の単位は 速さである.
演習 3
静止から
0.00 | 1.00 | 2.00 | 3.00 | 4.00 | |
|---|---|---|---|---|---|
0.02 | 0.49 | 1.02 | 1.49 | 2.02 |
横軸t²と縦軸の位置の読みyの5点を示す.当てはめ直線と加速度は示していない.
, ,残差の標準偏差 ,傾きの標準不確かさを 求めよ. 加速度と
その 標準不確かさを 報告せよ.
解答を見る
考え方 直線の
, , ,分子は . , .残差は で,2乗の和は . , . , .結果は .確かめとして,位置の 一定の ずれは に入り,ここで 求めた 加速度を 変えない.
演習 4
ある
時刻を1 s,距離を1 mで割った無次元の数の常用対数を軸にする.与えられた3点だけを描き,傾きは示していない.
両対数グラフの
傾きから を求めよ. を求め,その 単位と との関係を 答えよ.
解答を見る
考え方 対数を
時間が2倍に
なると 距離は4倍なので, .両端でも になる. .静止からの自由落下なら ,よって .確かめとして,3点すべてで が同じである.ただし3点だけの 一致から,任意の 距離で 空気抵抗が ない ことまでは 証明できない.
演習 5
水平に
0.00 | 0.20 | 0.40 | 0.60 | 0.80 | |
|---|---|---|---|---|---|
0.00 | 0.40 | 0.80 | 1.08 | 1.32 |
上は位置の5つの記録,下は残差を描くための空の枠.直線と残差の答えは示していない.
最小二乗直線と
残差を 求めよ. 残差の
大きさを 位置の 不確かさと 比べ,前半と 後半の 区間速度も 使って,等速モデルを 評価せよ.
解答を見る
考え方 全体の
, , ,分子は . , .残差は .最大の
残差は で,標準不確かさの約8倍も ある.前半 〜 の速度は ,後半 〜 は .この記録を 等速とは 見なせず,台車の 減速や 動画の 読み方の 変化を 調べる.確かめと して,残差の 和は0であるが,それだけで モデルが 正しいとは いえない.
演習 6
一定の
候補Aの6距離と候補Bの6距離を同じ軸に並べる.縦の位置は候補を分けるためのもの.傾きや不確かさの答えは示していない.
それぞれの
と,傾きの標準不確かさを 求めよ. 候補Bを
選ぶ前に 確かめるべき条件を 挙げよ.測定の 速さが 途中で 変わる 場合にも 同じ 比較が 使えるか.
解答を見る
考え方 回数だけでなく,横軸の
Aは
, , .Bは , , .Bでは不確かさが4分の1に なる. 広い範囲でも
同じ 速さか,センサーの 条件が 一定か,距離の 不確かさを 無視できるかを 確認する.途中で 速度が 変わると 直線モデルが 合わず,傾きの 不確かさだけを 比較して 選べない.残差を 見てから 範囲を 決める.確かめと して, は距離の2乗の 単位を 持つので, は傾きと 同じ 単位に なる.
ポイント 教える
グラフを
13第14章の章末問題
測る
演習 1
板の
不確かさを2桁に
丸め,値の 桁を そろえて 報告せよ.括弧を 使う 形と,言葉で 不確かさを 明示する 形の 両方を 書け. の拡張不確かさも 報告せよ.「誤差は 必ず この 範囲内である」と いって よいか.
解答を見る
考え方 値の
, .括弧では .言葉では「厚さ ,合成標準不確かさ 」と書く. 丸め前から
なので, (包含係数2)と報告する.これは 必ず 含む境界ではない.正規分布で 近似できる 場合の 約95 % の 範囲の 目安であり,見落とした 系統的な 効果まで 保証しない.確かめと して,括弧の83は を意味し,単位も 桁も 一致する.
演習 2
ばねの
ばねの長さを測る装置と5回の読みを示す.補正後の平均は示していない.
読みの
平均,標準偏差,平均の タイプAの 標準不確かさを 求めよ. 偏りを
補正し,補正後の 平均の 合成標準不確かさを 求めよ.測定回数を 増やすだけでは 消えない 寄与は 何か.
解答を見る
考え方 読みの
.偏差の2乗の和は , , .補正後は
. ,よって .補正値の寄与 は,ばねの測定回数だけ増やしても 消えない.確かめと して,正の 偏りを 引いたので,補正後の 長さは 読みより 小さい.
演習 3
小球を
小球を静かに放す装置と下のセンサー,球の移動距離hを示す.
時間の
平均,標準偏差,平均の 標準不確かさを 求めよ. とその合成標準不確かさを 求めよ.一定の 初速度が 入る 可能性を,繰り返しだけで 否定できるか.
解答を見る
考え方 5回の
,偏差の2乗の和は . , . , . と報告する.毎回 同じ 初速度が 入れば,時間は 同じ 向きに 変わるので,繰り返しだけでは 否定できない.放し方や 高さを 変える 測定が 必要に なる.確かめと して, の単位は 距離を 時間の2乗で 割った 単位である.
演習 4
台車が
斜面の高さh,全長L,台車が計時中に進む距離sを区別して示す.
を で表せ. , , , で値を 求めよ. 独立な
標準不確かさが 順に , , , であるとき, の不確かさを 求めよ.最も 大きい 寄与は どれか.
解答を見る
考え方 斜面の
なので, .相対寄与は
順に . . と報告する.高さの 読みが 最大の 寄与で,斜面が 低すぎると その 相対不確かさが 大きくなる.確かめと して, は の次元を 持つ.モデルの 抵抗の 無視を 確かめるには,斜面の 高さを 変えて 同じ が出るか 調べる.
演習 5
鉛直なばねに
0.200 | 0.300 | 0.400 | 0.500 | 0.600 | |
|---|---|---|---|---|---|
0.220 | 0.264 | 0.318 | 0.362 | 0.416 |
上は固定した上端から下端までの長さ l を測るばねとおもり.中は質量 m と長さ l の5点,下は空の残差の枠.当てはめた直線と残差の値は描いていない.
最小二乗直線
を求め, と を求めよ. 残差,
, , から と の標準不確かさを 求めよ.残差が 小さい ことだけで,質量の 目盛りの 倍率が 正しいと 確かめられるか.
解答を見る
考え方 傾きは
, , ,分子は . , . , .残差は
.2乗の和は , . . で,2桁に丸めて . で,2桁に丸めて .報告は , .残差だけでは確かめられない.全質量の 読みが 同じ 倍率で ずれても 点は 直線上に 残り,ずれは 傾きに 入って が変わる.この 倍率だけでは は変わらない.質量は 別の 基準と 比べる.確かめと して,残差の 和と は0になる.
演習 6
同じ
台車の二つの測定区間L₁とL₂,それぞれの時間t₁とt₂を示す.両距離の目盛りは共通.速さの比は描いていない.
速さの
比 とその 標準不確かさを 求めよ. 目盛りの
倍率を 調べ直さなくても,速さが 変わったと 判断できるか.これだけで 加速度が 一定ともいえるか.
解答を見る
考え方 比を
. , の両方に を掛けても 比は 変わらない.したがって . と報告する. 比と1との
差 は より十分 大きいので,この 測定モデルの 範囲では 速さが 変わったと 判断できる.ただし2区間の 平均の 速さだけでは,一定加速度か どうかは 決まらない.時刻と 位置を さらに 記録して モデルを 確かめる 必要が ある.確かめと して, は無次元で,距離を cm に 換算しても 同じ値である.
14第14章の発展問題
装置の
演習 1
ばねに
ばね,取付具,交換する質量mを示す.下は与えられたmとT²の5点で,直線は描いていない.
0.100 | 0.200 | 0.300 | 0.400 | 0.500 | |
|---|---|---|---|---|---|
0.240 | 0.440 | 0.646 | 0.840 | 1.046 |
測る
量,そろえる 条件,記録すべき生の 値を 挙げよ. 横軸の
不確かさを 無視し,各 の独立な 偶然の ずれが 同じ 大きさと して 直線を 当てはめ, , ,当てはめからの を求めよ. の不確かさは 求めなくてよい. 時計の
全測定に 共通する 倍率の 相対標準不確かさが0.2 % と 分かった.これを 含む の合成標準不確かさを 求めよ.切片を0と 決めつけると 何が 起こるか.
解答を見る
考え方 周期の2乗と
おもりの
質量と,例えば10振動分の 時間 を測り, にする.支点・取付具・ 振れ幅の 条件を そろえ,ばねが 伸び切らない 範囲を 使う.質量,時間の 各読み,回数,振れ幅,器械の 分解能を 残す.同じ 向きの 通過を 数え,質量を 戻した ときにも 周期が 再現するか 調べる. , , ,分子 . , . , .残差は ,2乗の和は . , , .時間の
倍率は に2倍効き, への相対寄与は0.4 %. . と報告する.原点を 強制すると 有効質量を 傾きで 説明する ため, を小さく 見積もる.確かめと して, なら切片が 消え, の単位は になる.
演習 2
音の
0.500 | 1.000 | 1.500 | 2.000 | 2.500 | |
|---|---|---|---|---|---|
0.00495 | 0.00784 | 0.01085 | 0.01374 | 0.01675 |
音源とマイク,壁までの距離L,往復する音の経路を示す.波形には出力と反射音の山だけを描く.
直線を
当てはめ, , ,残差の標準偏差,当てはめからの を求めよ.横軸の 不確かさを 無視し,縦軸の 偶然の ずれは 独立で 同じ 大きさと する. 距離の
共通の 倍率の 相対標準不確かさ0.3 % と,時計の 共通の 倍率の 相対標準不確かさ0.2 % を 加えて, を報告せよ.2つの 倍率の ずれと 当てはめの 偶然の ずれは 独立と する. 残差が
小さい ことだけで が電子回路の 遅れだと 断定できるか.室温が ゆっくり変わる 場合の 測定順序も 提案せよ.
解答を見る
考え方 一定の
, , ,分子 . , . . , として, .残差は , , . . は長さに 比例し時間に 反比例するので,相対寄与は それぞれ0.3 % と0.2 %. . と報告する. 断定できない.距離の
基準位置の 一定の ずれも 切片に 入る.電子回路の 遅れは 別の 電気的な 信号で 調べ,距離の 基準は 音源・マイクの 位置に 合わせる.温度変化と 距離が 結び 付かないよう,距離を 小さい 順だけに 測らず,順を 入れ替え,同じ 中間距離を 測定の 途中に 繰り返す.確かめと して,距離を 増やすと,遅れは傾きから 増える.
演習 3
自由落下する
0.1000 | 0.2000 | 0.3000 | 0.4000 | 0.5000 | |
|---|---|---|---|---|---|
0.080 | 0.244 | 0.512 | 0.873 | 1.336 |
等間隔の時刻で読む球の5位置を示す.時刻と位置は問題の生の記録だけで,差や加速度は示していない.
連続する3点から
を作ると, , が消える ことを 示せ.3つの と,1つの の標準不確かさを 求めよ. を,元の5つの読みの1次式と して 書き直し,標準不確かさを 求めよ.3つの を独立と して 計算してはいけない 理由を 説明せよ. 時計の
全時刻に 共通する 倍率の 相対標準不確かさが0.1 % ある.これを 含めて を報告せよ.位置の 共通の 加算の ずれと 倍率の ずれの うち,消えるのは どちらか.測定の 改善案も 述べよ.
解答を見る
考え方 隣り合う差は
定数項は
,時間の1次項も .2次項だけが 残る.3つの値は .1つの値の 不確かさは .足して
整理すると . は消える.独立な4つの 読みの 係数の2乗を 足すので, . とは異なる.各 には同じ 読みが 異なる 符号で 入り,ずれが 互いに 関係するからである. 時計の
相対寄与は . .結果は .位置の加算の ずれは 係数の 和が0なので 消えるが,位置の 倍率は 残る.改善には 位置の 読みを 良く するか,等間隔を 保って を広げる 方法が ある.ただし 空 気抵抗や 画面外への 落下が 問題に ならない 範囲に する.確かめと して, で,間隔を2倍にできれば 位置由来の 寄与は4分の1に なる.
演習 4
一定の
二つの方法の読みと,独立な偶然のずれの標準不確かさの幅を示す.共通の補正値の不確かさはこの幅に含めていない.合成した答えは示していない.
を微分し,最小に する と,独立な偶然の ずれからの 標準不確かさを 求めよ.単純な 算術平均の 標準不確かさと 比べよ. 両方法には
同じ補正値を 使い,補正後にも 共通の 加算の ずれ が残ります.その 見積もりは0,標準不確かさは です. と書き, と各偶然の ずれ は独立とします.これを 含む合成標準不確かさを 求めよ. 各方法の
測定回数を 増やし, , だけを十分小さく できた ときの 限界と,次に 改善する 測定を 答えよ.
解答を見る
考え方 不確かさの
より, .重みは , で, . なので最小である. .算術平均は ,標準不確かさ である. . なので, はそのまま 残る. . と報告する. 極限は
.共通の補正値を 決める 基準の 測定を 改善する.確かめと して,同じずれが2つに 加わっても は変わらないので,2つの 方法が 一致する ことだけでは 共通の 偏りを 否定できない.
15第14章のまとめ
この
定義
定義 誤差と
測る
量の ほんとうの 値を真の 値,測定値と 真の 値の 差を誤差と いう.真の 値は 知りえないので,誤差も 知りえない. 測った
結果が どれだけ 疑わしいかを 表す数を不確かさ,それを 標準偏差の 形で 表した ものを標準不確かさ という.値に 対する 割合 が相対標準不確かさである.繰り返し測定の
統計から 求めるのがタイプAの 評価,目盛り・分解能・仕様など それ以外の 情報から 求めるのがタイプBの 評価である. 測る
たびに 向きも 大きさも 変わる ずれが偶然誤差,同じ 条件なら いつも 同じ 向きに 出るずれが系統誤差である.偶然誤差は 平均で 減るが,系統誤差は 繰り返しても 減らない.
定義 測定器と
最小目盛り・分解能は
読みの 細かさの 限りで,値の 確かさとは 別である.アナログの 目盛りは 最小目盛りの まで目分量で 読み,視差に 注意する. 有効数字は
不確かさの 大まかな 表し方である.この 章では,それを 標準不確かさと いう 数に した.
主な 公式
平均
,標準偏差 ,平均の標準不確かさ . に一様に 散らばるずれ(表示の 丸めなど)の 標準不確かさは .正規分布では,平均
に約 68 %, に約 95 % の 値が 入る.拡張不確かさ は約 95 % の 範囲の 目安. 1つの
量から: .べき では相対不確かさが 倍.独立な
量から: .和・差は の2乗の和,積・商・べき は .最小二乗法:
, , , .振り子:
, . と のグラフの 傾きは .
手順
ポイント 測定から
求める
量と,測る 量を 言葉で 決める(振り子の は支点から おもりの 中心まで,振れ角は 小さく). 測定器の
最小目盛り・分解能を 確かめ,何を そろえ,何回,何周期まとめて 測るかを 計画する.生の 読みと 条件を 記録し,すぐに 大まかな 値を 計算して 大きな 誤りを 見つける. 繰り返した
値から 平均・標準偏差・平均の 標準不確かさを 出す(タイプA).目盛りや 仕様からの 不確かさも 見積もる(タイプB). 測り方を
変えて 系統誤差を 探し,分かった ものは 補正する. 計算した量の
不確かさを,偏微 分か 相対不確かさの 規則で 合成し,内訳の 表を 作る.一番 大きな 寄与から 減らす. 不確かさを1〜2桁に
し,値を その 桁に そろえて 報告する.何の 不確かさかを 書き添える. 条件を
変えて,直線に なる 軸で グラフを 描き,当てはめた 直線の 残差に 形が 無いかを 見る.
各題材の 問いへの 答え
何を
どう 測るか:10周期ほどを まとめて 測り,時刻は おもりが 速く 動く 最下点で 取る.押すずれが1周期あたり になる.数え違いは,1周期 → 10周期 → 50周期と 段階を 踏んで 確かめる. ばらつきと
偏り:どれか1つが 正しい 値なのではない.10個の 平均 が最も 信じられる 値で,標準不確かさは .ただし全部が 同じ 向きに ずれる 系統誤差は,平均では 見えないので,やり方を 変えて 確かめる. 計算した量の
不確かさ: ,合成標準不確かさ .周期は2乗で効くので,周期の 寄与(0.184 %)が 長さ(0.125 %)より 大きく,周期を 良く するのが 先である. グラフで
モデルを 確かめる:長さを 変えて と のグラフが 直線に なり,残差に 形が 無い ことを 確かめる.傾きから (標準不確かさ ),横軸との交点から おもりの 半径が 読める.同じ距離だけ引いて放すと 残差が 弓なりに なり,大きな 振れ角で モデルが 合わない ことが 分かる.
この 章で 使った 数学
平均と