第23章 電磁誘導と交流
01運動起電力とレンツの法則
問い
自転車の
ここから
ポイント 第23章で
記号 | 意味 |
|---|---|
磁束密度(本文では | |
回路を | |
起電力.単位 | |
回路の | |
自己インダクタンス,相互インダクタンス.単位 | |
時定数 | |
電気伝導率(第21章の | |
複素振幅.実際の | |
交流の | |
複素インピーダンス(大きさは | |
虚数単位(電気工学では |
起電力の
考えてみる
導線の
ただし
動く 導体棒の 起電力
水平に
初期状態では棒が右へ動き,奥向きの磁場Bにより正電荷qが上へ押され,電流は反時計回りに流れる.速度vの符号と大きさを変えると,速度,力,電流の矢印が連動する.
回路を
法則 運動起電力
導体が
である.
回路を
磁束の 変化で 書き直す
回路を
これは
です.最後の
法則 磁束の
回路を
である.
レンツの 法則と エネルギー
負号は,誘導電流が
で,抵抗の
では,仕事を
紙面の奥向きの磁場Bの中で,正電荷qは右向きの速度vと棒に沿う上向きの速度uをもつ.qv×Bは上向き,qu×Bは左向きで,合力はv+uに垂直である.左右の図は同じ電荷を示す.
棒の 運動と 回路を つなぐ
棒の
です.磁気力は
回路の
です.通った
ここまで,回路自身の
回転する コイルと 交流発電機
面積
です.長方形の
初期の回転角はωt=π/4で,磁束と起電力がともに正である.角度を操作するとコイルの向き,磁束Φ=NBS cosωt,起電力ℰ=NBSω sinωtのグラフ上の点が連動する.スリップリングと外部抵抗Rを示す.
交流は,第7章のように
磁石が 動く ときは
自転車の
磁石と
問いに 戻る
発電機の
ポイント ここまでの
磁場の
中を 動く 導体の 電荷は を受け,長さ の棒には の起電力が 生じる. 動く
回路では .負号は磁束の 変化を 妨げる 向き(レンツの 法則)で,エネルギーの 保存と 同じ ことである. 磁気力は
仕事を せず,棒を 押す仕事を 電荷へ 受け渡す.回路を 通る 電荷は で,動かし方に よらない. 棒の
運動は 回路の 式と 運動方 程式を 連立して 解く.抵抗は 速さに 比例する 抵抗力,コンデンサーは 質量の 増加と して 働く. 回転する
コイルの 起電力は で,複素振幅 の実部と して 扱える.
02運動起電力の例題
導体の
例題
例題 1
水平と
斜面に沿う図と横からの図.間隔lのレールの上端を抵抗Rで結び,質量mの棒が斜面を下る.磁場Bは斜面に垂直で,斜面の傾きはθである.
棒の
速さが のときの 電流と 運動方 程式を 書き,終端速度 を求めよ. , , , , , で値を 求めよ. 放してからの
速さ を求めよ. 放してから
斜面に 沿って 距離 だけ滑る間に,抵抗を通った 電荷と 発生した ジュール熱を 求めよ. は十分 大きく,棒は すでに 終端速度に 達しているとする.
解答を見る
考え方 運動起電力
起電力は
だから .棒が受ける 磁気力の 大きさは で,レンツの法則に より 斜面を 上る 向きである.斜面を 下る 向きを 正と して
である.右辺が0に
である.
とおくと,運動方程式は となる. より .数値では である.電荷は
で,回路の磁束の 変化量 を で割った ものに 等しい.エネルギーの 収支は,重力の した 仕事が 運動エネルギーと ジュール熱に なるので
である.
確かめ:終端速度では
例題 2
水平な2本の
初期状態で棒1だけが右向きの速さuをもつ.左はどこでも間隔lのレール,右は棒2の側の間隔がl/2のレールである.磁場Bは鉛直下向きで,紙面の奥向きを⊗で示す.
レールの
間隔が どこでも のとき,2本の 棒の 運動量の 和が 保存される ことを 示し,十分 時間が たった 後の 速さを 求めよ. 2本の
棒の 速さの 差 の時間変化と,発生する ジュール熱の 総量を 求めよ. 棒1の
所の レールの 間隔が ,棒2の所の 間隔が で,2つの部分は レールに 垂直な 短い 導線の 段で つながっているとする.棒は それぞれの 部分から 出ないと して,十分 時間が たった 後の 速さと 発生する 熱を 求め,運動量の 和が 保存されない 理由を 述べよ.
解答を見る
考え方 2本の
2本とも
右へ 動くと,回路を 貫く 磁束は の速さで 変わる.したがって 電流の 大きさは で,棒1には左向き,棒2には 右向きに,同じ 大きさ の力が 働く.
を
2つの
式から .ここで は換算質量(第5章)である.よって , .熱は運動エネルギーの 減少で
である.直接積分しても
磁束の
変化の 速さは の大きさで,電流が0に なる 終わりの 状態では である.棒1に働く力は ,棒2に働く力は だから, とおくと
である.
と
である.
確かめ:(3) で
例題 3
鉛直な
長さaの棒OPが中心Oのまわりに角速度ωで回り,Pが円形レールに接する.固定された抵抗RがOとレールを結ぶ.磁場Bは紙面の奥向きである.Oからの配線とレールの交差は絶縁し,レールの上端で外部回路につなぐ.
角速度が
のときの 起電力を,棒の 中の 電荷に 働く 力から 求め,磁束の 法則でも 確かめよ. 棒に
働く 磁気力の トルクを 求め,角速度 を求めよ.Oの まわりの 棒の 慣性モーメントは である.止まるまでに
棒が 回る 角度と,発生する ジュール熱の 総量を 求めよ.
解答を見る
考え方 棒の
Oから
の所の 速さは で,電荷は棒に 沿って 単位電荷あたり の力を 受ける.
磁束の
長さ
の部分に 働く力は 棒に 垂直で 大きさ ,向きはレンツの 法則に より 回転を 妨げる 向きである.トルクの 大きさは
である.回転の
回る
角度は .熱は初めの 回転の 運動エネルギーで, である.
確かめ:直接積分すると
ポイント ここまでの
回路の
式(起電力=電圧降下)と 導体の 運動方 程式を 連立する.磁気力は 速さに 比例する 抵抗力と して 働く. 通った
電荷は で,磁束の変化量を 抵抗で 割った ものに なる. 2本の
棒が 同じ幅なら 運動量の 和が 保存する.幅が 違うと 固定された 導線にも 力が 働き,保存しない.終わりの 状態は 起電力が 打ち消し合う 状態である. 回転する
棒の 起電力は .エネルギーの収支(外力や 重力の 仕事=運動エネルギーの 変化+熱)で 答えを 確かめる.
03運動起電力と導体の運動の演習
仕事と
演習 1
水平な
棒の
どちらの 端へ 正電荷が 押されるか,電流の 向きと 大きさを 求めよ. 等速を
保つ外力と その 仕事率を 求め,抵抗の 発熱と 比較せよ.
レール,抵抗,棒と速度を上から描く.棒の上側をA,下側をDとし,磁場を示す.
解答を見る
考え方 電荷への
正電荷はAへ,棒内の
電流はDからAへ 流れる.上から 見て 反時計回りである.起電力は ,電流は である.棒への
磁気力は 左向きで .外力は右向きに ,仕事率は . となる.外力が エネルギーを 与え, の次元も 仕事率で 一致する.
演習 2
長さ
と の関係から を求めよ. 両端の
値で,各読みの 誤差が 以下なら, の誤差の 最大値は いくらか. の誤差は 無視せよ.
解答を見る
考え方 傾きと
.傾きは より, .切片は .差の
誤差は 最大 なので, .速度反転で起電力の 符号が 変わり,切片は 残る.
演習 3
横幅
反時計回りを
正と して,電流を 時刻で 場合分けせよ. 通過中の
総発熱量と 外力の 総仕事を 求めよ.境界の 幅は 無視せよ.
帯状磁場とコイル,辺a,lと速度v,境界x=0,wを描く.
解答を見る
考え方 磁場との
紙面手前を
正の 法線と すると,進入中の 磁束は .よって である.電流は
退出中は
通電時間は
.したがって .進入・退出とも磁気力は 左向きに であり,外力が働く 距離は 合計 .仕事も となる.完全に 磁場内なら 両辺の 起電力が 相殺する.
演習 4
面積
起電力と
電流を 複素振幅の 実部で 表せ.虚数単位は . から までに流れる 電荷と 発熱量を 求めよ.
回転軸,コイルと摺動接点,抵抗を描く.磁場,正の法線と角ωtを示す.
解答を見る
考え方 磁束を
磁束の
総和は .よって . とおくと,複素振幅は , .各値は , の実部である. 積分すると
.また
演習 5
間隔
減衰
振動と なる の条件と を求めよ. (1)の
減衰 振動の 条件を 満たす 場合,次の 静止までの 発熱量を 求めよ.
壁,ばね,棒と抵抗,磁場を描く.自然長からの変位xと初期変位Aを示す.
解答を見る
考え方 速度に
より磁気力は . とおくと . を代入すれば . ,すなわち で根は ,ただし , .初期条件から
次の
静止は , .力学的エネルギー は を満たす.したがって . では発熱が0と なる.回路長を ,光速を として が1より十分 小さい ことが 近似条件である.
演習 6
間隔
接続中の
加速度,速度,正極板の 電荷を 求めよ. までの外力の 仕事の 収支と,切断後の 加速度を 求めよ.
棒,レール,コンデンサーと直列スイッチを描く.右向きの外力Fと磁場を示す.
解答を見る
考え方 起電力が
より , .運動方程式は なので, とおけば , , . . , とすると
切断後は
ポイント 教える
電荷への
力,電流,棒への 力を 順に 問う. 一様磁場内の
コイルの 両辺の 起電力を 比べさせる. 複素振幅の
実部で 電流の 符号を 確認する. 発熱と
蓄積エネルギーを 区別し,近似の 時間尺度も 説明させる.
04誘導電場とファラデーの法則
問い
IH調理器に
考えてみる
前の
ところが,これまでの
変化する 磁場が 作る 電場
ファラデーの
法則 ファラデーの
空間に
回る
磁場の
対称な
です.向きは,その
初期状態は手前向きの磁場が増える場合で,電場Eは時計回り.dB/dtの符号と大きさを変えると内外の電場が反転し,Eの大きさのグラフも変わる.磁場の向きは⊙で固定して示す.
電位が 決まらない 電場
静電場では,点Aから
一般の
ポイント 誘導が
回路を
電圧計は 何を 読むか
電圧計は,大きな
例と
手前向きに増える磁場の中で時計回りの電流Iが流れる.抵抗R₁とR₂をもつ左右の半円に沿って,PとQを結ぶ電圧計の導線を描く.導線の離れは見やすさのために広げている.
誘導が
微分形(発展)
第20章で
です.静電場では
渦電流と 電磁 制動
導線でなく
金属板を
渦電流は
磁束の 法則が 使えない とき
磁束の
1つ目は
左は磁場中で回る円板の軸と縁を固定した検流計で結ぶ.右はわずかに揺すった板の接点がPからP′へ移る模式図である.どちらも回路がたどる導体の部分が接点で入れ替わる.
迷った
問いに 戻る
IH調理器の
ポイント ここまでの
磁場が
変わると,固定した 閉じた 道に ついて を満たす誘導電場が できる(微分形は ).運動起電力と
誘導電場は まったく 別の 仕組みだが,どちらも 磁束の 法則 にまとまる.同じ導体を たどれない 回路には 使えない. 誘導電場は
一周の 線積分が0でないので 電位が 決まらない.回路の 式は「電圧降下の 和=起電力の 和」に 直し,電圧計の 読みは 導線の たどる 道で 変わる. 金属の
中では 誘導電場が 渦電流を 流し,発熱や 電磁 制動を 起こす.IH調理器は 止まった 鍋の 中の 誘導電場で 渦電流を 流している.
05誘導電場の例題
ファラデーの
例題
例題 1
半径
左の棒PQは中心Oからa/2離れた弦で,右の棒は中心からd>a離れ,∠POQ=90°となる.磁場は手前向きに増える.点線は指定された三角形OPQで,誘導電場と起電力の答えは示していない.
中
心から 距離 の所の 誘導電場の 大きさと 向きを, と について 求めよ. 中
心からの 距離が で,両端P,Qがソレノイドの 内面に ある 細い 真っすぐな棒を 置く.PからQへ 向かう 向きは,手前から 見てOの まわりを 時計回りに 回る 向きと する.棒に 沿ってPからQへの 誘導電場の 線積分(棒の 起電力)を,直接の 積分と 三角形OPQの 磁束の2通りで 求めよ. 中
心からの 距離が で, となるように 棒PQを ソレノイドの 外に 置く.PからQへ 向かう 向きは (2) と 同様に 時計回りと する.同じ線積分を 求め, によらない ことを 示せ.
解答を見る
考え方 誘導電場はOを
半径
の円で が磁束の 変化の 速さに 等しいので, では より , では より である.手前向きの 磁束が 増えるので,電場は 奥向きの 磁場を 作る 電流を 流す 向き,つまり 手前から 見て 時計回りである. 棒の
中点をMと し,Mから 棒に 沿った 座標を とする.中 心から の点で,円に 沿った 電場の 棒に 沿う 成分は で,棒のどこでも 同じである.棒の 長さは だから
である.三角形OPQを
中点から
の所では で,棒に沿う 成分は . なので は から まで動き
である.三角形OPQはOの
確かめ:棒の
例題 2
内半径
です.
磁気モーメントmを上向きにした磁石が,内半径a,肉厚hの銅管を速さvで下る.磁石からz離れた幅dzの輪を示す.渦電流の矢印は,上側と下側の輪の手前側を表す.
磁石が
一定の 速さ で落ちている とき,磁石から の所に ある 幅 の輪の 起電力と 抵抗を 求め,管全体の 発熱率を 求めよ. を使ってよい. 磁石の
終端速度 を求めよ. , , , , , , で を求めよ.渦電流自身の 磁場を 無視する 近似が 成り 立つことを,比 で確かめよ.
解答を見る
考え方 磁石と
ある
輪の 磁石からの 距離 は毎秒 ずつ変わるので,起電力の 大きさは である.
輪の
と
磁石に
働く 制動力を とすると,発熱率は に等しい.終端速度では なので より
である.
数値を
入れると ,すなわち毎秒 ほどで,自由落下よりずっと 遅い.終端速度に 近づく 時間は で,ほぼすぐに一定の 速さに なる.渦電流の 面密度は と電場( 程度)の積なので,それが 作る 磁場ともとの 磁場の 比は で,1より十分 小さい.
確かめ:
例題 3
ベータトロンは,誘導電場で
電磁石のすき間を電子が回る.手前向きに増える磁場では誘導電場Eは時計回り,電子の速度vは反時計回りで,磁気力Fは中心向きである.内側の平均磁場B_avと軌道上の磁場B_orbの比の答えは記さない.
電子が
半径 を保ったまま 加速され続ける ための, と の関係を 求めよ. , が の間に0から まで一定の 割合で 増えると する.放射に よる エネルギー損失は 無視する.最後の 電子の 運動量と 運動エネルギーを 求めよ.電子の 静止エネルギーは ,エネルギーは で が運動エネルギー, , とする. 1周あたりに
得る 平均の エネルギーと,加速の 間に 回る 回数を 求めよ.回る 道のりの 合計を,光が に進む距離と 比べよ.
解答を見る
考え方 誘導電場が
対称性から,誘導電場は
軌道に 沿って 一定の 大きさ をもち, より である. を積分すると,静止に 近い 状態から 始めて .一方,半径 を保つには が要る.両方が いつも 成り 立つ条件は
で,軌道の
. なので
で,電子の
1周の
起電力は 軌道を 貫く 磁束の 変化の 速さで, と一定である.1周で 得るのは で,回る回数は,丸める 前の 値を 用いて 回である.道のりは で,光が に進む とほぼ等しい.電子は ほとんどの 時間を 光の 速さに 近い速さで 回っているからである.
確かめ:磁場を
ポイント ここまでの
対称な
誘導電場は,円に 沿った 線積分 を磁束の 変化の 速さと 等しいとおいて 求める.電場は 磁場の 変わる 場所の 外にも 広がる. 渦電流の
発熱を 輪ごとに 足すと,管の 中を 落ちる 磁石の 終端速度が 求まる.渦電流自身の 磁場は が小さい ときに 無視できる. ベータトロンでは,軌道の
内側の 平均の 磁場を 軌道上の 磁場の2倍の 割合で 増やすと,電子は 同じ 半径の まま 加速される.
06磁束変化と誘導電場の演習
磁束変化から
演習 1
半径
反時計回りを
正と して 電流を 求めよ. から までに導線の 断面を 通過する 符号付き電荷と,その間の 発熱量を 求めよ.
静止した円形回路,半径a,抵抗Rと磁場の向きを描く.
解答を見る
考え方 磁束の
より .したがって で時計回りに 流れる. ,発熱は
演習 2
軸対称な
半径 | ||
|---|---|---|
起電力の |
解答を見る
考え方 円環の
半径
演習 3
半径
反時計回りの
電場成分と,小球の 速度成分を 求めよ. 時刻
の運動エネルギーと その 供給元を 求めよ.
ソレノイド半径a,外側のガイド半径r,小球と磁場を描く.
解答を見る
考え方 円周が
円周上での
対称性から ,よって .接線方向の運動方程式 を積分すると, となり,時計回りである. .誘導電場はソレノイドの 外にも 存在し,仕事率 は正である.ガイドは 仕事を しない.磁場を 増す装置が エネルギーを 与え, では加速も 消える.
演習 4
内半径
半径
の細い 円環を 独立した 閉回路と して 扱い,全発熱率を 求めよ. , , , , で評価せよ.
環板のa,b,hと,半径r,幅drの細い円環,磁場を描く.
解答を見る
考え方 各円環の
円環の
起電力の 大きさは .長さ ,断面積 より抵抗は .よって
中央の
を代入して . で発熱は0に なる.回路自身の 磁場を 無視する 十分条件は,磁場の 変化時間を として が1より十分 小さい ことである.
演習 5
半径
外周から
抵抗へ 流れる 電流を 求めよ. 等速回転を
保つ 外力の トルクと 仕事率を 求めよ. 閉路の
磁束が 一定でも 電流が 流れる 理由を 述べよ.
円板,摺動接点,抵抗と半径b,磁場,回転の向きを描く.
解答を見る
考え方 動く
半径
の速度は で, は外向き.中 心から 外周への 起電力は .外周が高電位と なり, が抵抗へ 流れる. 各半径での
全電流は .幅 の部分への 接線方向の 磁気力は 回転を 妨げる 向きに である.トルクの大きさは .外力のトルクは 回転と 同方向に ,仕事率は となる. 円板を
通る 幾何学的な 経路は,同じ導体部分を 追う 閉路ではない.磁束の 時間微分だけでは 運動起電力を 数えられず,電荷への ローレンツ力を 含める 必要が ある. で電流も 外力の 仕事率も0と なる.
演習 6
半径
時計回りの
電流と 両方の 読みを 求めよ. 読みの
差を 磁束変化で 確かめ,電位差が 経路に よる 理由を 述べよ.Aは 円の 上端です.
上端A,下端D,半円抵抗,磁場と電圧計の左右の導線経路を描く.
解答を見る
考え方 回路に
時計回りの
起電力は ,よって .左半円では電流はDからAなので .右半円ではAからDなので .読みは
経路に 沿うAからDへの 電場の 線積分である.左をAからDへ,右をDからAへ 進む閉路は 反時計回りで,その 周回積分は
非零の
ポイント 教える
法線と
周回方向を 対応させ,起電力の 符号を 問う. 磁場の
外にも 誘導電場が ある ことを 円周積分で 確かめる. 微小断面の
抵抗と 発熱の 供給元を 説明させる. 測定経路と,円板で
追う導体部分を 図で 指定させる.
07インダクタンスと電気振動
問い
コイルと
考えてみる
素朴には,スイッチを
自己誘導
1つの
定義 自己インダクタンス
回路自身の
の
長さ
です.
回路の
です.抵抗の
電流は 急には 変われない
スイッチを
です.時定数
初期設定はℰ₀=1 V,L=1 H,R=1 Ωで,時刻0にスイッチを閉じる.LとRを操作すると同じ時間軸上で最終電流ℰ₀/Rと時定数L/Rが変わる.
電流
コイルの エネルギーと 磁場の エネルギー
回路の
です.左辺は
定理 コイルの
電流
この
です.
法則 磁場の
磁場
相互誘導
2つの
コイル1の磁力線の一部がコイル2を貫く.両コイルの手前側の正の電流I₁,I₂は下向きで,それぞれ軸に沿って右向きの磁場B₁,B₂を作る.
定理 相互インダクタンス
2つの
である.
磁場の
抵抗が0の
電気 振動
電荷
です.これは
力学の | 電気 |
|---|---|
変位 | 電荷 |
速度 | 電流 |
質量 | 自己インダクタンス |
ばね定数 | |
抵抗の | 抵抗 |
運動エネルギー | コイルの |
ばねの | コンデンサーの |
コイルは
ポイント 電気
LC回路の
初期設定はR=0,t=π/4に相当する状態で,電荷と電流のエネルギーが等しい.初期電荷q(0)=1,I(0)=0,L=C=1を基準に示す.時間のスライダーまたは再生でエネルギーの移り変わりを見られ,Rを2以上にすると電荷は振動しなくなる.
ここまでは,回路の
問いに 戻る
コイルの
ポイント ここまでの
自己インダクタンス
は で定義し,起電力は .細長いソレノイドでは .コイルの
電流は 連続に 変わる.RL回路の 時定数は .コイルの
エネルギーは で,磁場にエネルギー密度 で蓄えられる. 相互インダクタンスは
,エネルギーは で, .抵抗0の回路では 鎖交磁束が 保たれる. LC回路は
で振動し, が質量, がばね定数の 役を する. 問いの
答え:電流を 急に 断ち切ると が非常に 大きくなって 火花が 飛ぶ.その エネルギー は磁場に 蓄えられていた.
082階の線形微分方程式と電気振動
本体の
定理 数学の
重ね合わせ. 左辺は
特性方程式.
複素数の
重解.
右辺が
定数
LRC回路
です.
ポイント 数学の
回路の
と
練習1
練習2
答え 練習1:
例題
例題 1
起電力
S を
開く 直前の,コイルと 抵抗 を流れる 電流を 求めよ. S を
開いた 直後に,抵抗 の両端に かかる 電圧の 大きさを 求めよ. S を
開いた後の コイルの 電流を 求めよ.また,S を 開いてから 抵抗 で発生する 熱の 総量を 求めよ.
電池ℰ₀とスイッチSの先に,内部抵抗rをもつコイルLと抵抗Rを並列に置く.矢印はSを開く前のコイルの電流の向きで,電流や電圧の求める値は示していない.
解答を見る
考え方 十分
コイルの
電流は ,抵抗 の電流は である.S を
開くと,コイルと だけの閉回路に なる.コイルの 電流 がそのまま を流れる( の中の 向きは 開く 前と 逆に なる)ので,電圧の 大きさは で,電池の電圧の24倍である. 閉回路の
式は . より , である.コイルの初めの エネルギー が と の熱に なり,同じ 電流が 流れるので熱は 抵抗に 比例して 分かれる. の熱は である.
確かめ:
例題 2
電気容量
回路の
抵抗を 無視して , を求めよ.電流の 大きさの 最大値と,初めて エネルギーが すべて コイルに 移る 時刻も 求めよ. 回路に
の抵抗が ある とき, と を求めよ.また,電荷の 振幅(包絡線)が 初めの 半分に なる 時刻を 求めよ.
電流Iの正方向はqの極板へ流れ込む向き.右は抵抗の有無による電荷qの時間変化と,抵抗がある場合の包絡線を示す模式図である.求める電流や時刻,減衰定数の値は示していない.
解答を見る
考え方 初期条件は
より , . に初期条件を 入れると , .よって
電流の
, で, とほとんど 変わらない.解は で,初期条件から , .包絡線は に比例するので,半分に なるのは ,周期 の約1.7倍である.
確かめ:(1) で
例題 3
例題 2 と
振動せずに
最も 速く 放電させる の値を 求めよ. の
ときの と を求め,電流の 大きさが 最大に なる 時刻と その 値を 求めよ.
抵抗で
発生する 熱の 総量を,電流の2乗を 積分して 求め,初めの 静電エネルギーと 比べよ.
直列LRC回路と,振動せずに減る電荷q,負方向へ流れた後に0へ戻る電流Iの模式図.比較用に抵抗なしのqを薄く重ねる.問題で求める極値の時刻や値は示していない.
解答を見る
考え方 振動しない
の判別式が0に なる である.重解は
なので . から , から .よって
を使うと
確かめ:電流の
ポイント ここまでの
定数係数の
線形微分方 程式は を代入して 特性方 程式に する.複素数の 根 からは減衰 振動,重解からは が出る. 右辺が
定数なら,つり合いの 解 からのずれを 考える.定数は 電荷と 電流の 連続性で 決める. LRC回路は
で減衰振動, で臨界減衰. .回路の
式に を掛けると,コイルと コンデンサーの エネルギーの 和の 変化が 熱と 電源の 仕事で 表される.
09自己誘導と電気振動の演習
電流と
演習 1
空
自己インダクタンス
を鎖交磁束 から求めよ. エネルギー密度
を体積に わたって 積分し,コイルの エネルギーを 求めよ.
ソレノイドの半径,長さ,巻数,電流方向を示す.
解答を見る
考え方 1巻の
より, ,したがって である.内部で
密度は 一定だから
端の
演習 2
自己インダクタンス
切り
替え後の 電流 と時定数を 求めよ. 内部抵抗と
外部抵抗で 発生する 全熱量を それぞれ求めよ.
電源とコイルの接続,切り替え後の閉回路,電流の正方向を示す.
解答を見る
考え方 電流の
.回路の式は .積分して より, , である.初期エネルギーは
.例えば
同様に
演習 3
理想コイル
を使って を求めよ. 最大電圧と,初めて
両エネルギーが 等しくなる 時刻を 求めよ.
LC閉回路に初期電流と電荷qの極板を示す.
解答を見る
考え方 初期電流から
に を代入すると .根は , .実部を重ねた に初期条件を 入れ, を得る.よって , である. より . , なので,初めて等しくなるのは .電圧最大時には電流が0である.
演習 4
1.00 | 50.0 |
3.00 | 40.0 |
5.00 | 32.0 |
から減衰率 と角振動数 の関係式を 導き,表から を決めよ. 最初の
山の 高さの 半分以下に なるのは,その 何周期後の 山からか.
LRC閉回路と測定器,表の観測点を示す.
解答を見る
考え方 同位相の
回路の
式 の特性方 程式は .根を と書くと, , .電流も同じ率で 減衰するので
したがって
より .答えは4周期後である. が小さい 弱減衰であるが,計算は 近似していない.
演習 5
長さ
と結合の 割合 を求めよ. 直列で
磁場を 強め合う 場合と 弱め合う 場合の 合成インダクタンスを 求め,エネルギーの 非負性を 確かめよ.
断面積Sと4Sの同軸コイルと電流方向,直列の2通りの端子接続を示す.内側のコイル1を青の太線で区別し,Sと4Sの矢印で断面の対応を示す.
解答を見る
考え方 共通に
, .外側の電流が 内側に 与える 鎖交磁束は だから .内側の磁場が ある 断面は だけなので同じ値に なる. である.強め合う
接続では ,弱め合う接続では .
に
演習 6
面積
外部磁束と
自己磁束の 和が 保存される ことを 示し, を求めよ. から まで回す外力の 仕事を 求めよ.リングの 運動エネルギーの 変化は 無視します.
一様磁場中のリング,法線,θ,Sと電流の正方向を示す.
解答を見る
考え方 外部磁束と
回路の
式は .初期値から ,よって .磁気モーメントの
大きさは .磁気トルクは角を 戻す方向に なので,外力の仕事は
終状態の
ポイント 教える
素子ごとに
電流と 電圧の 連続性を 問う. LC振動の
初期エネルギーの 所在を 問う. 山の
高さを 片対数で 直線化し,周期とは 別の 情報を 読む. 相互誘導の
符号と 保存する 磁束を 図で 点検する.
10交流回路と共振
問い
ラジオの
考えてみる
それぞれの
交流と 実効値
電圧が
定義 実効値
交流の
家庭の
複素数で 表す
線形な
と
抵抗:
から .コイル:
から .コンデンサー:
から ,つまり .
定義 複素インピーダンス
素子の
直流と 同じ 規則で 解く
節点に
初期設定はω/ω₀=1.5,ωt=π/4.電源の振幅を一定にした直列RLC回路で,全ての複素振幅が同じ角度だけ回転する.実軸への影と時間波形を示し,ωと時刻を変えるとリアクタンスによる振幅と位相の変化を見られる.
複素平面に
この
直列共振とQ値
抵抗
です.リアクタンスが0に
定理 共振の
直列RLC回路で,消費電力が
が
初期設定はR/(ω₀L)=0.5.固定した電源振幅の下でRを変えると,電流振幅の共振曲線の高さと幅,電圧が電流より進む位相φが変化する.半電力の2点を結ぶ幅はω₊−ω₋=R/Lである.
共振の
コイルと
電力と 力率
電力
定理 交流の
コイルと
変圧器と 送電
1つの
です.鉄心が
ポイント 理想変圧器
巻数N₁とN₂のコイルが共通の鉄心を通る磁束Φで結ばれる.1次側に交流電源,2次側に負荷Zを接続する.Î₁とÎ₂はコイルへ流れ込む正方向で,Î₂′は負荷へ流れ出す方向である.
発電所から
問いに 戻る
ラジオの
ポイント ここまでの
実効値は
振幅の .抵抗の平均電力は .電圧と
電流を と書くと,微分は の掛け算に なる. , , .複素振幅で
キルヒホッフの 法則と が成り立ち,直流と 同じ 手順で 解ける. が振幅の 比,偏角が 位相の ずれ. 直列RLCは
で共振し,半電力の 幅は , .平均電力は
.理想変圧器は , .問いの
答え:LC共振回路で を局の 周波数に 合わせ,その 周波数の 信号だけに 大きく 応えさせる.
11複素数の計算と周波数応答
交流回路を
定理 数学の
極形式. 複素数
積と
複素共役.
実部に
練習1
練習2
答え 練習1:
定理 数学の
直列RLC回路の
である.よって
と
定理 数学の
入力の
で,
例題
例題 1
抵抗
コイルの
自己インダクタンスを 求めよ. 電流の
実効値と,電源の 電圧に 対する 電流の 位相の ずれを 求めよ. 抵抗と
コイルの 両端の 電圧の 実効値を それぞれ求めよ.2つの 和が にならない 理由を 述べよ. 平均の
消費電力と 力率を 求めよ.
抵抗RとコイルLを直列につなぎ,それぞれの両端に電圧計を置く.右は抵抗の電圧と直交するコイルの電圧の和が電源電圧になる模式図.求める実効値や位相角の値は示していない.
解答を見る
考え方
, より . , なので . の偏角 は で (約 ).電流は電圧より 遅れる.抵抗は
,コイルは .抵抗の電圧は 電流と 同位相,コイルの 電圧は 進むので,ベクトル図で2本の矢印は 直交し,和の 長さは である.実効値は各電圧の 振幅を で割った もので,位相が 違う 電圧の 実効値は 足せない. ,力率は .
確かめ:
例題 2
抵抗
を
遮断角
振動数を 求めよ. 定常状態の
出力 を求めよ. の成分の 振幅を の成分の 振幅で 割った 比は,出力では 入力の 何倍に なったか.
入力端と無負荷の出力端をもつRC回路.右は速い成分と遅い成分が重なる入力と,遅い成分が主に残る出力の模式図で,求める振幅比や位相,遮断角振動数は記していない.
解答を見る
考え方 回路が
. では , ,偏角 . では , ,偏角 .よって
入力では
比が1だったのが,出力では で,速い成分が 約10分の1に 弱まった.
確かめ:
例題 3
ラジオの
と を求めよ. この
局の 信号の 振幅が のとき,回路の 電流の 振幅と コンデンサーの 電圧の 振幅を 求めよ. 同じ
振幅で 周波数 の別の 局の 信号が 来ている.この 信号に よる 電流の 振幅は,(2) の 何倍か.
アンテナを電源とみなす直列RLC回路で,可変コンデンサーCを調節する.共振曲線の横軸に1.000 MHzと1.009 MHzを示す.求める容量,Q,電流や電圧,応答比の数値は示していない.共振曲線の幅は誇張している.
解答を見る
考え方 共振では
. ,約 . .電流の
振幅は .コンデンサーの電圧の 振幅は で,信号の約130倍である. では , で, .よって
近似では
確かめ:半電力の
ポイント ここまでの
複素数は
極形式 で掛け算・ 割り算を する. で分母を 実数に し, で実際の 値に 戻す. 直列RLCの
半電力の2点は , をみたす. .周波数応答
の絶対値が 振幅の 比,偏角が 位相の ずれ.RCの ローパスは , .いく
つもの 周波数を 含む 入力は,周波数ごとに 解いて 足す.
12交流回路と共振の演習
複素振幅を
演習 1
インピーダンスと
複素振幅,実際の 電流を 求めよ. 電流の
実効値,力率,平均消費電力を 求めよ.
直列RC回路の電源と電流方向を示す.
解答を見る
考え方 複素振幅を
. とすると
実部は
,力率は . .星印は複素共役. で位相差が 消える.
演習 2
実効電圧
送電電流,2次電圧,1次電流の
実効値と,巻数比,線路の 損失を 求めよ. 負荷と
巻数比を 変え,同じ 受電電力を 受電電圧 で送る とき,送電線の 損失は 何倍に なるか.
変圧器,往復の送電線,抵抗負荷と電圧の測定端を示す.
解答を見る
考え方 受電電圧に
回路の
式は .全て実数に 取れる. , より .1次へ流入,2次から 流出を 正と して , .したがって , . となり,損失は ,9倍である.損失は受電電圧の2乗に 反比例する.
演習 3
理想電源から
出力と
入力の 複素振幅比 と, での実際の 出力を 求めよ. 出力の
振幅が 低周波極限の になる 遮断角 振動数を 求めよ.
直列抵抗と並列RC,接地と出力端を示す.
解答を見る
考え方 負荷を
並列部分は
.分圧から
,低周波極限は なので, より .無負荷の場合の2倍である. で出力は0に なる.
演習 4
直列RLC回路に
測定点 | |
|---|---|
低周波側 | |
高周波側 |
共振角振動数,
を求めよ. を求め,共振幅から 読む値と 比べよ.
直列RLC回路と両測定点を示す.頂点の周波数は記さない.
解答を見る
考え方 半電力点ではリアクタンスの
, より .最大値は で, .両側で だから
差と
. より .半電力幅の厳密な 関係である.
演習 5
ブリッジのAD間に
平衡条件から
を求めよ. , で を求めよ.周波数を2倍に しても 平衡するか.
四辺の素子,ADの電源,BCの検出器を示す.
解答を見る
考え方 平衡時の
Dを
電圧の 基準とすると , .平衡は
なので
, .周波数によらず 平衡する. の次元も に一致する.
演習 6
内部抵抗
共振角振動数と
存在条件を 求めよ. 共振時の
各電流の 複素振幅と 平均電力を 求めよ.
並列LCと内部抵抗,電源と各電流方向を示す.
解答を見る
考え方 逆数を
と置くと
虚部0から
として,共振条件から
ポイント 教える
実部へ戻して
位相を 確かめる. 実効値と
振幅を 電力で 区別する. 送電の
比較で 一定に した量を 問う. 負荷や
抵抗に よる 共振と 遮断の 変化を 問う.
13第23章の章末問題
磁束の
演習 1
固定された2つの
2次回路の
式を 立て,全時間に 通過する 符号付き電荷 を求めよ. , , で評価せよ.1次電流を 増す速さだけを 変えると,答えは 変わるか.
固定した1次コイルと閉じた2次コイルを描く.正の電流が同じ向きの磁束を作る巻き方向と,2次回路のL,Rを示す.
解答を見る
考え方 回路の
1次電流を
,2次電流を とすれば, である.両辺を全時間に わたって 積分すると
両端で2次電流は0だから,
.電流の波形は 変わっても 積分値は 変わらない.単位も となり,電流が 消えるまで 待つ条件が 重要である.
演習 2
静止した
誘導起電力と
電流の 複素振幅を 求め,実際の 電流を 表せ.正の 電流は 正の 法線 方向に 磁場を 作ります. 平均発熱率と,磁場を
変える 装置が 回路に 与える1周期あたりの エネルギーを 求めよ.
静止コイル,抵抗,磁場を変える外部装置を描く.S,N,正の法線と正の電流の対応を示す.
解答を見る
考え方 外部磁束の
外部の
鎖交磁束は だから, .複素振幅は , である.したがって
より, .回路の式に を掛けると .1周期でコイルの エネルギーは 元に 戻るので,装置からの 供給は となる.自己磁束を 外部磁束と 二重に 数えて おらず, では電流が 起電力と 同位相に なる.
演習 3
自己インダクタンス
時刻0以後の
電流を 求めよ. から電流が 消えるまでの 全発熱量を 求め,起電力が する 仕事と 比較せよ. 外部磁束変化量の
大きさ を固定して を変える とき, の発熱量を 求めよ.
閉回路のLとR,正の周回方向を描く.外部磁束の時間グラフに初期値,傾き,変化時間Tだけを示す.
解答を見る
考え方 起電力の
とおく. では だから,定常解と斉次解を 加えて .電流の連続性より . では である.初めも
終わりも 磁気エネルギーは0なので,全発熱量は 起電力の 仕事に 等しい.直接積分すると
発熱を
を代入する. が小さい とき なので, .この極限では 直後の 電流が となり,その 磁気エネルギーが 熱に なる.極限は 集中定数模型での 値であり,実際に 速い 操作を 近似するには 信号伝達時間と の比も 十分 小さくなければならない.
演習 4
相互誘導の
両コイルの
電流の 和と,それぞれの 電流を 求めよ.両電流の 正方向はAからDです. 十分
時間が たった 後の 電流と,全発熱量を 求めよ.
AとDの間の3本の並列枝にL,2L,Rを配置する.両コイルの電流の正方向と初期電流I_*を示す.
解答を見る
考え方 並列枝の
とおく.抵抗電流はAからDへ ,共通電圧は である. より, .したがって , .一方, が保存される.これと 和の 式から
なので , .初期エネルギーは ,終状態では である.全発熱量は差の .直接積分しても となる.抵抗電流が 消えても,各理想コイルの 電流が0に なるとは 限らない.
演習 5
開放時の
抵抗
に供給する 平均電力を の関数と して 表せ. この
電力を 最大に する と最大電力を 求め,電源の 内部抵抗の 発熱も 求めよ.
内部抵抗付き交流電源,巻数比nの変圧器,2次側の直列RLC負荷を描く.電源の起電力と1次端子電圧を区別する.
解答を見る
考え方 負荷を1次側へ
,負荷の複素インピーダンスを とする.1次側から 見た 負荷は .起電力の複素振幅を と取ると, , だから
固定した
では が最適で, . とすれば なので,最大は , である. .丸める前の 値は で, ,内部の発熱も となる.電源が 与える の半分が 負荷へ 渡る ことが 検算に なる.
演習 6
2端子の
中の
素子を 判別し,最初の 行から 各定数を 求め,2行目を 予測せよ. 最初の
周波数で となる 瞬間に 電源を 外し,箱の 両端を 短絡します.切り 替えで 電流の 経路は 途切れません.以後の 電流と 全発熱量を 求めよ.
2端子の箱,交流電源,電流計と,電源を外して箱を短絡する切り替えを描く.箱の中の素子の種類は記さない.
解答を見る
考え方 正弦項の
実部に
戻すときの 符号から .したがって
虚部が
切り
替え直後の 電流は である.以後 を積分し, , .全発熱量は となる.切り 替えに 使うのは 振幅でなく その 瞬間の 電流であり,信号伝達時間を とすれば と が十分 小さい 範囲の 模型である.
演習 7
間隔
と,十分時間が たった 後の 速度を 求めよ. 全発熱量を
求め,棒が 停止しない 理由を 述べよ.
水平レール,棒,左端の直列RCを描く.磁場,初速度u,充電される極板のqと電流の正方向を示す.
解答を見る
考え方 棒の
とおく. ,回路の式は ,棒の式は .後者を積分すると .これを前者へ 代入して
初期エネルギーから
最終の 運動エネルギーと 静電エネルギーを 引くと
直接積分でも
演習 8
間隔
を複素指数関数を 用いて 求めよ. 棒が
左向きに 動く 時刻が 存在する ための 条件を 求めよ.また 運動エネルギー,コイルと コンデンサーの エネルギーの 和が 保存される ことを 示せ.
棒とレール,直列LCを描く.初速度u,磁場,qの極板,正の充電電流を示す.
解答を見る
考え方 棒の
, とおく.回路と棒の 式は , .積分して を代入すると
最小速度は
だから,左向きになる 条件は .等号では瞬間的に 静止するが,左向きにはならない.また
初期値は
演習 9
面積
電流の
複素振幅と,回転を 保つ 外力の 平均仕事率を 求めよ. を固定し,平均仕事率を 最大に する 有限の が存在する 条件と,その 値を 求めよ.電流の 振幅を 最大に する 回転速度も 求めよ. の模型内の 極限を 求め,(2)の 回転速度を で近似する 条件を 述べよ.
回転コイルの磁場,法線,角ωt,摺動接点と静止した直列RLC負荷を描く.
解答を見る
考え方 回転を
とおけば, , .したがって
実際の
, とおくと, .微分すると
有限の
, . が十分 小さい とき, .この近似の 小さい量は である.無限大の周波数の 極限は あくまで 回路模型内の 値で,実際の 集中定数近似には,回路内の 信号伝達時間を として が十分 小さい ことも 必要である.
14第23章の発展問題
誘導と
演習 1
質量
とします.
下向きの
速度を ,上向きの 磁場を 作る 電流を とし,回路と 運動の 連立方程式を 立てよ.磁気力は 各辺に ついて 計算せよ. 終端速度を
求め,減衰 振動の 条件を 満たす 場合の を求めよ. エネルギーの
収支を 示せ.また 自己誘導を 無視する 近似の 条件と, にした 場合の 運動を 求め,長時間の 極限との 関係を 説明せよ.
水平な長方形コイルの辺a,d,中心の下向き座標zと,磁場の各成分の向きを描く.上向きの磁場を作る正の電流と落下方向を示す.
解答を見る
考え方 磁束の
正の
電流に 対応する 上 向きの 外部磁束は . とおけば起電力は であり, . を右手系に 取ると, の辺では 電流が へ, により となる. の辺では 電流が へ, より . の辺では 電流が へ, より . の辺では 電流が へ, より .いずれも上向きである. による 水平な 力は 向かい合う辺で 相殺する.合力は 上向きに だから,
定常値は
, .第1式から を第2式へ 代入すると
両方の
回路の
式に ,運動の式に を掛けて 加えると
終端状態では
抵抗0では
演習 2
質量
です.外部コイルは
と有効な 位置エネルギーを 求め,リングが 右側へ 通過できる の条件を 求めよ. 通過できず反転する
場合の 反転位置を 求めよ. その
反転位置までに 定電流電源が する 仕事と,全磁場の エネルギー変化を 求め,力学的エネルギーとの 収支を 示せ.さらに,通過速度の しきい値に 一致した 場合,中心へ 有限時間で 到達するか 調べよ.
外部コイルの軸と直線ガイド,左から進むリングを描く.z=0,長さ尺度a,速度u,正の法線と外部電流I_sを示す.
解答を見る
考え方 保存するのは
回路の
式は .初期値から , である.力は だから, とおける.その最大値は 中心で .したがって通過には
が
では,反転時に .磁束の式から なので,左側の反転位置は
外部コイルに
リングが 与える 鎖交磁束は .外部電流一定だから,電源の仕事は
負号は
演習 3
同じ
連立方程式を
立て,2つの 固有角 振動数と を求めよ. のとき,回路1の 電荷と 電流が 同時に 初めて0に なる 時刻を 求め,その とき全エネルギーが 回路2だけに ある ことを 示せ. 一般の
で同じ 完全な 移動が 起こる 条件を,2つの 角振動数の 比で 表せ.弱結合でのうなりの 時間尺度と 比べ,包絡線が0に なるだけでは 完全な 移動を 保証しない 理由を 述べよ.
独立した2つのLC閉回路を並べ,巻き方向,M,指定極板のq_1,q_2と流れ込む電流を示す.初期電荷は回路1だけに記す.
解答を見る
考え方 電荷の
回路の
式は
初期値は
では . とおけば は ,すなわち または .一方 .最初に両方が0と なるのは であり,
この
は
, とすると から ,したがって . は であり, なので両方の 正弦は0でなければならない.ゆえに , で,余弦が逆符号に なるには の偶奇が 異なる 必要が ある.完全な 移動の 条件は, が,既約分数にした とき分子と 分母の 偶奇が 異なる 有理数と なる ことである.
演習 4
同じ
入力インピーダンスを
として,自己相似性から を求めよ.入力の 平均電力が 正に なる 角振動数の 範囲を 求めよ. 節点
の電圧の 複素振幅を とします.隣接節点への倍率 が一定の 応答に ついて,回路の 式から を求めよ.(1)の 範囲内では , と表し,その 範囲を 超える 場合は 振幅が 右へ 減る 根を 選べ. ある
節点間の コイルを2つの に分け,その 中点より 右の 回路を 外して,中点と 帰線の 間に 抵抗を つなぎます.(1)の 範囲内の 指定周波数で,同じ 左側の 応答を 保つ抵抗を 求めよ.この 抵抗を 周波数に よらない で近似した ときの 相対差の 先頭項を 求めよ.
入力側のL/2と,節点ごとのC,節点間のL,帰線を描く.右端には続くことを示す省略記号を置き,切断するコイルの中点を記す.
解答を見る
考え方 回路の
最初の
の後には, と,さらに を経て 同じ回路へ 入る 枝が 並列に ある.したがって
節点
へ左から 流れ込む電流は ,右へ流れ出す電流は .差がコンデンサー電流 だから
と
切断した
中点から 見た元の 右側も 同じ 対称な 回路である.したがって 置き換える 抵抗は . とすれば, が十分 小さい とき .周波数一定で を用いた 過大評価の 相対差は が先頭項に なる.これは 低周波の 近似であり,さらに 各素子の 内部の 信号伝達時間 に対し が十分 小さい ことが 必要である.無限回路が エネルギーを 受け取る 応答は,有限回路の 遠端を 単に 開放した 定常応答とは 異なる.
演習 5
2つの
2次回路の
リアクタンスを0に し,1次から 見た インピーダンスも 実数に なるように を調整します.両電流の 複素振幅と,負荷の 平均電力 を求めよ. この
調整を 保ち, を変えて を最大に する 負荷抵抗を 求めよ. 電源が
供給する 平均電力に 対する の比を 効率 とします.効率を最大に する 負荷抵抗と 最大効率を 求め,(2)との 違いを 説明せよ.最大効率が1へ 近づく ための 無次元条件と,2次側の 調整が 少しずれた 場合の 入力インピーダンスも 求めよ.
1次の電源付き直列回路と,2次の負荷付き直列回路を描く.Mの正符号に対応する巻き方向と,両電流の正方向,r_1,r_2,R,C_1,C_2を示す.
解答を見る
考え方 2次電流を
, とおく.相互項の符号を 正に 取ると
2次の
実電流は
とおけば .微分は
したがって
電源の
平均電力 で割ると
分母を
効率では
調整が
15第23章のまとめ
この
定義と 法則
定義 起電力と
回路を
一周した とき,単位電荷あたりの 力の 接線成分を 道に 沿って 積分した ものを起電力と いう.符号は,回路を 回る 正の 向きを 決めて 初めて 決まる. 回路を
回る 正の 向きと 面の 正の 法線 を右ねじの 関係に とり,回路を 貫く磁束を と定める.単位は .磁場に湧き出しが 無いので,回路を 縁と する 面の 選び方に よらない. 回巻きのコイルでは 各巻きの 磁束の 和 を使い,これを鎖交磁束と いう.
法則 運動起電力
導体が
法則 ファラデーの
空間に
が
法則 磁束の
回路が
動いても,磁場が 変わっても,その 両方でも,回路の 正の 向きの 起電力は
である.回路が
負号は,誘導電流が
作る 磁場が 磁束の 変化を 妨げる 向きに なる ことを 表す(レンツの 法則).符号が 逆なら導体は ひとりでに 加速して 熱を 出し続けるので,これは エネルギーの 保存の 表れである. 同じ導体の
部分を たどって 作った 回路にだけ 使える.単極発電機(ファラデーの 円板)のように 使えない 場合は,電荷に 働く 力 と,固定した道に ついての ファラデーの 法則に 戻る.
ポイント 誘導が
回路を
誘導が
定義 自己インダクタンスと
回路自身の
電流 が作る 鎖交磁束を と書き, を自己インダクタンスという.単位は .電流が変わると,電流の 正の 向きに の起電力が 生じる(自己誘導).この ため,コイルを 流れる 電流は 連続に 変わる. コイル1の
電流が コイル2に 作る 鎖交磁束を ,逆を とすると,エネルギーの 考察から で, を相互インダクタンスという.正の 電流どうしが 同じ 向きの 磁場を 作る とき . . を結合の 割合と いい,一方の 磁束が すべて 他方を 貫く とき .
法則 コイルの
電流
が流れる コイルは エネルギー を蓄えている.2つの コイルでは .この
エネルギーは 磁場に あり,真空の 空間には 単位体積あたり のエネルギーが ある. 抵抗が0の
回路では,外から 貫く 磁束と 自分の 電流の 磁束の 和 が一定に 保たれる.
定義 交流の
の を振幅, を周波数と いう. , を実効値といい,抵抗での 平均の 消費電力は .定常状態の
電圧と 電流を , と書き, を複素振幅という.絶対値が 振幅,偏角が 位相である. を複素インピーダンス, の をリアクタンス, をアドミタンスという. で, の偏角は 電圧が 電流より 進む位相である.
交流回路を 解く 手順
ポイント 交流回路を
使って
よいかを 確かめる.素子が 線形で,回路の 大きさが 波長 より十分 小さい(集中定数の 近似)こと.過渡的な 振動が 消えた 定常状態だけを 考える. 電源を
複素振幅で 書く. は , は で, の複素振幅は .各素子を
複素インピーダンスに 置き換える.時間の 微分は の掛け算なので , , .相互誘導があれば , を使う. 直流回路と
同じ 規則で 解く.キルヒホッフの 法則は 複素振幅に ついて そのまま 成り 立ち,各素子は に従う.直列は ,並列は ,分圧やブリッジの 平衡の 条件も 同じ形で 使える. 複素数の
掛け算・ 割り算は 極形式 で行い,絶対値は 掛け算,偏角は 足し算に する.分母を 実数に するには を使う. 実部に
戻す. で,複素振幅の絶対値が 振幅,偏角が 位相に なる. 電力は
積なので,実部を とってから 掛ける.平均電力は で求める. 位相の
違う 電圧の 実効値は 足せない.電圧の 和は 複素振幅の 和(ベクトル図の 矢印の 和)である. 入力が
いくつもの 周波数を 含むときは,周波数ごとに 解いて 足す.
主な 公式
運動起電力:棒
,回転する長さ の棒 ,回転するコイル (複素振幅 )レールの
上の 棒(抵抗 ): ,制動力 ,外力の仕事率 .運動方程式 ,時定数 ,終端速度抵抗の
代わりに コンデンサー :回路を
通った 電荷: (動かし方に よらない) 長い
ソレノイドの 誘導電場: ( ), ( )ベータトロンの
条件: 渦電流自身の
磁場を 無視できる 条件: が1より十分 小さい 細長い
ソレノイド: RL回路:
, , .電源を外すと 直列の
コイル: LRC回路:
, , , , . で減衰振動, で臨界減衰, で過減衰 回路の
エネルギー: (電源があれば 右辺に が加わる) 直列RLCの
交流: , .共振のとき で,コイルとコンデンサーの 電圧の 振幅は 共振の
幅: , , . の近くで 並列のLC:
が で0(並列共振)平均電力:
,力率理想変圧器:
として , .負荷 は1次側から に見える.送電線の 損失は RCローパス:
, , .ハイパスは
各題材の 問いへの 答え
運動起電力と
レンツの 法則:発電機の コイルが 磁場の 中を 動く とき,導線の 電荷を 押しているのは 磁気力 である.磁気力は仕事を せず,コイルを 回す仕事を 電荷を 押す仕事へ 受け渡す.流れた 電流には レンツの 法則に より 回転を 妨げる 力が 働くので,電灯を つけると ペダルが 重くなる.磁石が 回る 発電機でも 起電力は 同じ 磁束の 法則で 求まるが,電荷を 押しているのは 変化する 磁場が 作る 電場である. 誘導電場と
ファラデーの 法則:IH調理器の コイルの 速く 変わる 磁場が,止まった 鍋の 底を 回る 誘導電場を 作り,それが 渦電流を 流して 鍋を 熱くする.ガラスの 天板にも 同じ 電場は あるが,絶縁体なので 電流が 流れず,熱くならない. インダクタンスと
電気 振動:コイルの 電流を 急に 断ち切ると,自己誘導の 起電力 が電流を 流し続ける 向きに 非常に 大きく 生じ,火花が 飛ぶ.火花の エネルギー は,スイッチを切る 前には コイルの 中の 磁場に 密度 で蓄えられていた. 交流回路と
共振:ラジオの 入口のLC共振回路は, に近い周波数の 信号にだけ小さな インピーダンスで 大きく 応え,コンデンサーには 信号の 倍の電圧が 現れる.つまみで を変えて を局の 周波数に 合わせる.どれだけ近い 局まで 分けられるかは,共振の 幅 で決まる.
この 章で 使った 数学
運動起電力を