第4章 力と運動の法則
01慣性の法則
問い
氷の
もう
考えてみる
台車を
そこで,こう
日常の
アリストテレスの 見方と ガリレオの 思考実験
古代ギリシャの
定義 アリストテレスの
荷車を
台車や
これに
なめらかな谷の左の斜面の高さ h から球を静かに放す図.右の斜面を急・ゆるい・もっとゆるい・水平の4通りに重ねて描き,傾きがあれば球は同じ高さ h まで上り,傾きがゆるいほどその位置は右へ遠ざかる.水平にすると高さ h に届かず,球は同じ速さで進み続ける.傾きを選ぶと,その斜面での球の動きを再生できる.
なめらかな
この
慣性の 法則
ガリレオの
法則 ニュートンの
物体に
式で
ここで
ポイント 力と
アリストテレス(単純化した
見方):荷車などでは,力は 速度に 比例する. ニュートン:力は
速度の 変化(加速度)に 関係する. 日常の
運動で「押し続けて 等速」に 見えるのは,押す力と 抵抗力が つり合い,合力が になっているから.
物体が
慣性系
慣性の
つまり,慣性の
定義 慣性系
慣性の
「力を
慣性系が
逆に,慣性系に
左右に並べた2つの側面図.左は電車の中の人から見たボールの軌跡で,ボールは真上に上がり,同じ手元に真下へ戻る直線.右は地上の人から見た同じボールの軌跡で,電車の速さVで前へ進みながら上がり下りするので放物線になる.見る立場が違っても,等速で走る電車の中は慣性系である.
では,私たちが
ポイント ここまでの
問いの
答え:摩擦も 空気抵抗も 無く 水平方向の 合力が0なら,パックは 同じ速さで どこまでも まっすぐ 進む.動き続ける ために 力は 要らない. 力が
必要に なるのは,速度を「変える」とき,すな わち加速度を 生じさせる ときである. 第1法則:合力が
なら,物体は静止し続けるか,等速直線 運動を 続ける.静止は 等速直線 運動の 特別な 場合に すぎない. 物体が
今の 速度を 保とうと する 性質が 慣性である.質量との 関係は「運動方程式」の 節で 扱う. 慣性の
法則が 成り 立つ基準系が 慣性系である.慣性系に 対して 等速直線 運動を する 基準系も 慣性系で,加速している 基準系は 慣性系ではない.この 本では 地面を 慣性系と みなす.
02慣性の法則の例題
慣性系の
例題 1
水平で
電車の
中の 人から 見て,ボールは 投げた 人の どこに 落ちてくるか. 投げてから
手元に 戻るまでの 時間と,その間に 地上の 人から 見て ボールが 進む水平距離を 求めよ.
一定速度Vで走る電車内で,ボールを真上に速さuで投げる初期状態.求める地上からの軌跡は描かない.
解答を見る
考え方 地面を
水平方向には
力が 働かないので,ボールの 水平速度は 投げた 瞬間の 値 のまま 変わらない.この 値は 電車の 速度と 同じなので,電車の 中の 人から 見ると,ボールは 水平に は 動かない.したがって,ボールは 投げた 人の 手元の 真上を 往復し,手元に 落ちてくる. 鉛直方向は
重力だけを 受ける 運動で,上向きを 正と すると,高さは である. となる 時刻から を得る.
この
である.地上の
ポイント ここまでの
地面から
見て 等速直線 運動を する 電車は 慣性系である.その中では,ボールを 投げ上げても 止まっている 部屋の 中と 同じように 運動する. 例題のように,水平方向に
力が 働かなければ 水平速度は 変わらない.力の 有無を,慣性系の 立場から 数えるのが 基本である. 同じ
ボールの 運動でも,電車の 中からは 鉛直な 往復,地上からは 放物線に 見える.どの 基準系から 見るかを 先に 言うと,運動の 描き方が 決まる.
03慣性の法則の演習
慣性の
演習 1
次の (1)〜(4) の
荷車,宇宙探査機,走る車,落とす二球を並べる.各主張がどの見方に沿うかは図に示さない.
荷車は
押すのを やめると 止まるのだから,荷車を 動かし 続けるには,押し続ける 必要が ある. エンジンを
止めた 宇宙探査機は,周りに 何も 無い 空間では,同じ 速さで 進み続ける. 一定の
速さで 直線の 道を 走る 自動車では,エンジンが 生む前向きの 力と,空 気抵抗などの 後ろ 向きの 力が 打ち消し合っている. 重い物体は
大きな 力で 引かれているのだから,軽い物体よりも 速く 落ちる.
解答を見る
アリストテレスの
見方.荷車が 止まる 原因は,押す力が 無くなった ことではなく,床の 摩擦などの 後ろ 向きの 力である.この 文は,その力を 見落と している. ニュートンの
見方.力が 働かなければ 速度は 変わらない. ニュートンの
見方.等速で 進むのは 合力が 0 だからだと 考えている. アリストテレスの
見方.力の 大きさを そのまま 速さに 結びつけている.実際には,重力が 大きい物体は 慣性(質量)も 大きく,加速度は 変わらない.この 点は 次の「運動方程式」の 節で 学ぶ.
演習 2
次の (a)〜(e) の
等速直進するパックと車,円軌道の衛星,最高点のボール,机上の本を示す.力の矢印は描かない.
(a) 水平でなめらかな
(b) 直線の
(c) 円軌道を,一定の
(d) 真上に
(e) 机の
解答を見る
慣性の
(c) は,速さが
演習 3
次の
直進する電車と船,発進する電車,回転するカップ,カーブの電車を並べる.慣性系の判定は示さない.
(a) 一定の
(b) 発進して
(c) 一定の
(d) 一定の
(e) 急な
解答を見る
慣性系に
(b) は
演習 4
水平な
台とともに動く観測者から見た,小球の右向き加速度a₀を示す.台自体の運動の答えは描かない.
解答を見る
慣性系(地面)から
台に
演習 5
エンジンを
船尾を床とする宇宙船の初期状態.船尾から距離hの球と,船の加速度Aを示す.球がその後どう動くかは描かない.
解答を見る
考え方 まず,船の
ボールには
船内の
時間は
である.この
演習 6
一定の
ボールが
床に 達するまでの 時間を 求めよ. ボールは,放した
位置の 真下の 点に 対して,床の 上で どれだけずれた 所に 落ちるか.ずれの 向きも 答えよ.
天井から球を放した瞬間の車内を示す.高さh,電車の初速度v₀と加速度aを示し,落下位置は描かない.
解答を見る
考え方 地面から
鉛直方向は
重力だけを 受ける 自由落下で, より
である.
時間
の間に,ボールは 水平に 進む.電車は 進むので,電車に対する ボールの 水平方向の ずれは だけ後ろ(進行方向と逆向き)に なる.
よって,ボールは
ポイント 教える
問いかけ:「摩擦を
無くしたら,パックは どうなる?」と 聞き,答えの あとに「では,押し続けないと 止まるのは なぜ?」と 戻すと,見かけの 力と 本当の 力の 区別が 育つ. つまずき:「速度が 0 の
瞬間は 合力も 0」と いう 思い違い(最高点の 例).「等速円 運動は 力が 要らない」と いう 思い違い.慣性は「物体が 持つ力」ではなく,「速度を 保つ性質」であると 言い直させる. 確かめ方:電車の
中の ボールの 例を,慣性系と 非慣性系の 両方から 説明させる.自分の 言葉で,「だれから 見ているか」を 先に 言えれば,理解できている.
04運動方程式
問い
なめらかな
もう
考えてみる
台車と
そこで,力の
このように
力(ばねの | 質量 | 加速度 |
|---|---|---|
1本 | ||
2本 | ||
1本 | ||
2本 | ||
3本 |
力を2倍に
ポイント 実験から
加速度
は力 に比例する. 加速度
は質量 に反比例する. 加速度の
向きは,力の 向きと 同じである.
横軸が力F(ばねの本数),縦軸が加速度aのグラフ.原点を通る直線が2本あり,質量1 kgの直線は傾き2,質量2 kgの直線は傾き1で,前者の傾きは後者の2倍.初期状態はF=2本で,a=4.0 m/s²とa=2.0 m/s²を読み取れる.スライダーでFを動かすと,どのFでも質量1 kgの加速度が質量2 kgの2倍であることが分かる.
運動方程式
以上の
法則 ニュートンの
質量
が
質量は,「加速されにくさ」を
力の
地表で
運動の
と
位置
とも
法則であって,定義ではない
力には,運動方程式とは
たとえば,質量
ポイント 運動方
運動方
運動方 程式を 立てる 手順
運動方
注目する
物体を 決める.運動方 程式は,その物体1つに ついて 立てる. その物体に
働く 力を,すべて 見つける.触れている ものから 受ける 力と,重力を 数える.矢印で 描いた 図(この 章の「力の 種類」の 節で 学ぶ自由体図)に すると 見落としに くい. 座標軸を
決め,正の 向きを 定める. 軸の
成分ごとに , を書き,初期条件のもとで 解く.
力の
ポイント ここまでの
問いの
答え:同じ力で 質量が2倍なら,加速度は 半分に なる.「同じ力」は,ばねの 伸びを 一定に 保つなどして 約束する. 運動方程式
:加速度は合力に 比例し,質量に 反比例する.向きは 合力と 同じである. 力の
単位は .質量は場所に よらず,重さ(重力の 大きさ)は 場所で 変わる. 運動方
程式は,力の 法則と 初期条件を 与えて 初めて 運動を 予言する 道具である.力の 定義ではない. 立式の
手順:注目する 物体を 決める → 働く 力を すべて 見つける → 座標軸を 決める → 成分ごとに を立てて 解く.
05運動方程式の例題
運動方
例題
例題 1
なめらかな
時刻
の速度 と位置 を, , , を用いて 表せ. の速度と 位置を 求めよ. で力を 取り除いた.それから の間に 物体が 進む距離を 求めよ.
物体の初速度v₀と,運動方向の一定の力F,正のx方向を示す.
解答を見る
考え方 運動の
運動方
程式は であり,加速度は で一定である.初速度 ,初期位置 より,
である.
なので,
である.
力を
取り除いた後は 合力が なので,物体は で等速直線 運動を 続ける(慣性の 法則). の間に 進む距離は, である.
例題 2
なめらかな
なめらかな水平面上の質量mの物体に正のx方向へF=ktを加える.初め原点で静止している.
時刻
の速度と 位置を, , を用いて 表せ. の速度と 位置を 求めよ. から までの力の 時間平均 を,一定の力と して 同じ物体に の間だけ 加えた 場合の, での速度と 位置を 求めよ.(2) と 比べて,何が 同じで 何が 違うか.
解答を見る
考え方 力が
運動方
程式は である.時間で積分して,初速度が なので
さらに
である.
数値を
入れると,
である.
平均の
力は で,加速度は である.よって
である.速度は (2) と
ポイント ここまでの
手順
どおりに,物体・力・座標軸・成分ごとの 式を 順に 書くと,力が 与えられた 問題は 機械的に 解ける. 力が
一定なら 加速度も 一定(等加速度 運動).力が 時間とともに 変わる ときは,加速度が 時間の 関数に なるので 積分で 速度と 位置を 求める. 力を
取り除けば 合力は 0 に なり,物体は 等速直線 運動を 続ける(慣性の 法則).
06運動方程式の演習
運動方
演習 1
(1)〜(3) の
運動量
ばね定数
(ばねの力を と書いた ときの )前の
節の 例題2の における 質量
の物体に の力が 働く ときの 加速度の 大きさ
解答を見る
である.なお,運動量の 時間変化の 割合の 単位は となり,力と 一致する. より の単位は である. より の単位は である. である.
演習 2
なめらかな
加速度の
大きさと 向き( 軸の正の 向きとなす角 )を求めよ. 力が
働き始めてから 後の速さと,その間の 変位の 大きさを 求めよ.
物体にx方向の3.0 Nとy方向の4.0 Nの力が働く.求める合力や加速度の方向は描かない.
解答を見る
成分ごとに
運動方 程式を 立てる. , より, , である.加速度の大きさは ,向きは合力と 同じで, より 軸から約 である.加速度の
大きさが 一定で,初速度は である.速さは ,変位の大きさは である.
演習 3
質量
エレベーターが
等速で 動いている とき,表示は 何 か.上
向きに 大きさ の加速度で 動いている とき,表示は 何 か.表示が
だった.エレベーターの加速度の 向きと 大きさを 求めよ.また,エレベーターは 上昇中か 下降中か,これだけで 分かるか. ケーブルが
切れて 自由落下する とき,表示は 何 か.
エレベーター内で体重計に乗る人に働くmgとNを示す.加速度の向きは各設問の条件による.
解答を見る
考え方 人に
である.表示は
等速なので
, .表示は である. より, .表示は である.表示が
なので, である. .よって加速度は 下向きで,大きさは 約 である.一方,この情報から 分かるのは 加速度の 向きだけで,速度の 向きは 分からない.上昇しながら 減速している 場合も,下降しながら 加速している 場合も,同じ 表示に なる. 自由落下では,
なので, .表示は である.体重計が人を 押さなくなる「無重量」の 状態である.
演習 4
x軸上の原点Oと,静かに放す位置x=Aを示す.加速度や運動後の方向は描かない.
加速度
を で表し, と の関係を 言葉で 述べよ. , , の各場合に,加速度の 向きは どうなるか. 物体を
の位置で 静かに 放した とき,その後の 運動を 定性的に 述べよ.速さが 最大に なるのは どこか.
解答を見る
運動方程式
より, である.加速度は位置に 比例し,向きは 位置と 反対である. では (負の向き), では (正の向き), では である.いずれの場合も,加速度は 原点に 向かう 向きである. 放した
直後は なので,物体は原点に 向かって 加速し始める.原点に 近づく ほど 加速度は 小さくなるが,原点に 達するまでは 負の ままで,速さは 増え続ける.原点を 通り過ぎると 加速度は 正に なり,物体は 減速する.よって,速さが 最大に なるのは の位置である.減速した物体は,やがて 側のどこかで 止まり,再び原点に 引き戻される.このように,原点を 中心に 往復する 運動に なる.
演習 5
なめらかな
別々の物体AとBに,同じ大きさの力Fを同じ向きに加える.
力を
同じ 時間 だけ加えたとき,A,Bの 速さの 比 を求めよ. 力を
同じ 距離 だけ進む間加えた とき,A,Bの 速さの 比 を求めよ.
解答を見る
A,Bの
静止から
時間 の間加速すると,速さは である.
である.
距離
だけ進むときは, より である.
である.
演習 6
質量
問題で与えられたxと時刻tの関係を示す.求める量やその値は記入しない.
合力
を求めよ. 合力が
になる 時刻と,その 時刻での 速度を 求めよ. 速度が
再び になる 時刻と,その ときの 位置を 求めよ.
解答を見る
考え方 位置を
速度は
,加速度は である.したがって
である.
となるのは である.そのときの 速度は
である.加速度が
より, または である. での位置は
である.
ポイント 教える
問いかけ:「力を2倍に
したら?質量を2倍に したら?」と 順に 聞き,その 結果から 比例・反比例の 関係を 言葉に させる.その後に を見せると,式が 実験の 要約だと 分かる. つまずき:「力=質量×速度」と
書いてしまう,加速度の 向きと 速度の 向きを 同じだと 思う,と いった 混同が ある.力は 加速度の 向きに 働き,速度の 向きとは 限らない ことを,例題と 演習3の (3) で 確かめる. 確かめ方:「重さ」と「質量」の
違いを,月の 上での 押しやすさ・ 持ち上げやすさを 使って 説明させる.エレベーターの 体重計の 表示が 変わる 理由を,運動方程式で 式に できれば,理解できている.
07作用と反作用
問い
凍った
押している
間,2人の 手の ひらが 受ける 力は,どちらが 大きいでしょうか. 2人は
離れていきます.速く 離れていくのは どちらでしょうか.
氷の上で,大人(60 kg)と子ども(30 kg)が手のひらを合わせて向かい合っている.子どもは腕を少し曲げて大人を押しており,大人は腕を伸ばしたままでいる.
もう
考えてみる
では,「押した
子どもの ほうが 大きな 力を 出しているのだから,大人の ほうが 大きな 力を 受ける」「大人は 押していないのだから,子どもは力を 受けない」と 考えたくなります.実験で 確かめてみましょう.
ばねばかりを2つ用意し,フックどうしを
つまり,子どもが
第3法則
この
法則 ニュートンの
物体Aが
が
2つの
私たちが
力の 対は どこで 生まれるか
ニュートンは
遠隔力は 粒子1組ごとに 対に なる
身の
接触力は 原子の 対を 足し合わせた もの
では,手が
物質は
手の
左に手,右に壁の表面付近を,それぞれ4×4の原子(電子の雲と原子核)と結合で描いている.境目で向かい合う最も外側の原子では電子の雲がほとんど触れており,その3組にそれぞれ大きさが等しく逆向きの赤い矢印を付けて反発を示した.すべての組の力を足し合わせたものが,手が壁を押す力と,壁が手を押す力になる.
これで,壁の
接触力が 触れた ときだけ働くわけ
電気の
次の2つは,この
糸で
物体を 引く とき,糸の 途中では,何と 何が 引き合っているでしょうか(「垂直抗力と 張力」の 節). 床の
上で 箪笥を 横に 押して も 動かない とき,床が 箪笥を 押し返す横 向きの 力は,どの 原子の 組から 生まれているでしょうか(「摩擦」の 節).
対の 見つけ方と つり合いとの 違い
ある
ポイント 作用と
別々の
物体に 働く(片方がAに,もう 片方がBに 働く). 同じ
種類の 力である(同じ 粒子の 組,同じ 接触面から 生まれる). 大きさが
等しく,向きが 逆で,同じ 直線上に ある. 同時に
現れ,同時に 消える.
作用反作用と,つり合いは,よく
つり合う2力 | 作用と | |
|---|---|---|
働く物体 | 同じ物体 | 別々の |
力の | 違ってよい | 同じ |
成り | 加速度が | いつでも |
机の
違いが
力は 等しくても 加速度は 違う
問いの (2) に
で,どの
押している間,大人と子どもが互いに及ぼし合う力(赤い矢印)は,大きさが等しく向きが逆である.手が離れた後,大人の速さを v とすると子どもの速さは 2v で,子どもは大人の2倍の速さで反対向きに動く(青い矢印).
地球と
です.力が
系と 内力・ 外力
いく
系の
です.2式を
と
氷の
特に,2物体が
ポイント 系の
2物体が
次の
ポイント ここまでの
問いの
答え:(1) 押し合う2人が 受ける 力は,押した つもりか どうかに よらず,いつも 同じ 大きさである.(2) 加速度は 質量に 反比例するので,子どもは大人の2倍の 速さで 離れていく. 壁の
問いの 答え:手は 壁の 表面の 原子から 押し返されている.痛みと して 感じるのは,この 力で 手の 中の 原子の 結合が わずかに 縮んだ 変形である. 第3法則:2物体の
間の 力は,大きさが 等しく 向きが 逆で,同じ 直線上に ある.いつでも,同時に 成り 立つ. 日常の
力は 重力と 電磁気力に 行き着き,どちらも 粒子1組ごとに 大きさが 等しく 逆向きの 力を 及ぼし合う.接触力は,境目で 向かい合う 原子の 組の 電気の 力を 足し合わせた ものなので,接触力でも 作用反作用が 成り 立つ. 電気の
力が 触れた ときだけ働くように 見えるのは,原子が 電気的に 中性で,離れると 正と 負の 力が 打ち消し合うからである. 反作用は「同じ2物体の,同じ
接触面(同じ 遠隔力)」から 探す.つり合いは 同じ物体に 働く2力,作用反作用は 別々の 物体に 働く2力で,加速していても 作用反作用は 崩れない. 系を
まとめると 内力は 消える.同じ加速度で 動く物体の 加速度は 系全体で,物体どうしの 間の 力は 物体を 分けて 求める.
08作用と反作用の例題
複数の
例題 1
なめらかな
Aを,Bの
方向へ 水平に の力で 押し続ける とき,加速度とAがBを 押す力を 求めよ.BがAを 押す力の 大きさは いくらか. 同じ
大きさの 力を,今度はBに,Aの 方向へ 向けて 加える とき,箱どうしの 間に 働く 力の 大きさを 求めよ.
箱AとBが接する配置で,Aを右へ押す場合とBを左へ押す場合を示す.
解答を見る
考え方 全体の
全体の
水平方向の 外力は だけなので, より
である.AがBを
である.第3法則に
加速度は,(1) と
同じ である.今度は,押す力が直接はBに 働き,AはBからだけ水平方向の 力を 受ける.その 大きさを とすると,Aの 運動方程式 より
である.
箱の
ポイント ここまでの
同じ
加速度で 動く ときは 全体の 加速度を 系全体で,物体どうしの 間の 力は 物体を1つずつ 分けて 求める. 第3法則に
より,物体Aが 物体Bを 押す力とBがAを 押す力は 等しい. 箱の
間の 力は,その 力だけで 加速される 側の 箱の 質量で 決まる.押す位置が 変わると,箱の 間の 力も 変わる.
09作用と反作用の演習
作用と
演習 1
質量
衝突直前の球とピンを示す.衝突中の力や加速度の大小は描かない.
解答を見る
第3法則に
ピンが
である.ピンの
演習 2
水平な
机と本,その下の地球を示す.力の組の分類に相当する矢印は描かない.
(a) 本に
(b) 机が
(c) 地球が
(d) 本に
また,この
解答を見る
(a) つり合い.どちらも
(b) 作用と
(c) 作用と
(d) どちらでもない.向きは
上
演習 3
なめらかな
押している間の,人と
台車の 加速度の 大きさと 向きを 求めよ. 押している
間,人と 台車の 間には たらく 水平方向の 力(摩擦力)の 大きさを 求めよ. 押し終わって
後には,壁と接触していた 位置から 約何 m 離れているか.
台車上の人が壁を押す.接触点の作用と反作用を描き分ける.
解答を見る
考え方 人が
壁が
人を 押し返す力は,大きさが で,壁から離れる 向きである.人と 台車を1つの 系と みると,床が なめらかなので,水平方向の 外力は この 力だけである.
で,向きは
台車に
働く 水平方向の 力は,人から 受ける 摩擦力 だけである. より である.確かめると,人の運動方 程式は で, となり成立する. 押している間の
変位は ,押し終わる瞬間の 速さは である.その後は力が 働かないので,等速直線 運動を する. の間に 進む距離は である.合計で 離れている.
ポイント 教える
問いかけ:「押し合う2人が
受ける 力は 等しいのに,なぜ打ち消し合わないのか」「手と 壁は 本当に 触れているのか」と 問い,どちらの 物体に 働く 力かを 矢印の 根元で 示させる.2人それぞれの 自由体図に 分けて 描かせると,効果的である.原子の 図を 見せて,接触力の 対が 原子の 組の 対の 足し合わせである ことを 言葉で 説明させると よい. つまずき:「作用反作用は
同じ物体に 働いて 打ち消し合う」と いう 誤解,および「重力と 垂直抗力は 作用反作用の 関係」と いう 誤解が 多い.加速している エレベーターの 例で,つり合いは 崩れるが 作用反作用は 崩れない ことを 確かめる. 確かめ方:任意の2物体を
描いて,「この 力の 反作用は どの 物体の どんな 力か」を 答えさせる.次に,系の 取り方に よって,同じ力が 内力にも 外力にも なる ことを 説明できれば,理解できている.
10力の種類
問い
机の
本の
まわりに ある「空気の 力」 本が
机を 押している 力
力を
考えてみる
多くの
では「空気の
「本が
つまり,力を
力の 種類
物体に
定義 接触力と
接触力 は,物体どうしが
見つけやすい
ただし,この2つは
重力
地球上の
質量と
垂直抗力
物体が
垂直抗力は「必ず
張力
糸や
弾性力
ばねが
摩擦力
面が
浮力と 抵抗
水や
力を 見つける 手順
力の
ポイント 力を
注目する
物体を1つ 決める. まず
重力を 描く. その物体に触れている
ものを1つずつ 数える.面なら 垂直抗力(と,あれば 摩擦力),糸なら 張力,ばねなら 弾性力,流体なら 浮力と 抵抗である. 電気・磁気の
力など,離れて 働く 力が 問題文に ないか 確かめる. 描いた力すべてに
ついて「相手の 物体」を 言えるか 確かめる.言えない力は 描かない.
5番目の
自由体図
注目する
定義 自由体図の
注目する
物体を1つだけ 選び,まわりから 切り離して,点か 簡単な 形で 描く. 描くのは,その物体が受けている力だけに
する.その物体が 他に 及ぼす力は 描かない. 矢印の
根元は,力が 働く 点(接触している 点,または 重力なら 重心)に 置く.向きは 実際の 向き,長さは おおよその 大きさに 合わせる. 各矢印に「だれからの
力か」が 分かる 名前を つける. 座標軸も
一緒に 描く.力の 成分は,もとの 力の 矢印と 同じ図に 重ねず,別に 描くか 点線に する.
机の上で静止する本の自由体図.重心から下向きの重力mgと,底面から上向きの垂直抗力Nの2本の矢印を同じ長さで描く.本が机を押す力は机に働く力なので,本の自由体図には描かない.
これで
ポイント ここまでの
問いの
答え:机の 上の 本に 働く力は,地球から 受ける 重力 (下向き)と,机から受ける 垂直抗力 (上向き)の2つだけである.空気の 力は ほとんど 打ち消し合い,本が 机を 押す力は 机に 働く力である. 力は,触れ合って
働く 接触力(垂直抗力,張力,摩擦力,弾性力,浮力と 抵抗)と,離れて 働く 遠隔力(ほぼ重力)に 分けて 数える.接触力の 正体は,触れ合う 面の 原子どうしの 電気の 力である. 力を
見つける 手順:重力を 描く → 触れている ものを1つずつ 数える → 相手の 物体を 言えない力は 描かない. 「遠心力」「投げ上げた力」「勢い」には,相手の
物体が ない.慣性系の 立場で 描く 図には 入れない. 自由体図は,注目する
物体を1つ 選び,その物体が 受ける 力だけを,相手の 名前つきの 矢印で 描く.物体が 他に 及ぼす力は 描かない.
11斜面での力の分解と例題
自由体図を
数学の 道具
定理 数学の
傾き
と
角が
練習 1. 傾き
練習 2. 傾き
練習 3. 傾き
練習 4. 重力の
答え:(1) 斜面に
例題
例題 1
傾き
左が高く右が低い傾き30°の斜面とその上の箱.箱の中心を原点として,斜面に沿って下り向きを正とするx軸と,斜面に垂直なy軸をとる.
解答を見る
考え方 箱に
自由体図には,鉛直下向きの
傾き30°の斜面上の箱を点で描いた自由体図.鉛直下向きの重力mg,斜面に垂直で面から出る向きの垂直抗力N,斜面に沿って上向きの静止摩擦力fを描く.重力は斜面に沿う成分mg sin30°と垂直な成分mg cos30°に分けて点線で示す.NはN=mg cos30°,fはf=mg sin30°の長さで描く.
斜面に
斜面に
を
例題 2
質量
滑らかな鉛直の壁の上端に固定した糸が斜めに伸び,その先に質量0.50 kgの球が壁に触れて吊るされている.糸と壁のなす角は30°で,糸は球の中心を通る.
解答を見る
考え方 球が
球には,鉛直下向きの
鉛直方向:
水平方
これを
と
ポイント ここまでの
自由体図は,注目する
物体が 受ける 力だけを,相手の 名前つきで 描く.まず 重力,次に 触れている ものを 数える. 斜面では,軸を
斜面に 沿う 向きと 垂直な 向きにとる.重力の 成分は,沿う 向きが ,垂直な向きが である. の極端な 場合で 検算できる. 静止摩擦力は「必要なだけ」働く
力で,上限は である.常に とは限らない. 力が3つ以上
でも,成分ごとに つり合いを 立てれば 張力や 垂直抗力が 求まる.
12力の種類の演習
力を
演習 1
ボールを
手を離れて上昇しているボールと速度の向きを示す.自由体図の答えとなる力は描かない.
解答を見る
考え方 手を
働く
演習 2
水に
水面に一部が沈んだ質量mの木片を示す.力や浮力の値は描かない.
解答を見る
考え方 木片に
木片に
と
演習 3
滑らかな
「球には,中心に
この
固定点と小球を結ぶ糸,円軌道と速度の向きを示す.力を答える問題のため張力の矢印は描かない.
解答を見る
考え方 球に
小球に
「遠心力」の
演習 4
水平な
質量mの本が水平な机に接して静止している.求める力の矢印は描かない.
本の
自由体図に 描かれる 力を 挙げよ. 「本に
働く 重力 」の反作用の 力は どの 物体の どの 力か.また「机が 本を 押す垂直抗力 」の反作用の 力は 何か. と は作用・ 反作用の 対か.そうでないなら,な ぜ 同じ 大きさに なるのか.
解答を見る
考え方 作用・
本に
働く力は,地球から 受ける 重力 (下向き)と,机から受ける 垂直抗力 (上向き)の2つである. 重力
は「地球が本を 引く 力」なので,その 反作用は「本が 地球を 引く 力」で,大きさ ,向きは上向き(地球の 自由体図に 描かれる 力)である.垂直抗力 は「机が本を 押す力」なので,その 反作用は「本が 机を 押す力」で,大きさ ,向きは下向き(机の 自由体図に 描かれる 力)である. 作用・
反作用の 対ではない. と はどちらも本に 働く力であって,対に なる2力は 別々の 物体に 働くからである.同じ 大きさに なるのは,本の 加速度が0と いう 運動方 程式の 結果と して となるからである.その 証拠に,本の 上に 手で 下向きの 力を 加えると, は変わらないのに は大きくなり,2つは 等しくなくなる.
演習 5
鉛直で
粗い鉛直壁に物体を水平力Fで押しつける.座標の正方向を示す.
解答を見る
考え方 物体に
水平方
と
と
ポイント 教える
最初の
問いでは,本に 働く力を 言葉で 挙げさせてから,「それは 何が 何に 及ぼした 力か」を1つずつ 言わせる.「本が 机を 押す力」「空気の 力」は,ほぼ確実に 出てくる. よく
ある つまずきは,物体が 他に 及ぼす力まで 自由体図に 描いてしまう ことである.「この 図は 本の 図なので,本が 受ける 矢印だけである」と,毎回 言う. 「遠心力」「勢い」「投げた力」を
描く ときは,相手の 物体を 指さして もらう.指せなければ 描けない,と いう 手順を 習慣に させる. 理解の
確かめには,同じ 状況で「本の 自由体図」と「机の 自由体図」を 両方描かせて,どの 矢印が 作用・ 反作用の 対に なっているかを 答えさせるのが よい. 斜面の
力の 分解が 出てきたら,角が になる 理由を,斜面が 水平の ときの 極端な 場合で 確かめさせる.
13垂直抗力と張力
問い
体重計に
考えてみる
動き出す瞬間は
この
人には
です.上昇し始める
たとえば
ここで
垂直抗力:必要なだけ働く 力
面は,物体が
ポイント 垂直抗力の
垂直抗力は,面に
垂直で,物体を 面から 押し出す 向きに 働く. 大きさは,物体が
面に 食い 込まない(面に 垂直な 向きの 運動が 拘束される)ために 必要なだけ現れる.運動方 程式から 決まる 値であり,あらかじめ と決まっているわけではない. 面から
引かれる ことは ないので,常に である.
上昇する
面が
ここで1つ考えてみてください.机がもし柔らかいばねだったら,本を
張力:糸が 引く 力
糸は,ぴんと
張力を,作用反作用の
糸と
物体の 結び目で,何が 何を,どちら 向きに 引いているか. 糸の
途中に 切り口を 想像した とき,切り口の 左右の 部分は,それぞれ何から,どちら 向きの 力を 受けているか.
結び目では,糸が
左の物体から右へ出た糸を,一列に並んだ8個の原子とばね状の結合で描いている.糸の結合は物体の結合よりわずかに長く,外から引かれて伸びた状態を示す.どの切り口でも左右の部分は大きさ T の力で互いに引き合い,物体と糸の境目でも,糸が物体を引く力と物体が糸を引く力は大きさ T で逆向きである.
ここで
この
法則 軽い糸の
質量が
理由は,糸の
滑車の 左右で 張力が 等しい わけ
なめらかな
1つ目は,回らない
2つ目は,軸の
糸が
また,糸は
棒が 伝える 力
棒も,糸と
軽い棒の
滑らかな 斜面の 運動
傾き
です.ここで,物体は
と
ポイント ここまでの
体重計の
目盛りは 垂直抗力 を測っていて,上 向き正で となる.問いの 答えは,上昇し始める とき 増え,等速なら 変わらず,止まる 直前は 減る,である. 垂直抗力は
面に 垂直で,面に 食い 込まないために 必要なだけ現れる. と決まっているわけではなく, である.必要なだけ現れるのは,面の原子の 結合が,押し返す力が 足りる ところまで 縮むからである. 張力は,糸の
切り口の 両側が 引き合う 作用反作用の 対の 大きさである.1つの 切り口の 両側で 等しいのは 第3法則に よる. 軽い糸の
張力が,途中に 接線方向の 外力(摩擦など)が 無ければ 糸の どこでも 同じなのは,糸の 部分の 運動方 程式に よる.なめらかな 滑車の 左右で 張力が 等しいのは,回らない 滑らかな 棒なら押す力が 糸に 垂直だからであり,回る 軽い 滑車なら 左右の 差が 滑車を 回そうとし,質量の ない 滑車では それが 許されないからである. 棒は
押すことも 引く こともできる.両端だけに 力が 働く 軽い棒では,両端の 力は 等しく 逆向きで,棒に 沿う. 運動を
縛る 条件を 束縛条件と いう.滑らかな 斜面では 面に 垂直な 向きの 加速度が0なので ,沿う向きは となる. 糸は
伸び縮みしないと 仮定する.これが 次の 節で 扱う,糸で つながれた 物体の 束縛条件のもとに なる.
14束縛条件とアトウッドの機械
前の
数学の 道具
糸の一端は天井に固定され,動滑車の下をくぐって上に戻り,天井の定滑車を越えて下がり,質量 m2 の物体につながる.動滑車には質量 m1 の物体が吊るされている.天井から動滑車の中心までの距離 x1 と,定滑車から物体までの距離 x2 を,ともに下向きに測る.糸は動滑車の両側で2本の線になる.
定理 数学の
物体どうしが
定滑車 固定された
動滑車 天井に
と
手順
動く
物体の 位置を 同じ 向きの 座標で 表す. 糸の
長さが 一定と いう 条件や,面から 離れないと いう 条件を,位置の 式と して 書く. その
式を 時間で2回微分して,加速度の 関係を 得る. 各物体の
運動方程式と 連立させる.未知数(加速度と 力)の 数と,式の 数を 数えて 確かめる.
練習. (1) 上の
答え:(1)
例題
例題 1
質量
を求めよ. を求めよ. 荷車が
馬を 引き返す力の 大きさは, と比べて どうか.それなのに 加速できる 理由を,一文で 述べよ.
馬がロープで荷車を引く.荷車の抵抗f,張力T,地面が馬を押す力Rを示す.
解答を見る
考え方 馬と
荷車に
働く 水平方向の 力は,前向きの と,後ろ向きの である.運動方程式は なので
である.
馬に
働く 水平方向の 力は,前向きの と,ロープが馬を 引き返す後ろ 向きの 力である.ロープが 荷車を 引く 力の 反作用は,荷車が ロープを 引く 力で,ロープに 働く.ロープが 軽いので,ロープの 運動方 程式から,ロープの 両端に 働く力は 等しい(この 節の 本体).よって,ロープが 馬を 引き返す力の 大きさも である.運動方程式は なので
である.
荷車は,ロープを
通じて 馬を ,すなわち で引き返していて,馬が ロープを 通じて 荷車を 引く 力と 大きさが 等しい.馬と 荷車は 直接触れていないので,この2力は 作用反作用の 対その ものではない.「荷車と ロープ」「ロープと 馬」の2組の 対と,軽い ロープの 運動方 程式を 合わせて,等しいと いえる.それでも 加速できるのは,この2つの 力が 別々の 物体に 働いており,馬には 地面から 受ける 前向きの 力 も働いているからである.
検算と
例題 2
軽い糸の
解答を見る
天井から吊るした滑らかな定滑車に軽い糸がかかり,左端に質量 M の物体,右端に質量 m の物体がついている.M の方が重く,M が下がる向きに加速度 a(緑)で動く.糸の張力 T は両側で同じ大きさで,M には重力 Mg が下向きに,T が上向きに働き,Mg の方が大きい.m では T の方が mg より大きい.スライダーで M と m の比を変えると,力の矢印の長さと a,T の値が変わり,比が 1 のとき a は 0,比が大きいほど a は g に近づく.
考え方
である.2式を
を
例題 3
軽い糸の
加速度の
大きさと,糸の 張力を 求めよ. 重い方の
物体が,はじめの 位置から 下がるまでの時間を 求めよ. 滑車を
吊る している 部材が 滑車を 支える 力の 大きさを 求め,2つの 物体の 重力の 和と 比べよ.
天井から軽い棒で吊るされた滑らかな滑車に軽い糸がかかり,左に質量 0.30 kg の物体,右に質量 0.20 kg の物体が,同じ高さに吊るされている.
解答を見る
考え方 糸は
, として,例題 2 の 結果を 使う.
初速度0の
等加速度 運動なので, ,すなわち
軽い
滑車は,糸から 下向きに ずつ,あわせて の力を 受ける.力が つり合うので,部材が 支える 力は である.重力の和は で,それより小さい.重い方が 下向きに 加速している ぶん,糸が 支える 力が 減るからである.
例題 4
傾き
Aの
加速度の 大きさと,糸の 張力を 求めよ. Aが
斜面から 受ける 垂直抗力を 求めよ.
傾き 30° の固定された斜面の上端に定滑車がある.斜面上の質量 2.0 kg の物体 A から出た糸が,斜面に平行に滑車まで伸び,滑車を越えて鉛直に下がって,質量 3.0 kg の物体 B につながる.
解答を見る
考え方 Aが
加速度の
Aに
ついて,斜面に 沿って 上向きの 力は ,下向きの力は だから
Bに
2式を
Aの
斜面に 垂直な 向きには 加速度が ないので, である.
ポイント ここまでの
アトウッドの
機械では , .極端な場合( , )で検算する. 糸の
長さが 一定と いう 条件を2回微分すると 加速度の 関係が 得られる.動滑車が ある 場合は のように係数が つき,吊る された 物体を 引く 力は である.未知数の
数と 式の 数を 数えてから 連立させる. 軽い
ロープで つながった2物体では,ロープが 両端で 同じ 大きさの 力を 伝える.それは 第3法則ではなく,ロープの 運動方 程式に よる.作用反作用の 対は「荷車と ロープ」「ロープと 馬」の2組である.
15垂直抗力と張力の演習
斜面,吊る
演習
演習 1
傾き
30°の斜面に沿う下向きの軸と,滑る距離2.0 mを示す.
解答を見る
考え方 滑らかな
加速度は
速さは
と
演習 2
天井から
天井から二つの球を直列に吊るす.T₁とT₂はそれぞれの糸の張力の記号である.
解答を見る
考え方 球を1つずつ別の
下の
上の
と
演習 3
滑らかな
Bを
糸と 逆の 向きに 水平な 一定の 力 で引いた ときの 加速度と,糸の 張力を 求めよ. この
糸は を超えると 切れる.Bを 引く 力の 大きさは,いくらまで 大きく できるか. 力を
加える 物体をAに かえた ときは,いくらまで 大きく できるか.
水平面上のAとBを糸でつなぎ,Bを右向きの力Fで引く.
解答を見る
考え方 糸が
2つの
物体の 全体に ついて, だから
糸が
張力は
と表され, に比例する. だから
力を
加える 物体がAの とき,糸が 加速させるのはBであり, となる. より
Aを
演習 4
左右の
静止している
間,綱の 張力 と,左右のチームが 地面から 受ける 摩擦力の 関係を 述べよ. 引く
力を 徐々に 強めて いった とき,どちらの チームが 先に 滑り出すか.その ときの 綱の 張力の 大きさは いくらか. 「引く
力が 強い方が 勝つ」と いう 言い方は,どの 点が 不正確か.
二つのチームと軽い綱を示す.綱の張力Tと地面から受ける静止摩擦力を示す.
解答を見る
軽い綱の
両端の 張力は 等しく,これを とする.左チームの 全員に 働く 水平方向の 力は,綱から 受ける 力 (綱に引かれる 向き)と,地面から 受ける 静止摩擦力の2つで,静止しているので これらは つり合う.したがって,左チームが 受ける 摩擦力の 大きさは ,右チームも同様に である.摩擦力が
最大値を 超えられないので,張力 が右チームの 最大値 に達した 時点で,右チームが 先に 滑り出す.この とき左チームは, までの余裕を 残している.張力の 大きさは である.綱から
受ける 力の 大きさは,どちらの チームに とっても 同じ である(第3法則).勝敗を決めているのは,「どれだけ強く 引くか」ではなく,「地面から どれだけ 大きな 静止摩擦力を 受けられるか」である.体重の 大きな チームが 有利なのは,地面を 押す力(垂直抗力)が 大きく,最大静止摩擦力も 大きくなるからである.
演習 5
滑らかな
Aの
加速度の 大きさ とBの加速度の 大きさ の間の 関係を,糸の 長さが 一定と いう 条件から 導け. と糸の 張力 を求めよ. , のときの と の値を 求めよ.
水平な机の上に質量 m の物体 A があり,水平な糸が机の端の定滑車を越えて下に降りる.糸は,質量 M の物体 B を吊るした動滑車の下をくぐって上に戻り,端が天井に固定されている.
解答を見る
考え方 糸の
机の
端の 滑車から 物体Aまでの 距離を ,動滑車の中心の 天井からの 深さを とする.糸は,Aから 机の 端の 滑車まで 長さ ,机の端の 滑車から 動滑車まで 下がる 部分と,動滑車から 天井まで 上がる 部分で,あわせて に定数を 加えた 長さに なるので,全長は であり,これが一定である.2回微分して .Bが下に 動くと,Aは だけ滑車の方へ 動くので,大きさに ついて
Bに
ついて,下向きを 正に して .Aについて,糸の 向きを 正に して .これに を代入すると となるから
だから, , である.確認:Bに対して となり, と一致する.
演習 6
傾き
垂直抗力
と張力 を の関数で 表せ. 物体が
斜面から 離れる の条件と,その 直前の 張力を 求めよ.
右上がりの斜面をもつ台の上に,質量 m の物体がある.物体は斜面に平行な糸で斜面の上端につながれている.斜面の傾きは θ.台は斜面が上がっていく向き(右向き)に加速度 A(緑の矢印)で動く.
解答を見る
考え方 物体は
水平方
を求めるには,第1式に ,第2式に をかけて 足す. を消去できて
物体が
面から 離れる 条件は であり, より
すな
演習 7
なめらかな
物体3を
糸の 方向に 水平な 力 で引く とき,各糸の 張力を で表せ. 糸が
切れない の最大値と,先に 切れる 糸を 答えよ. 今度は,物体1を,物体2の
ある 側と 反対の 向きに 力 で引く とき,糸が 切れない の最大値を 求めよ.
物体1,2,3と,糸1–2,糸2–3,右端を引く力Fを示す.
解答を見る
考え方 全体の
全体の
質量は なので,加速度は である.糸2-3の張力 は,物体1と物体2を 加速させる 力なので, である.糸1-2の張力 は,物体1だけを加速させる 力なので, である. より , より である.よって の最大値は で,先に切れるのは 糸1-2である. 物体1を
引く とき,加速度は 同じ である.糸1-2の張力は,物体2と3を 加速させる 力で, である.糸2-3の張力は,物体3だけを 加速させる 力で, である. より , より である.よって の最大値は 約 で,糸1-2から切れる.
引く
ポイント 教える
エレベーターの
問いでは,予想を 先に 言わせる.「重く 感じる」のは,体重計が 人を 押す力が 増えたからだと 言葉に できれば,垂直抗力は「必要なだけ働く」ことが 伝わっている. よく
ある つまずきは,垂直抗力を 常に とおいてしまうことである.斜面や 加速する 床では にならない.「この 面は,物体に 何を させようと しているのか」と 問う. アトウッドの
機械や 動滑車の 問題では,式を 立てる前に「糸の 長さが 一定」から 加速度の 関係を 作る 習慣を つけさせる.未知数と 式の 数を 数える 確認も 有効である. 確かめと
して,「軽い糸の 張力が 両端で 同じ」理由を,糸の 一部の 運動方程式で 説明させる. 2つの
球を 糸で 直列に 吊るす問題では,「下の 糸が 上の 球を 引く 力は,下の 糸が 下の 球を 引く 力の 反作用」と いう 誤りが 多い.反作用は いつも 同じ2物体の 間の 力である ことを 確かめ,糸の 両端の 力が 等しいのは 糸の 運動方 程式に よる ことを 言わせる. 動滑車の
問題では,「Bが 下がるとAはどれだけ動くか」を 先に 言わせると,束縛条件の 立て 間違いが 減る.
16摩擦
問い
重い
動き出す前,箪笥を
押す力が 強くなっても 動かないのは,なぜでしょうか. 床が
箪笥に 及ぼす摩擦力は,いつでも「摩擦係数 垂直抗力」でしょうか.
考えてみる
箪笥が
ただし,この
この
横軸が引く力 F,縦軸が摩擦力 f のグラフ.原点から傾き1の直線で,F が限界 μN に達するまで f は F に等しく増える.そこで物体が動き出し,f は少し低い一定の動摩擦力 μ′N に下がる.スライダーで引く力を0から大きくすると,いまの点と,静止か滑っているかの状態が表示される.初期状態は静止摩擦力の途中.
したがって,冒頭の
静止摩擦と 動摩擦
法則 摩擦力の
面に
静止摩擦力 は,物体が
である.
動摩擦力 は,物体が
である.
この
摩擦の 向き
摩擦力の
たとえば,ベルトコンベアに
摩擦力にも
摩擦の 微視的な 由来
「作用と
面は,どんなに
上下の物体の接する面は原子の大きさで見ると凹凸があり,実際に触れているのは3か所の突起の先だけで,ほかの所にはすき間がある.上の物体が右へ押されると,接点をまたぐ結合が横に引きのばされ,上の原子には左向き,下の原子には右向きの摩擦力が大きさを等しくして働く.
この
押しつける
動き出すと
斜面で 滑り出す角
粗い
と
摩擦の 問題の 解き方
摩擦の
ポイント 摩擦の
滑っていないと
仮定して,静止摩擦力 を運動方 程式から 求める(加速度が0ならつり合いの 式に なる). を確かめる.はじめに 面に 対して 静止していた(相対速度が0だった)物体なら,満たしていれば 仮定が 正しく,この が答えである. 満たしていなければ
仮定が 誤り.また,はじめから 面に 対して 動いている 物体は,この 判定を せず 滑っているとみなす.滑っていると して,摩擦力を (向きは相対 運動と 逆)に 置き直して 解く.
重ねた
ポイント ここまでの
静止摩擦力は
運動方 程式から 決まる「必要なだけ」の 力で,上限は .動摩擦力は滑る 向きと 逆向きに である.問いの
答えは,動き出す前は 押す力に 合わせて 摩擦力が 増えるので 動かない,摩擦力が 係数 垂直抗力になるのは,静止摩擦力が 限界の に達した 瞬間と,滑っている ときの だけ,である.摩擦力の
向きは 相対 運動を 妨げる 向きで,物体を 動かす力にも なる.摩擦力にも,相手の 面に 働く 反作用が ある. 摩擦力と
垂直抗力は,接点で 向かい合う 原子の 組の 電気の 力を,面に 沿う 向きと 垂直な 向きに 分けた ものである.静止摩擦力が 必要なだけ現れるのは,接点の 結合が 横に 伸びて 引き返すからで,伸びきって 接点が ちぎれると 滑り出す. 斜面を
傾けて 滑り出す角から が得られ,質量に よらない. 解く
ときは,滑っていないと 仮定して を確かめ,だめなら 動摩擦力に 置き直す.
17摩擦と三角関数の合成
斜めに
定理 数学の
導出は,
練習 1.
練習 2.
練習 3.
答え:(1)
例題
例題 1
粗い板の
物体と
板の 間の 静止摩擦係数 を求めよ. 滑り出した
あと,傾きを に保って おく.物体と 板の 間の 動摩擦係数が のとき,物体の 加速度の 大きさと, 滑り下りた ときの 速さを 求めよ.
解答を見る
傾き 30° の板の上に質量 m の物体がある.板に沿って下向きに x 軸,板に垂直に y 軸をとる.物体には,鉛直下向きの重力 mg,板に垂直な垂直抗力 N,板に沿って上向きの摩擦力が,赤い矢印で働いている.
考え方 滑り出す直前は,静止摩擦力が
滑り出す直前に,静止摩擦力が
最大値に なっているので, であり
滑っている間は,板に
垂直な 向きは で,摩擦力は板に 沿って 上向きの である.板に沿って 下向きを 正とした 運動方 程式は
静止状態から
例題 2
水平な
板と
物体が 動き出す(静止状態でなくなる)ための の条件を 求めよ. 板と
物体が 一体と なって 動く(物体が 板の 上で 滑らない)ための の条件を 求めよ.
水平な床の上に質量 M の板があり,その上に質量 m の物体が載っている.板に水平右向きの力 F(赤い矢印)が加わっている.床と板の間の静止摩擦係数は μ1,動摩擦係数は μ1′,板と物体の間の静止摩擦係数は μ2.
解答を見る
考え方 動き出すのは,床と
床と
板の 間の 垂直抗力は,板と 物体を あわせた 重力を 支えるので である.動き出すには が床との 静止摩擦力の 最大値を 超える 必要が あるので
一体で
動く間の 加速度を とする.床との 摩擦は 動摩擦力 になっているので,板と 物体の 全体の 運動方 程式は
物体にだけ注目すると,物体を
以上から,一体で
な
ポイント ここまでの
( )で,最大値は である.斜面で
滑り出した 直後は,限界の 静止摩擦力 から動摩擦力 に変わり,加速度は となる. 重ねた物体では,面ごとに
滑るか どうかを 調べる.上の 物体を 加速するのは 下の 物体からの 静止摩擦力だけなので,滑らない 条件は である.
18摩擦の演習
静止か
演習
演習 1
水平な
解答を見る
右へ滑る物体に重力,垂直抗力,動摩擦力が働く.矢印の長さは力の大きさの比ではない.
考え方 物体を
滑っている間の
止まるまでの
である.質量
演習 2
水平な
荷物が
ベルトと 同じ 速さに なるまでの 時間と,その間に 荷物が 地面に 対して 進む 距離を 求めよ.また,荷物が ベルトの 上で 滑った 距離を 求めよ. ベルトを
水平から 角 傾けて,上向きに 動かす.荷物が 滑らずに 運ばれる ための 静止摩擦係数 の条件を 求めよ.ただしベルトは 等速で 動いている.
解答を見る
水平なベルトと上向きに動く傾いたベルトに荷物を載せる.ベルトの進む向きを示す.
考え方 荷物に
滑っている
間,荷物には 前向きに の動摩擦力が 働く.加速度は である.ベルトの速さ に達する 時間は
その間に
荷物の
加速度は0なので,ベルトに 沿って 上向きの 静止摩擦力 は,重力のベルトに 沿う 成分と つり合う.
滑らない
演習 3
傾き
押さなくても
物体は 斜面の 上で 静止している ことを 確かめ,物体が 動き出すのに 必要な 押す力の 最小値を 求めよ. 動き出した
あと,一定の 速さで 押し上げるのに 必要な 力を 求めよ.
30°の斜面に沿って上向きの力Fを加える.摩擦の状態は設問で判断するため,未確定の摩擦力は描かない.
解答を見る
考え方 押し上げようと
斜面に
押さない
とき,静止に 必要な 摩擦力は ,最大静止摩擦力は で,前者が小さいので 静止している( ).押し上げると摩擦力は 減って 向きが 逆に なり,動き出す直前は,押す力 が重力の 成分に 最大静止摩擦力を 加えた ものに つり合う.
一定の
速さで 動いている ときは 加速度が0で,摩擦力は 動摩擦力 である.
動き出す力より,動いている間に
演習 4
水平な
を の関数で 表せ. が最小に なる 角 と,そのときの の値を 求めよ. のとき, と, の値を 求め,水平に 引く 場合( )と比べよ.
箱を水平から角φだけ上向きの力Fで引く.mg,N,動摩擦力を示す.
解答を見る
考え方 斜めに
鉛直方向の
つり合いから .水平方向の等速の 条件から . を消去して
が最小に なるのは,分母 が最大の ときである.三角関数の 合成より
だから,
と
のとき, より . である.水平に引く 場合は だから,約 10 % だけ小さい 力で 済む.ただし なので,箱が床から 浮く ことは ない.
演習 5
滑らかな
物体を
水平に 力 で引く 場合に,物体が 板の 上で 滑らずに 一体で 動く ための の最大値を 求めよ. 板を
水平に 力 で引く 場合に,同じ 条件の の最大値を 求めよ. 物体を
で引いた とき,物体と 板の 加速度を それぞれ求めよ.
板上の物体を引く場合と板を引く場合を示す.内部の摩擦の向きは図から考える.
解答を見る
考え方 床が
垂直抗力(物体と
物体を
引く とき,板を 加速させるのは 物体からの 摩擦力 だけなので, .一体の加速度は だから となる.これが 以下であればよいので
板を
引く とき,物体を 加速させるのは 板からの 摩擦力 だけなので, . となる.これが 以下であればよいので
板を
は (1) の限界 を超えるので,滑る.物体と 板の 間に は 動摩擦力 が働く.物体は 引かれる 向きに ,板には引かれる 向きに の力を 受けるので
である.物体の
ポイント 教える
冒頭の
問いでは,「箪笥を 押して も 動かない とき,床は 箪笥に どれだけの 力を 及ぼしているか」を 数値で 答えさせる.「押す力と 同じ」と 答えられれば,静止摩擦が「必要なだけ」の 力だと 理解できている. よく
ある つまずきは,摩擦力を いつでも としてしまう ことである.解く ときは「滑っているか」を 先に 決め,静止なら を確かめる 習慣を つけさせる. 摩擦の
向きは「運動と 逆」ではなく「相対 運動と 逆」である.ベルトコンベアの 荷物や 歩く 人の 例で,摩擦力が 物体を 動かす 場合が ある ことを 確かめさせる. 重ねた物体の
問題では,「どの 面で 滑るか」「だれが だれを 加速するか」を,物体ごとの 運動方程式で 整理させる. 確かめと
して,斜面で 滑り出す角から 静止摩擦係数を はかる 方法を,式で 説明させる.質量が 消える ことを 自分で 見つけさせると 効果的である.
19空気抵抗と終端速度
問い
雨粒は,数kmも
考えてみる
自由落下の
と
差を
ただし,抵抗力は
抵抗力の モデル
定義 抵抗力
流体(空
線形抵抗:
( は正の 定数) 2乗抵抗:
,大きさは ( は正の 定数)
線形抵抗は
2乗に
雨粒は2乗抵抗ですが
運動方程式と 終端速度
鉛直下向きを
と
終端速度は,この
です.
2乗抵抗でも
です.半径
線形抵抗の 落下
運動方程式
です.
です.確かめると,
法則 線形抵抗での
静かに
で,加速度は
速さ v が時間 t とともに増え,水平な破線 v=v∞ に近づく曲線のグラフ.原点での接線 v=gt は t=τ で v∞ に届き,その時刻に曲線は 0.63 v∞ にある.初期状態は基準の抵抗係数 k0.スライダーで抵抗係数 k を変えると,v∞=mg/k と τ=m/k がともに変わって終端速度と近づく速さが変わるが,原点での接線 v=gt は k によらず同じであることが分かる.
読み取れる
では加速度が で,自由落下と同じです.以後は で小さくなります. は近づく 速さを 決める 時間で, で終端速度の 63 %, で 95 % です.重い物体ほど が長く,時間が かかります.
2乗抵抗の とき
なので,
ポイント ここまでの
流体中の
物体は 流体に 対する 相対速度と 逆向きの 抵抗力を 受ける(流体が 静止していれば 運動と 逆向き).線形抵抗 ,2乗抵抗 の2つのモデルを 使い,空 気中では おもに2乗抵抗が 合う. 運動方
程式は (または )という 微分方程式である.加速度が0に なる 状態から 終端速度が 求まる.線形抵抗では ,2乗抵抗では である.線形抵抗の
落下は , . で終端速度の63 %, で95 %に達する.2乗抵抗でも 終端速度に 十分近づいた後は,差が 近似的に 指数関数で 縮む. 問いの
答えは,空気抵抗が あると 雨粒の 速さは 終端速度で 抑えられる,である.半径 のモデルで 約 (実際の大きな 雨粒でも ほど)で,抵抗のない 場合の 約 よりはるかに遅い.
20空気抵抗と微分方程式
速さに
数学の 道具
運動方
定理 数学の
定数
が
が
導出. 正の
性質:
である.
練習 1. 次を
答え:(1)
定理 数学の
未知の
である.
両辺を
別の
である.はじめから
練習 2. (1)
, (単位は SI)の解を 求め, での を求めよ.
答え:(1)
ポイント 数学の
0 | 0.5 | 1 | 2 | 3 | 5 | 10 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 0.61 | 0.37 | 0.14 | 0.050 | 0.0067 |
は で約 37 %, で半分, で 5 % になる. は 0 から 1 に近づき, で 63 %, で 95 %, で 99 % に達する.
練習 3. (1)
答え:(1)
線形抵抗の 落下を 導く
前の
が
例題
例題 1
質量
液体中の小球に下向きのmgと上向きのkvが働く.落下距離xは放した位置から下向きに測る.
解答を見る
考え方 速さ
である.
と
例題 2
質量
速さが終端速度に近づく様子を示す.95%に達する時刻は未知の時刻として記し,数値や式は示さない.
解答を見る
考え方 まず
である.
この
より,約
ポイント ここまでの
, . の解は で,差が指数関数的に 縮んでいく. 線形抵抗の
落下は, とおいて変数分離すると が導ける. 距離は
. が より十分 小さい ときは 自由落下 ,十分大きい ときは の等速 運動に なる.
21空気抵抗の演習
抵抗力の
演習
演習 1
線形抵抗
の係数 の単位を, と で表せ.2乗抵抗 の の単位も, と で表せ. と の単位が,それぞれ速さと 時間に なっている ことを 確かめよ.
解答を見る
より, の単位は , の単位は である. の単位は , の単位は である.
演習 2
半径
2つの
終端速度を 求めよ. 抵抗が
効き始める 落下距離の 目安は である.高さ から落とすと き,空 気抵抗が 大きく 効くのは どちらか.
同じ大きさの鉄球と紙の玉に働く重力と抵抗を示す.矢印の長さは力の比を表さない.
解答を見る
体積は
.質量は鉄が ,紙が である. より
目安の
距離は,鉄が 約 ,紙が約 である. は鉄の 目安より ずっと 短く,鉄球は ほぼ自由落下である.紙は,自由落下の 速さ でも抵抗が 重力の 約4割に 達するので,空気抵抗が 大きく 効き,鉄球より 遅れて 着地する.
演習 3
質量
を求め,水平に 進める 距離の 上限を 求めよ. を求め,軌道の 式 を導け. での , を求めよ.
高い位置から水平に初速度v₀で投げる小球を示す.軌道と水平到達距離は問題で求めるので描かない.
解答を見る
抵抗は
より .積分して
方向は静かに 落とした 場合と 同じで, . とおくと , なので
より , である.
演習 4
球形の
終端速度
を の式で 表し, の値を 求めよ. では は何倍に なるか.
半径rの雨粒の重力と空気抵抗,進行方向から見た断面積πr²を示す.
解答を見る
, を に代入して
なので 倍(約 ).大きな雨粒ほど 速いが,増え方は ゆる やかである.
演習 5
地面から
速度
を求めよ. 最高点に
達するまでの 時間 を求めよ.また の極限で となる ことを 確かめよ. が1より十分 小さい とき である. , のときの を求め,抵抗が ない 場合と 比べよ.
上昇中の小球では重力mgと抵抗kvが下向きに働く.上向きの速度を青で示す.
解答を見る
上昇中は
重力 も抵抗 も下向きなので ,すなわち である. とおくと , なので
最高点で
,すなわち .対数をとって
より .抵抗がなければ で,上昇時間はほぼ半分に なる.
ポイント 教える
「終端速度に
達する」は 曖昧である. は有限の 時間では0に ならない こと, の何倍で 何割に 達するかを 数で 示す. 変数分離で
つまずく 場合は, の置き換えが 入口に なる.最後に「微分して 元の 式に 戻るか」を 確かめさせる. 確かめには,
を2倍にした とき と がどう 変わるかを 答えさせる.検算は「 で自由落下に 戻るか」「 で になるか」の2つである.
22力のつり合い
問い
ハンモックを
考えてみる
ロープが
です.水平方向の
体重
90° | 60° | 30° | 10° | 5° | 2° | |
|---|---|---|---|---|---|---|
350 N | 400 N | 690 N | 2000 N | 4000 N | 9900 N |
水平から10°に
ハンモックに人が横たわる様子の簡略図.左右のロープは水平から角θをなし,人の位置で体重Wが下向きに,張力Tが各ロープに沿って斜め上向きに働く.右側に,右のロープの張力Tを水平成分TcosθとTsinθ(鉛直成分)に分けた図を添える.
質点の つり合い
法則 質点の
物体を
これは
ここで
つり合いの
注目する
物体を 決め,その物体だけを 描く. 働く
力を すべて 描く(重力,接触している ものからの 力).自由体図を 描く. 座標軸を
選ぶ.力の 多くが 軸に 沿うように 選ぶと 楽に なる. 成分ごとに
を書く. 解いたら,極端な
場合(角が0°や90°)で 答えを 確かめる.
糸を
3力の つり合い
3つの
定理 ラミの
同一直線上に
が
証明. 力の
ポイント ここまでの
問いの
答えは,ロープの 張力の 上向き成分 だけが体重を 支えるから, となり,水平に 近づく( )ほど となって 切れやすい,である. 質点の
つり合いは ,成分では , である.運動方程式で とおいた 特別な 場合に すぎない. 解き方は,物体を
決める,力を 全部 描く,軸を 選ぶ,成分ごとに 合力が0,極端な 場合で 検算,の 順である. 3力が
つり合うと,矢印は 力の 三角形を つくる.3力が 同一直線上に ない とき,ラミの 定理 で解く こともできる. 大きさの
ある 物体の 回転(トルク)は 後の 章で 扱い,この 節では1点に 力が 集まる 場合だけを 扱う.
23力の三角形と例題
ラミの
定理 数学の
三角形の
練習 1.
答え:
練習 2. 重さ
答え:力の
使い分けの
例題
例題 1
ハンモックの
左右のロープが水平と同じ角θをなし,中心に体重W,両側に張力Tが働く.
解答を見る
考え方 人を
. より
体重の
より ,したがって .これより水平に 近く 張ると 切れる.
例題 2
質量
結び目Oを水平な糸1と斜めの糸2で支え,糸3でおもりを吊るす.
解答を見る
考え方 結び
おもりの
である.よって
検算:
例題 3
質量
滑らかな鉛直の壁の点Pから長さlの軽い糸で球が吊るされ,球は壁に接している.球の中心は壁から距離Rにあり,糸の延長線は球の中心を通る(Pから中心までは l+R).糸が壁となす角はθ.球の中心から,重力mgが下向き,糸の張力Tが糸に沿ってPの向き,壁の垂直抗力Nが壁から離れる水平向きに働く.
解答を見る
考え方 球に
球の
である.水平方
よって
である.
である.糸を
ポイント ここまでの
力の
三角形では,辺の 長さが 力の 大きさに,内角が 力どうしのなす角の 補角に 当たる.正弦定理と 余弦定理で 未知の 力や 角が 求まる. 力が3つで
角度が きれいなら 三角形や ラミの 定理,4つ以上 や軸に 沿う力が 多いなら 成分で 解く.一方で 解き,他方で 検算できる. 結び
目や球のように,注目する 物体を 決めて 水平・ 鉛直の つり合いを 書く.糸を 水平に 近づける ほど( )張力が大きくなる 傾向は,どの 例題でも 現れる.
24力のつり合いの演習
成分に
演習
演習 1
物体に
原点の物体に働くF₁=(3.0,4.0) NとF₂=(−1.0,2.0) Nを示す.第三の力は描かない.
解答を見る
つり合いの
である.
演習 2
質量
同じ長さの二本の糸で質量3.0 kgの物体を吊るす.二本のなす角をθとする.
解答を見る
各糸は
: (ちょうど ). : .開き方を大きく すると 張力が 急に 大きくなる.
演習 3
傾き
糸の
張力と 垂直抗力を 求めよ. 糸を
斜面から 角 だけ持ち上げる向きに 引いても 静止させる とき,張力と 垂直抗力を の式で 表し,垂直抗力が0に なる を求めよ.
30°の斜面に平行な糸と,斜面から角φだけ持ち上げた糸で支える場合を並べる.
解答を見る
斜面に
平行な 方向の つり合いは ,垂直な方向の つり合いは である.斜面に
平行な 方向: .垂直な方向: .よって
演習 4
長さ
同じ高さの二点に固定した長さLの糸に輪を通し,質量mのおもりを吊るす.支持点間の距離dを示す.
解答を見る
滑らかな
である.
演習 5
質量
V字の溝に滑らかな球が置かれている.左の斜面は水平から角α,右の斜面は水平から角β.球の中心から,重力mgが下向き,左の斜面からの垂直抗力N1が斜面に垂直で鉛直から右へα傾いた向き,右の斜面からの垂直抗力N2が斜面に垂直で鉛直から左へβ傾いた向きに働く.
解答を見る
球に
である.第1式から
である(
検算:
演習 6
同じ
鎖の
各点での 張力の 水平成分は 一定である ことを 示せ. 最も
低い点での 張力 と,端での張力 を で表せ. 鎖上の
点で,鎖の 向きが 水平から 角 のとき,その 点の 張力 を と で表せ.
解答を見る
鎖の最低点から弧長sの部分を取り出し,両端の張力T₀,Tと重力λsgを示す.
鎖の
この
部分が 静止している ことから,水平方 向の つり合いは .重力に水平成分が ないので,どの 点でも 張力の 水平成分は で一定である. 同じ
部分の 鉛直方向の つり合いは .鎖の端(片側全体,質量 )では なので
である.
より
.また とも書ける. が大きい 点(端に 近い点)ほど 張力が 大きい. (水平に近づける)で になるのは,ハンモックの 結果と 同じである.
ポイント 教える
導入の
ハンモックは,式を 出す前に「なぜだと 思うか」と 聞く.「体重を 支える 役に 立つ成分は 鉛直成分だけ」に 自分で 気づけると,この 節の 半分は 終わっている. 多い
間違いは,力を 分解せずに 大きさだけ足し合わせる ことと,角度の 取り 方(水平から 測るか,鉛直から 測るか)の 取り違えである. と のどちらが 付くかは,極端な 角(0°や90°)で 確かめさせると 身に つく. つり合いの
問題は,本文の 手順(物体を 決める,自由体図に 力を 全部 描く,軸ごとに 合力が0,極端な 場合で 検算)で 確かめさせる. 理解の
確かめ:糸の 張力が「糸の どこでも 同じ」で なくなるのは いつか(糸の 質量が 無視できない とき,例えば鎖の 演習)を 聞くと,仮定の 意味が 見える.剛体の つり合い(トルク)は 後の 章で 扱うと,予告しておく.
25圧力と浮力
問い
深さ
同じ深さの4つの容器を示す模式図.
考えてみる
素直に
困るのは,容器の
圧力
定義 圧力
面に
を圧力と
静止している
地上の
深さと 圧力
水の
上面を
大気が 押す力 (下向き)下面を
下の 水が 押す力 (上向き) 側面を
まわりの 水が 押す力(側面に 垂直なので 水平で,鉛直成分は 無い) 柱の
重力 (下向き. は水の 密度)
鉛直方向の
法則 静止した液体の
密度
である.同じ液体が
静止した液柱の力のつり合いを示す模式図.
同じ
これで
液面の
浮力
液体の
です(
直方体の表面を押す圧力を示す模式図.
形が
法則 アルキメデスの
流体の
である.一部だけが
浮力は「物体の
密度
ポイント ここまでの
圧力は,面に
垂直に 働く 力を 面積で 割った 量 (単位 )で,静止した流体の中では 面の 向きに よらない. 静止した液体の
中で,液面から 深さ の点の 圧力は .小さな液柱の つり合いから 出る. 問いの
答え:同じ 深さなら,細い管の 底でも プールの 底でも,形の 違う 容器の 底でも 圧力は 同じ.底が 受ける 力は 水の 重さと 一致するとは 限らず,差は 斜めの 壁が 負担している. 浮力は
表面を 押す力の 合計で,大きさは 押しのけた流体の 重さ (アルキメデスの原理).物体を 同じ形の 流体で 置き換える 考えで,どんな 形にも 使える. 液面の
圧力の 増加は,液体の すべての 点に 伝わる(パスカルの 原理).
26圧力の微分方程式と浮力の例題
前の
定理 数学の
鉛直上
である.
を
密度が
密度が
練習 1. 温度が
答え:
定理 数学の
圧力が
向きに
で,
小さな三角柱に働く圧力を示す模式図.
練習 2. 幅
答え:深さ
練習 3. 水槽の
答え:
例題
例題 1
底面が
水面から
木片の 底面までの 深さ(喫水)を 求めよ.また,底面の 圧力と 大気圧の 差から,木片を 押し上げる 力を 計算し,重力と つり合っている ことを 確かめよ. 木片の
上面の 中央に おもりを 載せる.上面が ちょうど 水面に そろう おもりの 質量を 求めよ.
木片の喫水と上に載せるおもりを示す模式図.
解答を見る
考え方 浮かんで
底面積を
,喫水を とすると, より
底面の
全体が
沈むと 浮力は ,すなわち質量 分の重さである.木片と おもりの 合計が これに 等しいので,おもりは である.
例題 2
容器に
立方体の
高さの うち,水の 中に ある 割合 を求めよ. 油を
取り除くと,立方体は 水面に 浮く.水の 中に ある 割合は (1) より 大きいか 小さいか.油が 上から 押さえつけると いう 考えと 比べて 説明せよ.
油と水の境目にある立方体を示す模式図.
解答を見る
考え方 上面と
上面から
下面まで,油の 中を ,水の中を 下るので,下面と上面の 圧力の 差は である.これに面積 を掛けた 力が 重力 とつり合うので
である.浮力は「押しのけた
油が
無ければ,沈む割合は で,(1) より大きい.たしかに 油は 上面を 押し下げるが,同じ油の 重さは 下の 水の 圧力も 高めて,下面を 押し上げる.上面より 上に ある油の 分は,上面と 下面に 同じ 圧力と して 加わって 打ち消し合う.残るのは,立方体の 上部と 同じ 高さに ある油の 層の 分で,これは 下面だけに 加わる.その 大きさは 立方体の 上部が 押しのけた 油の 重さで,上向きである.だから 油を 重ねると,立方体は 浮き 上がる.
ポイント ここまでの
薄い流体の
柱の つり合いから ( は上向き).密度 一定なら 積分して .密度が変われば,層ごとに 傾きが 変わる. 場所で
違う 圧力から 力を 出すには,面を 分けて を足し,積分する.鉛直な 壁では .小さな
三角柱では,重力は 体積に,面の 力は 面積に 比例するので,小さく した 極限で 圧力は 面の 向きに よらない. 浮力の
問題は,重力と 浮力(と 糸やばねの 力)の つり合いを 書く.重なった液体では,浮力は 押しのけた 各液体の 重さの 和に なる.上の 液体が 上面を 押す分は,下面の 圧力も 同じだけ高めるので 打ち消し合う.
27圧力と浮力の演習
圧力は
演習 1
密度
圧力計の
位置の 圧力を 求めよ. 圧力計の
小さな 受圧面を 水平から 鉛直に 回すと,圧力の 値は 変わるか.
油と水の2層と圧力計を示す模式図.
解答を見る
考え方 境目で
だから, .計算の内訳を 示すため桁を 残した.圧力増加は 約 である.同じ
位置なら 変わらない.静止した流体の 圧力は 面の 向きに よらず,力の 向きだけが 面に 垂直な 向きへ 変わる. の単位は .油の厚さを0に すれば 水だけの 式に 戻る.
演習 2
質量
密度
と の関係を 求めよ.水と 密度 の液体での を計算せよ. 密度に
等間隔の 目盛りを つけると,円筒上でも 等間隔に なるか.
鉛直に浮く円筒の密度計を示す模式図.
解答を見る
考え方 液体を
より .水では ,もう一方では .どちらも円筒の 長さ未満で,液面から 上に 出る 部分が ある. は の逆数に 比例するので 等間隔に ならない. だから,密度が大きい 側ほど 目盛りの 間隔は 狭い. は長さの 次元を もち,密度が 大きい液体では 浅く 沈むと いう 直感とも合う.
演習 3
同じ固体を
固体の
体積と 密度を 求めよ. 未知の
液体の 密度を 求めよ.
同じ固体を3つの環境でつるを示す模式図.
解答を見る
考え方 水中の
質量は
. より .したがって . より .力の比は 無次元である.目盛りが 空気中と 等しければ,この 模型では 液体の 密度は0と なる.水中でも 張力が 正なので,糸は たるまない.
演習 4
体積
糸の
張力を 求めよ. 糸を
切った 直後の 球の 加速度を 求めよ.水の 抵抗と,球の 加速に 伴って 周囲の 水を 動かす効果は 無視する 模型と する.
底につないだ水中の球を示す模式図.
解答を見る
考え方 浮力が
上
向きを 正に すると .よって . だから ,鉛直上向きである.一般式は .密度が等しければ 張力も 加速度も0に なる.実際の 液体では 周囲の 水も 動く ため,(2)は 指定した 模型での 値である.
演習 5
断面積が
左脚の
水と 油の 境目が 下がる 距離と,右脚の 水面が 上がる 距離を 求めよ. 左の
油面と 右の 水面の 高低差を 求め,どちらが 高いか 答えよ.
初めの水面と,左脚へ注ぐ油を示す.注いだ後の液面の高さは図に入れていない.
解答を見る
考え方 同じ
油の
柱の 高さは .左の境目が 下がると,両脚の断面積が 等しいので 右の 水面は 上がる.境目の高さの 圧力は,左では ,右では である.よって .両方ともこの 距離だけ動く. 油面は
初めの 高さより ,右の水面は 上なので,高低差は .油面が高い.重力加速度は 消え,密度の 比と 長さだけが 残る.密度が 等しければ 高低差は0で,液面が そろう.
演習 6
質量
左右の
糸の 張力を 求めよ. 液体の
密度を 徐々に 下げる とき,同じ 配置で つり合える 密度の 下限を 求めよ.
下向きの2本の糸で止める球を示す模式図.
解答を見る
考え方 重力と
左右の
張力を とすると, , .第1式より で,第2式は .したがって , .両方とも正なので,仮定した糸の 向きと 合う. 糸は
押せないので が必要.下限は .等号では両張力が0で,張った 糸で 配置を 保つには これより 大きい 密度が 要る.下限より 低いと 球は 沈み,この 配置では 静止できない.張力は に比例し,単位も 力に なる.
ポイント 教える
圧力計の
向きを 変える 問いで,圧力と 力の 向きを 区別できるか 確かめる. 浮力の
体積は,物体全体か 沈んだ 部 分かを 毎回 指さして 答えさせる. U字管では,同じ
高さの 圧力の 条件と,水の 体積の 条件を 別々に 説明させる. 糸の
張力が 負に なったら,数値を そのまま 採用せず,糸が たる む条件へ 戻らせる.
28第4章の章末問題
運動方程式,束縛条件,摩擦を
演習
演習 1
水平な
机上のAから滑車を介してBを吊るす.小問2でBの下にCを追加する配置を示す.
初め静止している.A は
動き出さない ことを 示せ. B の
下に 糸2で 物体 C( )をつなぐ.A は 動き出すか.動き出すなら,加速度と 糸1,糸2の 張力を 求めよ. 動いている
途中で 糸2を 切る.その 直後の A の 加速度と 糸1の 張力を 求め,(1) の 結果と 比べよ.
解答を見る
A が
A を
引く 力は B の 重さ で, より小さいので,A は 動かない.静止摩擦力は である.B と C の
重さの 和は で, より大きいので 動き出す.糸が 伸びないので,A,B,C の 加速度の 大きさ は共通.全体の 運動方程式(A の 右向き,B,C の 下向きを 正)は
A に
糸2を
切ると,A と B だけで , (加速が続く).糸1の 張力は .(1) では B だけでは動き出さなかったが,動いていれば 動摩擦力 が B の重さより 小さく,加速を 続ける.動き出す条件と 動き続ける 条件は 違う.
演習 2
十分に
傾きθのベルトが斜め上向きに速さVで動く.荷物を静かに置く位置と上端までの距離を示す.
荷物が
ベルトに 対して 滑っている 時間と,その間に 荷物が 進む距離,ベルトに 対して 滑る 距離を 求めよ. 置いた
点から 斜面に 沿って 離れた上端に 着くまでの 時間を 求めよ. 静止摩擦係数が
,動摩擦係数が だったらどうなるか.
解答を見る
荷物は
ベルトより 遅いので,動摩擦力は 上向きに 働く.上 向きを 正に して
速さが
速さが
に達すると,必要な 静止摩擦力は で,最大値 以下なので,荷物はベルトと 一緒に 動く.残りの を速さ で進み, かかる.全体で . .負なので荷物は 運ばれず,斜面を 滑り 落ちる( だから運べない).
演習 3
トラックが
トラックの荷台に荷物がのり,荷物の右側(運転席側)に壁がある.荷物と壁の間隔をdとする.トラックは右向きに走る(青い矢印).
のとき,荷物が 壁に ぶつかるまでの 時間と,ぶつかる 直前の 荷台に 対する 荷物の 速さを 求めよ. 荷物が
壁に ぶつからずに すむ の条件を 求めよ.トラックは 止まった あとも その 場に と どまる.
解答を見る
考え方 荷物は
静止摩擦力に
よる 減速は 最大 で, はそれを 超えるので 滑る.荷物の 減速は .荷台に対する 前向きの 加速度は で, より .トラックは で止まるので,まだ 走っている.荷台に 対する 速さは .トラックは
で止まる.荷物は 減速度 のまま 進んで止まる.荷台に 対する 前進は 全部で なので, ならぶつからない.
演習 4
質量
静止から
放した ときの 加速度の 向きと 大きさ,糸の 張力を 求めよ. Aの
質量と 体積を そのままに,液体の 密度だけを 変える.Aの 下降から 上昇へ 運動が 変わる 境目の 密度を 求めよ.Aが 下降する 区間の 式を 密度の 関数で 書き,慣性質量も に変えて よいか 説明せよ.
水中の固体と空気中のおもりを示す模式図.
解答を見る
考え方 水中では
Aの
下向き,Bの 上 向きを 正に とる. , より .代入すると で,Aは下がる. .張力は正で,糸は 張っている. 境目は
, .これより小さい 密度なら(1)の 式で 下降し,大きければ 符号が 反転して 上昇する. は重力と 浮力の 差を で割った 量で,物体の 慣性質量ではない.分母を にしてはいけない. では普通の 定滑車の 式へ 戻る. は無次元なので,加速度の 単位も 合う.
演習 5
なめらかな
なめらかな水平面上の板Bの上に物体Aがのる.Aの右側から水平に出た糸は右の壁に固定した滑車を回り,Bの右側につながる.Bを水平左向きの力F(赤い矢印)で引く.
A,Bが
動き出すのは がいくら以上の ときか. で動いている ときの 加速度の 大きさと 糸の 張力を 求めよ.
解答を見る
考え方 Bが
動き出す直前は
静止摩擦力が 最大で,Aに 左向きに ,糸の張力は .Bについて .よって 以上で 動く. 動摩擦力は
.糸が伸びないので 加速度の 大きさ は共通.Aは 右向きに ,Bは左向きに .足して
演習 6
質量
左は上昇中の小球.速度vは上向き(青)で,重力mgと抵抗cv2はどちらも下向き(赤).右は下降中の小球.速度vは下向き(青),重力mgは下向き,抵抗cv2は上向き(赤).
上昇中の
運動方 程式を,高さ と速さ の関係( )として 書き,最高点の 高さ を求めよ.積分には (右辺を微分すれば 確かめられる)を 使ってよい. 落下して
地面に 戻る ときの 速さ が, を満たす ことを 示せ. で である. , のとき, と を求め,抵抗が ない 場合と 比べよ.
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考え方 時間を
上
向きを 正と して ,すなわち . の から最高点の まで積分して
最高点から
下向きに をとると .積分して .(1) の を入れると ,よって となる. , .抵抗がなければ , なので,どちらもほぼ半分に なる. で となり,検算に なる.
演習 7
傾き
傾きθの粗い斜面(右上がり)の上に物体がある.重力mgは鉛直下向き,垂直抗力Nは斜面に垂直,摩擦力fは斜面に沿い,斜面へ向かう水平な力Fは右向きに描く.摩擦力の向きはFの大きさで変わる.
の最小値と 最大値を 求めよ. となる 角 を使って 表すと どう なるか. 斜面が
急で,どんなに 強く 押しても 物体が ずり 上がらなくなる の条件を 求めよ.
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考え方
垂直抗力は
.ずり落ちる境目では 摩擦力が 上向きで .よって
ずり
の式で 分母が 以下,すなわち ( )なら上限は ない. より である.このとき押す力が 強くなる ほど 斜面への 押しつけも 強くなり,摩擦力が 追いつく.
演習 8
水平な
右端の小物体mを台Mとともに静止から放す.上面右側の長さℓだけが粗面である.
小物体が
台と 一体で 動ける の条件を 求めよ. 滑る
場合に ついて,粗面区間での 台の 斜面方向の 加速度 ,小物体の垂直抗力 ,台に対する 小物体の 左向き加速度 を求めよ. , , , , , , とする.粗面を 出る 時刻と 台の 左端を 離れる 時刻を 求め,離脱までの 地上から 見た 軌跡を 区間ごとに 式で 表せ.小物体の 初期位置を 原点と する.
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考え方 台と
一体なら
斜面方向の 加速度は .小物体について , なので, より である.指定値はこの 条件を 満たさず,左へ 滑る. , と略記する.小物体は , を満たす.台の 斜面方向には だから,
ここでは
粗面を
出る 時刻を とすれば より .そのときの 相対速度の 大きさは である.滑らかな区間では , となる.残りの 時間 は の正の 根,すな わち
であり,離脱時刻は
水平速度は
演習 9
重力を
円筒の右端Pから中心向きに発射する.外部の慣性系では壁の接線速度も初速度に加わる.
必要な
を求めよ.壁と 同じ 角速度で 回り,半径 の場所に 固定された 足場では,物体を 支える 力は 質量の 何倍か. 点
から,壁に対して 中心 向きに 速さ で球を 発射する.発射後は 力が 働かない.外から 見た 位置と,次に 壁に 当たる 時刻 を求めよ. , , の場合,球は 発射装置から 見て回転方向の 前後どちらに 当たるか.壁に 沿った 距離も 求めよ.
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考え方 壁に
より .半径 では加速度が なので,支える力は である.初速度は
.したがって , となる.壁の 条件 から, 以外の解は
これは
, , .衝突点は で,外から見た 偏角は .同じ時間に 発射装置は ラジアン進むため,球は装置より 回転方向の 前方へ 離れた場所に 当たる.球の 経路は 弦であり,装置の 経路は 円弧なので,両者の 角度を 別々に 計算する 必要が ある.
演習 10
質量
糸は台車ではなく上の荷物mに結ばれている.床との摩擦はなく,荷物と台車の間に静止摩擦が働く.
荷物が
台車から 浮かず,滑らずに 動ける 最大加速度 を求めよ. 距離
のゴールまでの 最短時間を,速度上限に 達する 場合と 達しない 場合に 分けて 求めよ. , , , , , , とし, と の最短時間を 求めよ.
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考え方 台車を
台車に
働く 右向き摩擦力を とすると ,荷物には , .したがって であり, より
この
任意の
時刻に .初めから最大加速度を 使う 運動は この 上限を 実現する ため,距離の 積分も 最大に なり,到達時間が 最小に なる.切替時刻は ,切替距離は である.
切替前は
, .よって短距離では 約 ,長距離では約 (丸める前は )となる.
演習 11
水平な
台の速度はTまで直線的に増え,2Tで0に戻り,その後0のままである.小物体は初め台に接している.
接触中の
垂直抗力を 調べ,離脱時刻を 求めよ. 離脱後の
小物体の 位置と 最高点の 高さを 求めよ. 台との
最初の 再接触時刻を 求め,減速中に 再接触していない ことも 確かめよ.衝突後の 運動は 扱わない.
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考え方 台は
では より . に接触を 仮定すると から となり不可能である.したがって に離れ,その 位置は ,速度は である.速度は連続なので,切替時に 余分な 速度を 与えてはいけない. とおくと,小物体は .最高点は ,高さは となる. の台の 位置は なので,間隔は . では台は に止まる.そこで を解くと だが,小さい根は で,静止した台の式を 使える 区間に ない.採用するのは (丸める前は 約 )である.すべての高さが ,時間が に比例し,次元も 一致する.
29第4章の発展問題
★4・★5の
演習
演習 1
質量
く
さびの 加速度の 大きさ (左向き),小物体のくさびに 対する 加速度 (斜面に沿って 下向き),垂直抗力 を求めよ. 水平面がくさびに
及ぼす垂直抗力を 求めよ. , の極限を 調べて,結果を 確かめよ.
滑らかな水平面上に,右側の斜面が水平から角αで右下がりのくさび(質量M)が置かれ,その斜面の上に小物体(質量m)がある.くさびの加速度Aが左向きの矢印で,小物体のくさびに対する加速度aが斜面に沿って下向きの矢印で描かれている.右向きにx軸,上向きにy軸をとる.
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考え方 く
右向きを
である.物体の
く
である.第1式と
と
く
さびの 鉛直方向の つり合いから,床の 垂直抗力は である. : , , .固定された斜面の 結果に 一致する. : , , .物体は自由落下(鉛直加速度 )し,軽いくさびは 水平に 逃げる.
演習 2
質量
右下がりの斜面上に質量mの物体があり,くさびを右向きに加速度Aで動かす.
斜面が
滑らかな とき,物体の 斜面に 対する 加速度 (斜面に沿って 下向き)と 垂直抗力 を求めよ. 物体が
斜面に 対して 静止する を求めよ. 物体が
斜面から 離れる の条件を 求め,その とき が何に なるかを 確かめよ.
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考え方 物体の
斜面に
方向の運動方 程式は,垂直抗力が 成分を持たないので
より . になると 面から 離れるので, ,すなわち (左向きに大きく 加速する).境界 では , で,鉛直の加速度は .物体は自由落下しており,く さびが 速く 逃げて 斜面に 触れられなくなる.
演習 3
質量
質量Mの右下がりのくさびを右向きの力Fで押す.上の小物体の質量はm,接触面の静止摩擦係数はμ.
の範囲を で表せ.ただし とする. , , , の値を 求めよ. の極限を 確かめよ.
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考え方 一緒に
斜面に
沿って 下向きの 単位ベクトルは ,垂線は である.斜面に沿って 上向きの 摩擦力 を仮定すると
より
: ,よって . : . より なので .
, . より
( )で範囲が1点 に縮み,演習 2 の に一致する.
演習 4
滑らかな
物体の
加速度の 大きさ と,おもりの加速度の 大きさの 関係(束縛条件)を 求めよ. 物体が
板に 対して 滑らずに 動く ための の最大値を 求めよ. のとき,板,物体,おもりの 加速度と 糸の 張力を 求めよ.
滑らかな水平な机の上に質量m1の板があり,その上に質量m2の物体が置かれている(板と物体の間の摩擦係数はμ).物体から糸が水平に出て,机の端の定滑車を回って鉛直に下り,動滑車の下を回って鉛直に上り,天井に固定されている.動滑車には質量Mのおもりが吊るされている.糸の鉛直部分は2本とも鉛直.
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物体と
定滑車の 距離を ,動滑車の深さを とすると,糸の 長さが 一定なので 一定である.物体が 縮むとおもりは 下がるので,おもりの加速度の 大きさは である.滑らない
とき,板と 物体は 共通の 加速度 を持ち,水平方向の 外力は 糸の 張力 だけなので .おもりは .よって
板を
数値を
は上限より 大きく,物体は 滑る.板は 動摩擦力だけで 動くので , .物体は ,おもりは なので
おもりの
演習 5
滑らかな
長さL,質量Mの鎖のうち,初め長さy₀が机から垂れている.
の運動方 程式を 立てよ. の形を 仮定して, と を求めよ. のとき,鎖全体が 机を 離れるまでの 時間と,その ときの 速さを 求めよ. では何秒,何 か. とおくと の2次方程式に なり, である.
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机の
上の 部分の 重力は 垂直抗力と つり合うので,全体を 加速するのは 垂れ下がり部分の 重力 だけである.全体(質量 )の運動方 程式は
とすると, は を満たす.初期条件 , より , .よって で
となる 時刻は, とおいて .よって , ,
速さは
演習 6
固定された
円柱面上の
ロープの 一部 分(中心角 )の力の つり合いを 調べ,ロープが の側へ 滑り出す直前に となる ことを 導け.小さな 角 では と近似でき, ( )である. , (2回巻き)で,一端に の荷重が かかる とき,人が ロープを 引く 力の 最小値と,ロープが 滑らない 人の 張力の 範囲を 求めよ. 人が
で荷重 を保つには,何回以上 巻けば よいか.
固定された粗い円柱に,軽いロープが中心角θだけ巻きついている.ロープの両端には張力T1(小さい側)とT2(大きい側)が,ロープに沿って円柱から離れる向きに働く.円柱上の一部分(中心角dφ,オレンジで印)を右に拡大して描く.この部分には,T1側の張力T,T2側の張力T+dT(どちらもロープの接線方向),円柱から受ける垂直抗力dN(半径方向外向き),T1の側を向く摩擦力μdNが働く.
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の側から 測った 角 の位置で,部分の 両端の 張力を ( 側)と ( 側)とする.滑り出す直前なので,摩擦力は の側を 向いて 限界の 大きさに なる.この 部分の 力は つり合う.半径方向では,両端の 張力が 中心向きの 成分を 持つので,
である(
である.
である.半径
荷重側が
,引く力 が限界の とき, なので
が
である.
より , 回転である.余裕を見て3回巻けば よい.
30第4章のまとめ
この
法則
法則 力と
第1法則(慣性の
法則):合力が のとき,物体は 静止し続けるか 等速直線 運動を 続ける.成り 立つ基準系を 慣性系と いい,慣性系に 対して 等速直線 運動を する 基準系も また 慣性系である. 第2法則(運動方程式):
( は合力).力の 単位は である.運動方程式は 法則であって,力の 法則と 初期条件を 組み合わせて 初めて 運動を 予言できる. 第3法則(作用反作用):
.別々の物体に 働く 同種の 力で,いつでも 成り 立つ.同じ物体に 働く 力の つり合いとは 別の ものである.粒子1組ごとの 重力と 電気の 力が 対に なることに 由来し,接触力は それを 境目の 原子の 組に ついて 足し合わせた ものである.
力の 一覧
力 | 向きと | 注意 |
|---|---|---|
重力 | 鉛直下向き, | 質量は |
垂直抗力 | 面に | 常に |
張力 | 糸に | 切り口の |
静止摩擦力 | 相対 | 滑っていない |
動摩擦力 | 滑る | 速さに |
抵抗力 | 流体に | 終端速度に |
浮力 | 鉛直上 | 表面を |
手順
ポイント 力学の
注目する
物体を1つ 決め,まず 重力を 描く. 触れている
ものを 数え,垂直抗力・ 張力・摩擦力などを 描く.相手の 物体を 言えない力は 描かない. 座標軸を
選び,成分ごとに (つり合いなら )を書く. 糸の
長さが 一定などの 束縛条件から,加速度の 関係を 作る.未知数と 式の 数を 数える. 摩擦では,滑っていないと
仮定して を確かめ,だめなら 動摩擦力に 置き直す. 極端な
場合(角が0や90°,質量が 非常に 大きい, , )で検算する.
主な 公式
滑らかな
斜面: ,エレベーター(上
向き正): アトウッドの
機械: ,斜面で
滑り出す角: 線形抵抗の
落下: , , .2乗抵抗の終端速度: 静止した液体の
圧力: (微分形 , は上向き).圧力 ,単位浮力(アルキメデスの
原理): .浮かんだ物体の沈む 割合は 質点の
つり合い: .同一直線上にない3力では ラミの 定理
各節の 問いへの 答え
慣性の
法則:摩擦も 空気抵抗も ない 氷の 上の パックは,水平方向の 合力が0なので 同じ速さで どこまでも 進む.物を 動かし 続けるのに 力が 要るように 見えるのは,摩擦や 空気抵抗を 打ち消すために 押しているからである. 運動方程式:質量を2倍に
すると,同じ力での 加速度は 半分に なる.力の 大きさは,同じばねの 伸びを 基準にして数で 表せる. 作用と
反作用:押し合う2人が 受ける 力は,押した つもりか どうかに よらず等しい.加速度は 質量に 反比例するので,軽い 子どもの 方が 速く 離れていく.壁を 押して 手が 痛むのは,壁の 表面の 原子に 押し返されて,手の 中の 原子の 結合が 縮むからである. 力の
種類:机の 上の 本に 働く力は,重力と 垂直抗力の2つだけである.本が 机を 押す力は,机の 自由体図に 描く ものである. 垂直抗力と
張力:エレベーターが 上昇し始めると 体重計の 目盛りは 増え,等速では 変わらず,止まる 直前は 減る.垂直抗力は のように,必要なだけ現れる.摩擦:動き出す前は,摩擦力が
押す力に 合わせて 増えるので 動かない.静止摩擦力が になるのは 動き出す限界の 瞬間だけで,滑っている ときの 摩擦力は である.空
気抵抗と 終端速度:半径 の雨粒の モデルは,空気抵抗と ほぼつり合う 約 で落ちる.抵抗の ない 自由落下の 約 の,約30分の1である.力の
つり合い:ハンモックの ロープは,鉛直成分だけが 体重を 支えるので .水平に近いほど 張力が 大きくなり,完全に 水平には 張れない. 圧力と
浮力:同じ 深さなら,細い管の 底でも プールの 底でも,形の 違う 容器の 底でも,圧力は で同じである.底が 受ける 力が 水の 重さと 違う 分は,斜めの 壁が 支えたり押し下げたりしている.
この 章で 使った 数学
斜面での