第9章 外部運動と内部運動
01外部運動と内部運動
この
問い
打ち上げ花火の
では,玉を
考えてみる
第6章では,2つの
と
そこで,多数の
外部 運動と 内部 運動
定義 外部
質量
と
重心の
割れた花火の玉.各破片の速度 \(\vb*{v}_i\) が,重心 G の速度 \(\vb*{V}\)(全破片に共通の太い矢印)と,G から放射状に広がる \(\vb*{v}_i'\) の和に分かれる様子を,3つの破片について描く.G は放物線上にあり,破片の位置 \(\vb*{r}_i=\vb*{R}+\vb*{r}_i'\) も矢印で示す.
運動量と 運動エネルギーの 分解
全
法則 ケーニッヒの
質点系の
2体では
証明は
外力は 何を するか
外力の
と
たとえば
走り出す人を横から描く.後ろの足が床に接して静止し,床から前向きの静止摩擦力 \(f\) を受けている.重心 G が右へ進むこと,力の作用点(足の接地点)は動かないことを,G の矢印と接地点の印で対比する.
内力は
ポイント 出入りできるのは
外力が
ポイント ここまでの
位置と
速度を , と分けると, , .運動量は外部 運動だけが 持ち, で,外力だけが変える. 運動エネルギーは
.剛体では . は重心の 仕事で,実際の 仕事とは 違う.走り出す人では,摩擦力の 実際の 仕事は0でも 運動エネルギーが 増える. 問いの
答え:割れても 重心は 変わらず,増えた 運動エネルギーは 全部 ,つまり破片が 重心から 離れていく 運動に 入った.
02外部運動と内部運動の計算
前の
定理 数学の
内部
ケーニッヒの
交差項は
重心の
練習 1. 質量
答え:重心の
練習 2. 質量
答え:
練習 3. 質量
答え:
例題
例題 1
水平な
走り出す人を横から描く.後ろの足の接地点(印)に前向きの静止摩擦力 \(f\) を,重心 G に右向きの速度と加速度を示す.\(2.0\,\mathrm{s}\) 間の G の変位を矢印で書き入れる.
床が
人に 及ぼす摩擦力を 求めよ. 重心の
仕事と,摩擦力の 実際の 仕事を 求めよ. 増えた
運動エネルギーは,どこから 来たか.
解答を見る
考え方 水平方向の
加速度
より, .重心の
変位は なので,重心の仕事は .これは に等しい.一方,足は 床に 接している間は 静止していて 作用点の 変位が0なので,摩擦力の 実際の 仕事は である.床は
仕事を していないので,人の 体の 内部(筋肉の 化学エネルギーなど)から 来た.床は 運動量 を渡す役を しただけである.
例題 2
頂点で
120度ずつ離れた等しい内部速度と,別に描いた共通の重心速度.実験室系での合成結果は表示しない.
3つの
破片の 速度(進行方向を ,水平で垂直な 向きを )を求めよ. 割れる
前後の 運動エネルギーの 差を 求め, と比べよ.
解答を見る
考え方 破片の
. は , , ( )で,和は になる.よって
運動量の
割れた
後は ,前は .差は . と一致し,外部の 分 は変わらない.
例題 3
傾いた面の
円柱と箱を同じ高さから放す設定.円柱の接点の摩擦は斜面上向き,垂直抗力は面に垂直.到着速度の答えは表示しない.
下端での,円柱の
重心の 速さ と,箱の速さを 求めよ. 円柱の
運動エネルギーの うち, が占める 割合を 求めよ. 静止摩擦力の
実際の 仕事と,重心の 仕事を 求めよ.
解答を見る
考え方 接点は
円柱は
で, より
箱は
なので, の である.重力が与えた のうち, が重心の 運動, が回転(内部 運動)に 入った.この 分だけ円柱は 箱より 遅い. 静止摩擦力の
実際の 仕事は .重心の仕事は で,重力の仕事 と摩擦力が 重心に 対して行う の和( は面に 沿った 距離)に 等しい.よって である.摩擦力は円柱から 運動エネルギーを 奪うのではなく,重心の 運動の エネルギーを 回転に 移している.
ポイント ここまでの
重心の
まわりで 足すと .これで交差項が 消え, が出る. 外力の
仕事の うち重心の 運動を 変える 分は,重心の 変位で 計算する で,実際の仕事とは 違う.走り出す人や 転がる 円柱では,静止摩擦力の 実際の 仕事は0である. 転がる剛体では,重力の
仕事が 重心の 運動と 回転( )に配分される.分裂や 爆発は,外部の 分を 変えず だけを増やす.
03外部運動と内部運動の演習
全体の
演習 1
水平面上の3つの
全
運動量,重心速度,各物体の 重心に 対する 速度を 求めよ. 全
運動エネルギーを 外部と 内部に 分け,内部の 運動量が0である ことと 矛盾しない 理由を 説明せよ.
AとBの直交する速度3uと,静止したCを真上から描く.質量m,m,2mを記す.
解答を見る
考え方 速度の
, .したがって , , .質量を掛けて 足すと 各成分が0に なる. .外部の分は ,内部の分は 差を 取って である.直接計算でも .逆向きの運動量は 相殺するが,正の エネルギーは 相殺しない.どの 項も 質量×速度の2乗と いう エネルギーの 次元を 持つ.
演習 2
質量
実験台から
見た 運動エネルギーと,ばねを 含めた 力学的エネルギーを 求めよ. 同じ
向きへ で等速運動する 観測者には,それぞれいくらに なるか.内部の 量が 変わらない 理由も 説明せよ.
並進する装置の箱の中にばねと部品を描き,箱のVと観測者の速度を同方向に示す.
解答を見る
考え方 観測者を
より , .部品の運動を 装置の 質量に 含めた 上で,内部の 運動エネルギーも 加える 必要が ある. 重心速度は
なので , , .相対速度とばねの伸びは 変わらず,内部の は共通である.一般に 観測者の 速度を とすると . で最小に なることも,重心 運動の 分を 取り除いたと いう 解釈に 合う.
演習 3
空
Cの
重心に 対する 速度と,必要だったばねの エネルギーを 求めよ. 解放から
時間 後のCの位置を,解放時の 重心位置 ,Cの重心に 対する 初期位置 ,一定の重力加速度 を用いて 書け.
解放直後のAの内部速度(u,0)とBの内部速度(0,2u),Cの位置を描く.Cの速度は描かない.
解答を見る
考え方 爆発・解放でも
から .外部の運動エネルギーは 変わらないので,損失の ない 解放に 必要なばねの エネルギーは
である.
で,重心に対するCの 加速度は0.したがって
と
演習 4
水平面上に
直後の
外部と 内部の 運動エネルギーを 求めよ. 外力の
実際の 仕事と 重心の 仕事は どう 違うか. の場合の 比も 求めよ.
水平円板の中心G,半径R,Gからbの作用点と接線方向の力積Jを真上から示す.
解答を見る
考え方 重心の
, より , .したがって , である.力積の向きを 正に 選んだ回転の 符号を 使えば,エネルギーは 常に 非負に なる. 変形・発熱を
無視した 理想剛体では,実際の 仕事は 両者の 和 .重心の仕事は だけである. では .短時間だからといって,仕事も0とは できない.力が 大きく,作用点の 速度も 変わるからである. なら回転は生じず両仕事は 一致する.これは 外力が 内部 運動も 変えうる 明瞭な 例である.
ポイント 教える
「内部の
運動量は0」と「内部では 誰も 動かない」を 区別できるか,演習1の 速度を 図に 描かせて 確かめてください. 座標系の
変更では,各速度と 重心速度から 同じ量を 引く 手順を 言葉に させます. 仕事を
計算する 前に,重心と 力の 作用点の どちらが 動いたかを 問いかけます.外力が 内部 運動を 変える 演習4を,外力が 無視できる 演習3と 比較すると,適用条件を 確かめられます.
04角運動量の分解
問い
リレーの
回しながら投げたバトンのストロボ写真風の図.一定の間隔で描いた棒が放物線に沿って並び,各位置の重心に黒点を打つ.棒の向きは一定の角ずつ回っている.
考えてみる
バトンを
角 運動量の 分解
位置
です.中の2項は0に
定理 角
第1項は
重心の まわりの トルク
法則 内部
内力が
である.重心が
重心が
です.最後の
一様な
剛体と2体
この
2体では,
3つの 分解
量 | 外部 | 内部 | 内力は | 全体が |
|---|---|---|---|---|
運動量 | 0(常に) | 変えない | ||
運動エネルギー | 変えうる | 外力と | ||
角 | 変えない |
外力の
ポイント ここまでの
全角
運動量は (軌道の分+重心の まわりの 分)に 分かれる. は重心が 加速していても 成り 立つ. で重心の 加速の 項が 消える. 一様な
重力では なので,バトンの回転は 一定である.公転と 自転も 分けて 扱えるが,それぞれの 保存には 対応する トルクが0と いう 条件が 要る. 剛体では
, .2体では .内力で
変えられるのは だけ. は外力, は重心の まわりの 外力の トルクだけが 変える.
05重心のまわりの分解と外積
定理 数学の
和と
平行軸の
である.
2体の
である.
練習 1. 質量
答え:
練習 2. 質量
答え:
例題
例題 1
質量
投げ出す速さ6.0 m s⁻¹と角60度,角速度15 rad s⁻¹,最高点で棒が鉛直になるという条件を示す.求める時間・高さ・端点速度は表示しない.
最高点に
達する 時間と,最高点の 高さを 求めよ. 最高点までに
棒が 回る 角と,重心の まわりの 角運動量の 変化を 求めよ. 最高点で
ちょうど棒が 鉛直に なると して,両端の 速度の 水平成分を 求めよ.
解答を見る
考え方 重心は
鉛直成分は
. ,高さは . より で,変化は0.回る角は .最高点で
重心は 水平に .回転による 端の 速度は 水平で 大きさ ,向きは両端で 逆なので,水平成分は と .運動エネルギーは投げた 直後 ,最高点 で,差 は に等しい.内部の は変わらない.
例題 2
なめらかな
球1と球2は糸に垂直な同じ向きへ,それぞれ3.0 m s⁻¹と1.0 m s⁻¹で進む.長さ0.80 mと質量を示し,求める重心距離の数値は表示しない.
重心の
速さ ,重心のまわりの 角運動量 ,角速度 ,糸の張力 を求めよ. 球2の
小さな 巻き取り機で 糸を ゆっくり 巻き取り,長さを にした. , ,巻き取り機の仕事を 求めよ.
解答を見る
考え方 外力が
.G から球1までは ,球2までは . , より , .球1の向心力から . が一定で .重心系の速さは と になり, は(第6章の) から に増える.巻き取り機の 仕事は .重心は のまま 直進する.
例題 3
地球(質量
地球と月を真上から見た図.共通の重心 G(地球の内部)を中心に,地球と月がそれぞれ円を描く.地球は自転の矢印も付け,月までの距離 \(r\) を示す.
地月系の
重心の まわりの 公転の 角運動量を 求め,地球の 自転の 何倍か 答えよ. 潮汐の
力で 地球の 自転は 遅くなり,1日の 長さは100年で 長くなる.この間に 地月系の が変わらないと して,月と 地球の 距離は100年で 何 m 変わるか.ただし地球の 自転の 慣性モーメントは 一定,円軌道の ままとし,この 変化では 公転の 角運動量が 中心間距離の 平方根に 比例すると いう 関係 を用いてよい.この 関係の 導出は 次章で 扱う.
解答を見る
考え方 (1) 2体の
, . .自転の約4.9倍である. 自転の
角運動量は なので,100年の減少は .これが公転に 移る.問題文で 与えた 関係より .よって . (年に約3.6 cm).月は 遠ざかり,実測値(年に 約3.8 cm)に 近い.
ポイント ここまでの
分解の
交差項は, と外積の 分配で 消える. 平行軸の
定理 は, を剛体に 使った 結果である. 2体では
.一様な
重力では は一定.内力は を保ったまま を変える. 地月系では,自転が
失った が公転に 移り,月が 遠ざかる.撃力を 受ける 剛体の 衝突は 後の 節で 扱う.
06角運動量の分解の演習
角
演習 1
ある
原点Oの
まわりの 角運動量の 成分を,外部と内部に 分けて 求めよ. 自転は
反時計回りなのに,全角 運動量が 反対符号に なっても よいのでしょうか.
xy座標上のG(1.0,2.0),右向きのV,反時計回りの自転を描き,OからGへの位置を示す.
解答を見る
考え方
.外部の分は ,内部の分は .全体では である.Oから
見た 重心は,この 瞬間,時計回りに 向きを 変える 運動を している.その 寄与が 自転の 寄与より 大きいので,負で よい.重心を 通る 点から 測れば 外部の 寄与は 消え,自転の 正の 角運動量だけに なる.外部と 内部は 同じ 単位を 持つので 足せるが,互いに 打ち消す 場合も ある.
演習 2
氷上を
Qの
まわりの 角運動量を 求め,それが0に なるQの 集合を 描け. 全
運動量が0で,重心まわりに 回転している 系では,基準点を 選んで 全角 運動量を0に できるか.
O,Q(b,c),水平方向の全運動量pを座標図に示す.角運動量が0となる直線は描かない.
解答を見る
考え方 基準点を
定義から
である.
なら上式の 差は 常に0で,全角 運動量は 基準点に よらない.したがって の回転を 基準点の 選択で 消すことは できない.運動量が0である ことと,角 運動量が0である ことは 別の 条件である.
演習 3
軽い剛体の
と を求めよ. 3質点それぞれに,同じ
右向きの 力積 を同時に 加えた.直後の 重心速度,自転角速度,運動エネルギーの 増加を 求めよ.
正三角形の頂点に3質点mを置き,Gからの距離a,V,ωと,各頂点への同じ力積jを示す.
解答を見る
考え方 3質点の
より , .内部速度は各位置を90度回して 倍したもので,質量付きの 和は0に なる. より .角力積は なので .したがって
で,増加は
演習 4
質量
直後の
全運動量,重心まわりの 角運動量,角速度,運動エネルギーを 求めよ. 合力積が0なのに,内部
運動が 変わる ことを 説明せよ.その 後,外力なしに 棒の 内部ブレーキだけで 全体を 完全に 静止させられるか.
水平な棒の両端に逆向きの力積Jを描く.右端は上向き,左端は下向きで,中心Gを示す.
解答を見る
考え方 逆向きの
, .よって , .外部運動の エネルギーは0で,全量が 内部 運動である.角 運動量の 次元は 力積×長さ,エネルギーの 次元は 力積の2乗÷質量と なり整合する. 合外力積0は
トルクの 力積0を 意味しない.この2つの 外力積は 偶力を 作り, を変えた.以後の 孤立した 装置では,内部ブレーキが 部品間で 角運動量を 移す ことは できても,全体の は消せない.有限の 広がりを 保った 全物質が 完全に 静止すると になるので 不可能である.回転エネルギーを 減らすには,角運動量を 持つ別の 部品の 回転や形の 変化まで 数える 必要が ある.
ポイント 教える
外積の
符号が 苦手な 読者には,最初に 右手で 向きを 確かめ,次に 成分計算を させてください. 「重心の
まわり」と「実験室に 固定した 点の まわり」の どちらを 使ったかを,解答の 式ごとに 確認します. 演習3と4を
比べ,同じ合力積でも 作用点の 配置で 回転への 効果が 変わる ことを 説明させます.外力が ない こと,合外力が0である こと,外力の トルクが0である ことを 混同していないかが 理解の 目安です.
07角運動量を取る点の選び方
問い
傾き
ところが,重心が
一様な円柱と偏心円板を示す模式図.
考えてみる
偏心円板の
に
第8章で
動く 点の まわりの 角運動量
この
定義 点 A の
A が
A の
定理 動く
余分な
剛体で 使う とき
平面
です.
滑らずに
瞬間回転中心で
です(
角度を手動で変えると,一様な円板ではPGの長さが一定で,偏心円板ではPGの長さと加速度との角が変わる.並進を除いて比較し,初期角は0°.
撃力の 間
撃力が
ポイント 角
空間に
固定した 点か 重心 G なら, がいつでも そのまま 使える.撃力の 間は 固定点なら どこでも よい. 未知の
力の 作用線が 多く 通る 点(接点,支点,瞬間回転中 心)を 探す.そのまわりなら 未知の 力が 式から 消える. その
点が 動くなら 余分な 項を 調べる.剛体で と書くには,A の 加速度が A から G へ 向かう 直線に 沿う こと,瞬間回転中心なら G までの 距離が 変わらない ことを 確かめる. 余分な
項が 残るなら,その 項を 入れるか,重心の 運動方程式と G の まわりの 式に 戻る.結果は エネルギーや の場合で 確かめる.
ポイント 補足:静止系の
各質点の
で,余分な
ポイント ここまでの
動く
点 A の まわりでは,A に 対する 相対速度で 測ると .余分な項は A の 加速度で 決まる. 空間に
固定した 点と 重心 G なら,余分な 項は いつも0である.剛体に 固定した 点 A では .問いの
答え:一様な 円柱では 接点の 点の 加速度が G を 向くので,接点の まわりの 式が 使える.偏心円板では G を 向かず, の項が 残る.瞬間回転中心の まわりで 使って よいのは,G までの 距離が その 瞬間に 変わらない ときである.
08動く点のまわりの計算と例題
前の
定理 数学の
変化率の
である.第1項は
接点の
エネルギーの
練習 1. 半径
答え:速度は0.加速度は
練習 2. 同じ
答え:速度は
例題
例題 1
質量
斜面を転がる一様な円柱を示す模式図.
中心の
速さが の瞬間に,接点に ある 円柱の 点の 加速度の 大きさと 向きを 求めよ.また,接点の まわりで を使ってよい 理由を 述べよ. 接点の
まわりの 式から,重心の 加速度の 大きさを 求めよ.
解答を見る
考え方 接点の
で,加速度は斜面に 垂直に G へ 向かう 向きに . も同じ 向きなので 外積は0である. . . , で, と一致する.摩擦力を 求めるには 重心の 運動方 程式が 要る.
例題 2
縁が
偏心円板に働く力を示す模式図.
接点の
まわりで とした場合の 角加速度の 大きさを 求めよ. 重心の
運動方程式と G の まわりの 回転の 運動方 程式から,角加速度,摩擦力,垂直抗力を 求めよ. と (2) の
差が,余分な 項 で説明できる ことを 確かめよ.
解答を見る
考え方 (2) の
時計回りを
正と する. , で, .右と
上を 正,回転は 時計回りを 正と する.O の 加速度は 右へ .O の右 にある G は,O に 対して 下へ ,左へ の加速度を もつ.P は G の 左 ,下 にあるので
第1式と
, の外積の 成分は (反時計回り)なので,余分な項は 時計回りに で, は (2) の式と 同じである. の瞬間だけ (1) と (2) は 一致する.エネルギーの 式でも,OG が 水平な 位置から 時計回りに 角 だけ回ると なので,この瞬間( ) となり, が同じ差を 与える.
例題 3
質量
壁と床に接するはしごの基準点を示す模式図.
瞬間回転中
心 Q を 求め,Q の まわりで を使って よい ことを 示せ. 角加速度の
大きさと,角速度の2乗を で表せ. 壁がは
しごを 押す力を で表し,は しごが 壁から 離れる ときの を求めよ.
解答を見る
考え方 上端の
T を
通る 水平線と B を 通る 鉛直線の 交点が Q で,C,B,Q,T は 長方形を なす.G は 対角線 BT の 中点だから 対角線 CQ の 中点でも あり, は一定で .壁と床の 垂直抗力は Q を 通り,トルクは 重力の 分だけに なる. , .倒れる向きの 角速度を とすると .エネルギー保存 から (時間で微分すると の式に 戻る). 水平に
働く力は 壁の 力 だけである. (C から)を2回微分して だから
放した
ポイント ここまでの
変化率の
式は,外積の 積の 微分と から出る. 転がる
縁の 接点の 点は,速度0で O へ 向かう 加速度 をもつ. 瞬間回転中心では
.円柱( )とはしご( )では余分な 項が0,偏心円板では が残る.
09角運動量を取る点の選び方の演習
未知の
演習 1
外力を
と を求めよ. 外力の
トルクが0なのに 一方が 変わる 理由を 説明せよ.
重心と別方向に動く基準点を示す模式図.
解答を見る
考え方 角
で, .よって .一方,Aは等速なので であり, .静止系の
運動量は 一定でも,それに 掛けるAからの 位置が 変わる ためである.これは 物体が 角加速度を 得たと いう 意味ではない. はトルクの 次元を もち,Aの 速度をGの 速度と 平行に すれば 第1の 補正も0に なる.
演習 2
質量
Aの
まわりの 外力の トルクを 求めよ. この
瞬間の 角加速度を,動くAの まわりの 式で 求めよ.
右へ加速する棒の端を示す模式図.
解答を見る
考え方 Aを
装置の
力はAに 働き,重力の 作用線も この 瞬間にはAを 通るので, . , より,外積の 成分は . だから , ,反時計回りである.Gの水平加速度は .装置の水平力は で,Gまわりのトルク を で割っても 同じ 角加速度に なる. は , ならこの 瞬間の 角加速度も0である.
演習 3
中
Aの
速度と,その 位置に ある 円柱の 物質点Pの 速度を 求めよ. Gまわりの
慣性モーメントを として,静止系の 速度で 測る を求めよ. として よいか.
滑っている円柱と2種類の接点を示す模式図.
解答を見る
考え方 同じ
Aの
位置は だから .PはGから にあり, .Pは静止せず,瞬間回転中心ではない. 分解の
式から .AとGの速度が 平行なので, , として よい.ただし と置く ことは できない.それは のときだけ一致する.床からの 力はAを 通り,重力もAを 通るので .よって となり,並進と 回転の 式とも合う.各項は の単位である.
演習 4
質量
接点に
ある 物質点Pの まわりの 式から を求めよ. 床の
垂直抗力 を求めよ. で接触を 保つための の条件を 示せ.
任意の姿勢の偏心円板を示す模式図.
解答を見る
考え方 接点の
, .したがって , .補正項は なので
ここで
Gの
鉛直加速度は .よって . では , .接触した運動が 可能なのは で,等号が離れる 境目である.必要な 摩擦を 供給できる ことも別に 要る. では , となり,水平床上の 一様な 円板に 戻る.分子は トルク,分母は 慣性モーメントである.
演習 5
半径
接点に
ある 車輪の 物質点Pの 加速度を 求め,Pまわりの を使えるか 調べよ. この
瞬間の 垂直抗力と,接触を 維持する 速さの 条件を 求めよ.
凸な円形路面の頂点を示す模式図.
解答を見る
考え方 Gの
頂点で
右と 上を 正に する.Gの 速度が 右向きなら .水平加速度を とすれば , . を加速度の 式へ 入れると,水平成分は ,鉛直成分は .よって .PGと平行なので 補正の 外積は0で,Pまわりの 式を 使える. 鉛直の
運動方 程式は .したがって ,必要条件は . では , で平面の 路面に 戻る. は加速度の 次元を もち, となる 速度では 路面が 車輪を 引きつけられないため,接触を 仮定した式は 成立しない.
演習 6
質量
瞬間回転中
心Qの 位置をGに 対して 求め, が一定か 調べよ. Qまわりの
補正を 含む式から 角加速度 を求めよ.
壁を離れたはしごを示す模式図.
解答を見る
考え方 壁を
なので . .したがって , で,距離は増える.QはBの 真上でGと 同じ 高さに ある. 床の
反力はQを 通り,重力の トルクは . だから より
壁に
ポイント 教える
A,P,Qと
いう 名前より,点を 時間を 通して どう 追うかを 説明させる. が正しくても, が正しいとは 限らない ことを 滑る 円柱で 確かめる. 接点の
速度が0と いう 確認で 終えず,加速度とPGの 外積まで 調べさせる. 接触条件
と,滑らないための摩擦の 条件を 区別させる.
10剛体の衝突
問い
なめらかな
野球の
左は衝突前,右の初期状態は衝突直後.再生すると重心は等速直進し棒は等速回転する.橙の物質点は後には動き出し,緑の瞬間回転中心は通常棒から外れる.
考えてみる
質点どうしの
撃力の 近似
定義 撃力
衝突のように,ごく
撃力が
です(
氷の 上の 棒
棒(質量
です.弾性衝突なら
が
が
瞬間の 回転中 心
衝突の
で,一様な
初期状態は端を打った棒の直後の速度分布.再生または打点スライダーで,打点を重心へ近づけると回転中心が遠ざかる様子を比較できる.
固定軸が ある とき:打撃の 中心
棒の
です.軸が
です.ちょうど
です.一様な
打撃の
保存則の 選び方
ポイント 衝突で
系を
決め,衝突の 直前と 直後だけを 比べる.互いに 撃力を 及ぼし合う もの(パックと 棒など)を1つの 系に 入れると,その 接触力は 内力に なる. 系の
外から 撃力を 受けないか 調べる.氷の 上の 棒では,重力・垂直抗力・摩擦は 有限の 力で,衝突中の 力積は 無視できる.固定軸・蝶番・壁から 受ける 力は 撃力に なりうる.撃力を 受けない 向きでは,運動量が 保存する. 角
運動量を 測る 点を,空間に 固定した 点から 選ぶ.未知の 撃力の 作用線が 通る 点(固定軸,支点,接触点)を 選ぶと,その力の トルクが0に なり,未知数が 式から 消える. 弾性(
)なら運動エネルギーも 保存する.非弾性や合体では 保存しないので,反発係数の 式や,接触点の 速度が 等しいと いう 条件を 使う. 未知数と
式の 数を 数える.足りなければ,滑らない 条件のような 接触の 条件を 加える. 検算する.運動エネルギーが
増えていないか,極端な 場合で 自然な 答えかを 見る.
衝突の
ポイント ここまでの
撃力は
短時間に 働く 大きな 力で,力積は 有限である.有限な 力の 力積は 無視でき,その間に 物体は 動かない. 接触力は
内力で, と固定点の まわりの を変えない.外から 撃力を 受けなければ 両方が 保存し,弾性なら エネルギーも 保存する. 自由な
棒を G から の点で 叩くと, , .直後に止まっている 点は G の 反対側で .これは叩く 位置だけで 決まる. 固定軸が
あると 運動量は 保存しないが,軸の まわりの 角運動量は 保存する.軸が 力積を 受けない 点が 打撃の 中心で, (一様な棒の 端支持で )である.問いの
答え:端を 叩くと,止まっている 点は G の 反対側 (反対の端から )の点である.バットの 芯は,握りから の点(打撃の 中心)である.
11剛体の衝突の例題
例題 1
なめらかな
水平面上の棒とパックを真上から見た図.パックは棒に垂直に端 A へ進む.重心 G,G から A までの距離 \(d=0.60\,\mathrm{m}\),パックの速度 \(v_0\) を示す.
弾性衝突の
とき,衝突直後の パックの 速度 ,棒の重心の 速さ ,角速度 を求めよ. で,衝突直後に
棒の 上で 静止している 点を,G からの 距離で 答えよ.
パックが A に
付着して 棒と 一体に なる とき,直後の 角速度 と,失われた運動エネルギーを 求めよ.
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考え方 氷の
.棒が受けた 力積を とすると , , .エネルギー保存に入れて の解を 取ると
したがって
G から A と
反対側に の点である( とも一致する).反対の 端 B から 見ると の点で,B は 後ろ 向きに で動く. 合体後の
重心 C は,G から A の 側へ の点で,C の 速さは .衝突の瞬間に C が あった 点の まわりの 角運動量は,パックが 離れた線上を 進むので,前は .直後の慣性モーメントは .よって .直後の運動エネルギーは で,失われたのは (半分)である.回転中心は C から後ろへ ,つまり G の反対側 で,(2) と同じ点である.
例題 2
長さ
鉛直にぶら下がる棒を横から見た図.上端 O の固定軸,O から \(q\) の点に水平に当たる粘土の玉,重心 G と O から G までの距離 \(\dfrac l2\) を描く.
(棒の下端)の とき,直後の 角速度と,軸が 受ける 水平方向の 力積を 求めよ. 軸が
水平方向の 力積を 受けないための と,そのときの 角速度を 求めよ.
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考え方 軸は
. より .直後の水平方向の 運動量は ,前は なので,軸が系へ 与えた 力積は 玉の 進む 向きに .したがって軸が 棒から 受けた 力積は,玉の 進む 向きと 反対 向きに である.失われたエネルギーは .運動量の
式 と角運動量の 式 から を消すと, より
で,玉の
例題 3
水平な
初期状態は回転せず右へ滑る球と接点の摩擦・垂直抗力・重力.答えに関わる変化は「解答確認の動く図を開く」で表示し,再生・停止できる.
滑りが
止まり,滑らずに 転がり始めた ときの 速さを 求めよ. そこまでの
時間と,摩擦で 失われた 運動エネルギーを 求めよ.
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考え方 第8章「転がりの
球が
机の 面から 高さ の位置を 速さ で進み,角速度 (進む向きに 転がる 向きを 正)で 回る とき,P の まわりの 角運動量の 大きさは ( ).はじめは ,滑りが止まった とき なので
である.
中心の
加速度は なので, .運動エネルギーは前が ,後が で,失われたのは約 (もとの )である.回転の運動方程式 から出る 角加速度 を使っても, に達する 時間は で一致する.
例題 4
例題 3 と
初期状態は中心より上と下を突く2つの設定.「解答確認の動く図を開く」後の再生は,球同士の衝突直後から手球が転がり始めるまでを表す.
突いた
直後の 中心の 速さ と角速度 を,押し球と引き球の それぞれに ついて 求めよ. 衝突の
直後の 手球の 速度と 角速度を 求めよ. その後に
手球が 転がり始めた ときの 速度を 求めよ.
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考え方 (1) 突く
. で より .押し球は前進の 向きに 転がる 回転(正),引き球は 逆向きの 回転(負)である. 質量が
等しい 球の 弾性正面衝突では 速度が 入れ替わるので,手球は 止まり,的球が で進む.接触力は 手球の 中心を 通るのでトルクは0で,手球は のまま 回り続ける. 机の
面上の 点の まわりの 角運動量は,衝突直後は ,転がり始めたとき .
押し球は
ポイント ここまでの
氷の
上の 棒への 衝突は,運動量・ 固定点の まわりの 角運動量・(弾性なら)エネルギーの3本で 解ける.叩かれた 棒の 止まっている 点は,叩く 位置だけで 決まる. 固定軸が
ある ときは,軸の まわりの 角運動量で を決め,運動量の 差から 軸の 力積を 出す.軸の 力積が0に なる 点が 打撃の 中心である. 外力の
摩擦でも,作用線が 基準点を 通ればトルクは0である.机の 面上の 点の まわりでは,滑りながら転がる 球の 角運動量が 保存し, が出る. 押し球・
引き球は,同じ式で の符号が 違うだけである.
12剛体の衝突の演習
反発係数で
演習 1
長さ
衝突直後の
瞬間回転中心までの 距離を 求めよ. 瞬間回転中心が
棒の 上に ある 打点の 範囲を 求め, の場合を 図で 説明せよ.
棒の中心Gからdの打点へ垂直な力積Jを示す.両端と全長lを記し,回転中心は描かない.
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考え方
, .Gから打点と 反対側へ 離れた点の 速度は なので, .長さの次元を 持ち,力積の 大きさには 依存しない. 棒上の
点であるには ,すなわち . では反対側へ であり,反対の端から 内側にある. なら回転中心は棒の 延長線上に あって,棒上で 静止する 点は ない. では となり純粋な 並進へ 移る.瞬間回転中心は 固定支点ではなく,この 時刻の 速度分布を 表す点である.
演習 2
なめらかな
剛体への
力積 を,接触点の速度を 使って 導け. , , の場合の 小球の 速度,剛体の 重心速度,角速度を 求めよ.
小球mが速さuで剛体の偏心した点へ進む図.Gから打点までd,接触法線とIを示す.
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考え方 衝突前後の
小球は
,剛体の重心は ,角速度は打点が 前へ 動く 向きを 正と して .したがって接触点速度は で,反発条件は
と
分母は
で .小球は ,重心は ,角速度は となる.接触点は なので,小球との差は で条件に 合う.衝突後の エネルギーは ,前は であり,損失 は正である.重心速度だけを 反発条件に 入れると,この 接触点の 検算が 合わなくなる.
演習 3
水平面上に,軽い棒で
軸が
装置へ 与える 力積を 求めよ. それが0に
なる を求め,自由な 装置の 瞬間回転中心との 関係を 説明せよ.
Aにm,Bに3mを付けた軽い棒,Aからqの支点O,Bへの垂直なJを示す.
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考え方 装置の
軸から
重心まで , である.角速度は ,重心速度は .力積の方向を 正と して
と
を整理すると ,したがって ,すなわちAを 支えればよい.自由な 装置では ,打点BはGから にあるので,瞬間回転中心まで .これはAそのものである.Aが 元から 静止する 速度分布なので,そこを 固定しても 追加の 力積が 要らない. を(1)に戻すと , と検算できる.
演習 4
なめらかな
合体後の
重心Cの 速さと,Cの まわりの 慣性モーメントを 求めよ. 角速度と,失われる
運動エネルギーを 求めよ.
水平円板の縁Aへ接線方向に進む粘土mと速度u,元の中心G,半径Rを示す.合体後の重心は描かない.
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考え方 合体後は
CはGからAへ
進んだ位置に あり, .平行軸の定理より
である.
衝突時のCの
位置を 基準に すると,初めの 角運動量は .よって .直後のエネルギーは .損失は
と
ポイント 教える
反発係数の
式を 書く 前に,接触点の 速度矢印を 並進と 回転の2本に 分けて 描かせてください. 軸の
力積は,どちらの 物体が 受ける 量かを 必ず 言葉で 添えます.作用反作用を 取り違えると 符号だけ逆に なります. 付着問題では,衝突前後の
全質量と 重心を 確認します.エネルギーを 保存したくなる 読者には,まず 失われる 量が 非負かを 調べさせてください.
13第9章の章末問題
系に
演習 1
なめらかな
最終角速度と
発熱量を 求めよ. 重心の
運動と 外部の 運動エネルギーは 変わるか.発熱量を で変えられるかも 説明せよ.
台の上に同軸のローターIと2Iを上下に描き,初めの逆向き回転3ω₀と−ω₀,台のVを示す.
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考え方 クラッチの
より .初めの回転エネルギーは ,最後は で,差の が発熱に なる.一般式 に戻しても 同じ 結果を 得る. 水平外力は
なく は一定なので, は変わらない.発熱は 内部の 相対的な 回転が 減った 分であり, を変えても 同じである.特に でも発熱は 生じる.「内部角 運動量一定」は「内部 運動エネルギー一定」を 意味しない.
演習 2
水平な
時間
後の人の 速度と を求めよ. 人の
重心と ベルトの 幾何学的な 重心を 合わせて,水平 運動量保存を 使えない 理由を 説明せよ. 人が
消費した 内部エネルギーを 求めよ.
固定軸を持つ2ローラーと無端ベルト,上側を走る人,右向きfを描く.上側ベルト速度wの正方向を示す.
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考え方 軸が
人に
ついて より .ベルトの運動方向に 沿う 駆動力は なので , .この式は 仕事率 とも一致する. 固定された
支持台から 水平反力を 受ける ため,人・ベルト・ローラーの 系は 孤立していない.一様な 無端ベルトでは 全体の 重心は 固定されていても,上側と 下側は 逆向きに 運動している.人の 運動量 の増加は 支持部からの 外力積で まかな われ,矛盾は ない.支持台まで 自由に 動ける 別の 装置なら,その 台の 反動も 含める 必要が ある. 固定軸は
仕事を せず,接触の 滑りに よる 発熱も ないので,減った 体内エネルギーは 増えた 全 運動エネルギーに 等しい.
演習 3
幅
衝突直後の
球の 速度と 板の 角速度を 求めよ. 軸が
板へ 与えた,入射方向の 力積を 求めよ.
鉛直辺Oを軸とする幅aの板を上から見て,Oからa/2の中央への入射球M/3とuを示す.
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考え方 固定軸の
板への
力積を とすれば ,球は .弾性の反発条件は だから
と
板だけの
運動量変化は .よって軸から 板への 力積は ,入射と反対向きである.板から 軸へは 逆向きと なる.エネルギーを 検算すると,球は ,板は ,和は で保存する.
演習 4
一様な
並進と
回転を 同時に 止めるのに 必要な 力積の 大きさと を求めよ. そのような
打点が 棒上に 存在する 条件を 求め,除かれる エネルギーを 示せ.
棒の重心速度Vと反時計回りの角速度ω,左向きの力積Jを示す.打点は概念的な位置で,bの符号は未定である.
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考え方 2つの
力積の
大きさを とすると ,よって . なので .したがって .Gより下側を 打つ.上側へ 左向きの 力積を 加えると,回転を むしろ 強める. は に等しい.この 範囲では が除かれる.これは 受動的な 制動でも 実現しうる.この 打点の 初速度は で,力積はその 動きを 妨げる 向きだからである. なら中心を 打てばよい.
演習 5
質量
重心まわりの
慣性モーメントと 打点の 距離を 求めよ. 直後の
瞬間回転中心までの 距離と,回転に 入った エネルギーの 割合を 求めよ.
形の詳細が未知の剛体にG,未知の距離d,力積Jを描く.角速度の測定とエネルギー測定を短く添える.
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考え方 全エネルギーから
. より .したがって .角力積から となる. で,打点と反対側である.回転に 入った 割合は ,すなわち60 %. と検算できる.測定された エネルギーが より小さかったなら,この 静止からの 平面 運動と いう 仮定とは 両立しない.また 形が 不明なので,回転中心が 物体の 内部に あるか どうかは この データだけでは 決まらない.
演習 6
平面上の3質点
各内部速度を
と書き, と選ぶと,エネルギーの 交差項が 消える ことを 示せ. この
位置配置と を持つ 運動の,最小の 運動エネルギーと 各速度を 求めよ. は紙面に 垂直な 単位ベクトルである.
Gの左右aにm,Gに2mの3質点を配置し,重心速度Vを描く.未知の内部速度は描かない.
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考え方 指定の
.指定の回転の 角運動量は なので, .したがって交差項 は0で,
と
最後の
和は 非負で,すべての のとき 最小. .速度は順に , , である.これらは重心の 条件も 満たす.これは この 瞬間の 下限であり,自由な3質点が 以後も この 配置を 保つと いう 意味ではない. では全員が 重心と 同じ 速度を 持つ 状態が 最小に なり,第6章の 結果に つながる.
演習 7
質量
相対速度で
測るAまわりの 式から,棒の 角加速度 を求めよ. 支持具の
加速度が 一定で,棒を 小さく 振動させる ときの 周期を 求めよ. と の場合も 説明せよ.
鉛直に加速する支持点と棒を示す模式図.
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考え方 Aを
.重力のトルクは ,補正の外積は . より .Aが空間に 固定された 場合の 式へ,単に 支持力を 消しただけでは この の分を 得られない. 小さな
では だから, なら , . で端を 固定した棒の 周期に 戻る. では角加速度が0で,初めの 角速度を 保ち,復元する 振動は ない. では下向きの 姿勢からの ずれを 増す角加速度と なり,この 姿勢は 不安定である. は時間の2乗の 次元を もつ.ここでは 座標を 動く 系へ 移さず,静止系で 導いた 補正の 式だけを 使った.
14第9章の発展問題
保存則に
演習 1
なめらかな
衝突直後の
棒の 角速度を 最大に する を求めよ(必要なら,商の 微分 ( は定数)を 使ってよい).質量比に よる 場合分けを 明示せよ. , のとき,最適打点,瞬間回転中 心,小球の 速度,失われる エネルギーの 割合を 求めよ.
棒のGから可変距離dへ小球mが速さuで入射する図.選べる打点の範囲0からl/2を括弧で示す.
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考え方 端ほど腕は
, とおく.反発条件から ,したがって
である.制限が
.この点では なので , , .瞬間回転中心は打点と 反対側へ .小球は で進む.損失は ,初めの の である.接触点の速度は であり,小球との差は と反発条件を 満たす.小球が 前進しても 棒の 接触点より 遅ければ,両者は 離れていく.
演習 2
質量
棒の
中央の 断面で,一方の 半分が 他方の 半分へ 及ぼす力の 大きさと 向きを 求めよ. 棒を
同じ 材質・断面積 で作り,許される 引張応力を とする.自由回転中に 破断しないための の上限を 求めよ.衝突中の 局所的な 応力波は 考えない. 衝突直後,中央の
結合を 力積なしに 外せたとする.2本の 半棒の 重心速度と 自転角速度を 求め,エネルギーが 飛び変わらない ことを 確かめよ.
棒の端AへのJと中央断面を示す.中央の結合を外せることを拡大図で描き,未知の内部力は描かない.
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考え方 棒全体に
全体の
, は一定.半棒の 重心はGから にあるので,その 向心加速度は .質量は だから
で,それぞれの
線密度
とする.Gから 距離 の断面が 外側部分へ 及ぼす張力は .最大は中央で, より .単位は である.これは撃力が 終わった 後の 条件だけであり,衝突時にも 安全だとは 結論できない. A側と
反対側の 重心速度は 入射方向を 正と して , .各半棒は同じ で回り続ける.各重心まわりの 慣性モーメントは .並進エネルギーの和は ,自転の和は ,合計は .切断前の と一致する.内部力を 除いた 瞬間には 速度は 変わらず,その後の 軌跡が 変わるのである.
演習 3
質量
斜面に
が一定で,重心速度が と書ける ことを 示せ. と重心の 軌跡を 求め,1回転後の 変位を 示せ.必要なら を使ってよい. 滑りを
防ぐのに 必要な 静止摩擦係数の 下限を 求めよ.
斜面内の座標xを下り方向に取り,棒の両端の車輪,向きnと転がれる向きt,角θを描く.初期は棒がx方向である.
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考え方 車輪の
両端の
車軸方向速度は ともに で,滑らないため0.よって .重力はGに作用し,接触力も 面に 垂直な 角運動量を 変えないので, , . と略記する. 方向の運動方 程式は .初期条件から . , を積分すると,初期位置を 原点と して
と
だから,重心の 方向加速度は .摩擦の合力の 符号付き成分を とすると ,よって .両輪の反力は ずつで,対称に を負担できる. の最大値は3なので,全回転で 滑らない 条件は .条件を満たさない 床では,(2)を そのまま 長時間延長できない.
演習 4
質量
反発しない
両方の
力積が 正の 場合を 解き,成立する の範囲を 求めよ. その
範囲外で 成立する 解を 求めよ. 各範囲の
エネルギー損失を 求め,境界で 連続する ことを 確認せよ.
y軸上の棒のGと上端に向け,左側から小球Aのuと小球Bのvを水平に描く.接触が同時であることを記す.
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考え方 2接点の
棒の
重心速度は ,時計回りの角速度は .Gと上端の 速度は それぞれ , .球の速度と 等置すると , .したがって
と
では , .棒は回らず で,上端がBより速いので 離れる 条件を 満たす. では , .このとき , で,GがAより速い.等号では 一方の 力積が0かつ相対速度も0で,両方の 表式が 同じ解を 与える. 速度変化が
力積に 線形なので,エネルギー変化は 各力積に 対する 接触相対速度の 始値と 終値の 平均で 計算できる.活動する 接触は 終値0だから .よって
中央の
15第9章のまとめ
物体の
3つの 分解
全質量を
量 | 外部 | 内部 | 全体 |
|---|---|---|---|
運動量 | |||
運動エネルギー | |||
角 |
ポイント 分解で
並進しながら回る剛体を,Gの並進とGまわりの回転の2つに分ける模式図.運動量,エネルギー,角運動量の3行で外部と内部を対応させる.
保存則の 選び方
ポイント 系・
まず系に
含める 物体を 決めます.棒と 球の 接触力は,両者を 含めれば 内力,棒だけを 取れば 外力です. 調べる
時間区間を 決めます.衝突中は 有限の 重力やばねの 力の 力積を 無視できても,固定軸や床の 衝撃力まで 無視できるとは 限りません. 外力積が0の
方向では 運動量が 保存します.固定軸で 支えられた 物体の 全運動量は,普通は 保存しません. 角力積が0に
なる 固定点を 選びます.固定軸を 基準に すれば,軸の 未知の 力積を 角運動量の 式から 消せます.重心まわりなら,重心が 加速しても を使えます.接点のような 動く 点を 使う ときは,余分な 項が 消えるかを 確かめます.内力の トルクが 相殺する 系を 前提にします. エネルギーの
行き先を 調べます.弾性衝突なら 運動エネルギーが 保存します.付着や 摩擦では 熱・変形へ 移る 分を 含め,爆発や 筋肉では 内部から 供給される 分を 含めます. 反発係数は
接触点どうしの 速度に 使います.剛体の 接触点速度は です.重心の速度だけで 代用しないでください. 力積の
向き,打点の 範囲,エネルギー損失の 符号を 検算します.解けた 式が 接触条件を 満たさなければ,別の 場合分けが 必要です.
状況 | 運動量 | 重心まわりの | 運動エネルギー |
|---|---|---|---|
外力なし,内力で | 保存 | 内力の | 一般には |
一様な | 鉛直成分が | 保存 | 並進の |
自由な | 系全体で | 系全体の | 系全体で |
固定軸を | 一般には | 一般には | 弾性なら |
主な 公式と 条件
平面
運動の 剛体では , です.3次元の任意の 回転で 角運動量ベクトルが 角速度と 平行に なるとは 限りません. 2質点では
, です. は換算質量です. 重心の
仕事は .実際の仕事は 各力の 作用点の 変位で 計算します.外力は 重心の 運動だけでなく,内部の 回転なども 変えられます. 静止した
自由な 剛体へ,Gから 距離 で垂直な 力積 を加えると, , .直後の瞬間回転中心は 打点と 反対側に です.延長線上に来る 場合も あります. 一様棒では
.固定支点OとGの距離が なら,打撃の中心はOから .端で支える 一様棒では です.動く
点 A の まわりでは,静止系の 速度で 測ると ,A に対する 相対速度で 測ると です.剛体に固定した 点では ,瞬間回転中心 Q では ( は Q から G までの距離)です. 軸が
物体へ 与える 力積と,物体が 軸へ 与える 力積は 逆向きです.力積を 報告する ときは,受ける 物体も 添えます.
各節の 問いへの 答え
外部
運動と 内部 運動:花火の 分裂中には 外力積を 無視でき,重心速度は 変わりません.増えた 運動エネルギーは 破片の 内部 運動に 入ります.その 後も 一様な 重力だけなら 重心は 同じ放物線を 描きます. 角
運動量の 分解:一様な 重力の 重心まわりの トルクは0なので,投げたバトンの 内部角 運動量は 一定です.平面 運動で 慣性モーメントも 一定なら 自転角速度も 一定です.公転と 自転を 分けて 書けても,個別に 保存するとは 限りません.両者の 間で 角運動量を やり取りする 場合は,合計を 追います. 角
運動量を 取る 点の 選び方:一様な 円柱の 接点に ある点は,速度0で 加速度が G を 向くので,接点の まわりで が使えます.偏心円板では 加速度が G を 向かず,OG が 水平の 瞬間に のずれが 出ます.そのまま 使えるのは,固定点,G,加速度が G への 直線に 沿う点です.瞬間回転中心なら,G までの 距離が 変わらない 場合です. 剛体の
衝突:端を 打った 一様棒では,直後にGから 反対側へ の点が 止まっています.これは 固定点ではなく,その後の 瞬間回転中心は 通常,棒の 外へ 出ます.手に 力積が 来ない 理想的な「芯」は 打撃の 中心です.実際の バットの 振動や 変形まで この剛体模型で 説明する わけではありません.
この 章で 使った 数学
質量を