第22章 電流と磁場
01ローレンツ力と磁場の中の運動
問い
オーロラは,アラスカや
ここから
ポイント 第22章で
記号 | 意味 |
|---|---|
磁束密度.この | |
真空の | |
磁場の | |
透磁率,比透磁率(第4題材) | |
磁気モーメント(第3題材). | |
磁束(単位 | |
電流,電流密度 | |
ソレノイドの | |
慣性モーメント(電流の | |
体積(電圧の | |
サイクロトロン角 | |
座標軸の |
電子の
考えてみる
第20章では,止まっている
実験を
ローレンツ力
定義 ローレンツ力と
電荷
と
速度 v と磁場 B を紙面内に描き,なす角 θ を示す.作用点の赤い ⊙ は正電荷への手前向きの力,⊗ は負電荷への奥向きの力を示す.力は v と B の両方に垂直である.
磁気力は
ポイント 磁気力は
磁気力は
一様な 磁場の 中の 運動
一様な
公式 一様な
周期
速い
速度が
初期状態は θ = 60°,v = v₀ のらせん運動.角度を90°にすると円になり,速さを変えると半径とピッチが変わるが周期は一定である.時刻の操作と再生・停止で1周を確かめられる.
有限の 磁場領域を 通る
装置の
たとえば
正電荷を右向きに入射させ,紙面の手前向きの磁場で下へ曲げる.左は r > d で抜ける軌道とふれ角 θ,右は r ≤ d で半円を描いて戻る軌道.O はそれぞれの円の中心.
電場と 磁場を 組み合わせた 装置
速度選択器:電場
質量分析器:速さの
サイクロトロン:周期が
左の電場は上向き,磁場は手前向き.v = E/B の正イオンだけが直進してスリットを通る.右では同じ電荷と速さのイオンが半円を描き,重いイオンが入口から遠い位置に着く.
ホール効果:導体の
です.電圧の
適用の 条件
円
問いに 戻る
地球の
地球の磁力線は南半球側から出て北半球側に入る.太陽側からの粒子は磁力線に巻きついて極へ進む.磁場が密になる所で反射する粒子は南北を往復し,大気に届く粒子は極を囲むオーロラ帯を作る.
磁力線に
ポイント ここまでの
磁場
は,動く電荷に 働く 力 で定義する.磁気力は 速度に 垂直なので 仕事を しない. 一様な
磁場の 中では,半径 ,周期 の円運動.周期は 速さに よらない.斜めに 入ればらせん 運動に なる. 有限の
領域では,円の 中心を 作図し,境界で 位置と 速度を つなぐ.中心角が ふれ角に なる. 速度選択器は
を選び,質量分析器は を分け,サイクロトロンは 周期が 速さに よらない ことを 使う.ホール電圧 から と粒子の 符号が 分かる. 問いの
答え:荷電粒子は 磁力線を 横切れず,巻きついて 磁力線に 沿って 進む.赤道の 上空では 押し返され,磁力線が 地面に 入る 極の 近くでだけ大気に 届く.だから オーロラは 極を 囲む 地域に 現れる.
02磁場の中の荷電粒子の例題
円
ポイント 数学の
一様な
円の
中心は,入った 点で 速度に 垂直な 直線の 上,力の 向きの 側に 距離 の所に ある.円の 上の2点が 分かっていれば,中心は その2点を 結ぶ 線分の 垂直二等分線の 上に ある. 粒子が
回った 中 心角 は,速度の向きの 変化(ふれ角)に 等しい.かかる 時間は である.中
心角 の円弧の 弦の 長さは で,弦は入った ときの 速度と の角を なす.
最後の
練習1 粒子が
練習2
答え 練習1:
例題
例題 1
1価の
2種類の
イオンの 軌道の 半径と,検出板の 上での 着く 位置の 間隔を 求めよ. 加速電圧が
% の範囲で ふらつく.着く 位置の 広がりを 見積もり,2つの 同位体が 分離できるか 判断せよ.また,電圧の ふら つきが 何 % を 超えると2つの 像が 重なり始めるか.
電圧 V で加速した正イオンがスリットから紙面の手前向きの磁場 B に入る.問題文で与えられた2種類の半円軌道と検出板上の間隔を示す.半径と着く位置の間隔の計算値は示していない.
解答を見る
考え方 加速で
では
なので, の相対的な ずれ に対して のずれは . % なら着く 位置 のずれは %,つまり で,像の幅は 約 .間隔 よりずっと 小さいので 分離できる.重なり始めるのは, の最も 外と の最も 内が 一致する ときで
確かめ:イオンの
例題 2
粒子を
向きに入射させる. のとき,粒子が から出る 位置,出る ときの ふれ角 ,領域の中に いる 時間を 求めよ. で
のとき,粒子は どこから,どの 向きに 出るか.領域の 中に いる 時間も 求めよ.
入射の
向きを 軸から 側へ角 傾けた( ).粒子が から抜ける ための の条件を 求めよ.
0 ≤ x ≤ d に紙面の手前向きの磁場 B がある.正電荷 q の粒子を原点から速さ v で入射させる.左は +x 向き,右は +x 軸から +y 側へ角 α 傾けた向き.軌道と出口は示していない.
解答を見る
考え方 入射点での
入射点での
力は の向きなので,中心は .回った角を とすると , . となる 最初の 角が で
出る
円の
上の の最大値は なので, なら に届かず( では接するだけで),半円を 描いて 軸に戻る.出る 位置は ,向きは ,時間は で,速さによらない. 速度
に対し力の 向きは なので,中心は .円の上の の最大値は .抜ける条件は ,すなわち
確かめ:
例題 3
長さの
電荷を
運ぶ粒子の 電荷は 正か 負か. 粒子の
数密度 とドリフト速度 を求めよ. 同じ形の
銅の 板( ,電子が運ぶ)で 同じ 測定を したら,ホール電圧は いくらか.
板の長さは x 方向,幅 w は y 方向,厚さ h は z 方向.電流 I は +x 向き,磁場 B は +z 向き.y = 0 と y = w の側面を電圧計につなぐ.キャリアの符号と数密度の答えは示していない.
解答を見る
考え方 正の
正の
粒子が 速度 で動くと,力は で, 側に寄り,そちらが 高電位に なる.負の 粒子は 速度 で,力は とやはり 側に寄るが,そちらは 低電位に なる.測定では 側が高いので,粒子は 正(正孔,p型の 半導体)である. つり合い
と , から .
で,符号は逆( 側が低い).
確かめ:
ポイント ここまでの
円軌道の
中心は 入射点で 速度に 垂直な 直線の 上,力の 側に ある.中 心角が ふれ角で,時間は 中心角を で割って 出す. 質量分析器では
で,同位体の質量の 差の 約半分の 割合で 半径が 違う.加速電圧の ふら つきは その 割合より 小さく 抑える. 有限の
領域を 抜けるか どうかは,円の 上で 最も 奥まで 届く 点が 境界を 越えるかで 決まる.戻る 場合の 時間は 中心角だけで 決まる. ホール効果では,電圧の
符号から 電荷を 運ぶ粒子の 符号が, から数密度が 分かる.
03磁場の中の荷電粒子の演習
速度の
演習 1
質量
らせんの
半径,回転周期,1回転の 間に 磁場方向へ 進む距離を 求めよ. 速さだけを2倍に
した ときの 各量の 倍率と,磁気力の 仕事を 答えよ.
正イオンの入射速度vと一様磁場Bのなす角θを示す.破線は速度の平行成分と垂直成分を読むための投影である.
解答を見る
考え方 垂直成分は
, .向心力の式 より .周期は .ピッチは である.半径と
ピッチは2倍,周期は1倍.仕事率は なので仕事も0である.速さが 一定でも,速度の 向きは 変わる.
演習 2
陽子を
加速電場の
振動数と,収容できる 最大運動エネルギーを 求めよ. 半径の
限界を 超えない 加速回数の 最大整数を 求めよ.光速 と比べ,近似を 点検せよ.
二つの半円形電極の間に加速電圧Vを加える.紙面手前向きの一様磁場Bと使用可能な最大半径Rを示す.すき間は見やすく広げてある.
解答を見る
考え方 半回転ごとに
周期
の電場なら 半周期で 反転する.したがって . より . より,丸める前の 値を 使うと で最大150回. , で,捨てた相対論的補正の尺度 は小さい.すき間の 通過時間も 半周期に 比べて 十分 短いことが 前提である.
演習 3
正イオンを
100 | |
200 | |
300 |
直線化に
よって を決め,3点目を 検算せよ. 傾きの
相対不確かさを0.020, の相対不確かさを0.010と する.小さい 不確かさを 足して 上限を 見積もるとき, の相対不確かさを 求めよ.
正イオンを電圧Vで加速して磁場Bの領域へ入れる.加速電圧には一定のずれV₀がある.磁場内で測る円弧の半径rを示す.
解答を見る
考え方 速さを
から .最初の2点より , .よって , .3点目は で一致する. なので,相対不確かさの上限は ,4.0 %である.これは不確かさの2次の 項を 無視する 近似で,各相対不確かさが1より 十分 小さい 範囲で 使う.
演習 4
第1領域から
出るまでの 時間と,境界での 位置と 速度を 求めよ. に達する 位置,速度,全通過時間を 求めよ. の場合も 示せ.
xが0からdでは磁場は紙面手前向き,dから2dでは奥向きである.正電荷の粒子は原点から正のx方向へ速さvで入射する.
解答を見る
考え方 位置と
とし,最初の 円弧の 回転角を とすると , . で出るので, ,位置は ,速度は である.第2領域での
経過時間を とすると 速度の 角は .変位は
演習 5
運動方
程式から を求めよ. 放した後で
初めて に戻る 時刻と 位置を 求めよ.最大の 速さと,電場の 仕事に よる 検算も 示せ.
正電荷qの粒子を原点から静かに放す.電場Eは正のy方向,磁場Bは紙面手前の正のz方向である.
解答を見る
考え方 速度の
, . とおけば .初期条件 より .積分して
サイクロイドである.
初めて
戻るのは ,位置は .速さの2乗は だから最大は .磁気力は仕事を せず, は電場の 仕事と 一致する.非相対論的近似には,最大速度での 無次元量 が1より十分 小さい ことが 必要である.
ポイント 教える
電荷の
符号と 曲がる 向きを 問います. 半径に
使う 成分と 周期の 独立性を 確認します. 軌道の
接続では 位置と 速度の 両方を 引き継が せます. 測定の
切片と 不確かさ,仕事を する 場,近似の 条件を 説明させます.
04電流が作る磁場とアンペールの法則
問い
1820年,エルステッドは,電池に
考えてみる
止まっている
向きが,電流の
ビオ・サバールの 法則
法則 ビオ・サバールの
電流
である.導線全体の
大きさは
左では上向きの I dl と観測点 P への r が角 θ をなし,外積で決まる dB は紙面の奥向き.右は導線の軸方向から見た断面で,磁場が導線を囲む円の接線を向くことを示す.
ビオ・サバールの
公式 電流が
十分長い
直線電流から 距離 の点: .向きは,電流の向きに 右ねじを 進める ときに ねじの 回る 向き. 半径
の円電流の 中心: .中心から 軸に 沿って 離れた点: .単位長さあたり
巻きの十分長い ソレノイドの 内部: .
直線電流で
磁力線は 閉じている
電気力線は
面を
法則 磁場の
どんな
ここで
アンペールの 法則
電場では
道が
法則 アンペールの
定常電流が
電流の
初期状態では紙面の手前向きの電流 I を橙の道 C が囲み,B・dl の和は μ₀I.スライダーで道の位置と形を変えられる.電流を囲まなくなると和は0になる.道が電流を通る位置は特異点として区別する.
ガウスの
です.長い
巻線の上側は電流が手前向き,下側は奥向きで,内部の磁場は右向き.長さ l の辺を内部と外部に置いた長方形の道 C を示す.外部の磁場は十分長いソレノイドでほぼ0.
湧き出しは なく,電流の まわりに 渦が ある(発展)
第20章では,ガウスの
定理 静磁場の
静電場と
発散(湧き出し) | 回転(渦) | |
|---|---|---|
静電場 | ||
静磁場 |
静電場は
(発展)ベクトルポテンシャル 発散が0の
地磁気
地球の
地磁気の
適用の 条件
ここで
問いに 戻る
エルステッドの
ポイント ここまでの
電流の
小さな 部分が 作る 磁場は ビオ・サバールの 法則 で,逆2乗だが向きは 外積で 決まる. 直線電流
,円電流の中心 ,長いソレノイドの 内部 .磁力線は
閉じていて,閉じた 曲面から 出る 磁束は0.閉じた道に 沿った 線積分は 囲んだ 電流の 倍(アンペールの法則).(発展)微分形は , .方位磁針は,地磁気と
電流の 磁場を 合わせた 水平成分の 向きを 指す. 問いの
答え:直線電流の 磁力線は 導線を 中心と する 同心円で,向きは 電流に 右ねじを 進める ときの 回る 向き,強さは .磁針は円の 接線,つまり 導線に 垂直な 向きに ふれ,電流を 逆に すると 逆を 向く.
05ビオ・サバールの積分と磁場の回転
本体の
定理 数学の
単位ベクトルに
大きさは
外積は
定理 数学の
である.
位置
です.
+z 向きの電流 I の線分を z₁ から z₂ まで描く.P は導線から距離 d の点.位置 z の微小部分 dz から P への r と,垂線から測る角 β,β₁,β₂ を示す.+z 側を正とし,β₁ は負の角である.
定理 数学の
である.
円の
円電流の向かい合う2つの微小部分 dl が軸上の点 P に作る dB を示す.軸に垂直な成分は逆向きで打ち消し合い,軸方向の成分は同じ向きで加わる.
練習1 片側にだけ十分長い
練習2 1辺
答え 練習1:
アンペールの 法則の 道の 選び方
アンペールの
微分形への 書き直し(発展)
定理 数学の
閉じた
が
アンペールの
です.これが
定理 数学の
どんな
成分で
で,偏微分の
1つ目は,
2つ目は,回転で
練習3
答え
例題
例題 1
半径
円電流の
軸上の 磁場を 積分して,ソレノイドの 中心の 磁場を 求めよ. のとき, の何倍か. 十分長い
ソレノイドの 端の 面の 中心での 磁場は, の何倍か.その 理由を 重ね合わせで 説明せよ.
ソレノイドの半径は R,長さは l.中心を原点として軸を z とし,位置 z に幅 dz の巻線の束を示す.中心や端の磁場の計算結果は示していない.
解答を見る
考え方 幅
(
端の
面の 中心では,積分の 範囲が から で .同じソレノイドをもう1本,端と 端を つないで 置くと,つないだ所は 長い ソレノイドの 内部で になる.対称性から2本は 同じだけ寄与するので,1本の 端では 半分である.
確かめ:
例題 2
半径
全電流
と,円柱の内外の 磁場の 大きさを 求めよ. 内部の
磁場を 成分で書き, と を確かめよ.外部では であることも確かめよ.
半径 a の円柱導体の電流は +z 向き.中心から外へ濃くなる同心の帯は j = j₀r/a を表す.半径 r の道とその上の磁場の向きだけを示し,磁場の大きさの答えは示していない.
解答を見る
考え方 軸対称なので
半径
の円の 内側の 電流は
とおくと,内部は , . を使うと
確かめ:
ポイント ここまでの
外積は
とその 順の 入れ替えで 向きを 決める. 線分の
電流の 磁場は ,円電流の軸上は .ソレノイドはこれを 並べて 積分する. アンペールの
法則は,対称性で 向きを 決め, が道に 平行で 一定か 垂直に なる道を 選んで 使う. ストークスの
定理と ガウスの 定理で,積分形の 法則は , と同じ ことを 言う. から,この形の アンペールの 法則は 定常電流に 限られる.発散が0の 磁場は と書ける.
06電流が作る磁場の演習
積分する
演習 1
2本の
中点での 磁場の 大きさと 向きを 求めよ. 軸上で磁場が0に なる点を すべて 求めよ.導線 その ものの 位置は 除く.
xy平面上の原点に導線A,位置dに導線Bを置く.電流はそれぞれIと3Iで,ともに正のz方向へ流れる.
解答を見る
考え方 導線の
直線電流の
磁場は .中点ではAの磁場が 向き,Bが 向きで,合成は 向き,大きさ .外側では
両磁場が 同じ 向きなので0に ならない.内側では より ,したがって .弱い電流の 方に 近い点で 打ち消すことも 確かめられる.
演習 2
長い
軸からの
距離 ごとに磁場を 求め,境界で つながる ことを 示せ. で測った 磁場の 大きさが でした. を求め,完全な 戻り電流との 違いを 説明せよ.
内導体の半径はa,外導体の内半径はb,外半径はcである.内導体の電流Iは紙面手前向き,外導体の電流ηIは奥向きである.破線は半径rの積分路の一例である.
解答を見る
考え方 閉じた円に
から見て 反時計回りを 正と すると .内導体の部分電流は ,外導体の部分電流は なので
向きは
より . なら外側の 磁場は0だが,戻り 電流が 不足すると 外側にも の磁場が 残る.遠方の 戻り 導線までの 距離を とすると,その 寄与を 捨てる 条件は 観測する で が十分 小さい ことである.
演習 3
半径
と の関係を 導き, を求めよ. 電流反転の
前後の 差を 使うと,何の 影響を 取り除けるか.磁針の 長さを として,一点の 磁場で 扱う 条件も 述べよ.
水平面を上から見た模式図.鉛直コイルの中心に磁針を置き,北から東への角φを測る.地磁気B_Hは北向き,装置の一定磁場B_sは東向きである.
解答を見る
考え方 合成磁場の
中心の
コイル磁場は .したがって .傾きは ,切片は0.20なので, , .中央の値も 一致する. となり,一定の が消える.磁場の 一様性には が1より十分小さく,磁針が コイルの 磁場を 乱さない ことが 必要である.
演習 4
半径
穴の
中の 磁場を 求めよ. 穴の
軸から 向きに距離 の位置に,平行な 細い 直線導線を 加えます.穴の 軸上の 磁場を0に する 電流の 向きと 大きさを 求めよ.その とき穴の 内部全体で 磁場は0か.
半径Rの導体の内部に半径aの穴があり,両軸の間隔はdである.残る導体に正のz方向の電流密度jを与える.穴の軸から右へ距離Dに追加導線を置く.追加電流の向きは未指定である.
解答を見る
考え方 穴を
一様電流の
円柱の 内部では,半径 の円に ついて より .位置ベクトルで書けば .穴の軸への ベクトルを とすると,重ね合わせは
穴の
追加導線に
向きの電流 を流すと,その 左側には 向きの場が できる. より .穴の内部の 点 では, として合成場の 成分は .軸上だけの打ち消しであり,一様な 場と 位置で 変わる 場は 全域で 相殺できない. なら元の穴の 磁場も 必要な 追加電流も0と なる.
演習 5
半径
合成場
と, での1階・2階微分を求めよ. 中
心付近の2次の 変化が 消える 間隔 と,そのときの を求めよ.使う 展開の 条件も 述べよ.
半径R,巻数Nの二つのコイルをxが負のh/2と正のh/2の位置に置く.両方の電流Iは同じ巻き向きに流れる.中央を原点とする.
解答を見る
考え方 対称性で1次は
とすると .微分して , . は奇関数なので ,また
より . . は が十分 小さい ときの 展開である.対称性で 奇数次も 消えるが,4次以降は 残るので 全空間で 一様ではない. では となり,重なった 巻のコイルと 一致する.
ポイント 教える
磁場の
向きと,積分する 道の 向きを 別々に 確認します. アンペールの
法則から 場を 決める 際に,どの 対称性を 使ったか 問います. 穴の
問題で 実際の 導体と 重ね合わせの 架空の 電流を 区別させます. 測定の
切片と コイルの 一様性を,それぞれの 模型の 条件から 説明させます.
07電流に働く力とモーター
問い
扇風機も
考えてみる
電流を
も
電流に 働く 力
断面積
法則 電流に
電流
の
入試で
磁場が
平行な 電流の 間の 力
距離
です.向きを
左は同じ向きの電流 I₁ と I₂,右は逆向きの電流.導線1を囲む磁力線の接線が導線2での B₁ となる.導線2への力 F は左で導線1へ向き,右では外向きになる.
この
定義 アンペア(今の SI)
2019年5月20日から,SI は
今の
コイルに 働くトルクと 磁気モーメント
一様な
長さ a の2辺に逆向きの力 IaB が働く.法線 n と磁場 B の角は θ.回転軸方向から見た右図で,力の作用線のずれ b sin θ を示す.
平面の
定義 磁気モーメント
電流
で,合力は0である.
トルクは
の
磁場が
(発展)歳差 コイルや
電流計と モーター
可動コイル形の
モーターでは,コイルを
N 極から S 極へ向く磁場の中の1巻のコイルと回転軸,分割した整流子,2本のブラシ,直流電源を描く.①,②は同じコイルの辺とそれにつながる整流子の半片を区別する印.半回転後は位置が入れかわり,同じ辺①を流れる電流が反転する.
磁気力は 仕事を しないのに
レールの
です.第1項は
q > 0 のキャリアは棒の速度 u eₓ と棒に沿う速度 w eᵧ を合成した v で動く.B は +z 向き.磁気力は棒を押す qwB eₓ と流れを押し戻す −quB eᵧ に分かれ,合力は v に垂直である.
流れを
問いに 戻る
電流は
ポイント ここまでの
電流に
働く力は .一様な磁場では,導線の 力は 両端を 結ぶ ベクトルだけで 決まり,閉じた回路の 合力は0. 平行電流の
間の 力は 単位長さあたり .同じ向きなら 引き合う.今の SI では の値を 定めて アンペアを 決め, は測る 量. 磁気モーメント
,トルク ,電流一定の ときの 位置エネルギー .磁場が一様でなければ .整流子で
半回転ごとに 電流を 反転させると モーターに なる. 磁気力の
仕事は,導線を 押す正の 仕事と 流れを 押し戻す負の 仕事の 和で0.モーターの 仕事は 電源が 出す.
08電流に働く力の例題
平行な
例題
例題 1
十分に
Q が
浮いて 静止する ときの P と Q の 距離 を求めよ. この
つり合いが 上下の 動きに ついて 安定である ことを 示し,Q を 少し 上下に ずらした ときの 微小 振動の 周期を 求めよ. 案内が
無ければ,Q は この 位置に 留まれるか.
固定された導線 P の上に,長さ ℓ,質量 M の導線 Q を置く.鉛直の案内の間で上下にだけ動ける.逆向きの電流 I と,Q の重力および磁気力を定性的に示す.距離 d₀ の数値と周期は示していない.
解答を見る
考え方 P が Q の
Q に
働く 上向きの 磁気力は , である.数値では .つり合いは なので
である.
とすると, が十分 小さい とき
である.上へずれると
Q が
横へずれると,P からの 退け合う力は P から Q へ 向かう 向きに 傾き,横へずれを 広げる 成分を もつ.厳密に つり合いの 位置で 静止していれば 留まれるが,横の 動きに ついて 不安定なので,案内が 無ければ わずかなずれで 離れていく.
確かめ:周期は
例題 2
等しい
0.20 | 0.40 | 0.60 | 0.80 | |
|---|---|---|---|---|
0.61 | 1.12 | 1.63 | 2.14 |
と の関係を 導け.コイルの 縦の 辺に 働く 力は つり合いに 影響しない ことも 説明せよ. 表から
を求めよ. の1点だけから求めた 値と 比べ,直線の 傾きを 使う 理由を 述べよ.
等しい腕の天秤の右に N 巻のコイルをつり下げ,下の辺だけを紙面の手前向きの磁場 B に入れる.下の辺の長さ a と右向きの電流 I,下向きの磁気力,左の皿にのせる質量 Δm を示す.力と磁場の計算値は示していない.
解答を見る
考え方 磁場の
下の
辺は 磁場に 垂直なので,力は 合わせて で,向きは下向きである.測定値の 零点の ずれを とすると,追加した 質量の 真の 値は なので,つり合いを戻す条件は ,すなわち
である.縦の
表の
値は ほぼ直線に 乗り,両端から 傾きは ,切片は約 である.傾きが なので
である.
確かめ:単位は
例題 3
半径
つり合いの
向きを 求め,それぞれ安定か 不安定かを 答えよ. 安定な
つり合いの まわりの 微小 振動の 周期を 求めよ.周期は によるか. で静かに 放した とき, を通る 瞬間の 角速度の 大きさ を求め,(2)の 微小 振動の 式を この 振幅に 当てはめた 値と 比べよ.
半径 a,巻数 N の円形コイルを斜めから見た図と,水平な回転軸の方向から見た図を並べる.一様な水平の磁場 B は回転軸に垂直で,左図の ⊙ は手前向きを示す.右図で法線 n と B の角 θ を示す.電源と電流 I を添え,つり合いの向き,周期,角速度の答えは示していない.
解答を見る
考え方 電流が
磁気モーメントは
,トルクは なので,つり合いは と である. は で最小, で最大なので, が磁場と 同じ 向きの が安定,逆向きの が不安定である. が小さい とき で,角振動数は
である.数値では
電流
一定なので が保存する. から までで
である.微小
確かめ:電流を
ポイント ここまでの
平行電流の
間の 力 は距離に 反比例し,退け合う 配置では 上下の つり合いが 安定でも 横には 不安定に なりうる. 電流天秤では,力が
電流に 比例する ことを 使い,傾きから 磁場を 求めると 電流に よらない 誤差を 除ける. 電流を
一定に 保つコイルは の中の 振り子で,微小 振動の 角振動数は .使った
近似(長い 導線,一様な 磁場,小さな 振幅)の 条件を,最後に 数値で 点検する.
09電流に働く力とコイルの回転の演習
力の
演習 1
一様磁場
半円部分への
合力を 求めよ. 同じ
両端を 結ぶ 直線導線へ 変えた 場合と 比較せよ.その 直線を 軸のまわりに 角 傾け,長さ のまま 電流方向を とした場合の 力も 求めよ.
左はxy平面の上半円で,電流は左端から右端へ流れる.磁場は正のz方向である.右はxz平面で長さ2aの直線を正のx方向から角βだけ傾けた配置である.
解答を見る
考え方 一様磁場なら
を足すと .直線でも
両端の 変位が 同じなので 同じ力である.傾けると .磁場に平行と なる で力は0に なる.
演習 2
間隔
棒が
動き始める 電圧の 境目を 求めよ. で,動き始めた直後の 加速度を 求めよ.
水平レールの間隔はℓであり,静止した棒に正のy方向の電流を流す.回路は電池Vと全抵抗Rを含む.上から見た図で,磁場Bは紙面手前の正のz方向である.
解答を見る
考え方 磁気力を
静止時は
.磁気力は 向きに なので,境目は .したがって .これを超えると 動き始める. 直後は
速度0で 電流が ,力は . より .静止摩擦係数を使い続けない.この 計算は 速度0の 極限であり,有限の 速度で 同じ 電流が 続くとは 仮定していない.
演習 3
巻数
0.01005 | 0.100 |
0.02041 | 0.200 |
0.03140 | 0.300 |
つり合いの
式を 導き,どの 量を 横軸に すれば と直線関係に なるか示せ.表から を2桁で求めよ. 最後の
点だけを として 解析すると, を何 %過大評価するか.
回転軸は磁場に垂直である.無電流時の法線を破線で,測定時の法線を実線で示す.両法線のなす角がφで,ばね定数はκである.
解答を見る
考え方 法線と
磁気モーメントの
大きさは .つり合いは なので,横軸を とすると 傾きは .表の各点で は約 となり,傾きは .よって である.ラジアンは無次元と している. 小角式からの
推定値は .相対誤差は ,約4.7 %である. なので,小角式の適用条件は が1より十分 小さい ことである.
演習 4
一様磁場
正の
回転を 助ける 電流の 符号を 各半回転で 決め,トルクを 求めよ. 1回転の
仕事と1回転後の 角速度を 求めよ.磁気力が 電荷に 仕事を しない こととの 整合を 説明せよ.
xy平面から見たコイルの法線nと磁場Bのなす角をθとする.回転軸はz軸である.別図は分割した整流子と電源の接続を模式的に示す.電流の符号は示さない.
解答を見る
考え方 外積からトルクの
の 成分は .したがって では , では とする.トルクは で常に 正か0である. . より .電荷の速度は 導体の 速度と 導体に 沿う 速度の 和である.磁気力が 導体へ渡す仕事は,導体に 沿う 運動への 負の 仕事と 相殺する.その 沿う 運動を 電源の 電場が 支える.1回転後は 配置と 電流が 戻るので,熱損失なしの 全収支では 電源の 仕事が この を供給する. で角速度は 変わらず, はトルクと 同じ エネルギーの 次元を 持つ.
演習 5
衛星が
軸の
傾きと 角運動量の 大きさが 変わらない ことを 示せ. 歳差の
角速度の 大きさと 向き,この 近似の 条件を 求めよ.
衛星の対称軸と角運動量L,磁気モーメントmは同方向である.初期の軸と正のz方向の磁場Bとの角はθ₀である.衛星に固定したコイルと自転を示す.
解答を見る
考え方 角
として .右辺は に垂直なので .また右辺の 成分は0なので も一定で,傾きは 変わらない. と比較すると .大きさは , 側から見て 時計回りである.軸と 角運動量を 同方向と する 近似には が1より十分 小さい ことが 必要である. で歳差も 消える.
ポイント 教える
半円の
弧長を 合力の 式へ 入れる 誤りを,変位の 積分から 修正させます. 電流,合力,トルクの
向きを 確かめます. 電流計の
角度の 定義と,小角近似に よる 系統的な 誤差を 問います. 整流と
電源の 仕事,歳差で 変わる 量と 変わらない 量を 説明させます.
10磁性体と磁化
問い
冷蔵庫の
考えてみる
鉄が
実は,アルミや
磁石の 正体は 小さな 円電流
前の
磁気モーメントの
です.磁気モーメントは
磁化と 磁化電流
定義 磁化
物質の
鉄の
一様に
断面に同じ向きの円電流を並べると,隣どうしの接点では逆向きの電流が打ち消し合う.外周の電流だけが残り,棒の側面を回るソレノイドと等価になる.表面電流の長さあたりの大きさは K = M.
磁場の 強さ
アンペールの
法則 磁場の
磁場の
(右辺は
第20章の
入試で「磁場
定義 線形な
磁化が
環状コイルの
物質 | 磁化率 |
|---|---|
ビスマス | |
銅 | |
水 | |
アルミニウム | |
液体酸素 | |
鉄 |
境界の
常磁性・反磁性・強磁性
表のように,
常磁性(
反磁性(
強磁性:鉄・コバルト・ニッケルでは,隣り合う
左は向きの異なる磁区の磁化が打ち消し合い M = 0.右向きの場 H を加えるとその向きの磁区が広がり,最後には全体の磁化がそろって飽和する.
磁石が
ヒステリシス
強磁性体の
横軸 H,縦軸 B.橙の破線は原点から出る最初の磁化曲線.正の飽和から H を減らすと Bᵣ が残り,−Hc で B が0になる.緑の矢印は往復の向き.左は幅の狭い鉄心用,右は幅の広い永久磁石用の材料.
この
で,曲線の
問いに 戻る
磁石は
ポイント ここまでの
原子の
磁気モーメントは 電子の 運動と スピンから 生じ,目安は ボーア磁子 .磁化 は単位体積あたりの 磁気モーメント. 一様な
磁化は 表面の 磁化電流(長さあたり )と同じ. の一周の 線積分は 自由電流に 等しい. 線形な
物質では , .常磁性は ,反磁性は で,どちらも はふつう 程度.強磁性体は
磁区が そろう ことで 大きく 磁化し,キュリー温度を 超えると 常磁性に なる. ヒステリシス曲線の
面積 が1往復の単位体積あたりの 損失.
11磁性体の例題
鉄心の
例題
例題 1
周の
鉄心の
中の , ,磁束 ,磁化 を求めよ.鉄心が 無い ときの と比べよ. 鉄心の1か所を
切り,幅 のすき間を 作る.電流は 同じと する.すき間での 磁束の 広がりと 漏れを 無視して,鉄心と すき間の を求めよ.巻線の のうち何 %が すき間の に使われるか.
N 回の巻線に電流 I を流す環状鉄心.断面積は S,周の長さは ℓ.右は幅 d のすき間を開けた場合で,磁力線が鉄心からすき間へ続く様子を示す.磁場や磁束の計算値は示していない.
解答を見る
考え方 自由電流だけで
より .
で,
鉄心の
中の 磁場の 強さを ,すき間を とすると,一周の 線積分は . は両方で 等しいので , で, は よりずっと 小さいので とすると
である.すき間の
確かめ:
例題 2
変圧器の
1往復で
単位体積あたりに 失われる エネルギー を, を計算して 求めよ.結果は によるか. 体積
の鉄心を 振動数 で使う ときの 損失の 仕事率を 求めよ.同じ で保磁力 の永久磁石の 材料を 使ったら どうなるか.
B が増える辺は H = Hc + B/κ,減る辺は H = −Hc + B/κ.B は ±Bm の間を往復する.傾き κ の平行な2辺と ±Hc,±Bm,たどる向きを示す.損失の答えは示していない.
解答を見る
考え方 1周の
が増える 辺の 寄与は
で,
である.合わせて
仕事率は
である.永久磁石の材料では で,同じ使い方なら 損失は になり,変圧器には まったく 使えない.そもそも を反転させるだけで もの が要る.逆に,逆向きの をかなり 加えても 磁化が 反転しない ことが,永久磁石と しての 長所である.
確かめ:単位は
例題 3
円柱形の
鉄の
立方体(密度 )の磁化は,この 位置で と測られた.力の 大きさと 向きを 求め,重さと 比べよ. 同じ
大きさの アルミの 立方体(磁化率 ,密度 )と,銅の立方体( ,密度 )について,同じ 見積もりを せよ. この
見積もりの 精度を,立方体の 大きさと 磁場の 変化から 論じよ.結論は 変わるか.
円柱形の磁石の軸に沿って x 軸を取り,その軸上に1辺5.0 mm の立方体を置く.中心での磁場 B は +x 向きで,磁石から離れるほど磁力線が広がる.立方体に働く力の向きは示していない.
解答を見る
考え方 磁気モーメントは
で, .
で,磁石へ
アルミでは
,力は で,磁石へ向かう.重さ の 倍にすぎない.銅では ,力は で,磁石から離れる 向きである.重さ の 倍にすぎない. 中心での
勾配を 幅全体に 当てはめると,立方体の 幅 の間の 磁場の 変化は ,つまり中心の 値の 半分と 見積もられる.中心の 値だけを 使う 見積もりは,立方体が 磁場の 変わる 長さ(ここでは )よりずっと 小さい ことを 前提に しているので,ここでは 十分よい 近似とは いえない.中心の 磁場と 勾配だけでは 誤差の 大きさや 結論を 断定できず,立方体内の 磁場と 磁化の 分布が 必要である.ただし,力の 向きが 変わらず,補正が 数倍以内なら,力と 重さの 比は 鉄では 約100倍,アルミでは 倍の程度と 桁で 違うので,鉄の 磁気力は 重さより 大きく,アルミや 銅では 小さいと いう 比較は 変わらない.
確かめ:鉄の
ポイント ここまでの
環状の
鉄心では から が決まり, .すき間があると は法線成分が つながる 条件から 決まり,狭い すき間でも を大きく 下げる. ヒステリシスの
損失は1往復で 単位体積あたり (曲線の面積).可逆な 直線の 部分は 打ち消し合い,保磁力の 幅の 分だけが 残る. 小片の
力は .鉄とアルミ・銅では 磁化が 倍ほど違うので,付くか付かないかが はっきり 分かれる. 中心の
値で 力を 見積もるには,小片が 磁場の 変わる 長さより 小さい ことが 要る.
12磁化と磁性体の演習
演習 1
線形な
から,各試料の比透磁率と 磁化を 求めよ. 常磁性と
反磁性に 分類し, を逆向きに した ときの 磁化の 向きを 述べよ.
解答を見る
考え方 真空の
真空の
値は .したがって , .また より, , である.Xは
常磁性体,Yは 反磁性体である. を逆に してもXの 磁化は 同方 向,Yは 逆方向を 向く. で となり,真空の 関係に 戻る.
演習 2
体積
全体の
磁気モーメントと,原子あたりの 平均モーメントを 求めよ. 各原子の
磁気モーメントの 大きさを とし,加えた場に 平行か 反平行の2方向だけを とる 模型を 考えます.平行な 原子の 割合を 求めよ.
試料の体積を𝒱,磁化をM,原子の数密度をnとする.拡大した模型では,各原子のモーメントの大きさはm₀で,加えた場に平行か反平行の二方向をとる.二つの矢印は許される向きを示し,原子数の比を表さない.
解答を見る
考え方 逆向きの
全体は
.原子数は だから,平均は である.平行な
割合を とすると,平均は .したがって , で,90 %が平行である. で磁化が0, で最大の となる.
演習 3
平均の
0.10 | 25.2 |
0.20 | 50.4 |
0.30 | 69.3 |
0.40 | 75.6 |
最初の2点から
一定の 比透磁率を もつ模型を 決めよ. 後の2点の
予測値と 実測からの を求めよ.不確かさの 範囲で 全点を 説明できるか.
平均磁路長ℓ,断面積Sの環状鉄心にN回の巻線を均等に巻く.電流Iと磁束Φの正方向を示す.
解答を見る
考え方 低電流で
より, .したがって
である.
予測値は
順に , .実測の比は から約 , となる.最初の2点が 許す の共通範囲は .この最小値でも 後の 予測は , で,実測の上限を 超え,全点は 説明できない.飽和へ 向かう 応答と 整合する.線形模型は 最初の2点で 整合するが, の2点で破れる.
演習 4
鉄心が
損失に
よる 発熱の 仕事率と,断熱状態で 運転したときの 温度上昇を 求めよ. 周囲からの
温度上昇を とし,放熱が , のとき,定常の 温度上昇を 求めよ.模型が でのみ有効な とき,定常温度を 確定できるか.
鉄心は振動数fでヒステリシスの周期をたどり,単位体積・一周期の損失はwである.周囲からの温度上昇θに応じてKθの割合で放熱する.
解答を見る
考え方 損失に
.質量は ,熱容量は .時間 なので, .熱収支は
.定常なら だが,適用範囲外なので確定できない.上端でも で,範囲内に定常状態は ない.放熱を 無視する 近似は が十分 小さい間に 限られ,(1)の 温度上昇では この 比は0.060である.
演習 5
断面積
棒の
力を,両端の 場 , で表せ. の場合,常磁性・反磁性の 力の 向きを 述べよ. 棒の
範囲で とします.中点の場 で力を 表し,中点の モーメント に置き換える 計算と 比べよ.
断面積Sの棒をxがXからX+aの範囲に置く.両端の磁場B₁とB₂はともに正のx方向を向く.
解答を見る
考え方 場所ごとの
与えられた
局所的な 力を 足すと
と
, より .中点のモーメントの 力 と一致する.一般の 場では 棒の 長さと 場の 変化の 長さの 比が 十分 小さい ことが 要る.一様な 場では となり力は0である.式は の近似であり,強磁性体には 適用できない.
ポイント 教える
と を磁化の 有無から 使い 分けさせます. 原子の
向きの 割合と 平均モーメントを 区別させます. 予測と
測定を 不確かさも 含めて 比べさせます. 力には
場の 空間変化が 要る ことを 問います.
13磁気の力の正体(発展)
問い
電流の
考えてみる
磁気力
相対論から 借りる 式
第13章(発展)を
定理 ローレンツ収縮・
ローレンツ収縮:止まっている
系で 長さ の物体は,K では 運動の 向きに に縮んで 見える.運動と 垂直な 向きの 長さは 変わらない. 時間の
遅れ:動く 時計が 刻む時間(その物体の固有時)を とすると,その間に K で 経過する 時間は である.運動量:速度
の物体の 運動量は .力は で定める.
も
動く 導線は 帯電して 見える
導線の
系 K で
の
陽子と
で,導線は
が,導線から
初期状態は v/c = 0.60.系 K ではイオンが静止し,電子と陽子が右へ動く.系 K′ では陽子と電子が静止し,イオンが左へ動く.速さを変えると K′ のイオン間隔が縮み,電子間隔が広がる.両系で陽子を導線から遠ざける力を示す.
力は 違い,運動の 予測は 一致する
2つの
陽子の
で,横向きの
と
ポイント 横向きの
物体が
確かめてみましょう.K' で
磁場は 電場の 相対論的な 一部
導線の
導線の
系を 変えると 電場と 磁場は 混ざる
K で
法則 電場と
K に
特に,電荷分布が
後半を,線電荷密度
ここで
問いに 戻る
陽子と
ポイント ここまでの
電荷は
系に よらない.線電荷密度は 動いて 見えると 倍になり,中性の 導線も 動いて 見えると 帯電する. 横向きの
力は,物体が 止まって 見える 系の 倍になる.系に よらないのは 横向きの 運動量と 運動の 予測である. 磁気力は
電気力の 程度の補正で,係数 が現れる.導線では 大きな 電気力が 打ち消し合うので,この 補正が 見える. が に比べて 十分 小さい とき , .動く電荷は の磁場を 作る.
14磁気の力の正体の例題
同じ
例題
例題 1
断面積
導線が
止まっている 系 K で,陽子に 働く 力の 大きさと 向きを 求めよ. 伝導電子の
線電荷密度の 大きさ と,伝導電子の速さ を求めよ. 陽子と
一緒に 動く 系 K' での 導線の 正味の 線電荷密度 を, が十分 小さい ときの を使って や の1次まで求め, となる ことを 示せ. K' で
陽子に 働く 力を 求め,(1) と 比べよ.また, を求めよ.
系 K では導線のイオンが静止し,電子は左向きに速さ v で流れる.電流 I と陽子の速さ u は右向き.陽子は導線から距離 r にある.系 K′ では陽子が静止し,イオンと電子はともに左へ流れる.力や正味の電荷密度の答えは示していない.
解答を見る
考え方 K では
磁場は
である.陽子に働く 力の 大きさは
である.正電荷が
( は断面積)より
である.
K で,イオンは
止まり,伝導電子は 電流と 逆向き,つまり 陽子と 逆向きに 速さ で動いている.K' では,イオンは 速さ で動くので,密度は
である.伝導電子は,止まって
である.
で,導線は
K' で
陽子は 止まっているので,磁気力は 働かず,電場
に
で,正負の
確かめ:陽子を
例題 2
2本の
K で,一方の
電子線の 電子が 他方の 電子線から 受ける 電気力の 大きさ と磁気力の 大きさ を求めよ.また,比 と,合力の大きさ を求め,合力の 向きを 答えよ. 電子と
一緒に 動く 系 K で,同じ電子に 働く 力の 大きさ を求め, となる ことを 確かめよ. 電子線が K で
距離 進む間に,最初は横向きの 速度を もたない 電子が 横に ずれる 距離を,K と K で別々に 求め,一致する ことを 示せ.ずれは に比べて 十分 小さく,K での横向きの 速さは 光速より 十分 小さいと する. , , のとき, , , を求めよ. , とする.
線電荷密度 −λ の2本の電子線が,間隔 d を保って右へ速さ v で進む.下の電子線の1個を橙の輪で示す.問題で求める電気力と磁気力の向き,大きさ,比は示していない.
解答を見る
考え方 K では
一方の
電子線は,距離 の所に 電場 と,大きさ の電流に よる 磁場 を作る.
である(
の
K での
密度 は,止まって見える 密度の 倍だったので,K での密度は である.K では電子が 止まっているので 磁気力は 働かず,
である.したがって
K:横向きの
運動量は ( は横向きの 速さ)で, がほぼ 一定なので も一定であり, .ずれは で, を入れると
である.
K
で,K の
である. より , である.
確かめ:
ポイント ここまでの
導線の
系の 磁気力は,電荷の 系では 導線が 帯電して 見える ことに よる 電気力に なる.帯電の 割合は 程度でも,打ち消し合いの後に 残るので 力と して 見える. 速さ
の電荷から 見た 導線の 線電荷密度は で,その電気力は K の 磁気力 に一致する. 平行に
進む電子線では,磁気力は 電気力の 倍で,合力は になる. 力の
大きさは 系に よって 違ってよい.比べる べきは,横に ずれる 距離などの 運動の 予測である.
15電場と磁場の相対性の演習
力の
演習 1
間隔
正味の
線電荷密度 と電流 を求めよ. 単位長さの
反発力は ,引力は です.比を求め, , でどちらが 勝るか 述べよ.
間隔dの二本の導線は,それぞれ静止する正電荷の線密度Λと,速さuで動く負電荷の線密度−(1−δ)Λをもつ.負電荷の速度は同方向で,電流はその逆向きに流れる.
解答を見る
考え方 電気力には
, である.比は
で,引力が
演習 2
実験室系Kで,
方向に動くK'で 電場が 消える を求めよ. , で,K'に静止する 正電荷の 力の 向きを 求めよ.
実験室系Kの電場Eは正のy方向,磁場Bは正のz方向を向く.系K′は正のx方向に速度uで動く.三次元の軸を斜めに投影して描く.
解答を見る
考え方 電荷はKで
外積は
方向なので, .したがって で消える. 順に
の正,負を とり,力は , 方向である.最大でも で,捨てた補正の 尺度 は十分 小さい.
演習 3
長い
0.60 | 0.960 |
1.20 | 0.840 |
1.80 | 0.640 |
線電荷密度の
大きさを とし,ガウスの 法則と アンペールの 法則から を求め, を で表せ. とし,両端の 点から と を求めよ.中間点を 検証し,電子線自身の 磁気力が 電気的反発を 消せるか 述べよ.
電子線は軸方向へ速さvで進む.断面の半径rと表面の電子を示す.電場や磁場,力の向きは描いていない.
解答を見る
考え方 電気的反発から
円筒面を
通る 流束から ,閉じた円に沿う 一周の 積分から . より, , .電気力は外向き,磁気力は 内向きであり,
と
表の
上から 添字1,2,3を 付けて, .よって である.中間も と一致する. なら なので反発は 残る.半径の 変化の 割合と が小さい 範囲の 結果である.
演習 4
Kで,
KとK'の
板間の を求めよ. K'では
試験電荷の 速度が です.力 をKの力 と比べよ. , を使っても 確かめよ.
実験室系Kで下の板は正の面電荷密度σ,上の板は負の面電荷密度−σをもつ.正電荷qは板間で瞬間的に静止する.系K′は正のx方向に速さuで動く.
解答を見る
考え方 面積の
Kでは
, .K'では面積が 倍だから密度は , .下の電流は ,上は 方向で,磁場はともに 方向に加わる.したがって
である.
は 方向なので, .また でも同じ比を 得る. で両系の 力は 一致し,板の 端から 十分離れた 範囲の 結果である.
演習 5
正電荷
Kの
力 と電場 を で表せ. 試験電荷の
速度だけを にした 力 と比 を求めよ. で比を 評価せよ.
正電荷Qと試験電荷qは運動方向に垂直な距離dを隔てて並ぶ.左は両電荷が正のx方向に速度vで進む配置,右は試験電荷だけが負のx方向に速度−vで進む配置である.
解答を見る
考え方 並走では
.一方, .両式から を得る. 逆走では
磁気力も 反発と なり, .したがって
である.
ポイント 教える
電荷と
電流の 相殺を 別々に 数えさせます. 系と
電荷の 速度を 区別し,外積の 符号を 確かめさせます. どの
電荷に 沿った 時間を 比べているか 説明させます. 測定から
電気力だけでは 足りない ことを 確認します.
16第22章の章末問題
磁場を
演習 1
半径
Oの
磁場を 求めよ.ビオ・サバールの 法則から,半径 の円弧の 微小角 の寄与は です.粒子に
働く 力と 瞬間の 仕事率を 求めよ.
半径aと2aの同心四分円を半径方向の導線でつなぐ.内側の電流Iは正のz側から見て反時計回りである.中心Oの正電荷qの瞬間の速度は正のx方向のvである.
解答を見る
考え方 円弧ごとの
半径方向の
接続線では 電流要素とOへの ベクトルが 平行なので 寄与は0である.内側と 外側の 円弧の 磁場は 逆向きで,内側は 向きである.したがって
と
より, .仕事率は である. で力は 消え,速さは この 磁気力に よって 変わらない.
演習 2
電子が,
周期
,等価な電流の 大きさ ,磁気モーメント を求めよ.モーメントの 向きは 外部磁場と 同じか. 軌道の
中心まわりの 角運動量 を求め, との関係を 表せ.その 比例係数は や に依存するか.
電子は正のz方向の一様磁場Bの中で半径rの円運動をする.図の右端にある電子の速度vは上向きである.
解答を見る
考え方 1周期に
向心力の
式 より .周期と電流は , である.電子は 側から見て 反時計回りに 回るから,電流は 時計回りで,
と
反時計回りの
円運動なので .(1)のモーメントと 比較して である.比例係数は電子の 電荷と 質量だけで 決まり, と に依存しない.比例係数の 次元 に角運動量の 次元 を掛けると,モーメントの 次元 になる.
演習 3
長さ
両回路の
中心の 磁場を 求め,その 比を 比較せよ. 各回路を,法線が
一様な 外部磁場 と直角に なる 向きに 固定します.トルクの 大きさを 求め,比較せよ.
同じ周長ℓと全抵抗Rの正方形回路と円回路を,それぞれ電源Vにつなぐ.正方形には中心と一辺の距離d,その一辺の半開き角αを示す.下段は外部磁場B₀が各回路の法線に垂直となる配置を表す.
解答を見る
考え方 抵抗と
電流は
.正方形の辺は ,中心から 辺まで , なので,4辺の場を 足して
と
トルクは
.面積から , である.比は で,円が大きい.中心の 磁場が 大きい形が,大きいトルクも 与えるとは 限らない.
演習 4
円領域を
初めて 出るまでの 回転角 ,位置,速度,時間を求めよ. 出口で
が負と なる 条件を 求め, と の場合を 調べよ.
半径aの円領域の内部だけに正のz方向の磁場Bがある.粒子は位置(−a,0)から正のx方向へ速さvで入射する.
解答を見る
考え方 円軌道と
回転角
に対して , である.境界条件 は となる.初めての 出口は にあり,半角の 式から .したがって
である.速度は
は と同値で,強い場では 入口側へ 戻る 向きに 出る. では ,出口は ,速度は . では , ,出口は に近づく.この 直進近似には が1より十分 小さい ことが 必要である.
演習 5
液体金属で
電流密度,磁気力の
合力,右端の 圧力から 左端の 圧力を 引いた 値 を求めよ. 密度
の液体を,出口の 鉛直管で 管軸から 測った 高さ まで押し上げて 静止させます.左端の 圧力は,出口の 液面上の 圧力と 等しい ものとします.必要な を求めよ. を2倍にした 場合も 比較せよ.重力加速度は とします.
上段左は管の平面図で,幅w,電極区間の長さℓ,正のy方向の電流I_fを示す.上段右は磁場を作るソレノイドである.下段は高さhの管と出口の鉛直管を側面から見た図であり,液面の高さHの基準を示す.
解答を見る
考え方 ローレンツ力を
, .力の密度は なので,体積 に働く合力は である.圧力による 左向きの 力は で,つり合いより
と
より .幅 を2倍にすると 合力と 断面積が ともに2倍と なるので,必要な 電流の 積は 変わらない.これは 静止液体の 結果であり,ソレノイドの 半径と 長さの 比,電極間の 幅と の比が 十分 小さい ことを 前提と する.
演習 6
断面積一定の
空隙の
を導き,中 心値から を求めよ.中央の 点を 検証せよ. 両端の
不確かさから の範囲を 求め,許される の範囲を 求めよ.鉄心の 透磁率を 精密に 測るには,空隙を 広くするのが よいか.
環状鉄心にN回の巻線を施し,幅dの空隙を一か所設ける.鉄心部分の磁路長をℓとする.拡大図では正イオンの入射速度と座標軸,磁場の正方向を示す.曲率kは空隙内で測定する.
解答を見る
考え方 曲率から
符号付きで
.鉄心の を磁路の 式に 代入すると
と
曲率の
差の 不確かさは 最大 である.したがって .
に
演習 7
回路に
働く 磁気力の 合力を 求めよ. がつり合いと なる を求め,その つり合いが 安定と なる 条件を 求めよ.回路の 質量を として,安定な 場合の 小振動の 角振動数も 求めよ.
正のz方向の直線電流I_wのそばに幅a,長さℓの回路を置く.近い辺の位置はXで,その辺には正のz方向の電流I_cが流れる.回路は案内に沿ってx方向に動く.X₀はばねの力が0となるときの近い辺の位置である.
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考え方 回路の
導線の
右では .近い辺への 力は ,遠い辺は . 向きの2辺の 方向の力は,同じ 区間の 場を 積分する ため打ち消す.したがって である.全合力は
. より .微分すると
なので,安定には
演習 8
両コイルの
導線長と 電流を 比較し,らせん 中心の 磁場を 求めよ. 同じ
一様外部磁場 の中で,両法線を 磁場に 垂直に 固定します.らせんと 半径 のコイルの,中心磁場の 比と トルクの 比を 求めよ. が小さい 場合の,両比の 先頭の 補正も 求めよ. を使ってよいとします.
左は内半径a,外半径bの平面らせん,右は半径r_cの薄い円形コイルで,ともにN巻である.両方に端子間電圧Vを加える.下段は外部磁場B₀と各法線が垂直になる配置を表す.
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考え方 各半径の
らせんの
長さは で,まとめたコイルと 等しい.したがって 両電流は .中心の磁場は
である.
らせんの
モーメントは .まとめたコイルは , .よって
と
演習 9
半径
円柱内の
磁場を アンペールの 法則から 求め, の運動に ついて , を書け. 運動中の
を で表せ. が十分 小さい とき,横 運動の 周期と,1周期中の の最大の 減少量を 近似的に 求めよ.
半径Rの円柱内に正のz方向の一様な電流密度jを与える.試験粒子の初期位置はxがa,yが0で,初速度は正のz方向のv₀である.左は断面,右は側面を示す.
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考え方 軸に
半径
の円に 沿って 一周すると より . では符号付きで . は保たれ,外積から
である.
初期条件で
積分定数を 決めると .したがって横運動の 厳密な 式は . が小さければ と置けて, , , となる.軸上 での減少量は である.
磁気力は
17第22章の発展問題
軌道の
演習 1
質量
指定した
角 の粒子が 回転して軸上の に達する 磁場を 求めよ.次に 基準磁場 で,任意の の粒子の を求めよ. と が十分 小さいとします. , は 程度として, の先頭の 式を 導け.基準磁場での 最大の は を増やすと 小さくなるか. , として,円すい 内の 最大の を最小に する を求めよ.同じ近似での 最小値を 求め,基準磁場の 場合と 比較せよ.
原点のイオン源から正のz軸のまわりの半角θ_mの範囲へ粒子を放出する.磁場は正のz方向で,検出面はzがDの平面である.面上の印は観測距離ρの定義のための任意の位置を表す.
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考え方 軸方向の
より . とすると 検出面までの 時間は . から である.円運動の 半径は ,原点からの横変位の 大きさは,円の 弦の 長さ になる.基準磁場では
で,
一般の
磁場で , . より,整数回転からの位相差は . が十分小さければ弦の 長さは なので
と
とすると,最大化する 無次元量は , , . より,内部の負の 極小は にあり, .端では .前者は とともに増加し,後者は 減少する ため,最適点では 両者が 等しい. を代入すると ,両値は となる.したがって
で,基準磁場の
演習 2
領域内の
を求めよ. を到達時の として, の間に 受け口に 到達する を, を使って 表せ. を決める 方程式を 示し,任意の で解が ただ1つ ある ことを 示せ. が十分 小さい とき,到達時間と 必要な の先頭の 近似を 求めよ.到達時の 速さを 仕事から 求め,電場を 強くすれば この 近似を いつまでも 使えるか 論じよ.
電場Eは正のy方向,磁場Bは正のz方向で,0からhのy領域にだけ存在する.粒子は原点から負のx方向へ速さv_iで入射する.受け口は原点の真上の位置(0,h)にある.
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考え方 ドリフト速度を
運動方
程式は , . とすれば で, , .よって , .積分すると
と
の条件は なので, . の条件へ 代入して
を
より .また なので
と
演習 3
軸対称な,時間に
粒子の
この
の式を,短い 円筒の 面を 通る 正味の 磁束が0である ことから 説明せよ.局所的な 回転速度 を使って,回転平均の 軸方向の 力を 求めよ. エネルギー保存から
が一定と なる ことを 導き,折り返す位置と,閉じ込められる の条件を 求めよ. で速度の 向きが 全立体角に 一様な 集団なら,失われる 割合は いくらか. 閉じ込められた
粒子の 軸方向の 往復周期を 求めよ. の周期の 極限を,実際の 閉じ込めと 近似条件の 両面から 点検せよ.
上段は与えられた軸上磁場B(z)と出口の位置を示す.下段左は中央での入射速度vと磁場との角θである.下段右は短い円筒の半径rと座標成分の正方向を定義し,実際の半径成分の符号は示さない.
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考え方 非一様な
長さ
,半径 の円筒では,端面からの 正味の 磁束は ,側面からは .和を0と置いて を得る.正電荷の 回転は 局所的な 側から見て 時計回りなので,方位方向の 速度は .ローレンツ力の軸成分は . を代入すると
と
速さ全体は
一定で, .軸方向の運動方 程式に を掛けると .全体の速さが 一定である ことから となり, .初期条件で
を
である.
保存される
比を 力へ 代入して .初期条件 , より .周期は . では発散するが,有限の では先に 閉じ込め条件が 破れ,往復周期を 実測できなくなる.近似の 十分条件は, として が十分 小さい ことであり,回転半径と 磁場の 変化の 長さの 比,1回転中の 場の 変化の 割合が ともに 小さくなる.
演習 4
半径
で の を求めよ. を使ってよいとします. 中央付近の
電流の ない 領域では, , が成り 立ちます.軸からの 距離を とすると,軸対称な 場では , です.これらから を導き,中央面 の場の 先頭の 変化を 求めよ.ここで プライムは による 微分です. 相対誤差を
以下にする 範囲を,軸上 と中央面の 円板 で比較せよ.次に , が十分 小さい 場合の 軸上の2次の 項を 求め,間隔誤差が4次の 変化より 支配的に なる 条件を 示せ.
同じ電流Iを流すN巻のコイルをzが負と正のh/2の位置に置く.設計間隔hはRと等しい.中央の軸上区間と,中央面内の円板を橙で示す.
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考え方 2次の
, とおくと,2個の和を 中央の 値で 割って
と
である.
軸上で
滑らかな 場を , と展開する.係数は の関数である.発散の 式から , ,回転の式から , を得る.順に , , , で,指定の式が 得られる.(1)の4次までを 代入すると
である.中央面では
先頭の
誤差だけで 評価すると,軸上では ,中央面では .したがって中央面の 許される 半径は 軸上の 半長の 倍になる.たとえば では,それぞれ の上限の 見積もりは0.17,0.22である.
一般の
なので,
演習 5
同じ
点双極子の
を角度で 表し, の配置で,中心間距離を 増す 向きを 正と する 力 を求めよ.微分では 両モーメントと 外部 コイルの 電流を 一定に 保ちます. この
配置の まわりで2つの 回転の 基準 振動を 求め,安定と なる の範囲を 示せ. を増すと,どちらの 振動が 先に 不安定に なるか. とします.2個を逆向きに 回す対称な 経路 , に沿って,最初の 配置から 両モーメントを 逆転する ための ポテンシャルの 障壁を 求めよ.不安定に なる 境目へ近づくと,障壁と 低い方の 角振動数は どのように0へ近づくか.
二つの磁石の中心をz軸上に距離dを隔てて固定する.各磁石は紙面のxz平面内で回転でき,角θ₁とθ₂は正のz方向から測る.外部コイルは負のz方向の磁場Bを作る.
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考え方 相互作用を
を代入すると
と
2次まで
展開すると .トルクは角度に よる 負の 微分なので
と
である.線形の
指定の
経路では . , とおけば . から増やすと, まで上り,その後は 下る.頂点で ,初期値は なので
である.
18第22章のまとめ
この
定義と 法則
定義 ローレンツ力と
電荷
と
法則 ビオ・サバールの
電流
である.大きさは
法則 磁場の
磁力線は
閉じていて,どんな 閉じた 曲面から 出ていく 磁束も0である: .磁気単極子は見つかっていない. 定常電流が
作る 磁場に ついて,閉じた 道 に沿って 一周する 線積分は, を縁と する 面を 貫く 電流の 倍である(電流の符号は 右ねじで 決める).
(発展)微分形は
, である.静電場の , と並べると,静磁場は 湧き出しが なく 電流の まわりに 渦を 巻く 場である. から,この形の アンペールの 法則は 電荷が たまらない 定常電流に 限られ,電流が 変わる ときは 第24章で 項を1つ足す.
法則 電流に
電流
定義 磁気モーメント
電流
である.電流を
定義 アンペア(今の SI)
2019年5月20日から,SI は
定義 磁化と
単位体積あたりの
磁気モーメントを磁化 (単位 )という.一様な 磁化は,表面を 回る 長さあたり の磁化電流と同じである. 磁場の
強さ (単位 )の一周の 線積分は,道を 貫く 自由電流に 等しい: .線形な
磁性体では , である. を磁化率, を比透磁率, を透磁率と いう. 境界では
の法線 成分が つながり,自由電流が 無ければ の接線成分も つながる. 常磁性(
. は温度に 反比例する キュリーの 法則),反磁性( .すべての物質が もち,超伝導体は ),強磁性(磁区ごとにモーメントが そろい,キュリー温度を 超えると 常磁性に なる)が ある.強磁性体の と は比例せず,履歴に よって ヒステリシス曲線を たどる.
法則 (発展)系を
電荷は
系に よらず,長さは 運動の 向きに 倍に縮むので,線電荷密度は 動いて 見えると 倍になる. 物体が
止まって 見える 系で 横向きの 力が なら,速さ で動いて 見える 系では である.系によらないのは 横向きの 運動量と 運動の 予測である. が に比べて 十分 小さい とき,速度 で動く 系の 電場と 磁場は
で,止まった
手順
ポイント 磁場の
力やトルクの
向きは 外積で 確かめる. の順なら正で,電荷が 負なら力は 逆向きである. 磁場の
中の 円軌道では,円の 中心を,入った 点で 速度に 垂直な 直線の 上,力の 側に 作図する.中 心角が ふれ角で,かかる 時間は 中心角を で割って 出す. 有限の
磁場領域では,境界で 位置と 速度を つなぎ,円の 上で 最も 奥まで 届く 点が 境界を 越えるかで,抜けるか 戻るかを 決める. アンペールの
法則は,対称性で 磁場の 向きを 決め, が道に 平行で 一定か,垂直か,0に なる道を 選んで 使う.磁性体では 自由電流だけで 決まる の線積分を 使う. 電流を
一定に 保つコイルは, の中の 振り子と して 扱える. 使った
近似(長い 導線,一様な 磁場,小さな 振幅, が1より十分 小さい ことなど)を,最後に 数値で 点検する.
主な 公式
一様な
磁場の 中の 円運動: , , (周期は速さに よらない).斜めに 入るとらせん 運動で,ピッチは 幅
の帯状の 領域に 境界に 垂直に 入る 粒子: なら のふれ角で 抜け, なら半円を 描いて,入った 点から の点で 逆向きに 出る 速度選択器
,質量分析器 (速さがそろう とき),サイクロトロンで 半径 から取り出す 運動エネルギー ホール電圧:
.符号から電荷を 運ぶ粒子の 符号が,大きさから が分かる 十分長い
直線電流: .線分の電流: 円電流:中心で
,軸上で長い
ソレノイドの 内部: (一様).十分長いソレノイドの 端の 面の 中心では その 半分 半径
の太い 導線に 一様な 電流: ( ), ( )平行電流の
間の 力:長さ あたり .同じ向きなら 引き合い,逆向きなら 退け合う コイルの
トルクの 大きさ: .放射状の磁場の 電流計 .整流子付きのモーターの トルクの1回転の 平均 電子の
軌道の 磁気モーメント: ,ボーア磁子環状コイル(周の
長さ ): , .幅 のすき間が あると 弱い
磁性体の 小片(体積 )の力: , .常磁性体は磁場の 強い 方へ 引かれ,反磁性体は 弱い方へ押し出される ヒステリシスの
損失:1往復で 単位体積あたり (曲線の囲む面積),振動数 では仕事率 (発展)
.伝導電子と同じ 速度で 飛ぶ陽子の 系で 見た 導線の 線電荷密度 ,力 .速さ の電荷から 見た 導線は .平行な電子線では ,合力
各題材の 問いへの 答え
ローレンツ力と
磁場の 中の 運動:太陽からの 荷電粒子は,地球の 磁場の 中で 回る 半径が 地球の 大きさより ずっと 小さいので,磁力線を 横切れず,巻きついて 磁力線に 沿ってしか 進めない.赤道の 上空では 押し返され,極へ 向かうと 磁場が 強まって 多くの 粒子は 南北を 往復する.磁力線に ほぼ沿って 進む 粒子だけが,磁力線が 地面に 入る 極の 近くで 大気に 届くので,オーロラは 極を 囲む 地域に 現れる. 電流が
作る 磁場と アンペールの 法則:直線電流の 磁力線は 導線を 中心と する 同心円で,向きは 電流に 右ねじを 進める ときの 回る 向き,強さは である.方位磁針は円の 接線,つまり 導線に 垂直な 向きの 磁場を 受け,地磁気の 水平成分との 合成の 向きまで ふれる.電流を 逆に すると 逆に ふれる. 電流に
働く 力と モーター:コイルには トルク が働き,磁気モーメントを 磁場に そろえようと する.整流子で 半回転ごとに 電流を 反転させれば,トルクの 向きが いつも 同じに なり回り続ける.磁気力は 電荷に 仕事を せず,電流の 流れの エネルギーを 導体の 運動へ 移しかえる.流れが 弱まらないように 電源が 仕事を するので,モーターの 仕事は 電源から 来る. 磁性体と
磁化:アルミ(常磁性)は わずかに 引かれ,銅(反磁性)は わずかに 押し出されるが,磁化率は 程度で,力が重さに 比べて 小さすぎて 気付かない.鉄は 強磁性体で,磁区ごとに 原子の モーメントが そろっているので,磁石の 磁場の 中で 磁区の 向きが そろい, が の程度に 達する ほど 大きく 磁化して,磁場の 強い 方へ 引かれる.真っ赤に 焼くと キュリー温度を 超えて そろいが 壊れ,磁石の 性質を 失う. 磁気の
力の 正体(発展):陽子と 一緒に 飛ぶ人から 見ても,陽子は 導線から 遠ざかる.その 系では イオンの 間隔が ローレンツ収縮で 縮み,伝導電子の 間隔が 広がって,導線が 正に 帯電して 見えるからである.陽子を 押すのは 導線の 系では 磁気力,陽子の 系では 電気力で,大きさも 倍違うが,横向きの運動量の 変化と 陽子の 当たる 位置は 一致する.
この 章で 使った 数学
外積の